317 / 417
第六章 秘伝と知己の集い
317 手は出させません
しおりを挟む
きっちり六時の十五分前にエリーゼの声で起きた高耶は、数時間の休息だったが、すっかり体調も良くなっていた。
襖を開けると、待ってましたと俊哉とエリーゼが出迎える。
《もうどこも問題なさそうですねえ》
「ああ」
「本当に開かない襖とか、面白かったぜ」
「……そうか……」
エリーゼはささっとポケットから出した櫛で高耶の髪を整え、服の皺を伸ばす。
それが終わると、高耶が寝ていた布団をきちんと敷き直していく。この間、二分と掛かっていない。
これを見ていた満、嶺、彰彦が感想を呟く。
「……さすがメイドさん。羨ましい……っ」
「……手慣れてる感がすげえ……お嫁さんとか、こういうのがいいよな……」
「うむ。中々の手際……メイドスキルとしてはかなり上位のようだな。師事するのも良さそうだ……」
それぞれがどう思っているか、どう思うかが高耶にも分かってきたため、あえて誰にも突っ込まなかった。
《ご主人様。扉はあちらをお使いください。それと、私も行きます》
丁寧な言葉だ。笑顔で押し切ろうという想いが透けて見える。
「ん? いや、瑶迦さんの所に繋げるだけだぞ?」
《それは知ってますけど……》
高耶は、エリーゼがついて来る必要性を感じていない。だが、エリーゼには何か考えがあるようだ。
「……何をする気だ?」
《やって……気に入らんのがあっちに居りますやん……もう、うちはアレに負ける気あらへんっ。やから、一時的にやけど、守護範囲に入れる》
「団子屋をか……」
《せやっ。ご主人様の護符でもあれば、確実や! アイツらには二度とご主人様が守ろうとした場所に手は出させん!》
「……エリーゼ……」
エリーゼの言うアイツらというのは、『鬼』のこと。彼女は、鬼のせいで消えるところだったことがある。
そして、同じ屋敷精霊が鬼に寄生され、醜い異形の姿になって、消えていったのを知っている。その屋敷精霊は納得して逝ったが、それでもエリーゼには許せるものではなかった。
《うちの領域に、アレらは通さん! 絶対にや! やから、やらせてんか、ご主人様!》
「……分かった……無理はするなよ」
《っ、それはこっちのセリフや! ご主人様と一緒にせんといてや。引き際も弁えとるで!》
「……」
まるで、高耶は無理して引き際も弁えていないと言われているようだ。だが、それなりに自覚もあるので仕方がない。
「……なら、行くぞ」
《了解や!》
「え? エリーゼたん、どっか行っちゃうのか?」
俊哉が残念そうに言う。
《団子屋さんに一度行って、守護範囲として登録するだけや。ご主人様と一緒にまた帰ってくるで? 登録だけやから、三分もかからん》
「ならいいや。エリーゼたんこっち手伝ってくれるって言ったからさ~」
《あっ、せやった。ご主人様。うち、俊哉はんの幹事の手伝いしてもええやろか。ご主人様だけお世話するん、おかしい言われそうやってん。けど、帰るのは拒否やで》
エリーゼは、できれば高耶の世話だけしていたい。だが、ただでさえ目立つメイド姿のエリーゼだ。部屋付きとしても、誤魔化せないだろう。
よって、高耶が休んでいる内に、俊哉とここに居るのに問題ない立場というのを相談していたようだ。
エリーゼにも仲居をというのは、見た目でもうかなり浮く。やはりメイド姿が良く似合っている。そして目立つ。
そこで、俊哉達幹事の補佐として前面に出すことにしたというわけだ。エリーゼは賑やかなのも好きだし、どの分野でも補佐をするのは得意だろう。
何より、俊哉ならばメイドが側にいても、『またアイツは……』とか『俊哉ならそういうことも……』と、勝手に納得してくれる。これは俊哉の人柄によるものだろう。
「……分かった。頑張ってくれ」
《任せてえなっ!》
そして、予定通り六時に団子屋に扉を繋ぎ、瑶迦の所へ家の中の扉の一つを繋いだままにした。
「エリーゼが守るなら、固定でも良いだろう」
《問題あらへんよ。絶対に守るでなっ》
これで、彼女達も好きな時に戻って来られるし、逃げ込める。
五分ほどで戻ってきた。
待っていたと言うように、満と嶺がこの後の予定を提案する。
「お、戻ってきたっ。夕食前に温泉どうだ?」
「今日の夕食は、部屋に七時半頃に用意してくれるんだってさ。まだ一時間近くあるんだよ」
「それなら、温泉行くか……俊哉は?」
「先生達を誘いに行った」
「なら良いな」
後で面倒くさくなることはないだろう。この確認は大事だ。
「エリーゼは……」
《夕食の方の手伝いしてくるわ。今、師匠から手伝えとビビっと来たで》
エリーゼの言う師匠は拍豪のことだ。彼なら今、厨房で食材と戦っているはずだ。
「それならそっちを頼む」
《任せてや! ご主人様も、ゆっくり浸かってくるんやで! ええ加減やったら、明日は姉さん達と背中流しに行くでな!》
「……しっかり浸かってくる」
《それはそれで残念や……ほなっ》
エリーゼは部屋を飛び出して行った。
廊下から『えっ! メイド!?』『旅館にメイド!?』『金髪メイドキターぁぁぁっ』など、とっても騒がしい声が聞こえたが、高耶は気にせずに風呂に行く準備をする。
だが、満と嶺は気になるようだ。
「……なあ、外がすげえ大混乱してんだけど」
「そうか。なら、ゆっくり用意しよう」
「……追っかけて行ってないか?」
「なら安心だな。どこかで捲くだろ。あのまま厨房まで行ったら怒られる」
「「っ、なんでそんな普通なんだよ!」」
「……予想出来ることだろ……気にするだけ無駄だ」
色々と納得できないらしい満と嶺とは違い、彰彦は相変わらずだ。
「うむ。さすがは、メイドの主人なだけあるな」
「褒めてるんだよな?」
「当然だ」
「ありがとな」
「気にするな」
「「……」」
黙々と、高耶と彰彦が荷物の整理をしながらも風呂の準備を整えていくのを見て、満と嶺もそれに倣う。
言っても無駄だと分かったようだ。
こんな感じで、一日目の夜は更けて行った。
同窓会の本番は明日だ。
************
読んでくださりありがとうございます◎
襖を開けると、待ってましたと俊哉とエリーゼが出迎える。
《もうどこも問題なさそうですねえ》
「ああ」
「本当に開かない襖とか、面白かったぜ」
「……そうか……」
エリーゼはささっとポケットから出した櫛で高耶の髪を整え、服の皺を伸ばす。
それが終わると、高耶が寝ていた布団をきちんと敷き直していく。この間、二分と掛かっていない。
これを見ていた満、嶺、彰彦が感想を呟く。
「……さすがメイドさん。羨ましい……っ」
「……手慣れてる感がすげえ……お嫁さんとか、こういうのがいいよな……」
「うむ。中々の手際……メイドスキルとしてはかなり上位のようだな。師事するのも良さそうだ……」
それぞれがどう思っているか、どう思うかが高耶にも分かってきたため、あえて誰にも突っ込まなかった。
《ご主人様。扉はあちらをお使いください。それと、私も行きます》
丁寧な言葉だ。笑顔で押し切ろうという想いが透けて見える。
「ん? いや、瑶迦さんの所に繋げるだけだぞ?」
《それは知ってますけど……》
高耶は、エリーゼがついて来る必要性を感じていない。だが、エリーゼには何か考えがあるようだ。
「……何をする気だ?」
《やって……気に入らんのがあっちに居りますやん……もう、うちはアレに負ける気あらへんっ。やから、一時的にやけど、守護範囲に入れる》
「団子屋をか……」
《せやっ。ご主人様の護符でもあれば、確実や! アイツらには二度とご主人様が守ろうとした場所に手は出させん!》
「……エリーゼ……」
エリーゼの言うアイツらというのは、『鬼』のこと。彼女は、鬼のせいで消えるところだったことがある。
そして、同じ屋敷精霊が鬼に寄生され、醜い異形の姿になって、消えていったのを知っている。その屋敷精霊は納得して逝ったが、それでもエリーゼには許せるものではなかった。
《うちの領域に、アレらは通さん! 絶対にや! やから、やらせてんか、ご主人様!》
「……分かった……無理はするなよ」
《っ、それはこっちのセリフや! ご主人様と一緒にせんといてや。引き際も弁えとるで!》
「……」
まるで、高耶は無理して引き際も弁えていないと言われているようだ。だが、それなりに自覚もあるので仕方がない。
「……なら、行くぞ」
《了解や!》
「え? エリーゼたん、どっか行っちゃうのか?」
俊哉が残念そうに言う。
《団子屋さんに一度行って、守護範囲として登録するだけや。ご主人様と一緒にまた帰ってくるで? 登録だけやから、三分もかからん》
「ならいいや。エリーゼたんこっち手伝ってくれるって言ったからさ~」
《あっ、せやった。ご主人様。うち、俊哉はんの幹事の手伝いしてもええやろか。ご主人様だけお世話するん、おかしい言われそうやってん。けど、帰るのは拒否やで》
エリーゼは、できれば高耶の世話だけしていたい。だが、ただでさえ目立つメイド姿のエリーゼだ。部屋付きとしても、誤魔化せないだろう。
よって、高耶が休んでいる内に、俊哉とここに居るのに問題ない立場というのを相談していたようだ。
エリーゼにも仲居をというのは、見た目でもうかなり浮く。やはりメイド姿が良く似合っている。そして目立つ。
そこで、俊哉達幹事の補佐として前面に出すことにしたというわけだ。エリーゼは賑やかなのも好きだし、どの分野でも補佐をするのは得意だろう。
何より、俊哉ならばメイドが側にいても、『またアイツは……』とか『俊哉ならそういうことも……』と、勝手に納得してくれる。これは俊哉の人柄によるものだろう。
「……分かった。頑張ってくれ」
《任せてえなっ!》
そして、予定通り六時に団子屋に扉を繋ぎ、瑶迦の所へ家の中の扉の一つを繋いだままにした。
「エリーゼが守るなら、固定でも良いだろう」
《問題あらへんよ。絶対に守るでなっ》
これで、彼女達も好きな時に戻って来られるし、逃げ込める。
五分ほどで戻ってきた。
待っていたと言うように、満と嶺がこの後の予定を提案する。
「お、戻ってきたっ。夕食前に温泉どうだ?」
「今日の夕食は、部屋に七時半頃に用意してくれるんだってさ。まだ一時間近くあるんだよ」
「それなら、温泉行くか……俊哉は?」
「先生達を誘いに行った」
「なら良いな」
後で面倒くさくなることはないだろう。この確認は大事だ。
「エリーゼは……」
《夕食の方の手伝いしてくるわ。今、師匠から手伝えとビビっと来たで》
エリーゼの言う師匠は拍豪のことだ。彼なら今、厨房で食材と戦っているはずだ。
「それならそっちを頼む」
《任せてや! ご主人様も、ゆっくり浸かってくるんやで! ええ加減やったら、明日は姉さん達と背中流しに行くでな!》
「……しっかり浸かってくる」
《それはそれで残念や……ほなっ》
エリーゼは部屋を飛び出して行った。
廊下から『えっ! メイド!?』『旅館にメイド!?』『金髪メイドキターぁぁぁっ』など、とっても騒がしい声が聞こえたが、高耶は気にせずに風呂に行く準備をする。
だが、満と嶺は気になるようだ。
「……なあ、外がすげえ大混乱してんだけど」
「そうか。なら、ゆっくり用意しよう」
「……追っかけて行ってないか?」
「なら安心だな。どこかで捲くだろ。あのまま厨房まで行ったら怒られる」
「「っ、なんでそんな普通なんだよ!」」
「……予想出来ることだろ……気にするだけ無駄だ」
色々と納得できないらしい満と嶺とは違い、彰彦は相変わらずだ。
「うむ。さすがは、メイドの主人なだけあるな」
「褒めてるんだよな?」
「当然だ」
「ありがとな」
「気にするな」
「「……」」
黙々と、高耶と彰彦が荷物の整理をしながらも風呂の準備を整えていくのを見て、満と嶺もそれに倣う。
言っても無駄だと分かったようだ。
こんな感じで、一日目の夜は更けて行った。
同窓会の本番は明日だ。
************
読んでくださりありがとうございます◎
169
お気に入りに追加
1,471
あなたにおすすめの小説

称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます

異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」


雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました
夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」
命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。
本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。
元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。
その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。
しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。
といった序盤ストーリーとなっております。
追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。
5月30日までは毎日2回更新を予定しています。
それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。


治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる