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第四章 再びの勇者召喚
039 変わりたいと願う者
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ミリアは、震える手でゆっくりとそのドアをノックした。
『はい』
その声が司のものだと分かる。そして、そっとドアを開けた。
「し、失礼いたします……」
「……ミリア……」
「お久しぶりでございます……司様……申し訳っ……申し訳ございません……」
そのまま、堪らず泣き崩れてしまったミリアに駆け寄ったのは、由佳子だった。
「落ち着いて。怖い顔をしているけど、司君は優しい子よ?」
「いや、あの……」
「よかったらこれを使って。可愛い顔が台無しだわ」
「っ……あ、ありがとうございます……」
由佳子が差し出したハンカチで涙を拭ったミリアは、再び司を見て深く頭を下げた。
「今回の事。お許しもなく再びお呼び立てし、更にこのように他の方までも巻き込んでしまったこと……本当に申し訳なく思っております……」
「……なぜ呼んだ……いや、魔族の……ゴブリンの事だろう。そろそろだとは俺も思っていた」
「っ、わたくしはっ……わたくしは、魔族の所為だとは思っておりません……」
「なに?」
ミリアは話し始めた。司が消えた後、ミリアに会いに来たある人の話だ。
「リズリール様が、何度かこちらに参られました……」
「理修が?」
「はい……」
理修は、司が出て行った本当の理由と、司が元の世界へと無事帰った事。そして、魔族の本当の姿。それらをミリアにだけ話し、時にはこのトゥルーベルという世界の出来事も話していった。
「沢山のお話をお聞きしました。そこで、魔族が本当は、教会が教えるような禍々しく恐ろしい者達ではない事も知ったのです……そして、何より、この国や教会の異常さも理解しました……」
聖女である自分が信じていた世界は狭く、そして、敵だと信じていた者達は本来、そのような存在ではないのだと知った。
「わたくしは、皆に教えなくてはなりません。本当の事を……それが全てを覆す事になったとしても、全てを知った上で、選んで欲しい。リズリール様がわたくしに教えてくださったように……」
知り得た真実に、押し潰されそうになった。けれど、知らずにいた事の方が、ミリアには恐ろしかったのだ。
「リズリール様は仰いました。『広い世界を知った上で、その者が小さな世界に閉じ籠ることを選ぶならばそれはその者の自由。けれど、小さな世界しか教えられていない者は、選ぶ事さえできない。その者達に自由はない』と……わたくしは、慕ってくださる方々の自由を、知らず奪っていた。それは、罪深い事です……」
食べ物がないと嘆く者を知っている。病にかかり、苦しむ者を知っている。多くの悩みや問題を、この国は全て魔族の所為にしてきた。それで、心は救われたのだ。だが、それでは本当の解決にはならない。
この国の異常さを、周りの国も知っている。その所為で孤立し、苦しい立場に立たされている。それさえも全て魔族の所為だと信じているのだ。このままでは、この国の未来はないとミリアは知った。だから願ったのだ。
「この国を、変えたいのです。厚かましい願いだと言う事は分かっています。けれど、わたくしが頼れる方は司様しかいないのです。お願いします。お力をお貸しください。この国に真実を伝える力を」
難しい事だと言うのは分かっている。けれど、自分がやらなくてはならない事だと思うのだ。
「なんかさぁ。難しい事言ってるけど、実際にあんた、それを見たりしたわけじゃないんだ?」
「全部、理修に聞いて、そうなんだと思っただけみたいだな」
「え?は、はい。わたくしは、この国は疎か、神殿からも出た事はありませんので……」
その言葉に、子ども三人は呆れ、大人三人は驚きに目を見開いた。
「本当に?一度も?」
由佳子が身を乗り出して尋ねると、ミリアは不思議そうに『はい』と答えた。
「そう……なら、外に出てみない?その魔族っていうのを見に行きましょうよっ」
「ちょっ、姉さんっ?」
「良いじゃない。自分の目で確かめて、それを伝えなきゃ、本当の真実なんて伝わらないわ。理修ちゃんが、もしここにいたらきっと、この機会にって言うんじゃないかしら?」
「そ、それは……確かに……」
同意を求められた司は、表情を戸惑いから苦笑に変えながら理修ならばと思う。
考えてみれば、迎えに来た時もそうだった。真実を知ってもグズグズとしていた所に『見て来なさい』と言う言葉が投げつけられた。選択は自分ですれば良いのだと言われた気がした。
いつだって理修は、本当の答えを本当の意味で教えないのだ。答えは、自分達で見つけろと乱暴に追い立てる。それが理修の優しさであり、在り方なのだと思う。
「行こう……その目で確かめるべきだ」
「司様……」
「それに、ここに居ても役に立たなくなれば、生け贄にされるんだろう?」
「っなぜ、その事をっ?」
「「「生け贄っ?」」」
そんな物騒な言葉に、全員が反応する。これによって、今夜にでもこの神殿を脱出する事が決まったのだ。
◆ ◆ ◆
「リズリールはまだですかっ?」
オルバルトの執務室。そこに駆け込んで来たのは、異世界担当部代表の御影真だった。
「どうした?お前がそんなに慌てるとは……何があった」
いつもの冷静な御影真と言う人物が、本当に急いで来たと言う様子に見えた。
「それが……梶原司の召喚に、傍に居合わせたリズリールの家族が巻き込まれたようなのです……」
「なに!? 全員無事かっ!?」
それが、召喚に巻き込まれた者がいた場合、真っ先に気にしなくてはならない事だ。
異世界召喚とは、次元の壁を飛び越える事。失敗すれば、その場所に現れないだけでなく、次元と次元の狭間に引っかかってしまう事もあるのだ。
「大丈夫です。全員無事に、司と同じ場所に召喚されました」
「そうか……」
先ずは一安心だと息を吐き、椅子に身を沈める。しかし、御影の次の言葉に、再び身を固くした。
「召喚された場所は、前回と同じく……トゥルーベルです……」
「っま、まさか……リズの婚約者の国を……」
「はい……魔族を敵とするあの国です……」
「………」
理修が愛する婚約者の同族を敵と見なす彼の国の事は、常々憐れに思っていた。しかし、ここで更に理修の神経を逆なでする事態の予感に、二人で顔を青くする。
「終わったか……」
「はい。終わる予感がします……」
思わぬ猶予期間がある事にホッとすると同時に、理修が一国を滅ぼす日も近いと、腹を括る二人だった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
2019. 8. 12
『はい』
その声が司のものだと分かる。そして、そっとドアを開けた。
「し、失礼いたします……」
「……ミリア……」
「お久しぶりでございます……司様……申し訳っ……申し訳ございません……」
そのまま、堪らず泣き崩れてしまったミリアに駆け寄ったのは、由佳子だった。
「落ち着いて。怖い顔をしているけど、司君は優しい子よ?」
「いや、あの……」
「よかったらこれを使って。可愛い顔が台無しだわ」
「っ……あ、ありがとうございます……」
由佳子が差し出したハンカチで涙を拭ったミリアは、再び司を見て深く頭を下げた。
「今回の事。お許しもなく再びお呼び立てし、更にこのように他の方までも巻き込んでしまったこと……本当に申し訳なく思っております……」
「……なぜ呼んだ……いや、魔族の……ゴブリンの事だろう。そろそろだとは俺も思っていた」
「っ、わたくしはっ……わたくしは、魔族の所為だとは思っておりません……」
「なに?」
ミリアは話し始めた。司が消えた後、ミリアに会いに来たある人の話だ。
「リズリール様が、何度かこちらに参られました……」
「理修が?」
「はい……」
理修は、司が出て行った本当の理由と、司が元の世界へと無事帰った事。そして、魔族の本当の姿。それらをミリアにだけ話し、時にはこのトゥルーベルという世界の出来事も話していった。
「沢山のお話をお聞きしました。そこで、魔族が本当は、教会が教えるような禍々しく恐ろしい者達ではない事も知ったのです……そして、何より、この国や教会の異常さも理解しました……」
聖女である自分が信じていた世界は狭く、そして、敵だと信じていた者達は本来、そのような存在ではないのだと知った。
「わたくしは、皆に教えなくてはなりません。本当の事を……それが全てを覆す事になったとしても、全てを知った上で、選んで欲しい。リズリール様がわたくしに教えてくださったように……」
知り得た真実に、押し潰されそうになった。けれど、知らずにいた事の方が、ミリアには恐ろしかったのだ。
「リズリール様は仰いました。『広い世界を知った上で、その者が小さな世界に閉じ籠ることを選ぶならばそれはその者の自由。けれど、小さな世界しか教えられていない者は、選ぶ事さえできない。その者達に自由はない』と……わたくしは、慕ってくださる方々の自由を、知らず奪っていた。それは、罪深い事です……」
食べ物がないと嘆く者を知っている。病にかかり、苦しむ者を知っている。多くの悩みや問題を、この国は全て魔族の所為にしてきた。それで、心は救われたのだ。だが、それでは本当の解決にはならない。
この国の異常さを、周りの国も知っている。その所為で孤立し、苦しい立場に立たされている。それさえも全て魔族の所為だと信じているのだ。このままでは、この国の未来はないとミリアは知った。だから願ったのだ。
「この国を、変えたいのです。厚かましい願いだと言う事は分かっています。けれど、わたくしが頼れる方は司様しかいないのです。お願いします。お力をお貸しください。この国に真実を伝える力を」
難しい事だと言うのは分かっている。けれど、自分がやらなくてはならない事だと思うのだ。
「なんかさぁ。難しい事言ってるけど、実際にあんた、それを見たりしたわけじゃないんだ?」
「全部、理修に聞いて、そうなんだと思っただけみたいだな」
「え?は、はい。わたくしは、この国は疎か、神殿からも出た事はありませんので……」
その言葉に、子ども三人は呆れ、大人三人は驚きに目を見開いた。
「本当に?一度も?」
由佳子が身を乗り出して尋ねると、ミリアは不思議そうに『はい』と答えた。
「そう……なら、外に出てみない?その魔族っていうのを見に行きましょうよっ」
「ちょっ、姉さんっ?」
「良いじゃない。自分の目で確かめて、それを伝えなきゃ、本当の真実なんて伝わらないわ。理修ちゃんが、もしここにいたらきっと、この機会にって言うんじゃないかしら?」
「そ、それは……確かに……」
同意を求められた司は、表情を戸惑いから苦笑に変えながら理修ならばと思う。
考えてみれば、迎えに来た時もそうだった。真実を知ってもグズグズとしていた所に『見て来なさい』と言う言葉が投げつけられた。選択は自分ですれば良いのだと言われた気がした。
いつだって理修は、本当の答えを本当の意味で教えないのだ。答えは、自分達で見つけろと乱暴に追い立てる。それが理修の優しさであり、在り方なのだと思う。
「行こう……その目で確かめるべきだ」
「司様……」
「それに、ここに居ても役に立たなくなれば、生け贄にされるんだろう?」
「っなぜ、その事をっ?」
「「「生け贄っ?」」」
そんな物騒な言葉に、全員が反応する。これによって、今夜にでもこの神殿を脱出する事が決まったのだ。
◆ ◆ ◆
「リズリールはまだですかっ?」
オルバルトの執務室。そこに駆け込んで来たのは、異世界担当部代表の御影真だった。
「どうした?お前がそんなに慌てるとは……何があった」
いつもの冷静な御影真と言う人物が、本当に急いで来たと言う様子に見えた。
「それが……梶原司の召喚に、傍に居合わせたリズリールの家族が巻き込まれたようなのです……」
「なに!? 全員無事かっ!?」
それが、召喚に巻き込まれた者がいた場合、真っ先に気にしなくてはならない事だ。
異世界召喚とは、次元の壁を飛び越える事。失敗すれば、その場所に現れないだけでなく、次元と次元の狭間に引っかかってしまう事もあるのだ。
「大丈夫です。全員無事に、司と同じ場所に召喚されました」
「そうか……」
先ずは一安心だと息を吐き、椅子に身を沈める。しかし、御影の次の言葉に、再び身を固くした。
「召喚された場所は、前回と同じく……トゥルーベルです……」
「っま、まさか……リズの婚約者の国を……」
「はい……魔族を敵とするあの国です……」
「………」
理修が愛する婚約者の同族を敵と見なす彼の国の事は、常々憐れに思っていた。しかし、ここで更に理修の神経を逆なでする事態の予感に、二人で顔を青くする。
「終わったか……」
「はい。終わる予感がします……」
思わぬ猶予期間がある事にホッとすると同時に、理修が一国を滅ぼす日も近いと、腹を括る二人だった。
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