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第七章 秘伝と任されたもの
405 やはり可愛いは正義
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ドラゴンと鳳凰を十分に鑑賞した一同は、席に戻り、珀豪達も人型になった。
「髪色は奇抜ですが、それが不思議とおかしくもない」
「人にしか見えませんなあ」
「話も通じますしねえ」
「海外の方の方が、対応に困りますし」
「ああ。分かります。言葉の壁は厚いですよね」
「それを考えると、受け入れやすいですなあ」
そうして、珀豪達への反応も、好意的になった。
『あ~、こちらの方々は立場的にも特別ですし、普段からの会話も自然に出来ます』
桂花が少しばかり気まずげに話す。これを基準にしてもらっては困るのだろう。
『ですが……我々の他の式神達は、必ずしもそうではありません』
「え?」
『少々、賢いペットというくらいの認識で結構です。術者の格によって、契約できる式神は違いますし、その式神となる精霊達の格も人によって違います』
「……なるほど。術者の格が高くないと、格の高い式神とは契約出来ないということですか……」
「彼が特別……ということですね」
『そういうことです』
桂花だけではなく、焔泉達も少しほっとしていたようだ。高耶を基準にされては彼らも困る。
『ですので、我々の式は人型になっても……今で言うロボットのように、感情面はほぼ出ず、命令しなければ動かない。そんなものになります』
「ほお……なるほど」
「あれは普通ではないと……」
「お若いのに、優秀なのですなあ……」
高耶に視線が集まっていた。そんな居心地の悪い空気の中、高耶に桂花もチラリと視線を向ける。
『では次に、精霊の中でも、物や草花や木に宿る精霊達をご紹介します』
そうして、首領達もそれぞれ、木や花の精霊達を召喚する。
『こちらは、感情が豊かです。落ち着いて、穏やかなものが多く少しの補佐を頼むことが多い』
首領達の前に現れたのは、優しげな女性の姿をした者が多い。少々、露出が多いものはあるが、それは仕方がなさそうだ。その中に、果泉も居た。
『ですが、はっきりと意思を示すため、言うことを聞かないこともあります。そして、性格が合えば、比較的容易く契約ができるので、四神との契約が出来ない若い者達が最初に契約するものでもあります』
「女性ばかりですね」
「子ども?」
「なんとも可愛らしい子だ」
《えへへ。おじいちゃんたち、ありがとうっ》
「「「「「っ、ぐぅ」」」」」
果泉が嬉しそうに照れる様に、満点で可愛いと悶えるお爺さん達が大半だった。
「まあ、果泉のお嬢ちゃんは可愛いわなあ」
「可愛いよねえ」
《果泉かわいい?》
「「「「「かわいい!」」」」」
他の初見の首領達まで、真面目な顔で褒めていた。
「しかし、あんな可愛い子が……補佐というのはね」
「いや、何もしなくても、傍に居るだけで!」
「うむ。充分だな!」
「「「充分だ!」」」
『いえ……この中で一番有能なのは、果泉ちゃんです……伝説級の存在ですので』
「「「「「伝説級?」」」」」
《果泉ねえ~。ほかの木をげんきにできるの~》
「「「「「それはすごい!」」」」」
《えへへ~》
「「「「「っ、かわいいっ」」」」」
実際にすごいかどうかはともかく、とりあえず褒めるお爺ちゃん達だ。
『……で、では次に、屋敷に憑く精霊についてご紹介しましょう。こちらは、昔は座敷童子と呼ばれていたものもあります。屋敷を守るという意味では、その屋敷に富をもたらすということで、座敷童子と総称しております』
「座敷童子……」
その姿を想像しているようだ。そこもしっかり裏切ることになる。
『では、どうぞ』
その声で、バックヤードに続く扉が開いた。そして、ゾロゾロとホテルの従業員達が入ってきたのだ。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「髪色は奇抜ですが、それが不思議とおかしくもない」
「人にしか見えませんなあ」
「話も通じますしねえ」
「海外の方の方が、対応に困りますし」
「ああ。分かります。言葉の壁は厚いですよね」
「それを考えると、受け入れやすいですなあ」
そうして、珀豪達への反応も、好意的になった。
『あ~、こちらの方々は立場的にも特別ですし、普段からの会話も自然に出来ます』
桂花が少しばかり気まずげに話す。これを基準にしてもらっては困るのだろう。
『ですが……我々の他の式神達は、必ずしもそうではありません』
「え?」
『少々、賢いペットというくらいの認識で結構です。術者の格によって、契約できる式神は違いますし、その式神となる精霊達の格も人によって違います』
「……なるほど。術者の格が高くないと、格の高い式神とは契約出来ないということですか……」
「彼が特別……ということですね」
『そういうことです』
桂花だけではなく、焔泉達も少しほっとしていたようだ。高耶を基準にされては彼らも困る。
『ですので、我々の式は人型になっても……今で言うロボットのように、感情面はほぼ出ず、命令しなければ動かない。そんなものになります』
「ほお……なるほど」
「あれは普通ではないと……」
「お若いのに、優秀なのですなあ……」
高耶に視線が集まっていた。そんな居心地の悪い空気の中、高耶に桂花もチラリと視線を向ける。
『では次に、精霊の中でも、物や草花や木に宿る精霊達をご紹介します』
そうして、首領達もそれぞれ、木や花の精霊達を召喚する。
『こちらは、感情が豊かです。落ち着いて、穏やかなものが多く少しの補佐を頼むことが多い』
首領達の前に現れたのは、優しげな女性の姿をした者が多い。少々、露出が多いものはあるが、それは仕方がなさそうだ。その中に、果泉も居た。
『ですが、はっきりと意思を示すため、言うことを聞かないこともあります。そして、性格が合えば、比較的容易く契約ができるので、四神との契約が出来ない若い者達が最初に契約するものでもあります』
「女性ばかりですね」
「子ども?」
「なんとも可愛らしい子だ」
《えへへ。おじいちゃんたち、ありがとうっ》
「「「「「っ、ぐぅ」」」」」
果泉が嬉しそうに照れる様に、満点で可愛いと悶えるお爺さん達が大半だった。
「まあ、果泉のお嬢ちゃんは可愛いわなあ」
「可愛いよねえ」
《果泉かわいい?》
「「「「「かわいい!」」」」」
他の初見の首領達まで、真面目な顔で褒めていた。
「しかし、あんな可愛い子が……補佐というのはね」
「いや、何もしなくても、傍に居るだけで!」
「うむ。充分だな!」
「「「充分だ!」」」
『いえ……この中で一番有能なのは、果泉ちゃんです……伝説級の存在ですので』
「「「「「伝説級?」」」」」
《果泉ねえ~。ほかの木をげんきにできるの~》
「「「「「それはすごい!」」」」」
《えへへ~》
「「「「「っ、かわいいっ」」」」」
実際にすごいかどうかはともかく、とりあえず褒めるお爺ちゃん達だ。
『……で、では次に、屋敷に憑く精霊についてご紹介しましょう。こちらは、昔は座敷童子と呼ばれていたものもあります。屋敷を守るという意味では、その屋敷に富をもたらすということで、座敷童子と総称しております』
「座敷童子……」
その姿を想像しているようだ。そこもしっかり裏切ることになる。
『では、どうぞ』
その声で、バックヤードに続く扉が開いた。そして、ゾロゾロとホテルの従業員達が入ってきたのだ。
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