93 / 419
第三章 秘伝の弟子
093 気位が高い?
しおりを挟む
2019. 2. 6
**********
常盤は上官に報告するように、綺麗な直立姿勢で報告を始めた。
《一見したところ、大きな綻びは三つ。全てに保護結界を敷いてあちらからの侵入を防ぎました。それと、一階よりも上階に淀みが広がっているようです。常時発生型の妖も異常な個体が多く見られました》
「そうか……子どもたちに影響は?」
《……数人、憑いてしまっているものを確認いたしました。かなり育っておりましたので、家の方にも影響していると思われます》
常盤の表情に痛ましいものが感じられた。すぐに祓ってやりたいが、取り憑き大きく育ってしまった妖は、祓う時に痛みを感じたり、精神に影響を与えてしまう。
その上、家にまで影響を及ぼしている場合がある。そうなると、浄化してもまたすぐに取り憑かれてしまうのだ。
「うそ……そこまでなの?」
校長が口元を押さえて衝撃を受けていた。
「だから厄介なんですよ……」
「なんかよく分からんけど、コックリさんってすごいんだな……」
「それが分かったら、悪ふざけでもこの先やるなよ」
「え? 俺、もう大学生だぜ?」
そんなのやるわけないじゃんと言われても、高耶は俊哉にクギを深く刺し込んでおく。
「飲み会とかで集まって、悪ふざけでやらないって誓って言えるか?」
「そんなんやるわけ……っ……ないって言えねえのはなんでだっ、俺っ!」
「知るかっ。いいか、酒に酔って勢いで『コックリさんってやったことある?』とか言うなよっ」
「俺、言いそうじゃんっ! どうすんの!?」
やっぱりこいつを連れてくるんじゃなかったと高耶は頭を抱える。
そこで、優希に抱き着かれながら人化した綺翔が俊哉に一歩だけ近づいた。
「えっ、あ、キショウさんっ」
《……誓って……》
「へ?」
綺翔の瞳が猫のように尖ったものに変わっていた。
《主様に迷惑かけないって誓って》
「綺翔……?」
珍しく長い言葉を口にした。俊哉を見つめる様子もいつもと違う。
《迷惑かけたら許さない》
「っ、誓わせていただきます! 高耶お父さまに迷惑はかけませんっ」
「おい……」
《ん……ならいい》
「はいっ」
一部良くないぞと言っても無駄っぽい。
「おにいちゃん、おとうさんなの?」
「優希、あのお兄さんの言ってることは無視しなさい。頭悪くなっちゃうからな」
「わるくなるのヤダ……わかった、きかない」
高耶の隣に戻ってきた優希がうんうんと素直に頷いていた。
「お~い、高耶。聞こえてるから」
「聞こえないな」
「きこえないねえ」
楽しそうに優希が笑うので、高耶も落ち着いた。
「綺翔、土地神の社の辺りの浄化を一足先に頼む。常盤は上空からここの土地神の加護範囲を確認してきてくれ」
《諾》
《承知いたしました》
再び子猫と小鳥になった二人が、今度は窓から外へと飛び出して行った。
「さて、それでは今日は軽めに土地の調整をします。音楽室に案内してもらえますか?」
「ええ」
立ち上がり、校長が先頭に立って部屋を出る。職員室で鍵を取ってから廊下を進む。
あの湯木という教諭が睨んでいたが見なかったことにしておいた。因みに遠目で睨まれても、高耶には彼の頭の後ろに不気味な色のカラフルなクッションがくっ付いているようにしか見えないので、逆に哀れにしか映らなかったりする。
高耶と校長の後ろには、俊哉と時島がしっかりついてきている。校長と教頭が揃っているのだ。誰も文句は言えないだろう。
「それにしても、ピアノを弾くだけでどうにかできるなんてすごいわね」
「おにいちゃん、ピアノじょうずなの」
「そうなの? カッコいいわねえ」
「えへへ」
間にいる優希がとっても自慢げだった。
「でも、陰陽師の中でピアノを使うって、きっとご当主だけね」
「ピアノはそうかもしれませんが、神楽部隊がやることに似ていると思いますよ?」
「ああ、そういうこと」
なんとなくイメージできたようだ。
「なあ、蔦枝……彼らを使い過ぎじゃないのか?」
時島は、常盤たちがずっと気になっていたらしい。彼の従順な態度や綺翔の言葉から、二人が高耶を心から慕っているのは伝わっていた。しかし、だからといって、命令する様がどうにもいい気分ではなかったらしい。
「ふふふっ。時島先生、陰陽師ならあれくらいが普通ですよ?」
「そうなのですか?」
「もっと乱暴な命令だって多いですもの。ご当主はかなり優しい方ですわ」
「……そういうものなのですか……」
時島は、頑固そうに見えるが柔軟な考えの持ち主だ。業界や国によってやり方が違うように、そこではそういうことが常識なのだというものを否定することはしない。
高耶は嫌われてしまうかと少し不安だったのだが、杞憂だったようだ。
「そういえば、ご当主の式神さんってかなり高位のなんでしょう? 気位が高くて扱い辛いとかそういうことはないの?」
「それはないです。でもそうですね……寧ろ使わないと怒られるんで、最初は戸惑いました。主人なんて立場、子どもの頃には難しくて」
十歳そこそこの子どもに、大人という感覚しかない者が付き従うのだ。こちらから見ても、外から見ても違和感しかない。
「慣れてもらわなくては困るとか言って、命令するのを強要されるんですよ。そうやって考えると、アイツらもしかして気位が高いのか?」
今になって気付いた。
「ふふふ。式神さんの方からそう言ってくるっていうのは、実家でも聞いたことないわねえ。そういうことじゃないかしら」
「……なるほど……」
アイツらは気位が高かったらしい。気付かせないとは中々やるものだ。
「知らず、気付かせずにお前を育てた良い先生だったということだな。機会があれば、あの二人と話しをさせてくれ」
振り返ると、とても楽しそうな何かを企むような表情で時島が笑っていた。なんだか調子が戻ってきたようだ。
「何の話をするつもりですか……いや、でもあの二人はあまりそういう会話が得意じゃないので、他のを紹介しますよ」
「他にもいるのか」
「ええ。一応、あと四柱ですね」
そんなに居るとは思わなかったのだろう。時島は面食らったように驚いていた。
「いつもハクちゃんはむかえにきてくれてるよ?」
「ハクちゃん……もしや、銀髪の若い男……」
「うん!」
時島は優希を見ながら、何度か門で見た保護者の一人を思い出したようだ。
「やっぱり目立ちますよね」
「若いし、中々ない髪色だからな。だが、遠くからでも礼儀正しく挨拶してくれていたし、他の母親達が楽しそうに話しかけていたからな。こちらから話しかけようにも、門の側まで来ることもないからできなかったんだが」
不審者としては映らなかったようで何よりだ。
「すみません。ここの土地神の許可なく式が入るのは無礼に当たるので、距離を取っていたかと」
「そういうこともあるのか……難しいんだな。いや、それを知ると彼と話してみたくなるな」
「ではその内に機会があれば」
時島にとっては、珀豪は見た目通りの若者で、今時珍しい礼儀正しい青年という認識が出来上がっているのだろう。
そんな話をしていると別館にある音楽室に着いた。上階にあるのも都合が良い。
特別教室の独特の匂いを感じながら、高耶はピアノの準備をしていく。
「何を弾くの?」
校長が楽しそうにそう尋ねてきた。
「さすがに学校ですからね……それに、学校には最も相応しい曲があるでしょう」
「相応しい? クラシックかしら?」
高耶は教室を軽く見回し、術を発動させる。それは、高耶だけに過去の映像を見せていた。確認しながら正解を口にする。
「校歌ですよ」
「「「校歌!?」」」
驚く大人たちとは違い、優希だけはキョトンとしていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
**********
常盤は上官に報告するように、綺麗な直立姿勢で報告を始めた。
《一見したところ、大きな綻びは三つ。全てに保護結界を敷いてあちらからの侵入を防ぎました。それと、一階よりも上階に淀みが広がっているようです。常時発生型の妖も異常な個体が多く見られました》
「そうか……子どもたちに影響は?」
《……数人、憑いてしまっているものを確認いたしました。かなり育っておりましたので、家の方にも影響していると思われます》
常盤の表情に痛ましいものが感じられた。すぐに祓ってやりたいが、取り憑き大きく育ってしまった妖は、祓う時に痛みを感じたり、精神に影響を与えてしまう。
その上、家にまで影響を及ぼしている場合がある。そうなると、浄化してもまたすぐに取り憑かれてしまうのだ。
「うそ……そこまでなの?」
校長が口元を押さえて衝撃を受けていた。
「だから厄介なんですよ……」
「なんかよく分からんけど、コックリさんってすごいんだな……」
「それが分かったら、悪ふざけでもこの先やるなよ」
「え? 俺、もう大学生だぜ?」
そんなのやるわけないじゃんと言われても、高耶は俊哉にクギを深く刺し込んでおく。
「飲み会とかで集まって、悪ふざけでやらないって誓って言えるか?」
「そんなんやるわけ……っ……ないって言えねえのはなんでだっ、俺っ!」
「知るかっ。いいか、酒に酔って勢いで『コックリさんってやったことある?』とか言うなよっ」
「俺、言いそうじゃんっ! どうすんの!?」
やっぱりこいつを連れてくるんじゃなかったと高耶は頭を抱える。
そこで、優希に抱き着かれながら人化した綺翔が俊哉に一歩だけ近づいた。
「えっ、あ、キショウさんっ」
《……誓って……》
「へ?」
綺翔の瞳が猫のように尖ったものに変わっていた。
《主様に迷惑かけないって誓って》
「綺翔……?」
珍しく長い言葉を口にした。俊哉を見つめる様子もいつもと違う。
《迷惑かけたら許さない》
「っ、誓わせていただきます! 高耶お父さまに迷惑はかけませんっ」
「おい……」
《ん……ならいい》
「はいっ」
一部良くないぞと言っても無駄っぽい。
「おにいちゃん、おとうさんなの?」
「優希、あのお兄さんの言ってることは無視しなさい。頭悪くなっちゃうからな」
「わるくなるのヤダ……わかった、きかない」
高耶の隣に戻ってきた優希がうんうんと素直に頷いていた。
「お~い、高耶。聞こえてるから」
「聞こえないな」
「きこえないねえ」
楽しそうに優希が笑うので、高耶も落ち着いた。
「綺翔、土地神の社の辺りの浄化を一足先に頼む。常盤は上空からここの土地神の加護範囲を確認してきてくれ」
《諾》
《承知いたしました》
再び子猫と小鳥になった二人が、今度は窓から外へと飛び出して行った。
「さて、それでは今日は軽めに土地の調整をします。音楽室に案内してもらえますか?」
「ええ」
立ち上がり、校長が先頭に立って部屋を出る。職員室で鍵を取ってから廊下を進む。
あの湯木という教諭が睨んでいたが見なかったことにしておいた。因みに遠目で睨まれても、高耶には彼の頭の後ろに不気味な色のカラフルなクッションがくっ付いているようにしか見えないので、逆に哀れにしか映らなかったりする。
高耶と校長の後ろには、俊哉と時島がしっかりついてきている。校長と教頭が揃っているのだ。誰も文句は言えないだろう。
「それにしても、ピアノを弾くだけでどうにかできるなんてすごいわね」
「おにいちゃん、ピアノじょうずなの」
「そうなの? カッコいいわねえ」
「えへへ」
間にいる優希がとっても自慢げだった。
「でも、陰陽師の中でピアノを使うって、きっとご当主だけね」
「ピアノはそうかもしれませんが、神楽部隊がやることに似ていると思いますよ?」
「ああ、そういうこと」
なんとなくイメージできたようだ。
「なあ、蔦枝……彼らを使い過ぎじゃないのか?」
時島は、常盤たちがずっと気になっていたらしい。彼の従順な態度や綺翔の言葉から、二人が高耶を心から慕っているのは伝わっていた。しかし、だからといって、命令する様がどうにもいい気分ではなかったらしい。
「ふふふっ。時島先生、陰陽師ならあれくらいが普通ですよ?」
「そうなのですか?」
「もっと乱暴な命令だって多いですもの。ご当主はかなり優しい方ですわ」
「……そういうものなのですか……」
時島は、頑固そうに見えるが柔軟な考えの持ち主だ。業界や国によってやり方が違うように、そこではそういうことが常識なのだというものを否定することはしない。
高耶は嫌われてしまうかと少し不安だったのだが、杞憂だったようだ。
「そういえば、ご当主の式神さんってかなり高位のなんでしょう? 気位が高くて扱い辛いとかそういうことはないの?」
「それはないです。でもそうですね……寧ろ使わないと怒られるんで、最初は戸惑いました。主人なんて立場、子どもの頃には難しくて」
十歳そこそこの子どもに、大人という感覚しかない者が付き従うのだ。こちらから見ても、外から見ても違和感しかない。
「慣れてもらわなくては困るとか言って、命令するのを強要されるんですよ。そうやって考えると、アイツらもしかして気位が高いのか?」
今になって気付いた。
「ふふふ。式神さんの方からそう言ってくるっていうのは、実家でも聞いたことないわねえ。そういうことじゃないかしら」
「……なるほど……」
アイツらは気位が高かったらしい。気付かせないとは中々やるものだ。
「知らず、気付かせずにお前を育てた良い先生だったということだな。機会があれば、あの二人と話しをさせてくれ」
振り返ると、とても楽しそうな何かを企むような表情で時島が笑っていた。なんだか調子が戻ってきたようだ。
「何の話をするつもりですか……いや、でもあの二人はあまりそういう会話が得意じゃないので、他のを紹介しますよ」
「他にもいるのか」
「ええ。一応、あと四柱ですね」
そんなに居るとは思わなかったのだろう。時島は面食らったように驚いていた。
「いつもハクちゃんはむかえにきてくれてるよ?」
「ハクちゃん……もしや、銀髪の若い男……」
「うん!」
時島は優希を見ながら、何度か門で見た保護者の一人を思い出したようだ。
「やっぱり目立ちますよね」
「若いし、中々ない髪色だからな。だが、遠くからでも礼儀正しく挨拶してくれていたし、他の母親達が楽しそうに話しかけていたからな。こちらから話しかけようにも、門の側まで来ることもないからできなかったんだが」
不審者としては映らなかったようで何よりだ。
「すみません。ここの土地神の許可なく式が入るのは無礼に当たるので、距離を取っていたかと」
「そういうこともあるのか……難しいんだな。いや、それを知ると彼と話してみたくなるな」
「ではその内に機会があれば」
時島にとっては、珀豪は見た目通りの若者で、今時珍しい礼儀正しい青年という認識が出来上がっているのだろう。
そんな話をしていると別館にある音楽室に着いた。上階にあるのも都合が良い。
特別教室の独特の匂いを感じながら、高耶はピアノの準備をしていく。
「何を弾くの?」
校長が楽しそうにそう尋ねてきた。
「さすがに学校ですからね……それに、学校には最も相応しい曲があるでしょう」
「相応しい? クラシックかしら?」
高耶は教室を軽く見回し、術を発動させる。それは、高耶だけに過去の映像を見せていた。確認しながら正解を口にする。
「校歌ですよ」
「「「校歌!?」」」
驚く大人たちとは違い、優希だけはキョトンとしていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
179
お気に入りに追加
1,490
あなたにおすすめの小説

水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?
ラララキヲ
ファンタジー
わたくしは出来損ない。
誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。
それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。
水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。
そんなわたくしでも期待されている事がある。
それは『子を生むこと』。
血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……
政略結婚で決められた婚約者。
そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。
婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……
しかし……──
そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。
前世の記憶、前世の知識……
わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……
水魔法しか使えない出来損ない……
でも水は使える……
水……水分……液体…………
あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?
そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──
【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるよ!
◇なろうにも上げてます。

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。

偽物の侯爵子息は平民落ちのうえに国外追放を言い渡されたので自由に生きる。え?帰ってきてくれ?それは無理というもの
つくも茄子
ファンタジー
サビオ・パッツィーニは、魔術師の家系である名門侯爵家の次男に生まれながら魔力鑑定で『魔力無し』の判定を受けてしまう。魔力がない代わりにずば抜けて優れた頭脳を持つサビオに家族は温かく見守っていた。そんなある日、サビオが侯爵家の人間でない事が判明した。妖精の取り換えっ子だと神官は告げる。本物は家族によく似た天使のような美少年。こうしてサビオは「王家と侯爵家を謀った罪人」として国外追放されてしまった。
隣国でギルド登録したサビオは「黒曜」というギルド名で第二の人生を歩んでいく。

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています

城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語

妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる