悪趣味な風習

久手堅悠作

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悪趣味な風習

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女1「さっきの男の人すごかったね。あんな気狂いきちがいが現実世界にいるとは思わなかった」

女2「都会だと結構普通だよ。田舎にはあんなのいないの?」

女1「うーん。いないというか……」

女2「わかった! 田舎だと座敷牢に閉じ込めてるから日常的に見ないんでしょ?」

女1「いや、それは違くて。私の村ではね、10歳の子どもを生贄として捧げる風習があるの。だから見ないんだと思う」

女2「なるほど。障害者を大人になる前に殺すっていうわけか。でも、それだと健常者の子どもが選ばれることもあるんじゃない?」

女1「それはないよ。だって、毎年やってるわけじゃなくて障害者が10歳になる年に水不足だとか不作だとか理由をつけてやるんだから」

女2「悪趣味な風習だね」

女1「仕方ないよ。こうでもしないと、村の平穏が保てないんだから」
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