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2nd ステージ
014 純粋やな〜
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ここ数日、父親や母親が部屋の近くまで来ることが多々あった。気配での察知なので、姿を見たわけではない。
因みに、上級の万能薬を飲んだ父親は、あの後三日、寝ずに働き続けたらしい。祖母達が交代でずっと見張っていたとか、後日冒険者に土下座したとか聞いた。
そしてその後、あの場で万能薬を渡して来たのが娘のリンディエールだったと聞かされ、衝撃を受けた父親は、更に今回の危機を知らせ、ゴブリンキングをも倒したのがリンディエールだと知り、誰の目にも明らかに動揺し混乱していたという。
それからの行動がこれだ。ウロウロとウジウジとしている。何度かは、祖父母が見つけて別の場所へ連れていった。怒鳴り声が聞こえたので、お説教されていたようだ。
部屋まで来たら普通に居留守を使ってやろうと思っているが、部屋の前までやって来ては帰っていくことが続いている。
ここまで来たらノックぐらいしろよと叫びそうになるのを、何度堪えたことか。
父親はどういう心境の変化か、早く帰って来たりするので、夕食を一緒に取れる時間なのだが、使用人達や祖父母にはきちんとあちらから提案するまで無視して良いと言われている。
あっちだって一緒に取りたかないだろうと、リンディエールは提案されても断るよと答えたのだが、その時の祖父母達の表情は何ともいえないものだった。
さすがにそろそろ鬱陶しいので、祖父母やシュルツを説得して、出かけることにした。きちんと夜には帰ることを約束させられたが、それは問題ない。なんと言っても、伝家の宝刀、転移が使えるのだから。門限ギリギリでもすっとぼけられるというものだ。
そうして、出かけようとしたところで祖母に提案された。
「リンちゃん。冒険者ギルドに行ってちょうだい。あなたを冒険者に推薦しておいたから」
「ウチが冒険者? なっても良いんか?」
冒険者になることを、実はずっと考えていた。ただでさえ、魔獣や魔物の素材は死蔵されていくし、内緒で潜っている迷宮で見つけた物とかもある。冒険者にならないと、これらは適正価格で売れないのだ。適正でなければ売らない所がリンディエールらしい。
だが、冒険者の登録は仮登録でも十二歳。本登録が十五歳にならないとできない。年齢の壁だけは越えられないのだ。
とはいえ、特例はある。それは、高ランクの冒険者からの推薦だ。後見人となってもらい、何か問題が起きた時は全部その推薦者の責任となるが、これだと年齢は関係なくなる。当然、実力の証明は必要だ。それもあり、祖母はリンディエールに無理をさせた。出来ると確信していたというのもある。
「もちろんよ。寧ろ……また何かあったら頼りたいの……本当はあってはならないのよ? 子どもに頼るなんて本当に……けど、実力のある冒険者がこの辺りに居なくなっているというのが問題なのよ……」
父親のモヤシ化により、危険な辺境であるにも関わらず、高ランクの冒険者達が離れてしまった。これでは、国から任された国境の守護にも影響が出てくる。
その上に隣の伯爵だ。高ランクどころか、絶賛冒険者不足だった。
「大繁殖期は一年から二年続くと言われているわ……まだ始まったばかりよ。油断すれば、またキングが生まれる。私達も伝を当たって呼び込んでいるけど、どうなるかは分からないわ」
そう。祖父母達が忙しく走り回っているのは、人員集めだ。毎日のように間引いていれば、大繁殖期であっても乗り越えられる。
そのため、呼び込みのためにも、今回の告白大会も大きくしようと画策しているのだ。領主である自分たちの息子には期待していないと言っていた。そのうち、祖父母達に領は乗っ取られるだろうとリンディエールは予想している。若返ったのが大きいだろう。
「分かったわ。ほんなら、登録するよって。後見人、よろしゅうな」
「もちろんよ! 言っておくけど、私だけじゃなくて、ファルや他のメンバー全員が後見人だからね。誰が先に逝くか分からないし」
「いやいや、若返っとるし、本来の本登録の十五までは生きとってや! 余裕やって。ウチはどうなるかは分からんけど、ひ孫は抱かなあかんで? 玄孫も抱けたら完璧や!」
最近、食事が効いてきたのか、長男の調子は良さそうだ。跡取りの見極めの基準となる十四歳は迎えられるだろう。元々、それほど重症ではなかったようで、本来ならばきちんとした手段で治療を施さなくてはならないが、食事療法だけでなんとかなりそうだ。これならば、デリエスタ家は安泰。その次の次代も期待できるというものだ。
縁起でもないわと伝えれば、祖母は豪快に笑った。
「あははははっ、そうねっ。玄孫まで抱きたいわっ。それもリンちゃんの血筋のね。楽しみだわ~」
「あかんっ。自分で首絞めてもうたわ……藪蛇さん出てきてるやん……」
結婚する気は今のところ全くないので、失敗したなと、肩を落として冒険者ギルドに向かった。
登録は本当にスムーズに終わった。これで晴れて冒険者だ。
「ゲームとおんなじやな~。そんな気いしとったけど、アルファベットがなんで共通しとんねんやろ。ミステリーやで。そんで、いきなりCランクとかマズイやろ……フラグが立つで……」
本来ならば、文句なくAランクだが、いきなり上げられないということで、Cに落ち着いたらしい。とはいえ、これも有り得ないことだ。気を付けようと気を引き締め、リンディエールは一路王都へと飛んだ。
転移は基本、行ったことのある場所にしか行けない。それは、場所を認識するためには必要なことで、仕方がないらしい。ただし、千里眼という魔法で見て場所を確認すれば、行ったことがなくてもそこに飛べるというのはヒストリアに教わった。裏技らしい。
熟練度にもよるが、千里眼では数十キロ先まで見える者もいるとか。因みにリンディエールは今の所は五十キロ先くらいが限界だ。
なので、飛翔で飛び上がってから千里眼で場所を確認する。これによって、実質百五十キロほど先まで行けた。そうして、方向だけを頼りに、ほとんどショートカットで王都に到着した。
「いや~あ、チートやなあ」
そこでヒストリアから連絡が入った。
《どこにいるんだ? かなり気配が遠退いたんだが……》
『王都やねん。ちょい調べものをしたあてな。王都には大図書館っちゅう、でっかい図書館があるう聞いてん』
《……そうか。ならいいが。人が多いんだ。気を付けろよ?》
ヒストリアは本当に心配性だ。
『分かっとるって。それより、お土産は何がええ?』
《土産……食べ物……》
『っ、ヒーちゃん! 霞を食っとるんやないの!?』
《仙人と一緒にすんなっ!》
実際は、魔素という空気中にあるエネルギーを吸収しているというのは、後で聞く。その時出た感想がこれだ。
『は~、海ん中でプランクトン食べとるみたいやね~。あ、アレやジンベエザメみたいや』
この回答に、ヒストリアがもう何も言う気がなくなったのは仕方がないだろう。
『食べ物食べれるんやったら、ちゃんと言っといてえな。知っとったら手料理振る舞ったったのに』
《作れるのか?》
『これでも前世では母親思いのええ子やったんで? 二日に一ぺんは夕食作っとってん。暇な時は料理番組も観とったしなあ。チートな記憶玉があれば、動画で確認しながらフランス料理もできるで!』
何となく観ていた料理番組も、記憶玉を使って抽出すればあら不思議。材料の確認もお手の物だ。
《……なら、いつか……》
『明日にでも作って持ってくわ』
《ん……っ》
たまにヒストリアは本当に可愛い。内心悶えながらも続けた。
『で? お土産は何がええんや?』
《……お前が……好きな物……》
『っ、わ、分かったわ。あ、甘いもんでも大丈夫か?』
《ああ……待ってる……》
通信が切れてからリンディエールは頬を両手で挟んで呟いた。
「お前が好きな物って……待ってる……ってなんや! ちょいちょい翻弄してくれるやんかっ。純粋やな~。暴虐竜ゆうたアホらの血筋は、見つけ次第末代まで呪ったるで!!」
グッと拳を握って決意した。そう、王都の図書館での目的の一つは、暴虐竜の話を確認するため。それと、蔵書の中身の正確性を見たいと思ったのだ。ヒストリアの持っていた本は、間違いなく当時に書かれたもの。それを読んだリンディエールは、現代に正確に伝わっているかどうかが分かる。
これにより国、ひいては世界の程度が分かるというものだ。
「さてと……ここがそうやね」
それはとても立派な建物だった。
************
読んでくださりありがとうございます◎
また明日!
よろしくお願いします◎
因みに、上級の万能薬を飲んだ父親は、あの後三日、寝ずに働き続けたらしい。祖母達が交代でずっと見張っていたとか、後日冒険者に土下座したとか聞いた。
そしてその後、あの場で万能薬を渡して来たのが娘のリンディエールだったと聞かされ、衝撃を受けた父親は、更に今回の危機を知らせ、ゴブリンキングをも倒したのがリンディエールだと知り、誰の目にも明らかに動揺し混乱していたという。
それからの行動がこれだ。ウロウロとウジウジとしている。何度かは、祖父母が見つけて別の場所へ連れていった。怒鳴り声が聞こえたので、お説教されていたようだ。
部屋まで来たら普通に居留守を使ってやろうと思っているが、部屋の前までやって来ては帰っていくことが続いている。
ここまで来たらノックぐらいしろよと叫びそうになるのを、何度堪えたことか。
父親はどういう心境の変化か、早く帰って来たりするので、夕食を一緒に取れる時間なのだが、使用人達や祖父母にはきちんとあちらから提案するまで無視して良いと言われている。
あっちだって一緒に取りたかないだろうと、リンディエールは提案されても断るよと答えたのだが、その時の祖父母達の表情は何ともいえないものだった。
さすがにそろそろ鬱陶しいので、祖父母やシュルツを説得して、出かけることにした。きちんと夜には帰ることを約束させられたが、それは問題ない。なんと言っても、伝家の宝刀、転移が使えるのだから。門限ギリギリでもすっとぼけられるというものだ。
そうして、出かけようとしたところで祖母に提案された。
「リンちゃん。冒険者ギルドに行ってちょうだい。あなたを冒険者に推薦しておいたから」
「ウチが冒険者? なっても良いんか?」
冒険者になることを、実はずっと考えていた。ただでさえ、魔獣や魔物の素材は死蔵されていくし、内緒で潜っている迷宮で見つけた物とかもある。冒険者にならないと、これらは適正価格で売れないのだ。適正でなければ売らない所がリンディエールらしい。
だが、冒険者の登録は仮登録でも十二歳。本登録が十五歳にならないとできない。年齢の壁だけは越えられないのだ。
とはいえ、特例はある。それは、高ランクの冒険者からの推薦だ。後見人となってもらい、何か問題が起きた時は全部その推薦者の責任となるが、これだと年齢は関係なくなる。当然、実力の証明は必要だ。それもあり、祖母はリンディエールに無理をさせた。出来ると確信していたというのもある。
「もちろんよ。寧ろ……また何かあったら頼りたいの……本当はあってはならないのよ? 子どもに頼るなんて本当に……けど、実力のある冒険者がこの辺りに居なくなっているというのが問題なのよ……」
父親のモヤシ化により、危険な辺境であるにも関わらず、高ランクの冒険者達が離れてしまった。これでは、国から任された国境の守護にも影響が出てくる。
その上に隣の伯爵だ。高ランクどころか、絶賛冒険者不足だった。
「大繁殖期は一年から二年続くと言われているわ……まだ始まったばかりよ。油断すれば、またキングが生まれる。私達も伝を当たって呼び込んでいるけど、どうなるかは分からないわ」
そう。祖父母達が忙しく走り回っているのは、人員集めだ。毎日のように間引いていれば、大繁殖期であっても乗り越えられる。
そのため、呼び込みのためにも、今回の告白大会も大きくしようと画策しているのだ。領主である自分たちの息子には期待していないと言っていた。そのうち、祖父母達に領は乗っ取られるだろうとリンディエールは予想している。若返ったのが大きいだろう。
「分かったわ。ほんなら、登録するよって。後見人、よろしゅうな」
「もちろんよ! 言っておくけど、私だけじゃなくて、ファルや他のメンバー全員が後見人だからね。誰が先に逝くか分からないし」
「いやいや、若返っとるし、本来の本登録の十五までは生きとってや! 余裕やって。ウチはどうなるかは分からんけど、ひ孫は抱かなあかんで? 玄孫も抱けたら完璧や!」
最近、食事が効いてきたのか、長男の調子は良さそうだ。跡取りの見極めの基準となる十四歳は迎えられるだろう。元々、それほど重症ではなかったようで、本来ならばきちんとした手段で治療を施さなくてはならないが、食事療法だけでなんとかなりそうだ。これならば、デリエスタ家は安泰。その次の次代も期待できるというものだ。
縁起でもないわと伝えれば、祖母は豪快に笑った。
「あははははっ、そうねっ。玄孫まで抱きたいわっ。それもリンちゃんの血筋のね。楽しみだわ~」
「あかんっ。自分で首絞めてもうたわ……藪蛇さん出てきてるやん……」
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登録は本当にスムーズに終わった。これで晴れて冒険者だ。
「ゲームとおんなじやな~。そんな気いしとったけど、アルファベットがなんで共通しとんねんやろ。ミステリーやで。そんで、いきなりCランクとかマズイやろ……フラグが立つで……」
本来ならば、文句なくAランクだが、いきなり上げられないということで、Cに落ち着いたらしい。とはいえ、これも有り得ないことだ。気を付けようと気を引き締め、リンディエールは一路王都へと飛んだ。
転移は基本、行ったことのある場所にしか行けない。それは、場所を認識するためには必要なことで、仕方がないらしい。ただし、千里眼という魔法で見て場所を確認すれば、行ったことがなくてもそこに飛べるというのはヒストリアに教わった。裏技らしい。
熟練度にもよるが、千里眼では数十キロ先まで見える者もいるとか。因みにリンディエールは今の所は五十キロ先くらいが限界だ。
なので、飛翔で飛び上がってから千里眼で場所を確認する。これによって、実質百五十キロほど先まで行けた。そうして、方向だけを頼りに、ほとんどショートカットで王都に到着した。
「いや~あ、チートやなあ」
そこでヒストリアから連絡が入った。
《どこにいるんだ? かなり気配が遠退いたんだが……》
『王都やねん。ちょい調べものをしたあてな。王都には大図書館っちゅう、でっかい図書館があるう聞いてん』
《……そうか。ならいいが。人が多いんだ。気を付けろよ?》
ヒストリアは本当に心配性だ。
『分かっとるって。それより、お土産は何がええ?』
《土産……食べ物……》
『っ、ヒーちゃん! 霞を食っとるんやないの!?』
《仙人と一緒にすんなっ!》
実際は、魔素という空気中にあるエネルギーを吸収しているというのは、後で聞く。その時出た感想がこれだ。
『は~、海ん中でプランクトン食べとるみたいやね~。あ、アレやジンベエザメみたいや』
この回答に、ヒストリアがもう何も言う気がなくなったのは仕方がないだろう。
『食べ物食べれるんやったら、ちゃんと言っといてえな。知っとったら手料理振る舞ったったのに』
《作れるのか?》
『これでも前世では母親思いのええ子やったんで? 二日に一ぺんは夕食作っとってん。暇な時は料理番組も観とったしなあ。チートな記憶玉があれば、動画で確認しながらフランス料理もできるで!』
何となく観ていた料理番組も、記憶玉を使って抽出すればあら不思議。材料の確認もお手の物だ。
《……なら、いつか……》
『明日にでも作って持ってくわ』
《ん……っ》
たまにヒストリアは本当に可愛い。内心悶えながらも続けた。
『で? お土産は何がええんや?』
《……お前が……好きな物……》
『っ、わ、分かったわ。あ、甘いもんでも大丈夫か?』
《ああ……待ってる……》
通信が切れてからリンディエールは頬を両手で挟んで呟いた。
「お前が好きな物って……待ってる……ってなんや! ちょいちょい翻弄してくれるやんかっ。純粋やな~。暴虐竜ゆうたアホらの血筋は、見つけ次第末代まで呪ったるで!!」
グッと拳を握って決意した。そう、王都の図書館での目的の一つは、暴虐竜の話を確認するため。それと、蔵書の中身の正確性を見たいと思ったのだ。ヒストリアの持っていた本は、間違いなく当時に書かれたもの。それを読んだリンディエールは、現代に正確に伝わっているかどうかが分かる。
これにより国、ひいては世界の程度が分かるというものだ。
「さてと……ここがそうやね」
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