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第七章 秘伝と任されたもの
379 視えるはずの人
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宮司の宝泉孝己は、少し肩を落として目を伏せる。
「そちらの業界を信じず、時に敵視までする者が多いのはご存知でしょう……」
「仕方がないことだと思っているのだが?」
「……そう……その様に、あなた方は、いつの間にか分かりあうことさえ諦めてしまっていることに、最近になって気付きました」
「そりゃあ、まあ……」
達喜も何とも言えない表情で言葉を濁す。だが、高耶や達喜達からすれば、特に神職の者相手だからと意固地になることはない。
「俺たちは、神職であろうとなかろうと、視えない者に、どれだけ言葉で伝えても、変わらないことを知っている」
「……はい……そうだろうと気付いたのも最近です。あなた方は、どれだけ誤解されても、やるべき事だけやれれば構わないと……」
そう言って、宮司は伊調の方を見た。伊調は苦笑で返す。
伊調達、神楽部隊は特に、視えない、信じないという人達の相手を表立ってすることになる。人知れずということが中々できない仕事だ。
高耶の場合は、強硬手段として、怪しまれてもさっと行って仕事を終えてしまえば良い。そして、素知らぬ顔で去れば良いのだ。
これに対して、伊調達は音を拾うことから始める。一つのものを聞き取り、完成させるまでに、長くて半年ほどかかる時もある。その間、周りに不審な目で見られても、滞在し続けなくてはならないのだ。
そして、真摯に頭を下げてその地での奉納を場を管理する人に頼み込まなくてはならなかった。
「我々には視えません。けれど、神の存在を否定することもできないっ……」
「……」
矛盾した態度に、宮司達自身も気付いていた。それでも、素直に認められなかったのは、視えないものを視えると言って騙してくる人もいるかもしれないという警戒心があるから。自分達で答えが分からないからだ。だから、本当に視えるらしい連盟の者達も信じられなくなっていた。
彼らも苦しんでいたのだ。信じないと頑なにならざるを得なかった。それは、思うよりも辛い事だった。認めた方が楽になる事は多い。
そんな辛そうに独白する宮司を見ていて、高耶はふと気付いた。
「……宮司さん」
「はい……」
顔を上げ、高耶と目を合わせる。そうして、目が合ったことで、高耶は確信した。
「昔は、子どもの頃には視えていましたか?」
「っ……」
宮司は、驚いたように目を丸くした。その反応で答えは分かった。
「視えていたけれど、自覚がなく、更に父親か周りに否定されましたか?」
「っ、なぜ……」
「以前、極端に信じない親に抑圧されたことで、その力が使えなくなったという事例がありまして。それで、最近ですが視える素質のある方がなんとなく分かるようになりました」
「そのようなことが……」
その事例にも、素質が分かるようになったということにも、宮司は驚いているようだった。色々と複雑な心情が思い起こされたのか、何かを考える様に口を閉じた。そこに、達喜が少し声を落として尋ねてくる。
「高耶、それって、ちょい前にあった合同の時の狐のか?」
「はい。それがあって、少し調べてみたんです。連盟に所属になった一般家庭の方達を対象にして」
「あっ、それっ、その論文面白かったよっ。卒業論文でもいけたよねっ」
目を輝かせて、雛柏教授が思わず口を挟んだ。
「そうですか? さすがに表立っては難しいかと思い、軽くまとめただけにしたのですが……」
「いやいやっ、本当に面白い研究だったよ」
提出した時に、雛柏教授は大絶賛してくれた。
「あ~、そんで? それ、どんなことが分かったんだ?」
「親が極端に信じない家庭の場合、素質があっても、長男、長女は親から抑圧されて視えなくなる事が多いようです。素直に親の言うことを聞くと言いますか……次男、次女以降は視える者が多いですね。それを親に上手く隠してきたようです」
強く高い視る素質を持った長男、長女は視えることを視えなくなったと嘘を付き、信じてくれなかったという親への不信感を持って、親との縁を切ってから連盟にやって来る者が多かった。
次男、次女以降の者は、最初から親に期待をして来なかったのだろう。しれっと普通に就職したという程で連盟に所属している者は多かった。
「神職関係の方は、恐らくそれが原因なのではないかと思います。最初に素直に視えるものを認めてしまえば良かったのでしょうが……一度否定すると人の体は便利なもので、視えにくくなるんですよ。素質が低い者ならば、それを続けただけで視えなくなるようです」
「……そんなっ……」
そうなってしまっては、せっかく視えていた力も弱まってしまう。無くなってしまうのだ。
「実際、神職関係の家の者で視える方が家との縁を切って連盟に所属しているというのがかなり居りました」
「……え……?」
「は?」
「うわ~、可哀想……」
調べた結果、そんな情報も集まっていたのだ。これには、宮司側だけでなく、達喜達も驚いていた。だが、伊調はそういえばと言う顔をしている。その理由は明らかだ。
「神楽部隊は、そういった方々、多いですよね?」
「確かに、そうかもしれません。あまり気にしたことはありませんでしたが……後を継ぐ必要はないから気兼ねなく打ち込めると言っていた者が何人か……」
「そりゃあ、もったいないな……」
達喜が思わずそう呟けば、宮司も頷いた。
「そうですね……なるほど……視える者が居ても、それを追い出していたのですね……」
「視える者同士で集まったとしても、数で押されてしまいますからね。中々、少数で立ち向かえる者はいません」
「ええ……これは、一丸となって視える者も視えない者も考えていかなくてはならないものですね」
環境から、根本から変えていかなくてはどうにもできない問題だ。
そこで、高耶は軽く提案した。
「では、素質もあるようですし、宮司さんも視えるようになってみますか?」
「……っ、そんなことができるのですか!?」
身を乗り出し気味に確認してくる宮司に、高耶は苦笑しながら頷いた。
「大丈夫だと思います。これだけ素質が高いなら、ただ視えるものを受け入れるだけですから」
「……そんなことで……?」
「案外、それが一番難しいかもしれませんよ」
「なるほど……その……機会があるのならお願いいたします!」
「はい。ご挨拶もきちんとしたかったので。奥に行ってもよろしいですか?」
「……奥?」
「はい。こちらの神様にご挨拶を」
「もっ、もちろんです!」
だが、そうして立ちあがろうとした所で、声がかかる。
《それには及ばん》
「っ、へ?」
「あ……」
「……さすが、高耶だな……」
「やはり御当主様には敵いません」
神が先に来てしまったようだ。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「そちらの業界を信じず、時に敵視までする者が多いのはご存知でしょう……」
「仕方がないことだと思っているのだが?」
「……そう……その様に、あなた方は、いつの間にか分かりあうことさえ諦めてしまっていることに、最近になって気付きました」
「そりゃあ、まあ……」
達喜も何とも言えない表情で言葉を濁す。だが、高耶や達喜達からすれば、特に神職の者相手だからと意固地になることはない。
「俺たちは、神職であろうとなかろうと、視えない者に、どれだけ言葉で伝えても、変わらないことを知っている」
「……はい……そうだろうと気付いたのも最近です。あなた方は、どれだけ誤解されても、やるべき事だけやれれば構わないと……」
そう言って、宮司は伊調の方を見た。伊調は苦笑で返す。
伊調達、神楽部隊は特に、視えない、信じないという人達の相手を表立ってすることになる。人知れずということが中々できない仕事だ。
高耶の場合は、強硬手段として、怪しまれてもさっと行って仕事を終えてしまえば良い。そして、素知らぬ顔で去れば良いのだ。
これに対して、伊調達は音を拾うことから始める。一つのものを聞き取り、完成させるまでに、長くて半年ほどかかる時もある。その間、周りに不審な目で見られても、滞在し続けなくてはならないのだ。
そして、真摯に頭を下げてその地での奉納を場を管理する人に頼み込まなくてはならなかった。
「我々には視えません。けれど、神の存在を否定することもできないっ……」
「……」
矛盾した態度に、宮司達自身も気付いていた。それでも、素直に認められなかったのは、視えないものを視えると言って騙してくる人もいるかもしれないという警戒心があるから。自分達で答えが分からないからだ。だから、本当に視えるらしい連盟の者達も信じられなくなっていた。
彼らも苦しんでいたのだ。信じないと頑なにならざるを得なかった。それは、思うよりも辛い事だった。認めた方が楽になる事は多い。
そんな辛そうに独白する宮司を見ていて、高耶はふと気付いた。
「……宮司さん」
「はい……」
顔を上げ、高耶と目を合わせる。そうして、目が合ったことで、高耶は確信した。
「昔は、子どもの頃には視えていましたか?」
「っ……」
宮司は、驚いたように目を丸くした。その反応で答えは分かった。
「視えていたけれど、自覚がなく、更に父親か周りに否定されましたか?」
「っ、なぜ……」
「以前、極端に信じない親に抑圧されたことで、その力が使えなくなったという事例がありまして。それで、最近ですが視える素質のある方がなんとなく分かるようになりました」
「そのようなことが……」
その事例にも、素質が分かるようになったということにも、宮司は驚いているようだった。色々と複雑な心情が思い起こされたのか、何かを考える様に口を閉じた。そこに、達喜が少し声を落として尋ねてくる。
「高耶、それって、ちょい前にあった合同の時の狐のか?」
「はい。それがあって、少し調べてみたんです。連盟に所属になった一般家庭の方達を対象にして」
「あっ、それっ、その論文面白かったよっ。卒業論文でもいけたよねっ」
目を輝かせて、雛柏教授が思わず口を挟んだ。
「そうですか? さすがに表立っては難しいかと思い、軽くまとめただけにしたのですが……」
「いやいやっ、本当に面白い研究だったよ」
提出した時に、雛柏教授は大絶賛してくれた。
「あ~、そんで? それ、どんなことが分かったんだ?」
「親が極端に信じない家庭の場合、素質があっても、長男、長女は親から抑圧されて視えなくなる事が多いようです。素直に親の言うことを聞くと言いますか……次男、次女以降は視える者が多いですね。それを親に上手く隠してきたようです」
強く高い視る素質を持った長男、長女は視えることを視えなくなったと嘘を付き、信じてくれなかったという親への不信感を持って、親との縁を切ってから連盟にやって来る者が多かった。
次男、次女以降の者は、最初から親に期待をして来なかったのだろう。しれっと普通に就職したという程で連盟に所属している者は多かった。
「神職関係の方は、恐らくそれが原因なのではないかと思います。最初に素直に視えるものを認めてしまえば良かったのでしょうが……一度否定すると人の体は便利なもので、視えにくくなるんですよ。素質が低い者ならば、それを続けただけで視えなくなるようです」
「……そんなっ……」
そうなってしまっては、せっかく視えていた力も弱まってしまう。無くなってしまうのだ。
「実際、神職関係の家の者で視える方が家との縁を切って連盟に所属しているというのがかなり居りました」
「……え……?」
「は?」
「うわ~、可哀想……」
調べた結果、そんな情報も集まっていたのだ。これには、宮司側だけでなく、達喜達も驚いていた。だが、伊調はそういえばと言う顔をしている。その理由は明らかだ。
「神楽部隊は、そういった方々、多いですよね?」
「確かに、そうかもしれません。あまり気にしたことはありませんでしたが……後を継ぐ必要はないから気兼ねなく打ち込めると言っていた者が何人か……」
「そりゃあ、もったいないな……」
達喜が思わずそう呟けば、宮司も頷いた。
「そうですね……なるほど……視える者が居ても、それを追い出していたのですね……」
「視える者同士で集まったとしても、数で押されてしまいますからね。中々、少数で立ち向かえる者はいません」
「ええ……これは、一丸となって視える者も視えない者も考えていかなくてはならないものですね」
環境から、根本から変えていかなくてはどうにもできない問題だ。
そこで、高耶は軽く提案した。
「では、素質もあるようですし、宮司さんも視えるようになってみますか?」
「……っ、そんなことができるのですか!?」
身を乗り出し気味に確認してくる宮司に、高耶は苦笑しながら頷いた。
「大丈夫だと思います。これだけ素質が高いなら、ただ視えるものを受け入れるだけですから」
「……そんなことで……?」
「案外、それが一番難しいかもしれませんよ」
「なるほど……その……機会があるのならお願いいたします!」
「はい。ご挨拶もきちんとしたかったので。奥に行ってもよろしいですか?」
「……奥?」
「はい。こちらの神様にご挨拶を」
「もっ、もちろんです!」
だが、そうして立ちあがろうとした所で、声がかかる。
《それには及ばん》
「っ、へ?」
「あ……」
「……さすが、高耶だな……」
「やはり御当主様には敵いません」
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