ホワイトデー

久手堅悠作

文字の大きさ
上 下
1 / 1

ホワイトデー

しおりを挟む
女1「……昨日、彼氏と喧嘩しちゃった」

女2「もしかして、彼氏がホワイトデーなのに何も返さなかったからとか?」

女1「ううん。渡されたんだけど貰わなかったの」

女2「はぁ!? なんで?」

女1「バナナアレルギーなのにバナナケーキを渡されたから」

女2「じゃあ、彼氏がリサーチ不足だから怒ってるってこと?」

女1「そう」

女2「でも、せっかく貰ったんだから貰う時だけはうれしそうにすれば良かったのに。食べないなら彼氏が帰ったあとに捨てればいいじゃん」

女1「でもそれを貰ったのが彼氏の家で、一緒に食べようっていう流れになってたの」

女2「あー、それだと食べないで捨てるのは無理だね」

女1「でしょ? ことを穏便に済ませるために食べようかとも考えたんだけど、もし倒れたら救急車呼ばれるかもしれないじゃん。でも私、保険証持ってないからさ」

女2「そういや、美里って時効まであと何年だっけ?」

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

★【完結】ドッペルゲンガー(作品230718)

菊池昭仁
現代文学
自分の中に内在する 自分たちとの対話

給食の弔い

たんぽぽ。
現代文学
小学六年生の「わたし」と佐藤君は好き嫌いが多い。いつも給食を残して居残りさせられ、トレイを給食センターまで一緒に運ぶ。 そんなある日、焼却炉で給食を燃やしてしまおうと佐藤君が提案する。

夫婦の離婚 夫の新しい人生 妻は売ったのです

三ノ宮 みさお
現代文学
ある夫婦が可愛がっていたペットが亡くなった、それが発端だった。 その日、夫は妻が自宅に友人を呼んでいた事に驚いた。 妻は普段の姿とは別人で、だが、それは友人達もだ。 夫婦は離婚を互いに視野に入れていたが、それは普通の離婚ではなかった、妻は夫を売ったのだ。

小説練習帖 八月

犬束
現代文学
・ムーンは月、シャインは輝き・光り、フラグメントは断片。 ・ムーンシャインは密造酒。あるいは、数学のムーンシャイン理論。 ・稲垣足穂の『一千一秒物語』の真似っこをする狙いです(出来るのか?)。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

二律背反のこころ

新床成実
現代文学
鏡の外から話しかけてくる「わたし」。主人公の『わたし』は、「わたし」の話し相手になり、時には相談に乗り、それなりに幸せな日常を過ごしていたのですが……。

ただいまに続きがなくても

有箱
現代文学
大好きなおばあちゃんは、認知症のせいで私のことを忘れてしまった。 私じゃない名前で呼ばれる度、心が痛んでしまう。 ところで、家族も誰一人知らない〝きらら〟って誰なの。私は弘子だよ?

★【完結】今日 パパを辞めます(作品230528)

菊池昭仁
現代文学
ロクデナシの父親と 出来すぎた娘との絆

処理中です...