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第一章 冒険者の始まりと最初の出会い
002 森の中で出会った……人?
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2018. 1. 5
**********
とある森の中。武装した多くの人族の男達が、一人の人物を追っていた。
「待てやっ」
「金ヅルをミスミス逃すわけねぇだろっ」
「おい、そっちから回り込めっ」
彼らはこの辺りを縄張りにしている盗賊で、今追っている人物は彼らの獲物だった。
「ぜってぇ、高く売れるぜっ」
「おうっ、あんな上玉そうそういねぇ」
前を走っているのは、エルフ族だった。特徴的な長くピンと尖った耳と金糸の髪はフードによって隠されているが、スラリと伸びた長身の女に見まごうほど美しい男性だった。
「エルフなんて、戦士以外じゃ中々お目にかかれねぇのになぁ」
「運が良いぜっ。あんな、なよっちぃのなんて里から出て来ねぇからなっ」
エルフは弓など、狩猟技術に特化した力を持つ者が多く、そういう者はエルフの里から出て強さを求め、旅をしていたりする。しかし、それ以外、何の取り柄もなさそうなエルフが里の外を旅するのは珍しかった。
今、森を疾駆する彼は、弓や剣を提げてはいない。持っているのは、精々ナイフぐらいだった。だから油断していた。
「それにしても、速いな……」
「さすがはエルフってことか?」
「おっ、行き止まりだぜっ」
大きな岩が彼の目の前に立ちふさがっていた。
これは好機と盗賊達は体制を整える。
しかし、立ち止まったエルフは、ゆっくりと振り返ると到底それが入っていたとは思えない鞄から、ズルズルと長い杖を取り出した。
そして、艶やかに笑みの形に口を曲げると、杖を突き出し魔術を放った。
「【光刃】」
乱雑に光の筋が幾本も飛んでいく。それは盗賊達の体を切り刻んでいった。
「ぐあぁぁぁっ」
「なんだよこれっ、なんだよコレぇぇぇっ!?」
カマイタチのようにも見えるその攻撃は、なぜか傷に熱を与える。焼き切るように深く傷となる。お陰で血が吹き出ることはない。
「熱っ、熱いっ」
「焼けるぅぅっ」
そこかしこで転がる盗賊達を見て、男は思案するように顎を撫でながら嘆息する。
「これはこれで使えますが、なんとも惨めですね……煩いですし。やはりサクッと頭を切り離した方が静かで良いでしょうか? それだと血が飛び散って嫌ですけどねぇ」
この結果を冷静に考察する様子は、ハタから見たら相当にヤバイ人だと思うだろう。
呻き、転げ回る盗賊達を、ただ観察しているのだ。それも、心底どうでもよさそうに。
そこで、場違いな若い女性の笑い声が響いた。
「あははははっ、追われてると思ったら、あっさり撃退してその考察とかっ……くくっ、キレイな顔してエゲツないなぁ」
「……誰です……?」
見上げた大岩の上。そこに鮮やかな赤い髪を持つ女性がいた。それを確認して男は不機嫌な声音で言う。
「趣味が悪いですね。見ていたのなら、助けるのがセオリーでは?」
「そんな考え、サラサラないだろうに、よく言うよ」
笑いながら女性は大岩から苦もなく飛び降りてきた。それにはさすがの男も驚く。
「よくあんな高さから……」
「ん? 大した高さじゃないぞ? あれくらい高くないと安全が確保できないからな」
「……どんな安全です?」
寧ろ落ちることが危惧され、危険だと思う高さだ。
「トヤならジャンプしたら届く」
「トヤ?」
大岩を見上げて、女性はそんな意味の分からないことを口にする。
「それにしても、その鞄はすごいな」
「……ここで鞄を気にするとは……おかしな人ですね」
この場合、盗賊達をやった魔術について言及するべきではないのかと、男は調子を崩される。
「いや、だって。その杖が出てきたんだぞっ。その長いのがどうやって入っていたか気になるじゃないかっ」
女性は興奮しながら、男が肩から提げている鞄を見つめた。
「……アイテムボックスを知らないのですか? 見た目より多くの物が入る魔導具です」
「惑う具?」
「いえ……魔導具です……」
「ほぉほぉっ、それでっ、どんな仕掛けだっ?」
ジリジリと寄ってくる女性に、少々の危機感を感じ、男は少しずつ後ずさる。
「おっと、いかんいかん。金だ金。金を逃すところだった」
「金?」
今度はなんだと首を傾げる前で、女性は唐突に意識を切り替えると盗賊達へ目を向けた。
「さぁ、お前ら、有り金全部置いていきな」
「ひぃっ、あ、あげますっ、あげますからぁぁぁっ」
「助けっ、助けてぇぇぇっ」
「全部出しますぅぅぅっ」
盗賊達は、顔を鼻水だか涙だか涎だか分からないものでビショビショにしながら、持っていた金目のものを地面にバラバラと落とす。すると、それを合図にでもしたかのように、逃げ出していった。
「ごめんなさぁぁぁいっ」
「……」
実に素早い撤退だった。
「結構あるな。あれだけの盗賊でこれだけ手に入るなら、持って来なくて良かったかもなぁ」
「……」
女性は、盗賊達が置いていった金を拾っていく。そして、思い出したように男に向かって言った。
「なぁ、その鞄、これとかも入るよな? 入れてくれないか?」
「……はい?」
一体今度は何を言い出すのかと、顔がひきつる。しかし、女性はこともなげに言った。
「だってなぁ、金って重いんだよ。嵩張るしなぁ。それでも、町とかに入るには金がいるんだろ? 困るよなぁ……こんなん食べれもしないし、持ってる意味がいまいち見出せない」
「……あなた……人ですよね?」
「ん? おう。獣ではないな」
「……ですよね……」
どんな場所で今まで生きてきたのかと不思議に思う。
「あっ、名乗らないからそう思ったのか? 私はマティアスだっ。よろしくなっ」
「あ、ええ……私はシェリス・フィスマ。ハイエルフの冒険者です」
本当に調子が狂う相手だなと思いながらも、名乗っていた。先ほどまで警戒しようとしていたのに不思議だ。
「へぇ、ハイエルフ? エルフ族ってのは聞いたことがあるが……」
「エルフ族に分類されます。普通より、少し魔力が高く、寿命が長いというのが特徴です」
「なるほど。美人なのも特徴か?」
「……そこは知りません……」
エルフ族は見目が良い者が多い。けれど、シェリスは自身の見た目が女っぽい事に少々コンプレックスを感じていた。お陰で色々と目を付けられる。
「そうか。まぁ良い。それより、せっかくだし、これをその鞄に入れてくれ。入るんだよな?」
「入りますけど……」
「よしっ、なら入れてくれっ、それと、町に入るのに一緒に行ってくれっ。人里に降りる前に誰かに常識を教えてもらえと言われててな」
「はぁ……構いませんけど……」
「よっしゃっ」
「……」
本当に妙な女性だとシェリスはしきりに首を傾げていた。
**********
舞台裏のお話。
盗賊A 「なんか、赤い髪だったな……」
盗賊B 「赤なんて、魔族でもないぞ……」
盗賊C 「人じゃないんじゃ……だってよ、あんな高い岩から飛び降りて笑ってたんだぞ?」
盗賊A 「そっか、人じゃないのか」
盗賊B 「ならしょうがねぇよなっ」
盗賊C 「……なら、なんなんだろ……」
盗賊達「「「……あのエルフの騎獣……?」」」
盗賊A 「まさかなっ」
盗賊B 「赤い毛の魔獣とか……」
盗賊達「「「ディストレアしかいねぇ!?」」」
盗賊A 「伝令! 伝令~っ! 美人なエルフの男に気を付けろ!」
盗賊B 「おうっ、この辺りの奴らに回せぇぇぇっ」
盗賊C 「ヤバい、ヤバい……生きてて良かった……」
読んでくださりありがとうございます◎
危険人物認定されました。
次回、来週金曜12日0時です。
よろしくお願いします◎
**********
とある森の中。武装した多くの人族の男達が、一人の人物を追っていた。
「待てやっ」
「金ヅルをミスミス逃すわけねぇだろっ」
「おい、そっちから回り込めっ」
彼らはこの辺りを縄張りにしている盗賊で、今追っている人物は彼らの獲物だった。
「ぜってぇ、高く売れるぜっ」
「おうっ、あんな上玉そうそういねぇ」
前を走っているのは、エルフ族だった。特徴的な長くピンと尖った耳と金糸の髪はフードによって隠されているが、スラリと伸びた長身の女に見まごうほど美しい男性だった。
「エルフなんて、戦士以外じゃ中々お目にかかれねぇのになぁ」
「運が良いぜっ。あんな、なよっちぃのなんて里から出て来ねぇからなっ」
エルフは弓など、狩猟技術に特化した力を持つ者が多く、そういう者はエルフの里から出て強さを求め、旅をしていたりする。しかし、それ以外、何の取り柄もなさそうなエルフが里の外を旅するのは珍しかった。
今、森を疾駆する彼は、弓や剣を提げてはいない。持っているのは、精々ナイフぐらいだった。だから油断していた。
「それにしても、速いな……」
「さすがはエルフってことか?」
「おっ、行き止まりだぜっ」
大きな岩が彼の目の前に立ちふさがっていた。
これは好機と盗賊達は体制を整える。
しかし、立ち止まったエルフは、ゆっくりと振り返ると到底それが入っていたとは思えない鞄から、ズルズルと長い杖を取り出した。
そして、艶やかに笑みの形に口を曲げると、杖を突き出し魔術を放った。
「【光刃】」
乱雑に光の筋が幾本も飛んでいく。それは盗賊達の体を切り刻んでいった。
「ぐあぁぁぁっ」
「なんだよこれっ、なんだよコレぇぇぇっ!?」
カマイタチのようにも見えるその攻撃は、なぜか傷に熱を与える。焼き切るように深く傷となる。お陰で血が吹き出ることはない。
「熱っ、熱いっ」
「焼けるぅぅっ」
そこかしこで転がる盗賊達を見て、男は思案するように顎を撫でながら嘆息する。
「これはこれで使えますが、なんとも惨めですね……煩いですし。やはりサクッと頭を切り離した方が静かで良いでしょうか? それだと血が飛び散って嫌ですけどねぇ」
この結果を冷静に考察する様子は、ハタから見たら相当にヤバイ人だと思うだろう。
呻き、転げ回る盗賊達を、ただ観察しているのだ。それも、心底どうでもよさそうに。
そこで、場違いな若い女性の笑い声が響いた。
「あははははっ、追われてると思ったら、あっさり撃退してその考察とかっ……くくっ、キレイな顔してエゲツないなぁ」
「……誰です……?」
見上げた大岩の上。そこに鮮やかな赤い髪を持つ女性がいた。それを確認して男は不機嫌な声音で言う。
「趣味が悪いですね。見ていたのなら、助けるのがセオリーでは?」
「そんな考え、サラサラないだろうに、よく言うよ」
笑いながら女性は大岩から苦もなく飛び降りてきた。それにはさすがの男も驚く。
「よくあんな高さから……」
「ん? 大した高さじゃないぞ? あれくらい高くないと安全が確保できないからな」
「……どんな安全です?」
寧ろ落ちることが危惧され、危険だと思う高さだ。
「トヤならジャンプしたら届く」
「トヤ?」
大岩を見上げて、女性はそんな意味の分からないことを口にする。
「それにしても、その鞄はすごいな」
「……ここで鞄を気にするとは……おかしな人ですね」
この場合、盗賊達をやった魔術について言及するべきではないのかと、男は調子を崩される。
「いや、だって。その杖が出てきたんだぞっ。その長いのがどうやって入っていたか気になるじゃないかっ」
女性は興奮しながら、男が肩から提げている鞄を見つめた。
「……アイテムボックスを知らないのですか? 見た目より多くの物が入る魔導具です」
「惑う具?」
「いえ……魔導具です……」
「ほぉほぉっ、それでっ、どんな仕掛けだっ?」
ジリジリと寄ってくる女性に、少々の危機感を感じ、男は少しずつ後ずさる。
「おっと、いかんいかん。金だ金。金を逃すところだった」
「金?」
今度はなんだと首を傾げる前で、女性は唐突に意識を切り替えると盗賊達へ目を向けた。
「さぁ、お前ら、有り金全部置いていきな」
「ひぃっ、あ、あげますっ、あげますからぁぁぁっ」
「助けっ、助けてぇぇぇっ」
「全部出しますぅぅぅっ」
盗賊達は、顔を鼻水だか涙だか涎だか分からないものでビショビショにしながら、持っていた金目のものを地面にバラバラと落とす。すると、それを合図にでもしたかのように、逃げ出していった。
「ごめんなさぁぁぁいっ」
「……」
実に素早い撤退だった。
「結構あるな。あれだけの盗賊でこれだけ手に入るなら、持って来なくて良かったかもなぁ」
「……」
女性は、盗賊達が置いていった金を拾っていく。そして、思い出したように男に向かって言った。
「なぁ、その鞄、これとかも入るよな? 入れてくれないか?」
「……はい?」
一体今度は何を言い出すのかと、顔がひきつる。しかし、女性はこともなげに言った。
「だってなぁ、金って重いんだよ。嵩張るしなぁ。それでも、町とかに入るには金がいるんだろ? 困るよなぁ……こんなん食べれもしないし、持ってる意味がいまいち見出せない」
「……あなた……人ですよね?」
「ん? おう。獣ではないな」
「……ですよね……」
どんな場所で今まで生きてきたのかと不思議に思う。
「あっ、名乗らないからそう思ったのか? 私はマティアスだっ。よろしくなっ」
「あ、ええ……私はシェリス・フィスマ。ハイエルフの冒険者です」
本当に調子が狂う相手だなと思いながらも、名乗っていた。先ほどまで警戒しようとしていたのに不思議だ。
「へぇ、ハイエルフ? エルフ族ってのは聞いたことがあるが……」
「エルフ族に分類されます。普通より、少し魔力が高く、寿命が長いというのが特徴です」
「なるほど。美人なのも特徴か?」
「……そこは知りません……」
エルフ族は見目が良い者が多い。けれど、シェリスは自身の見た目が女っぽい事に少々コンプレックスを感じていた。お陰で色々と目を付けられる。
「そうか。まぁ良い。それより、せっかくだし、これをその鞄に入れてくれ。入るんだよな?」
「入りますけど……」
「よしっ、なら入れてくれっ、それと、町に入るのに一緒に行ってくれっ。人里に降りる前に誰かに常識を教えてもらえと言われててな」
「はぁ……構いませんけど……」
「よっしゃっ」
「……」
本当に妙な女性だとシェリスはしきりに首を傾げていた。
**********
舞台裏のお話。
盗賊A 「なんか、赤い髪だったな……」
盗賊B 「赤なんて、魔族でもないぞ……」
盗賊C 「人じゃないんじゃ……だってよ、あんな高い岩から飛び降りて笑ってたんだぞ?」
盗賊A 「そっか、人じゃないのか」
盗賊B 「ならしょうがねぇよなっ」
盗賊C 「……なら、なんなんだろ……」
盗賊達「「「……あのエルフの騎獣……?」」」
盗賊A 「まさかなっ」
盗賊B 「赤い毛の魔獣とか……」
盗賊達「「「ディストレアしかいねぇ!?」」」
盗賊A 「伝令! 伝令~っ! 美人なエルフの男に気を付けろ!」
盗賊B 「おうっ、この辺りの奴らに回せぇぇぇっ」
盗賊C 「ヤバい、ヤバい……生きてて良かった……」
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