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第一章
021 一か二かなんて
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2018. 10. 22
**********
延々、と続いた朶輝の『愚痴・説教大会』に終わりが近付いて来た。
何故わかるのかといえば……
「っ……何度言っても聞いてくださらず……っ、何故私も連れて行っては、くださらないのです。もし……っお怪我でもされたらと思うとっ……、……ッ」
本気の泣きが入ってきているからだ。
「あぁ……うん。本当にすまないと思ってるよ。お前の気持ちも、痛い程分かってるから。お前は私の壱の側近だろ。わかってる。それに、お前ほど私を知る者はいないだろう。何年一緒に居ると思ってるんだ」
「はいっ……本当は、わかっているんです……っ。ですから……っ、もっとおそば……に……、……」
泣き疲れた子どもの様に、すぅっと机に突っ伏した朶輝を見て、樟嬰はほっと息を吐いた。
「朔兎……すまないが、廊下に居る叉獅を呼んできてくれ」
小さな声で、朶輝がしゃべり続けている間、近くで控えていてくれた朔兎に頼むと、静かに自身の執務机に着いて、書類の決済に掛かった。
後半戦に突入したくらいに、叉獅達は部屋から脱出していた。二人が部屋にいれば、朶輝が本音を吐けない。そんな気遣いからだ。
逃げたとも言うが。
「終わりましたか……」
「あぁ。朶輝を寝室まで運んでやってくれ。静かにな。寝かせたら、すぐに戻って来てくれよ。仕事を片付けてしまうから」
「わかりました」
そっと朶輝を抱えて叉獅が出て行くと、入れ違いに、嘩羅と叉翰が入って来た。
「さぁ。お仕事お仕事っ」
「俺は何すればいいんで……?」
普通に叉翰も戦力として数えている樟嬰達に、彼は苦笑していた。
「叉翰は、出来たらそっちの書類を日付の古い順にこっちに運んでくれ。朔兎。お前は、済んだ書類を嘩羅の所に運んで……」
指示を出しながらも、すでに手と頭は書類へと向けていく。
作物の出来具合。民への配分。税の徴収経過。水路や道、橋などの建設案。その他諸々、様々な内容の報告書などが入り混じっている。
それらを片端から片付けていく樟嬰には、危機迫るものがあった。猛烈な速さだ。
「あれで全部頭に入っていくんだから恐ろしいぜ……」
いつの間にか帰って来ていた叉獅は、嘩羅が部署毎に分けていく書類を抱え持ち、次々に運び出していく。
「っ、すげぇ……ってか……っ、追い付かねぇっ」
普通なら、目を回しそうな速度を、持ち前の体力で何とかこなす叉翰。一方、黙々と進めていく朔兎。こちらも、何とかこなして行っている。そうして、半日が過ぎて行った。
◆ ◇ ◆
「やった~っ。やり切った~。お疲れ様です~樟嬰様ぁ」
さすがに力つきた叉獅と嘩羅は、椅子にどっかと腰を下ろした。
山と積まれていた書類は、きれいにそれぞれの部署に分けられ、執務室は常の平穏さを取り戻していた。
「今頃、官達は目を回しているでしょうね……さっすが樟嬰様。あんなに溜めても一日とかからないなんて……でも、やっぱりあんまし溜めるもんじゃないですよ……」
「あぁ……確かにな……」
叉獅の指摘に素直に頷いておいた。
すでに日の昇った時刻。皆、息も絶え絶えにぐったりとしている。一睡もせずにやり通したのだ。
「叉翰、朔兎。助かったよ。ありがとう」
「んっ。なんつうか……修行でもこんなに疲れないってっ……領官って忙しいのな……知らなかった……」
「いや……いつもがこうじゃないからな?」
「それでもな……俺は整理してただけなのにさ。姫様は全部目、通してたろ」
「それは……慣れてるし……」
「それにしてもすげぇよ……」
そう言う叉翰も、あれだけ引っ切り無しに働いて、その中で樟嬰の様子を気にする余裕があったということだ。
「良い拾いものをしましたね~、樟嬰様っ☆ 叉獅の弟君だよね」
「あ……挨拶が遅れまして……叉翰と申しますっ」
嘩羅の方が年下だろうが、立派に仕事をこなす姿を見たことで、叉翰は礼儀正しく名乗った。
「うんっ。そっくりだよね~。僕は嘩羅。樟嬰様の弐の側近~☆」
対して、嘩羅はほとんどどんな人にもこんな感じだ。
「おいっ。弐の側近は俺だろっ。勝手に名乗んじゃねぇっ」
「事実だろっ。君より僕の方が役に立ってる。だいたい、体力馬鹿より頭が良いんだから当然だろ」
そして、こんな二人の言い合いもいつも通り。年齢なんて関係ない。
「んっ、だとっ。俺は文武両道だぞっ。てめぇよりよっぽど役に立ってんだよっ」
「どんな頭で文武両道なんて言葉になるんだっ。それを言うなら、僕の方にこそ相応しいよっ」
「っざけんなっ。俺より弱いくせにっ」
「腕力にモノを云わせて、ただがむしゃらに突っ走る君と違って、僕は知的に戦略をもって戦うんだ。本来なら僕の方が強い」
「言いやがったなっ。そんじゃぁ、今ここで俺が正しいって証明してやんぜっ」
「望む所だっ」
ついさっきまでぐったりとして生気に欠けたような顔をしていた二人は、見違えるように生き生きとしている。
「おらっ、行くぞッ」
「来いッ」
一触即発。だが、突然凄い勢いで執務室の扉が開かれた。
「止めなさいッッッ」
◆ ◇ ◆
勢い良く扉を開けて飛び込んで来たのは、いつも通りの穏やかさを取り戻した朶輝だった。
「あなた方はっ。どちらが弐の側近かなどと争う前に、樟嬰様にお茶でもお持ちするのが先でしょうっ」
「「あっ」」
固まる二人を無視して、すっと樟嬰が座っている執務机の前に来て膝を折った。
「申し訳ございません。このような時に、呑気に眠ってしまうなんて……副官として面目次第もございません」
「良いんだ。お前はずっと、私の留守中に執務をこなしてくれていた。お前が居なかったら、この時刻には終わらないよ。ゆっくり休めたか?」
「っ、はいっ。先刻は取り乱し、ご迷惑をおかけいたしました。お恥ずかしい限りです……」
酔っていたわけではないので、ちゃんと記憶がある。怒ると少し感情的になってしまうのは昔からだ。
「いや。お前が居るから、私はここに帰って来る事ができるんだ。必死で領主としての私の面目を保ってくれているんだろう。ありがとう。感謝しているよ」
目の前の朶輝の表情が感極まったように高揚していくのが分かった。
「……っ、樟嬰様っ……はっ……私とした事が……ただ今お茶をお持ちします」
「その必要はないよ」
入り口の方へ目を向ければ、朔兎がお茶を持って来た所だった。
「っ、朔兎殿っ」
いつの間に執務室から出て、お茶を用意していたのか。部屋にいた樟嬰以外の誰も気付かなかった。
驚いて動きを止めた四人を余所に、音もなく当然のようにさっと樟嬰の前に茶が置かれた。
「お疲れ様でした、樟嬰様。勝手に煎れてしまいましたが、朶輝様。よろしかったでしょうか」
「……あ……はい」
「皆さんの分もご用意しましたが」
「いただきます……」
手際よく卓に用意していく朔兎を呆然と目で追いながら、朶輝は心底感心したように口を開く。
「樟嬰様……何者なのですか彼は……あなたに着いて来ていた方だったので、何も気にしなかったのですが……身のこなしと、執務を任せられる頭……素晴らしい人材です」
「……お前は本当に抜目ないな……朔兎は、私付きの影だよ。まぁ、お前が気に入るのも無理ない。私と過ごして来たんだ。知識もそれなりに共有している」
いつも一緒だった。勉学も一緒に学んだ。そこらの領官より優秀だろう。
「ところで、降下の原因がわかったんだが、お前達、この国を救う気はあるか?」
いっそ、艶やかな笑みを浮かべ、樟嬰はそう語りかけた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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延々、と続いた朶輝の『愚痴・説教大会』に終わりが近付いて来た。
何故わかるのかといえば……
「っ……何度言っても聞いてくださらず……っ、何故私も連れて行っては、くださらないのです。もし……っお怪我でもされたらと思うとっ……、……ッ」
本気の泣きが入ってきているからだ。
「あぁ……うん。本当にすまないと思ってるよ。お前の気持ちも、痛い程分かってるから。お前は私の壱の側近だろ。わかってる。それに、お前ほど私を知る者はいないだろう。何年一緒に居ると思ってるんだ」
「はいっ……本当は、わかっているんです……っ。ですから……っ、もっとおそば……に……、……」
泣き疲れた子どもの様に、すぅっと机に突っ伏した朶輝を見て、樟嬰はほっと息を吐いた。
「朔兎……すまないが、廊下に居る叉獅を呼んできてくれ」
小さな声で、朶輝がしゃべり続けている間、近くで控えていてくれた朔兎に頼むと、静かに自身の執務机に着いて、書類の決済に掛かった。
後半戦に突入したくらいに、叉獅達は部屋から脱出していた。二人が部屋にいれば、朶輝が本音を吐けない。そんな気遣いからだ。
逃げたとも言うが。
「終わりましたか……」
「あぁ。朶輝を寝室まで運んでやってくれ。静かにな。寝かせたら、すぐに戻って来てくれよ。仕事を片付けてしまうから」
「わかりました」
そっと朶輝を抱えて叉獅が出て行くと、入れ違いに、嘩羅と叉翰が入って来た。
「さぁ。お仕事お仕事っ」
「俺は何すればいいんで……?」
普通に叉翰も戦力として数えている樟嬰達に、彼は苦笑していた。
「叉翰は、出来たらそっちの書類を日付の古い順にこっちに運んでくれ。朔兎。お前は、済んだ書類を嘩羅の所に運んで……」
指示を出しながらも、すでに手と頭は書類へと向けていく。
作物の出来具合。民への配分。税の徴収経過。水路や道、橋などの建設案。その他諸々、様々な内容の報告書などが入り混じっている。
それらを片端から片付けていく樟嬰には、危機迫るものがあった。猛烈な速さだ。
「あれで全部頭に入っていくんだから恐ろしいぜ……」
いつの間にか帰って来ていた叉獅は、嘩羅が部署毎に分けていく書類を抱え持ち、次々に運び出していく。
「っ、すげぇ……ってか……っ、追い付かねぇっ」
普通なら、目を回しそうな速度を、持ち前の体力で何とかこなす叉翰。一方、黙々と進めていく朔兎。こちらも、何とかこなして行っている。そうして、半日が過ぎて行った。
◆ ◇ ◆
「やった~っ。やり切った~。お疲れ様です~樟嬰様ぁ」
さすがに力つきた叉獅と嘩羅は、椅子にどっかと腰を下ろした。
山と積まれていた書類は、きれいにそれぞれの部署に分けられ、執務室は常の平穏さを取り戻していた。
「今頃、官達は目を回しているでしょうね……さっすが樟嬰様。あんなに溜めても一日とかからないなんて……でも、やっぱりあんまし溜めるもんじゃないですよ……」
「あぁ……確かにな……」
叉獅の指摘に素直に頷いておいた。
すでに日の昇った時刻。皆、息も絶え絶えにぐったりとしている。一睡もせずにやり通したのだ。
「叉翰、朔兎。助かったよ。ありがとう」
「んっ。なんつうか……修行でもこんなに疲れないってっ……領官って忙しいのな……知らなかった……」
「いや……いつもがこうじゃないからな?」
「それでもな……俺は整理してただけなのにさ。姫様は全部目、通してたろ」
「それは……慣れてるし……」
「それにしてもすげぇよ……」
そう言う叉翰も、あれだけ引っ切り無しに働いて、その中で樟嬰の様子を気にする余裕があったということだ。
「良い拾いものをしましたね~、樟嬰様っ☆ 叉獅の弟君だよね」
「あ……挨拶が遅れまして……叉翰と申しますっ」
嘩羅の方が年下だろうが、立派に仕事をこなす姿を見たことで、叉翰は礼儀正しく名乗った。
「うんっ。そっくりだよね~。僕は嘩羅。樟嬰様の弐の側近~☆」
対して、嘩羅はほとんどどんな人にもこんな感じだ。
「おいっ。弐の側近は俺だろっ。勝手に名乗んじゃねぇっ」
「事実だろっ。君より僕の方が役に立ってる。だいたい、体力馬鹿より頭が良いんだから当然だろ」
そして、こんな二人の言い合いもいつも通り。年齢なんて関係ない。
「んっ、だとっ。俺は文武両道だぞっ。てめぇよりよっぽど役に立ってんだよっ」
「どんな頭で文武両道なんて言葉になるんだっ。それを言うなら、僕の方にこそ相応しいよっ」
「っざけんなっ。俺より弱いくせにっ」
「腕力にモノを云わせて、ただがむしゃらに突っ走る君と違って、僕は知的に戦略をもって戦うんだ。本来なら僕の方が強い」
「言いやがったなっ。そんじゃぁ、今ここで俺が正しいって証明してやんぜっ」
「望む所だっ」
ついさっきまでぐったりとして生気に欠けたような顔をしていた二人は、見違えるように生き生きとしている。
「おらっ、行くぞッ」
「来いッ」
一触即発。だが、突然凄い勢いで執務室の扉が開かれた。
「止めなさいッッッ」
◆ ◇ ◆
勢い良く扉を開けて飛び込んで来たのは、いつも通りの穏やかさを取り戻した朶輝だった。
「あなた方はっ。どちらが弐の側近かなどと争う前に、樟嬰様にお茶でもお持ちするのが先でしょうっ」
「「あっ」」
固まる二人を無視して、すっと樟嬰が座っている執務机の前に来て膝を折った。
「申し訳ございません。このような時に、呑気に眠ってしまうなんて……副官として面目次第もございません」
「良いんだ。お前はずっと、私の留守中に執務をこなしてくれていた。お前が居なかったら、この時刻には終わらないよ。ゆっくり休めたか?」
「っ、はいっ。先刻は取り乱し、ご迷惑をおかけいたしました。お恥ずかしい限りです……」
酔っていたわけではないので、ちゃんと記憶がある。怒ると少し感情的になってしまうのは昔からだ。
「いや。お前が居るから、私はここに帰って来る事ができるんだ。必死で領主としての私の面目を保ってくれているんだろう。ありがとう。感謝しているよ」
目の前の朶輝の表情が感極まったように高揚していくのが分かった。
「……っ、樟嬰様っ……はっ……私とした事が……ただ今お茶をお持ちします」
「その必要はないよ」
入り口の方へ目を向ければ、朔兎がお茶を持って来た所だった。
「っ、朔兎殿っ」
いつの間に執務室から出て、お茶を用意していたのか。部屋にいた樟嬰以外の誰も気付かなかった。
驚いて動きを止めた四人を余所に、音もなく当然のようにさっと樟嬰の前に茶が置かれた。
「お疲れ様でした、樟嬰様。勝手に煎れてしまいましたが、朶輝様。よろしかったでしょうか」
「……あ……はい」
「皆さんの分もご用意しましたが」
「いただきます……」
手際よく卓に用意していく朔兎を呆然と目で追いながら、朶輝は心底感心したように口を開く。
「樟嬰様……何者なのですか彼は……あなたに着いて来ていた方だったので、何も気にしなかったのですが……身のこなしと、執務を任せられる頭……素晴らしい人材です」
「……お前は本当に抜目ないな……朔兎は、私付きの影だよ。まぁ、お前が気に入るのも無理ない。私と過ごして来たんだ。知識もそれなりに共有している」
いつも一緒だった。勉学も一緒に学んだ。そこらの領官より優秀だろう。
「ところで、降下の原因がわかったんだが、お前達、この国を救う気はあるか?」
いっそ、艶やかな笑みを浮かべ、樟嬰はそう語りかけた。
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