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第二章・破『英雄幻想』
第二章28『かりそめヒーロー』
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「……え? フィルが……?」
そのフィルヒナーの言葉に、翔は思わず呆然とする。その翔の手を取って、フィルヒナーは歩き出す。
「……詳しい説明は後だ。ひとまずついてこい」
再度そう繰り返したフィルヒナーに手を引かれるまま、翔は部屋を出て歩いていく。その足は無意識的に動いていたが、翔の思考はとめどなくその場に残されるばかりであった。
──そんな……だって、フィルは、フィルは……。
翔の脳裏に浮かんだのは、雪原を元気に駆ける彼女の姿だった。翔の記憶の中、いつだって彼女は自由奔放に活発に生きていた。そんなフィーリニが死にかけている姿など、翔には想像出来なかったのだ。
──大丈夫……だよな……? きっと……。
そうして思案する翔だったが、そうしてフィルヒナーに手を引かれて着いた場所で見たのは、その希望を粉々に打ち砕くものだった。
「──っ!?」
その部屋に横たわるフィーリニの口には呼吸器が付いており、その身体には無数の包帯が巻かれていた。閉じられたその目は苦悶によって歪んでおり、疎らな呼吸音も彼女の重篤さを表していた。
「……ひとまず一命はとりとめたが、未だ彼女は危険な状態にある。多数の銃創の治療も問題だが、何よりも彼女自身の体力が問題だな」
そうしてフィーリニの状態を説明するフィルヒナーだったが、その言葉に翔は引っかかる。
「……体力……?」
「ああ。所詮はどんな治療も本人の自然治癒力次第だ。今のフィーリニは、その治癒が進まないほど体力が枯渇している。そのためこんな重体から、彼女の容態は一向に回復しない」
そう説明するフィルヒナーだが、その後に口惜しそうにこう続けた。
「……いや、治らないだけならまだいいのだがな。あの消耗具合は、怪我が無かったとしても命が危ういほどだ」
そのフィルヒナーの言葉に、翔はその絶望を一層深くする。
「……そんな……!」
「彼女の治療は基地の全力を注いで行っているが、如何せん体力ばかりは彼女自身の問題だからな。完治するかどうかは五分といったところだ」
そうして黙々と状況を語るフィルヒナーだが、その声にもどこか悔しそうな、あるいは悲しそうな感情が見え隠れしている。だがそんな悲観的な感情を必死に振り払って、彼女は翔に言った。
「……カケル、以前にもこうしてフィーリニが倒れることは無かったか?」
一縷の希望を託してそう言うフィルヒナーだが、その言葉にふるふると頭を振って翔は答える。
「思い当たる節はないです。それこそ元気の塊みたいなやつで、こんなこと一度もありませんでした……」
翔がそう言いながら想起する彼女の姿は、いつでも活力に溢れていた。事実その生命力は並大抵のものではなく、翔が彼女と会ったばかりの頃、マンモスに潰された足は少しすれば完治していた。だからこそ、より一層翔は目の前の光景が信じられなかったのだ。
その翔の返答を聞いて、フィルヒナーは思わず残念そうな顔をして「……そうか」と呟く。他の誰よりも彼女のことを知っている翔が前例を知らないとなれば、彼女の容態への対処法を知る術はない。それはつまり、フィーリニの生死はもはや運任せということだ。
フィルヒナーは改めてフィーリニの様子を見て考える。
──彼女が復活するかどうかは五分、といったところか……。いや、後後何か障害が残る可能性を考慮に入れれば、彼女が以前のような状態に戻れる確率はもっと低い……。
その冷酷な事実はフィルヒナーにとってもあまりに痛いものだった。今後フィーリニが欠けることになれば、単純に遠征隊の戦力が相当減るのは目に見えていた。凍気こそ使えないが、人獣であるためか翔同様外のガスへの抗体を持ち合わせており、そしてその筋力と持久力は遠征隊の誰もが目を見張るほどだった。
──ただでさえ今遠征隊は人員が足りていないというのに……。ここから更に減っていくとなると、最早遠征隊の存続すら危うい。
半年前、翔とフィーリニという二人の貴重な戦力を得た遠征隊だったが、その後まもなく真の裏切りによりその戦力を七人まで減らした。おまけにその内訳も今は直接攻撃型の氷爪部隊と凍気を用いない特殊部隊に集中しており、今や遠征隊の肝となる氷結部隊は元二一人となっていたのだ。いくら化け物並みに凍気の出力量があったとしても、流石に彼一人では戦闘はままならない。
そのことに危機感を覚えたフィルヒナーは早くから新規隊員を基地の中で募っていた。しかし元よりその危険性から志願者の少ない遠征隊に、少し募集をかけたところで希望者が増えるわけもなく。結局真騒動から半年、元二は一人で氷結部隊を支えていたのだった。
彼女は凍気が使えないため氷結部隊の人数には関係しないが、それでもこれ以上遠征隊の人数が減るということは相当深刻な事態である。そしてそれに加えて、フィルヒナーの憂いはそれだけではなかった。
「……あとは神にでも祈るしかない、か」
そう呟くフィルヒナーの目は、その冷酷さを失って心配そうにフィーリニを見つめていた。そう、フィルヒナーは単純にフィーリニの安否を憂慮していたのだった。基地の代表としてではなく、一人の人間として彼女のことを心配していた。それは普段の彼女からは信じられないほど、平静を失った姿であった。
しかし冷静さをかいている、という面でいえばその場で翔に敵う者はいなかった。彼の視界は涙で滲み、手はふるふると震え、口からは小さく呟きが漏れた。
「……フィル、お前一体どうしちまったんだ……?」
そう翔が問い掛けるも、彼女からの返答はない。今も彼女は苦しそうにその呼吸を荒らげて、その意識を深く落としているのだから。
そうして悲しむ翔を見て、申し訳なさそうにフィルヒナーが翔に言う。
「……それとなんだが、カケル。申し訳ないが、お前にはまた数日後、遠征に行ってもらいたい」
その言葉がどれだけ翔にとって残酷なものであるかをフィルヒナーは知っていた。知っていたが、彼女はそう頼むしかなかったのだ。続いて彼女は付け加える。
「お前がフィーリニのことを心配するのはわかる。だからこんな状況で彼女から離れて遠征に行けというのがどれだけ酷なことなのかも自覚している。だが……」
そうして話すフィルヒナーの言葉を遮って、翔は言った。
「……分かってます、フィルヒナーさん。分かってますよ。だから、大丈夫です」
その翔の言葉に驚いてフィルヒナーは翔を見る。見つめられた翔はそんなことなど気にする様子もなく、覚悟を決めたような目で言った。
「俺は遠征隊員です。今度の遠征にも勿論参加します。
……それに、気付いたんです」
翔はそうして、今も横たわる相棒を見つめて言った。
「……俺がこうして落ち込んでたらフィルに失礼だ。きっとフィルが目を覚ました時俺がここにいたら、きっと怒るだろうし」
そう気丈に言った翔を見て、フィルヒナーは思わず目に涙を浮かべそうになりながらも、彼女も必死に凛として答えた。
「……そうか。本当にすまないな、カケル」
そう陳謝するフィルヒナーに、翔は必死に笑いを取り繕って答える。
「大丈夫っすよ。だって……」
その後の言葉を口にするのを翔は一瞬躊躇った。が、翔は改めて覚悟を決めて、その言葉を発したのだった。
「……なんだって俺は、英雄ですからね」
そう表面上の笑いを浮かべる翔の様子を、フィルヒナーはじっと見ていたのだった。
********************
「んー……」
「ど、どうしたの? アンリちゃん」
一方その頃、翔が立ち去った後のその小部屋で、アンリは一人唸っていた。その唸り声を心配してコハルがそう声をかけるが、アンリは聞いていないような様子でその場にいたキラに問いかける。
「……今日のカケルさん、なんか変じゃありませんでした?」
そのアンリの問い掛けに、キラは少し考え込んでから答える。
「いや、特には……。何でそんなこと急に聞いたんですか?」
そのキラの答えも聞いても、その答えが納得のいくものではないのかアンリは唸るばかりである。しばらく考え込んでから、それが答えの出ない疑問であるということを悟ったのか、ふと呟いた。
「……いや、気のせいだったらいいんですけどね」
そんな彼女の願いとは裏腹に、そのアンリが感じていた違和感は、その後徐々に表面化していくことになるのだった。
そのフィルヒナーの言葉に、翔は思わず呆然とする。その翔の手を取って、フィルヒナーは歩き出す。
「……詳しい説明は後だ。ひとまずついてこい」
再度そう繰り返したフィルヒナーに手を引かれるまま、翔は部屋を出て歩いていく。その足は無意識的に動いていたが、翔の思考はとめどなくその場に残されるばかりであった。
──そんな……だって、フィルは、フィルは……。
翔の脳裏に浮かんだのは、雪原を元気に駆ける彼女の姿だった。翔の記憶の中、いつだって彼女は自由奔放に活発に生きていた。そんなフィーリニが死にかけている姿など、翔には想像出来なかったのだ。
──大丈夫……だよな……? きっと……。
そうして思案する翔だったが、そうしてフィルヒナーに手を引かれて着いた場所で見たのは、その希望を粉々に打ち砕くものだった。
「──っ!?」
その部屋に横たわるフィーリニの口には呼吸器が付いており、その身体には無数の包帯が巻かれていた。閉じられたその目は苦悶によって歪んでおり、疎らな呼吸音も彼女の重篤さを表していた。
「……ひとまず一命はとりとめたが、未だ彼女は危険な状態にある。多数の銃創の治療も問題だが、何よりも彼女自身の体力が問題だな」
そうしてフィーリニの状態を説明するフィルヒナーだったが、その言葉に翔は引っかかる。
「……体力……?」
「ああ。所詮はどんな治療も本人の自然治癒力次第だ。今のフィーリニは、その治癒が進まないほど体力が枯渇している。そのためこんな重体から、彼女の容態は一向に回復しない」
そう説明するフィルヒナーだが、その後に口惜しそうにこう続けた。
「……いや、治らないだけならまだいいのだがな。あの消耗具合は、怪我が無かったとしても命が危ういほどだ」
そのフィルヒナーの言葉に、翔はその絶望を一層深くする。
「……そんな……!」
「彼女の治療は基地の全力を注いで行っているが、如何せん体力ばかりは彼女自身の問題だからな。完治するかどうかは五分といったところだ」
そうして黙々と状況を語るフィルヒナーだが、その声にもどこか悔しそうな、あるいは悲しそうな感情が見え隠れしている。だがそんな悲観的な感情を必死に振り払って、彼女は翔に言った。
「……カケル、以前にもこうしてフィーリニが倒れることは無かったか?」
一縷の希望を託してそう言うフィルヒナーだが、その言葉にふるふると頭を振って翔は答える。
「思い当たる節はないです。それこそ元気の塊みたいなやつで、こんなこと一度もありませんでした……」
翔がそう言いながら想起する彼女の姿は、いつでも活力に溢れていた。事実その生命力は並大抵のものではなく、翔が彼女と会ったばかりの頃、マンモスに潰された足は少しすれば完治していた。だからこそ、より一層翔は目の前の光景が信じられなかったのだ。
その翔の返答を聞いて、フィルヒナーは思わず残念そうな顔をして「……そうか」と呟く。他の誰よりも彼女のことを知っている翔が前例を知らないとなれば、彼女の容態への対処法を知る術はない。それはつまり、フィーリニの生死はもはや運任せということだ。
フィルヒナーは改めてフィーリニの様子を見て考える。
──彼女が復活するかどうかは五分、といったところか……。いや、後後何か障害が残る可能性を考慮に入れれば、彼女が以前のような状態に戻れる確率はもっと低い……。
その冷酷な事実はフィルヒナーにとってもあまりに痛いものだった。今後フィーリニが欠けることになれば、単純に遠征隊の戦力が相当減るのは目に見えていた。凍気こそ使えないが、人獣であるためか翔同様外のガスへの抗体を持ち合わせており、そしてその筋力と持久力は遠征隊の誰もが目を見張るほどだった。
──ただでさえ今遠征隊は人員が足りていないというのに……。ここから更に減っていくとなると、最早遠征隊の存続すら危うい。
半年前、翔とフィーリニという二人の貴重な戦力を得た遠征隊だったが、その後まもなく真の裏切りによりその戦力を七人まで減らした。おまけにその内訳も今は直接攻撃型の氷爪部隊と凍気を用いない特殊部隊に集中しており、今や遠征隊の肝となる氷結部隊は元二一人となっていたのだ。いくら化け物並みに凍気の出力量があったとしても、流石に彼一人では戦闘はままならない。
そのことに危機感を覚えたフィルヒナーは早くから新規隊員を基地の中で募っていた。しかし元よりその危険性から志願者の少ない遠征隊に、少し募集をかけたところで希望者が増えるわけもなく。結局真騒動から半年、元二は一人で氷結部隊を支えていたのだった。
彼女は凍気が使えないため氷結部隊の人数には関係しないが、それでもこれ以上遠征隊の人数が減るということは相当深刻な事態である。そしてそれに加えて、フィルヒナーの憂いはそれだけではなかった。
「……あとは神にでも祈るしかない、か」
そう呟くフィルヒナーの目は、その冷酷さを失って心配そうにフィーリニを見つめていた。そう、フィルヒナーは単純にフィーリニの安否を憂慮していたのだった。基地の代表としてではなく、一人の人間として彼女のことを心配していた。それは普段の彼女からは信じられないほど、平静を失った姿であった。
しかし冷静さをかいている、という面でいえばその場で翔に敵う者はいなかった。彼の視界は涙で滲み、手はふるふると震え、口からは小さく呟きが漏れた。
「……フィル、お前一体どうしちまったんだ……?」
そう翔が問い掛けるも、彼女からの返答はない。今も彼女は苦しそうにその呼吸を荒らげて、その意識を深く落としているのだから。
そうして悲しむ翔を見て、申し訳なさそうにフィルヒナーが翔に言う。
「……それとなんだが、カケル。申し訳ないが、お前にはまた数日後、遠征に行ってもらいたい」
その言葉がどれだけ翔にとって残酷なものであるかをフィルヒナーは知っていた。知っていたが、彼女はそう頼むしかなかったのだ。続いて彼女は付け加える。
「お前がフィーリニのことを心配するのはわかる。だからこんな状況で彼女から離れて遠征に行けというのがどれだけ酷なことなのかも自覚している。だが……」
そうして話すフィルヒナーの言葉を遮って、翔は言った。
「……分かってます、フィルヒナーさん。分かってますよ。だから、大丈夫です」
その翔の言葉に驚いてフィルヒナーは翔を見る。見つめられた翔はそんなことなど気にする様子もなく、覚悟を決めたような目で言った。
「俺は遠征隊員です。今度の遠征にも勿論参加します。
……それに、気付いたんです」
翔はそうして、今も横たわる相棒を見つめて言った。
「……俺がこうして落ち込んでたらフィルに失礼だ。きっとフィルが目を覚ました時俺がここにいたら、きっと怒るだろうし」
そう気丈に言った翔を見て、フィルヒナーは思わず目に涙を浮かべそうになりながらも、彼女も必死に凛として答えた。
「……そうか。本当にすまないな、カケル」
そう陳謝するフィルヒナーに、翔は必死に笑いを取り繕って答える。
「大丈夫っすよ。だって……」
その後の言葉を口にするのを翔は一瞬躊躇った。が、翔は改めて覚悟を決めて、その言葉を発したのだった。
「……なんだって俺は、英雄ですからね」
そう表面上の笑いを浮かべる翔の様子を、フィルヒナーはじっと見ていたのだった。
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「んー……」
「ど、どうしたの? アンリちゃん」
一方その頃、翔が立ち去った後のその小部屋で、アンリは一人唸っていた。その唸り声を心配してコハルがそう声をかけるが、アンリは聞いていないような様子でその場にいたキラに問いかける。
「……今日のカケルさん、なんか変じゃありませんでした?」
そのアンリの問い掛けに、キラは少し考え込んでから答える。
「いや、特には……。何でそんなこと急に聞いたんですか?」
そのキラの答えも聞いても、その答えが納得のいくものではないのかアンリは唸るばかりである。しばらく考え込んでから、それが答えの出ない疑問であるということを悟ったのか、ふと呟いた。
「……いや、気のせいだったらいいんですけどね」
そんな彼女の願いとは裏腹に、そのアンリが感じていた違和感は、その後徐々に表面化していくことになるのだった。
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