50 / 54
050 何年生きるか楽しみだよ*
しおりを挟む
艶やかな黒い色彩から、光を放つ銀に変わったアークィード。
それが後ろ姿しか見えなくても、美しいと誰もが見惚れていた。神子としての、人心を惹きつけてしまう力だ。
リンティスも床に座り込みながら、そんなアークィードの後ろ姿を見上げていた。
「綺麗……」
その頬には涙が流れている。
心底綺麗だと思う。そして、同時にリンティスの中には、焦りのような感情が溢れてきていた。
「なに……? なんで……」
不意にアークィードが視線を向ける。射抜かれたようにドクリと心臓が不自然に跳ねた。
感じたことのない感情は大きく膨れ上がる。リンティスは気付かない。同じ思いを、伯爵夫妻も感じていた。それは、自身が近付いてはならない神聖なものだと警告からくる焦りと畏怖の感情だった。
その答えに辿り着く前に、リンティス達には変化が訪れていた。
「っ、うっ……なんっ……なに!? い、痛いっ……ッ」
「ううっ」
「ぐうっ」
アークィードの姿に見惚れていたリンティスとベリスベリー伯爵夫妻が、突然胸の辺りを押さえて苦しみだす。
「なっ、にっ、これ……っ」
次第にリンティスは、自身の体から黒いモヤのようなものが出ているのが見え始めていた。腐ったような臭いも少ししている。
「何これ!」
「うわ!」
「い、いや!」
それは、伯爵夫妻も同じ。見たこともない現象に、押さえていた兵たちもさすがに手を離した。
黒いモヤは床に溜まっていく。座り込んでいる三人の下にそれが渦巻くと、そのモヤによって紫色の魔法陣が描かれた。
「な、なんだというのだ!?」
痛みや臭いを忘れるほど、彼らはそれに驚く。次の瞬間、その魔法陣から何かが飛び出してきた。
それは魔法陣と同じ色の光る鎖だ。シャラシャラと金属より少し高い音を立てて幾本もの鎖が高く長く飛び出し、生き物のように動くと、それが三人の手足、腕、腰や首などに巻き付いた。
「きゃぁぁぁっ」
「う、うわぁぁっ」
「ひっ」
拘束し終わると、魔法陣は消える。だが、妖しく淡く光る鎖はそのままだ。床から生えているように見える。
「な、なんなの……っ」
胸の痛みは消えていた。鎖に拘束されたことでの、キツイとか痛いとかはないようだ。引っ張れば長さは変わるが、たるむことなく繋がっていた。
彼らの姿を確認するため、改めて振り向いたアークィードが呆然とそれを口にする。
「『地縛魂鎖』……っ」
「私と兄弟子殿の神子としての力のせいだな。普段は私も気をつけているが……まあ、こいつらは仕方ない。兄弟子殿もこれならば安心だろう?」
「……っ」
アークィードは目を丸くして、再びシルフィスカを見下ろした。だが、当のシルフィスカは鎖で地に繋がれたリンティス達を見ている。
「あの地縛魂鎖は可視化したままになりそうだな。かなり強力だ。それだけ魂が穢れている証拠だろう」
静かに見つめ、冷静に口にする。シルフィスカにとって、リンティス達は血の繋がりがあったとしても、ただの他人としか思えない存在になっていた。
ここで、スラハ司教が口を挟む。
「あれが『地縛魂鎖』……記録では神子のみに許された刑術とありましたが……」
教会にはそれが伝わっている。神官や神子が近くに居る間は、誰にでもあの鎖が見えるようになる。普段は繋がれた者にしか見ることのできない特殊な鎖とあるらしい。
これに、シルフィスカは補足する。
「刑術か……術というほどのものではないよ。本来、神子は穢れた魂さえ浄化し、正しく魂を巡らせることができる」
神子とは、この世界の浄化をする歯車の一つだ。
「だが、神子も人だ。感情がある。神の下へやるには気に入らないと思う者もいる。そうして、神子に嫌われた存在へ、世界が排除行動を取ったものがコレだ。だから『神子の術』ではなく、これは『世界の術』だ。最終的に世界が害悪と認めなければ発動しない」
神子がかけようとしてかけられる術ではないのだ。
「で、ですが、神子の意思も確かに必要なのでしょう? 先ほど、気をつけていると仰っていましたし……」
「ああ……最終的に世界が判断するとはいえ、いわば一度目の審判は我々に委ねられる。だから、嫌悪は抱いてもそれを明確にしないように気を付ける必要があるんだ。他事で気を紛らわすとか、殴って終わりにするとかな」
「……な、なるほど……」
シルフィスカはずっと気を付けていた。どれだけ虐げられようとも、怒っても仕方がないと。時には愚痴を言って、迷宮で発散する。そうして誤魔化してきたのだ。だが、さすがにこの場では穢れのせいで近付きたくないという思いもあった。
不快だなと思った所に、拒絶の意思を持ったままのアークィードが神子の力を取り戻した。これにより、あっさり審判が下ってしまったのだ。
「元々、世界が目を付けていたんだろう。あれだけ腐った臭いを纏っていればな……これは仕方がない」
「……もう神子様でも浄化が出来ないのですね」
「手を出すことが許されないからな。審判は下った。魂が消滅すまで地に縛り付けられる。救いはない」
「っ……」
改めて救いがないと聞いて、この場にいる貴族達も、息を呑んだ。
「後の審判は任せる。とはいっても、処刑は出来ない。死因は老衰……というか、魂の消滅だけだ。残念ながら、こちらから手を出すことはできなくなった」
これには、王が反応した。
「手を出せないとは……では、牢に繋ぐしかないのでは?」
「別に労働させてもいい。食事を与えなくても死なないし、毒を飲ませても苦しむだけで死ぬことはない。心も死ぬことができない。狂えないのはキツイだろうな。それで、死ぬ時……魂が消滅する時に浄化の炎が現れる。肉体も残らない。それくらいか?」
リンティス達はカタカタと震えていた。それは処刑よりも恐ろしい未来だ。
「なんにせよ、完全に世界から切り離されてしまったということだ。だから、この世界に生きる我々は、関わることができない。関わる必要がない」
「世界から切り離された……なるほど……」
スラハ司教は少々青ざめながらもこの事実を受け入れたようだ。
「私から言えるのは以上だ。後は好きにしてもらえばいい」
「しょ、承知した。衛兵! 地下牢へ連れていけ」
「「「はっ!」」」
一旦離れた兵達が再び拘束し、リンティスと伯爵夫妻を立ち上がらせる。引きずるようにして移動し始めた。しかし当然だが、彼らは諦めが悪い。
「っ、ま、待って! 許して! 私っ、あなたが聖女だって知らなかったのよ!」
「そ、そうだ! わ、私はお前の父親だぞ!」
「助けてちょうだい! 謝るわっ。だからっ」
喚く三人に、シルフィスカは目も向けない。だが、言い忘れていたことを思い出した。
「そうだ。大事なことを忘れていた。残された時間は早くて一年から五年と言われている。だが、心からの反省もなく神子を……世界を怨み続けた者は五十年生きたと聞く。要は反省できなければ終われないということだ」
「っ……は、はんせい……っ」
リンティスは震える声で呟いた。これにふっと笑みを溢す。
「お前たちは『反省』なんて生まれてこの方やったことがないだろうからな。何年生きるか楽しみだよ」
「っ、い、いや……っ、いやよ!! 助けてぇぇぇっ」
三人は引きずられるようにして謁見の間を出て行った。
「他人に頼ってるようじゃ、当分楽にはなれんだろうな……」
そのシルフィスカの呟きがよく響いた。
誰もが分かっていた。彼らは他人を頼って生きることしか知らない。反省さえも他人に押し付けて生きてきた。そんな彼らが『反省』を知るのは容易なことではないだろう。
そして、自分たちも同じではないかと考える者も少なからず居るようだ。
誰もが自問する中、アークィードだけがシルフィスカを静かに見つめていた。
「……良かったのか……?」
その声は申し訳なさそうで、悔しそうにも聞こえた。
*********
読んでくださりありがとうございます◎
そろそろ区切りが付きそうです!
次回、一週休ませていただきます。
17日頃の予定です。
よろしくお願いします◎
それが後ろ姿しか見えなくても、美しいと誰もが見惚れていた。神子としての、人心を惹きつけてしまう力だ。
リンティスも床に座り込みながら、そんなアークィードの後ろ姿を見上げていた。
「綺麗……」
その頬には涙が流れている。
心底綺麗だと思う。そして、同時にリンティスの中には、焦りのような感情が溢れてきていた。
「なに……? なんで……」
不意にアークィードが視線を向ける。射抜かれたようにドクリと心臓が不自然に跳ねた。
感じたことのない感情は大きく膨れ上がる。リンティスは気付かない。同じ思いを、伯爵夫妻も感じていた。それは、自身が近付いてはならない神聖なものだと警告からくる焦りと畏怖の感情だった。
その答えに辿り着く前に、リンティス達には変化が訪れていた。
「っ、うっ……なんっ……なに!? い、痛いっ……ッ」
「ううっ」
「ぐうっ」
アークィードの姿に見惚れていたリンティスとベリスベリー伯爵夫妻が、突然胸の辺りを押さえて苦しみだす。
「なっ、にっ、これ……っ」
次第にリンティスは、自身の体から黒いモヤのようなものが出ているのが見え始めていた。腐ったような臭いも少ししている。
「何これ!」
「うわ!」
「い、いや!」
それは、伯爵夫妻も同じ。見たこともない現象に、押さえていた兵たちもさすがに手を離した。
黒いモヤは床に溜まっていく。座り込んでいる三人の下にそれが渦巻くと、そのモヤによって紫色の魔法陣が描かれた。
「な、なんだというのだ!?」
痛みや臭いを忘れるほど、彼らはそれに驚く。次の瞬間、その魔法陣から何かが飛び出してきた。
それは魔法陣と同じ色の光る鎖だ。シャラシャラと金属より少し高い音を立てて幾本もの鎖が高く長く飛び出し、生き物のように動くと、それが三人の手足、腕、腰や首などに巻き付いた。
「きゃぁぁぁっ」
「う、うわぁぁっ」
「ひっ」
拘束し終わると、魔法陣は消える。だが、妖しく淡く光る鎖はそのままだ。床から生えているように見える。
「な、なんなの……っ」
胸の痛みは消えていた。鎖に拘束されたことでの、キツイとか痛いとかはないようだ。引っ張れば長さは変わるが、たるむことなく繋がっていた。
彼らの姿を確認するため、改めて振り向いたアークィードが呆然とそれを口にする。
「『地縛魂鎖』……っ」
「私と兄弟子殿の神子としての力のせいだな。普段は私も気をつけているが……まあ、こいつらは仕方ない。兄弟子殿もこれならば安心だろう?」
「……っ」
アークィードは目を丸くして、再びシルフィスカを見下ろした。だが、当のシルフィスカは鎖で地に繋がれたリンティス達を見ている。
「あの地縛魂鎖は可視化したままになりそうだな。かなり強力だ。それだけ魂が穢れている証拠だろう」
静かに見つめ、冷静に口にする。シルフィスカにとって、リンティス達は血の繋がりがあったとしても、ただの他人としか思えない存在になっていた。
ここで、スラハ司教が口を挟む。
「あれが『地縛魂鎖』……記録では神子のみに許された刑術とありましたが……」
教会にはそれが伝わっている。神官や神子が近くに居る間は、誰にでもあの鎖が見えるようになる。普段は繋がれた者にしか見ることのできない特殊な鎖とあるらしい。
これに、シルフィスカは補足する。
「刑術か……術というほどのものではないよ。本来、神子は穢れた魂さえ浄化し、正しく魂を巡らせることができる」
神子とは、この世界の浄化をする歯車の一つだ。
「だが、神子も人だ。感情がある。神の下へやるには気に入らないと思う者もいる。そうして、神子に嫌われた存在へ、世界が排除行動を取ったものがコレだ。だから『神子の術』ではなく、これは『世界の術』だ。最終的に世界が害悪と認めなければ発動しない」
神子がかけようとしてかけられる術ではないのだ。
「で、ですが、神子の意思も確かに必要なのでしょう? 先ほど、気をつけていると仰っていましたし……」
「ああ……最終的に世界が判断するとはいえ、いわば一度目の審判は我々に委ねられる。だから、嫌悪は抱いてもそれを明確にしないように気を付ける必要があるんだ。他事で気を紛らわすとか、殴って終わりにするとかな」
「……な、なるほど……」
シルフィスカはずっと気を付けていた。どれだけ虐げられようとも、怒っても仕方がないと。時には愚痴を言って、迷宮で発散する。そうして誤魔化してきたのだ。だが、さすがにこの場では穢れのせいで近付きたくないという思いもあった。
不快だなと思った所に、拒絶の意思を持ったままのアークィードが神子の力を取り戻した。これにより、あっさり審判が下ってしまったのだ。
「元々、世界が目を付けていたんだろう。あれだけ腐った臭いを纏っていればな……これは仕方がない」
「……もう神子様でも浄化が出来ないのですね」
「手を出すことが許されないからな。審判は下った。魂が消滅すまで地に縛り付けられる。救いはない」
「っ……」
改めて救いがないと聞いて、この場にいる貴族達も、息を呑んだ。
「後の審判は任せる。とはいっても、処刑は出来ない。死因は老衰……というか、魂の消滅だけだ。残念ながら、こちらから手を出すことはできなくなった」
これには、王が反応した。
「手を出せないとは……では、牢に繋ぐしかないのでは?」
「別に労働させてもいい。食事を与えなくても死なないし、毒を飲ませても苦しむだけで死ぬことはない。心も死ぬことができない。狂えないのはキツイだろうな。それで、死ぬ時……魂が消滅する時に浄化の炎が現れる。肉体も残らない。それくらいか?」
リンティス達はカタカタと震えていた。それは処刑よりも恐ろしい未来だ。
「なんにせよ、完全に世界から切り離されてしまったということだ。だから、この世界に生きる我々は、関わることができない。関わる必要がない」
「世界から切り離された……なるほど……」
スラハ司教は少々青ざめながらもこの事実を受け入れたようだ。
「私から言えるのは以上だ。後は好きにしてもらえばいい」
「しょ、承知した。衛兵! 地下牢へ連れていけ」
「「「はっ!」」」
一旦離れた兵達が再び拘束し、リンティスと伯爵夫妻を立ち上がらせる。引きずるようにして移動し始めた。しかし当然だが、彼らは諦めが悪い。
「っ、ま、待って! 許して! 私っ、あなたが聖女だって知らなかったのよ!」
「そ、そうだ! わ、私はお前の父親だぞ!」
「助けてちょうだい! 謝るわっ。だからっ」
喚く三人に、シルフィスカは目も向けない。だが、言い忘れていたことを思い出した。
「そうだ。大事なことを忘れていた。残された時間は早くて一年から五年と言われている。だが、心からの反省もなく神子を……世界を怨み続けた者は五十年生きたと聞く。要は反省できなければ終われないということだ」
「っ……は、はんせい……っ」
リンティスは震える声で呟いた。これにふっと笑みを溢す。
「お前たちは『反省』なんて生まれてこの方やったことがないだろうからな。何年生きるか楽しみだよ」
「っ、い、いや……っ、いやよ!! 助けてぇぇぇっ」
三人は引きずられるようにして謁見の間を出て行った。
「他人に頼ってるようじゃ、当分楽にはなれんだろうな……」
そのシルフィスカの呟きがよく響いた。
誰もが分かっていた。彼らは他人を頼って生きることしか知らない。反省さえも他人に押し付けて生きてきた。そんな彼らが『反省』を知るのは容易なことではないだろう。
そして、自分たちも同じではないかと考える者も少なからず居るようだ。
誰もが自問する中、アークィードだけがシルフィスカを静かに見つめていた。
「……良かったのか……?」
その声は申し訳なさそうで、悔しそうにも聞こえた。
*********
読んでくださりありがとうございます◎
そろそろ区切りが付きそうです!
次回、一週休ませていただきます。
17日頃の予定です。
よろしくお願いします◎
140
お気に入りに追加
2,822
あなたにおすすめの小説
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。


【完結】嫌われ公女が継母になった結果
三矢さくら
恋愛
王国で権勢を誇る大公家の次女アデールは、母である女大公から嫌われて育った。いつか温かい家族を持つことを夢見るアデールに母が命じたのは、悪名高い辺地の子爵家への政略結婚。
わずかな希望を胸に、華やかな王都を後に北の辺境へと向かうアデールを待っていたのは、戦乱と過去の愛憎に囚われ、すれ違いを重ねる冷徹な夫と心を閉ざした継子だった。

不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです
珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。
その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。
それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる