7 / 405
第一章 秘伝のお仕事
007 仕事しろ
しおりを挟む
2017. 12. 13
**********
昔から、不思議な力を持つ陰陽師という存在が周知されていたことにより、現代でもこういった科学では説明できないものは、一部で認知されて、秘匿されている。
理解できないものは恐怖や不安の対象だ。おおよそ、科学で正体を証明することが出来るとされる現代で、余計な混乱を起こさないためにどうするか。
はっきり解明できないなら隠してしまえという暴挙に出たのだ。
オカルトはそういうものだと納得するのに、これはダメとか線引きは難しい問題だろう。
そんな事情もあり、公にならないようにと高耶達のような者を支援する存在は様々な業界にいる。
もちろん警察にもいるのだ。彼らは元来、秩序を守る者。何より、影食いなどの妖の影響を受けた者が犯罪者になることで、その存在を理解する者も必要となる。
高耶は倒した青年に腰掛けながら、先ずとあるアドレスにメールを送る。すると、電話番号が返信されてきた。
そこに電話を掛けると、近くにいる担当に繋がるのだ。こういった案件は素早く動く必要がある。そのための措置だった。
『っ!? 高耶君! 久しぶり!!』
「……迅さんか……」
『なにその、心底残念ですって感じの声っ! 酷いんじゃないっ?』
「さっさと、迅速に来てもらえます?」
『まっかせてよ!! 迅・速に行くかっ……』
鬱陶しいテンションがどうにも合わない。プツっと切っておいた。
しかし、そのすぐ後にスマホを耳に当てたまま、一人の若い男がやってくる。
「切るの速いよっ!」
「……おっす……さっさと回収してくれ」
短髪、癖っ毛の童顔刑事。それが三先迅《ミサキジン》という男だ。
「するけどねっ。ちょっとはコミュニケーションっていうか、こう、仕事以外でも会話をねっ」
「仕事してくれ」
「分かったっ。今度美味しいケーキ屋さんでお話しようよ」
「……」
この男、少々というか、大分面倒くさい男で、あまり関わり合いになりたくない人物だったりする。
「あっ、それかこれからそこのクレープが美味しいっ」
「すんません、おじさん。そこの角二つ行った所に交番があるんで駐在さん呼んできてもらえます?」
「あ、ああ……」
「ちょっと、高耶君っ!? 俺、警察っ、刑事だよっ!? なんで代わり連れてこようとしてんのっ!?」
「仕事しようとしねぇからだろ」
低い声で言ってやれば、迅は不貞腐れたような表情をしながらようやく男に手を伸ばす。
「もうちょっと構ってくれてもいいのにさ……」
「せめて就業時間外にしろ……っ」
そう口にしてからしまったと思った。迅の目が輝いたのだ。
「そうするっ! 連絡するから、メールっ、メールアドレス教えてっ」
「勒《ロク》さんが良いと言ったら好きにしてくれ」
「っ……それ無理でしょっ。実質無理ってことでしょっ!?」
明らかに言動からしてダメダメな男だが、この間に高耶が腰を上げると素早く男を拘束していた。仕事はできるのだ。すると、後から来た相棒の刑事だろう一人の男性に男を引き渡す。
「あ~……せっかく会えたのにぃ……」
「もう帰れ。それと、その自転車も多分あいつのだ。あとそいつの持ってたナイフがあれ。そんで、この子達は俺が送ってく」
「うん……明日時間ができたら署に来てね……」
「分かってる。お疲れさん」
「はい……気を付けて」
肩を落として帰っていく迅を見送ると、微妙な顔をしてこちらを見ている見守り隊のおじいさんと目が合う。
「その……君も色々あるんだな……」
「……何か誤解してますよね? あの人、ただの武術バカっていうか……ちょっと気に入られてるだけです……」
生暖かい目を向けられたので、弁明しておく。しかし、年長者の目は厳しい。
「……ちょっと?」
「いえ、失礼、異常なくらいに……」
たまたま手伝いに行った道場で、迅の武術の指導に高耶が当たったことがあった。そこで気に入られてしまったようなのだ。迅は童顔だし言動がアレだが、実年齢は三十五歳くらい。意味不明な若者ではない。
どうも気に入られたのも、見た目と中身の違いというのが良かったらしい。迅は童顔を気にしているから。
実際はかなり才能もある有能な刑事だ。高耶を前にするとスイッチが入るだけで、本来は頼りになる男らしい。
「さて、送ってくか。えっとカナちゃんとミユちゃんだったか? お家までついて行ってあげるから……って、今泣くっ!?」
あの男が連れて行かれた事で安心したのか、二人の少女は同時に泣き出した。
「お、おいっ、こ、これはどうすればっ……」
冷静だった高耶も、子ども達には弱い。大混乱だ。そうすると、もう冷静な頭ではなくなる。だから、優希のこの言葉に素直に従った。
「おにいちゃん、だっこだよっ」
「へっ? よ、よしっ! 優希はここで動くなよ!」
そう一言伝えてから優希を下ろす。危ないので一歩離れてから二人の少女をヒョイっと片腕ずつで持ち上げた。
「ほら、抱っこだ」
「「っ!?」」
驚いて泣くのを止めた二人。それに高耶はほっとする。
「良かった……泣き止んだな。もう怖いお兄さんもいないだろ? お家に帰ろうな?」
「っ、うん」
「か、かえるっ」
これで問題は解決だと目を向けた先には、見守り隊のおじいさんが口をあんぐりと開けてこちらを見つめていた。
「ん?」
「あ、いや……兄ちゃん、見た目によらず力持ちなんだな……」
「あ~、まぁそれなりには鍛えてますんで」
「そうか。いや、本当に人は見かけで判断してはいかんな」
「はぁ……」
それから、高耶だけでは事情説明も難しいだろうということで、おじいさんもついて来てくれた。
二人の家は、お隣同士らしい。ただ、ミユちゃんの方は家に誰もいないということで、カナちゃんのお家に母親が帰って来るまで待たせてもらっているのだという。お陰で説明を二回する手間が省けそうだ。
カナちゃんの家に着くと、高耶はまだ降りないという二人を抱きかかえたままおじいさんにベルを鳴らしてもらう。
「はい……」
恐る恐る顔を出したカナちゃんの母親は、さすがに面食らったような顔を見せた。そこをすかさずおじいさんが事情説明に入る。
この時、優希は高耶の服の裾を掴んで歩いてついてきている。その間、カナちゃんやミユちゃんと楽しそうに話をしていた。高耶はあえて聞かない振りで通す。
内容はこうだ。
「ユウキちゃんのおにいちゃん、カッコイイね」
「いいなぁ……おにいちゃんほしい」
「えへへユウキのおにいちゃんだもん」
といったもので、始終キャッキャとはしゃいでくれた。女の子はいくつであっても女の子だなと感じ入ってしまう。
説明が終わると、カナちゃんの母親は勢いよく頭を下げてきた。
「ありがとうございますっ。ご迷惑をおかけしましたっ」
「いえ、妹の友達でしたし、大事に至らなくて良かったです」
そう言って二人を降ろす。すると、揃って顔を上げてお礼を言った。
「「ありがとうございました」」
「うん。どういたしまして。これからはちゃんと通学路を歩くんだよ」
「「はいっ」」
怖い思いはしたけれど、良い勉強にはなっただろう。
「カナちゃん、ミユちゃんまたあしたね」
「ユウキちゃん、バイバイ」
「またね~」
優希は児童センターに行くので普段一緒には帰れない。こうして二人と帰れたのは楽しかったのだろう。
ここでおじいさんとも別れる。
「それじゃぁ、ここでな」
「はい。ありがとうございました」
「いやいや、こっちこそ助かったよ。じゃぁな」
優希と手を繋いで歩き出す。しかし、しばらくして優希が笑顔で言った。
「だっこ」
「優希……分かった」
甘やかし過ぎだとは思っても、今回だけはと抱き上げる。こうして今回だけは、今回だけはと毎回になるのには気付いていない。
「あははっ、たか~い」
「ちゃんと掴まってろよ?」
「うんっ」
夜には憂鬱な集まりもあるのだ。今だけはこうして幸せを噛み締めていても許されるだろう。
とりあえず、帰ったら盛大に文句一杯の呪い並みのメールを、今頃モニターの前で満足気にふんぞり返っているだろう人物に送ろうと心に決めていた。
**********
昔から、不思議な力を持つ陰陽師という存在が周知されていたことにより、現代でもこういった科学では説明できないものは、一部で認知されて、秘匿されている。
理解できないものは恐怖や不安の対象だ。おおよそ、科学で正体を証明することが出来るとされる現代で、余計な混乱を起こさないためにどうするか。
はっきり解明できないなら隠してしまえという暴挙に出たのだ。
オカルトはそういうものだと納得するのに、これはダメとか線引きは難しい問題だろう。
そんな事情もあり、公にならないようにと高耶達のような者を支援する存在は様々な業界にいる。
もちろん警察にもいるのだ。彼らは元来、秩序を守る者。何より、影食いなどの妖の影響を受けた者が犯罪者になることで、その存在を理解する者も必要となる。
高耶は倒した青年に腰掛けながら、先ずとあるアドレスにメールを送る。すると、電話番号が返信されてきた。
そこに電話を掛けると、近くにいる担当に繋がるのだ。こういった案件は素早く動く必要がある。そのための措置だった。
『っ!? 高耶君! 久しぶり!!』
「……迅さんか……」
『なにその、心底残念ですって感じの声っ! 酷いんじゃないっ?』
「さっさと、迅速に来てもらえます?」
『まっかせてよ!! 迅・速に行くかっ……』
鬱陶しいテンションがどうにも合わない。プツっと切っておいた。
しかし、そのすぐ後にスマホを耳に当てたまま、一人の若い男がやってくる。
「切るの速いよっ!」
「……おっす……さっさと回収してくれ」
短髪、癖っ毛の童顔刑事。それが三先迅《ミサキジン》という男だ。
「するけどねっ。ちょっとはコミュニケーションっていうか、こう、仕事以外でも会話をねっ」
「仕事してくれ」
「分かったっ。今度美味しいケーキ屋さんでお話しようよ」
「……」
この男、少々というか、大分面倒くさい男で、あまり関わり合いになりたくない人物だったりする。
「あっ、それかこれからそこのクレープが美味しいっ」
「すんません、おじさん。そこの角二つ行った所に交番があるんで駐在さん呼んできてもらえます?」
「あ、ああ……」
「ちょっと、高耶君っ!? 俺、警察っ、刑事だよっ!? なんで代わり連れてこようとしてんのっ!?」
「仕事しようとしねぇからだろ」
低い声で言ってやれば、迅は不貞腐れたような表情をしながらようやく男に手を伸ばす。
「もうちょっと構ってくれてもいいのにさ……」
「せめて就業時間外にしろ……っ」
そう口にしてからしまったと思った。迅の目が輝いたのだ。
「そうするっ! 連絡するから、メールっ、メールアドレス教えてっ」
「勒《ロク》さんが良いと言ったら好きにしてくれ」
「っ……それ無理でしょっ。実質無理ってことでしょっ!?」
明らかに言動からしてダメダメな男だが、この間に高耶が腰を上げると素早く男を拘束していた。仕事はできるのだ。すると、後から来た相棒の刑事だろう一人の男性に男を引き渡す。
「あ~……せっかく会えたのにぃ……」
「もう帰れ。それと、その自転車も多分あいつのだ。あとそいつの持ってたナイフがあれ。そんで、この子達は俺が送ってく」
「うん……明日時間ができたら署に来てね……」
「分かってる。お疲れさん」
「はい……気を付けて」
肩を落として帰っていく迅を見送ると、微妙な顔をしてこちらを見ている見守り隊のおじいさんと目が合う。
「その……君も色々あるんだな……」
「……何か誤解してますよね? あの人、ただの武術バカっていうか……ちょっと気に入られてるだけです……」
生暖かい目を向けられたので、弁明しておく。しかし、年長者の目は厳しい。
「……ちょっと?」
「いえ、失礼、異常なくらいに……」
たまたま手伝いに行った道場で、迅の武術の指導に高耶が当たったことがあった。そこで気に入られてしまったようなのだ。迅は童顔だし言動がアレだが、実年齢は三十五歳くらい。意味不明な若者ではない。
どうも気に入られたのも、見た目と中身の違いというのが良かったらしい。迅は童顔を気にしているから。
実際はかなり才能もある有能な刑事だ。高耶を前にするとスイッチが入るだけで、本来は頼りになる男らしい。
「さて、送ってくか。えっとカナちゃんとミユちゃんだったか? お家までついて行ってあげるから……って、今泣くっ!?」
あの男が連れて行かれた事で安心したのか、二人の少女は同時に泣き出した。
「お、おいっ、こ、これはどうすればっ……」
冷静だった高耶も、子ども達には弱い。大混乱だ。そうすると、もう冷静な頭ではなくなる。だから、優希のこの言葉に素直に従った。
「おにいちゃん、だっこだよっ」
「へっ? よ、よしっ! 優希はここで動くなよ!」
そう一言伝えてから優希を下ろす。危ないので一歩離れてから二人の少女をヒョイっと片腕ずつで持ち上げた。
「ほら、抱っこだ」
「「っ!?」」
驚いて泣くのを止めた二人。それに高耶はほっとする。
「良かった……泣き止んだな。もう怖いお兄さんもいないだろ? お家に帰ろうな?」
「っ、うん」
「か、かえるっ」
これで問題は解決だと目を向けた先には、見守り隊のおじいさんが口をあんぐりと開けてこちらを見つめていた。
「ん?」
「あ、いや……兄ちゃん、見た目によらず力持ちなんだな……」
「あ~、まぁそれなりには鍛えてますんで」
「そうか。いや、本当に人は見かけで判断してはいかんな」
「はぁ……」
それから、高耶だけでは事情説明も難しいだろうということで、おじいさんもついて来てくれた。
二人の家は、お隣同士らしい。ただ、ミユちゃんの方は家に誰もいないということで、カナちゃんのお家に母親が帰って来るまで待たせてもらっているのだという。お陰で説明を二回する手間が省けそうだ。
カナちゃんの家に着くと、高耶はまだ降りないという二人を抱きかかえたままおじいさんにベルを鳴らしてもらう。
「はい……」
恐る恐る顔を出したカナちゃんの母親は、さすがに面食らったような顔を見せた。そこをすかさずおじいさんが事情説明に入る。
この時、優希は高耶の服の裾を掴んで歩いてついてきている。その間、カナちゃんやミユちゃんと楽しそうに話をしていた。高耶はあえて聞かない振りで通す。
内容はこうだ。
「ユウキちゃんのおにいちゃん、カッコイイね」
「いいなぁ……おにいちゃんほしい」
「えへへユウキのおにいちゃんだもん」
といったもので、始終キャッキャとはしゃいでくれた。女の子はいくつであっても女の子だなと感じ入ってしまう。
説明が終わると、カナちゃんの母親は勢いよく頭を下げてきた。
「ありがとうございますっ。ご迷惑をおかけしましたっ」
「いえ、妹の友達でしたし、大事に至らなくて良かったです」
そう言って二人を降ろす。すると、揃って顔を上げてお礼を言った。
「「ありがとうございました」」
「うん。どういたしまして。これからはちゃんと通学路を歩くんだよ」
「「はいっ」」
怖い思いはしたけれど、良い勉強にはなっただろう。
「カナちゃん、ミユちゃんまたあしたね」
「ユウキちゃん、バイバイ」
「またね~」
優希は児童センターに行くので普段一緒には帰れない。こうして二人と帰れたのは楽しかったのだろう。
ここでおじいさんとも別れる。
「それじゃぁ、ここでな」
「はい。ありがとうございました」
「いやいや、こっちこそ助かったよ。じゃぁな」
優希と手を繋いで歩き出す。しかし、しばらくして優希が笑顔で言った。
「だっこ」
「優希……分かった」
甘やかし過ぎだとは思っても、今回だけはと抱き上げる。こうして今回だけは、今回だけはと毎回になるのには気付いていない。
「あははっ、たか~い」
「ちゃんと掴まってろよ?」
「うんっ」
夜には憂鬱な集まりもあるのだ。今だけはこうして幸せを噛み締めていても許されるだろう。
とりあえず、帰ったら盛大に文句一杯の呪い並みのメールを、今頃モニターの前で満足気にふんぞり返っているだろう人物に送ろうと心に決めていた。
110
お気に入りに追加
1,304
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。
音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。
その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。
16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。
後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる