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第四章 再びの勇者召喚
040 原因はそこに
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理修は、ミヤ爺に頼まれた街の防衛の間、何故か胸騒ぎがしていた。
「なんだろう?」
特に危機的な状況でもない。今も、一瞬でハーピーの群れの一部を消し去った所だった。それも、たった一撃。外壁の上に腰掛け、片手に飲み物を持った状態でだ。生き残ったハーピー達が慌てて引き返していくのを見守り、溜息をつく。
「いい加減、飽きた……」
この場に待機する事二日。夜は外壁の外側のすぐに家を設置し、そこで寝泊まりをしている理修は、完全にここでは兵器でしかない。街の人々も近付かなかった。
そうなると、話をする相手もいない。一瞬、街を覆う結界を張って放置する事も考えたのだが、それはそれで暇を持て余す上に、諦めの悪いハーピーならば弾かれても、結界に纏わり続けるだろうと却下した。少しの脅しでは諦めない事は実証済み。仲間を何匹か消し去る事で、彼らはようやく撤退するのだ。
「まったく……せっかく通信出来るようにしたのに……ここからじゃぁ……」
気付けば手には、ウィルバートとを繋ぐ通信具がある。ただし、間に次元の壁がある場合は『地球~トゥルーベル』間のみ可能になる物なのだ。この世界からは使えなかった。
「……ウィルになにか……」
先程からの胸騒ぎは、ウィルバートに何かあったのかもしれないと思ったのだ。そうそう危機的状況があるとは思えないが、今は情勢が不安定である事も確かだった。
「さっさと戻りたいし……ミヤ爺と綾が戻るまでに、こっちを片しておくか……」
立ち上がった理修は、外壁の外側ではなく、内側を見下ろす。ギッシリと並ぶ家々の中央。そこに、この街の領主の屋敷がある。
「位置的にも間違いないね……さて」
杖を影から取り出し、掲げると、街を覆う結界を張る。これでハーピーの襲撃は防げる事に変わりはない。綺麗に、乱れや綻びもない自身の結界に満足気に一つ頷くと、杖に乗って領主の屋敷へと飛んだ。
街の人々が不安気に見上げてくる事も気にせず、理修は領主の屋敷の前に優雅に降り立った。
当然、門の前には門番がいる。しかし、理修はそれが視界に入らないと言うように、無造作に門へと手をかけた。
「待て」
その制止の声に、一度門を開ける為に力を入れた手を止める。
「ここは、領主様の屋敷。許可のない者は通せない」
「いくら魔女様でも、通す事は出来ません」
「……そう……」
二人の門番は、それぞれの手に持つ槍で理修の目の前。門との間でクロスする。それが、いかにも門番の行動過ぎて、理修は笑い出しそうになった。
「一つ……忠告をしておく」
「「………」」
門番達に目を向ける事なく、理修は屋敷を真っ直ぐに見据えてそれを口にした。
「『魔女』とは、世界の『理』に近い存在……」
理修は、杖で地面を突く。すると、蔦が生え、門番の足をその場に縫い止めるように絡め取っていく。
「なっ?」
「なんだっ?」
慌てる二人は、足に気を取られ、槍を手放さないまでもクロスを解く。それに満足した理修は、再び一歩を踏み出しながら続ける。
「ただ世界に『理』によって生かされるだけのお前達に、止められる存在ではないんだよ」
「っう……」
「た、たすけっ」
今度は、何者にも邪魔される事なく、門をゆっくりと開けて屋敷へと歩き出す。その頃には、門番二人の姿は、蔦に幾重にも巻き付かれ、見えなくなっていた。
「お前達ごときが、私の行く手を遮る事なんて許さない」
緑の塊にしか見えなくなった二人を振り向いて確認する事もないまま、理修は屋敷へと向かった。
ここ二日で感じたハーピー達への違和感。それにミヤ爺は気付いていなかったのだろう。だが、理修は気付いた。
「まったく……これだから人は……」
屋敷と扉を、無感動に押し開ける。すると、当然のように驚いた使用人達が駆け寄ってくるが、理修は無視を決め込む。
「なっ、何者です!!」
そんな声も聞こえないと、理修は迷わず屋敷の奥へと向かう。
「なんなんですかっ?この植物はっ!!」
程なくして、使用人達の口からは悲鳴が上がる。理修が歩いた後ろから、次々と蔦が伸び、向かってくる使用人達をたちまち絡め取って、動けなくしていくのだ。
そんなものも見えない、聞こえないと言った様子で、理修は構わず歩みを進める。そして、辿り着いたのは分厚い扉の前。
「ここ……」
その中から、強い波動を感じるのだ。ハーピーが求めてやまない何かがあると確信する。扉に手をかけようとした時、十人程の兵に囲まれながら小太りな男が駆けてきた。
「何者だ、貴様っ。ここが領主である私の屋敷と知っての狼藉かっ!」
そんな、お決まりのセリフを言い放った男をチラリと確認すると、理修は鍵のかかったその扉をあっさり魔術によって解錠し、軽く触れるだけで押し開けた。
「きっ、貴様ぁぁぁ!!」
「黙れ。煩い」
そうピシャリと言い放ち、そのまま中へと足を踏み入れる。そして、見るからに大切に保管されていた目的の物を見つけると、無造作にそれを手に取り、アイテムボックスに収納した。
「な、な、なにをするっ!」
領主だと言う男は、冷や汗だか脂汗だか分からないものを額に浮べながら、理修に向かってくる。
「汚い。近寄るな」
「な、ひっ!」
拒絶の言葉と、冷徹な瞳をその男に向けた理修は、見たくもないと杖を床に打ち鳴らす。すると、一瞬で蔦が男に繭のように巻き付いた。ただし、蔦は理修の意思を汲み取るように男の目と耳は塞がない。
「何をと言ったな。教えてやる。お前がハーピーから盗んだ物を取り戻しに来た。以上だ。そのまま反省しているといい」
「んっ、んーっ!」
「煩いと言った」
そう言ってもう一度杖を打ち鳴らすと、蔦が男を絞め上げ、気絶させたのだった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
もう一話あり
「なんだろう?」
特に危機的な状況でもない。今も、一瞬でハーピーの群れの一部を消し去った所だった。それも、たった一撃。外壁の上に腰掛け、片手に飲み物を持った状態でだ。生き残ったハーピー達が慌てて引き返していくのを見守り、溜息をつく。
「いい加減、飽きた……」
この場に待機する事二日。夜は外壁の外側のすぐに家を設置し、そこで寝泊まりをしている理修は、完全にここでは兵器でしかない。街の人々も近付かなかった。
そうなると、話をする相手もいない。一瞬、街を覆う結界を張って放置する事も考えたのだが、それはそれで暇を持て余す上に、諦めの悪いハーピーならば弾かれても、結界に纏わり続けるだろうと却下した。少しの脅しでは諦めない事は実証済み。仲間を何匹か消し去る事で、彼らはようやく撤退するのだ。
「まったく……せっかく通信出来るようにしたのに……ここからじゃぁ……」
気付けば手には、ウィルバートとを繋ぐ通信具がある。ただし、間に次元の壁がある場合は『地球~トゥルーベル』間のみ可能になる物なのだ。この世界からは使えなかった。
「……ウィルになにか……」
先程からの胸騒ぎは、ウィルバートに何かあったのかもしれないと思ったのだ。そうそう危機的状況があるとは思えないが、今は情勢が不安定である事も確かだった。
「さっさと戻りたいし……ミヤ爺と綾が戻るまでに、こっちを片しておくか……」
立ち上がった理修は、外壁の外側ではなく、内側を見下ろす。ギッシリと並ぶ家々の中央。そこに、この街の領主の屋敷がある。
「位置的にも間違いないね……さて」
杖を影から取り出し、掲げると、街を覆う結界を張る。これでハーピーの襲撃は防げる事に変わりはない。綺麗に、乱れや綻びもない自身の結界に満足気に一つ頷くと、杖に乗って領主の屋敷へと飛んだ。
街の人々が不安気に見上げてくる事も気にせず、理修は領主の屋敷の前に優雅に降り立った。
当然、門の前には門番がいる。しかし、理修はそれが視界に入らないと言うように、無造作に門へと手をかけた。
「待て」
その制止の声に、一度門を開ける為に力を入れた手を止める。
「ここは、領主様の屋敷。許可のない者は通せない」
「いくら魔女様でも、通す事は出来ません」
「……そう……」
二人の門番は、それぞれの手に持つ槍で理修の目の前。門との間でクロスする。それが、いかにも門番の行動過ぎて、理修は笑い出しそうになった。
「一つ……忠告をしておく」
「「………」」
門番達に目を向ける事なく、理修は屋敷を真っ直ぐに見据えてそれを口にした。
「『魔女』とは、世界の『理』に近い存在……」
理修は、杖で地面を突く。すると、蔦が生え、門番の足をその場に縫い止めるように絡め取っていく。
「なっ?」
「なんだっ?」
慌てる二人は、足に気を取られ、槍を手放さないまでもクロスを解く。それに満足した理修は、再び一歩を踏み出しながら続ける。
「ただ世界に『理』によって生かされるだけのお前達に、止められる存在ではないんだよ」
「っう……」
「た、たすけっ」
今度は、何者にも邪魔される事なく、門をゆっくりと開けて屋敷へと歩き出す。その頃には、門番二人の姿は、蔦に幾重にも巻き付かれ、見えなくなっていた。
「お前達ごときが、私の行く手を遮る事なんて許さない」
緑の塊にしか見えなくなった二人を振り向いて確認する事もないまま、理修は屋敷へと向かった。
ここ二日で感じたハーピー達への違和感。それにミヤ爺は気付いていなかったのだろう。だが、理修は気付いた。
「まったく……これだから人は……」
屋敷と扉を、無感動に押し開ける。すると、当然のように驚いた使用人達が駆け寄ってくるが、理修は無視を決め込む。
「なっ、何者です!!」
そんな声も聞こえないと、理修は迷わず屋敷の奥へと向かう。
「なんなんですかっ?この植物はっ!!」
程なくして、使用人達の口からは悲鳴が上がる。理修が歩いた後ろから、次々と蔦が伸び、向かってくる使用人達をたちまち絡め取って、動けなくしていくのだ。
そんなものも見えない、聞こえないと言った様子で、理修は構わず歩みを進める。そして、辿り着いたのは分厚い扉の前。
「ここ……」
その中から、強い波動を感じるのだ。ハーピーが求めてやまない何かがあると確信する。扉に手をかけようとした時、十人程の兵に囲まれながら小太りな男が駆けてきた。
「何者だ、貴様っ。ここが領主である私の屋敷と知っての狼藉かっ!」
そんな、お決まりのセリフを言い放った男をチラリと確認すると、理修は鍵のかかったその扉をあっさり魔術によって解錠し、軽く触れるだけで押し開けた。
「きっ、貴様ぁぁぁ!!」
「黙れ。煩い」
そうピシャリと言い放ち、そのまま中へと足を踏み入れる。そして、見るからに大切に保管されていた目的の物を見つけると、無造作にそれを手に取り、アイテムボックスに収納した。
「な、な、なにをするっ!」
領主だと言う男は、冷や汗だか脂汗だか分からないものを額に浮べながら、理修に向かってくる。
「汚い。近寄るな」
「な、ひっ!」
拒絶の言葉と、冷徹な瞳をその男に向けた理修は、見たくもないと杖を床に打ち鳴らす。すると、一瞬で蔦が男に繭のように巻き付いた。ただし、蔦は理修の意思を汲み取るように男の目と耳は塞がない。
「何をと言ったな。教えてやる。お前がハーピーから盗んだ物を取り戻しに来た。以上だ。そのまま反省しているといい」
「んっ、んーっ!」
「煩いと言った」
そう言ってもう一度杖を打ち鳴らすと、蔦が男を絞め上げ、気絶させたのだった。
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