悪役に悲劇的な過去とかいらないから

久手堅悠作

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悪役に悲劇的な過去とかいらないから

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「仕方なかったんだ。真面目に働いても、金は盗人に奪われ、病気の妻も救えなかった。そんなの理不尽じゃないか。だから、俺は魔王になったんだ。そうすれば、もうこんな理不尽な目に遭うこともない」

「……あーあ。お前には失望したよ。純粋に人を殺すのが好きだから魔王になったのかと思いきや、そんな悲劇的な過去があったなんて。本当つまんない」

「だから、お願いだ。見逃してくれ。今まで本当にすまなかった。もう村の人を殺したり、金品を奪ったりはしない。約束する」

「やだ。だって、やったことはやったことじゃん。謝ってすむ問題じゃないよ」

「じゃあ、俺のことは殺してもいい。息子の命だけは奪わないでくれ」

「へー、魔王には息子がいるのか。それじゃ、魔王の目の前で息子の首を斬り落とそうかな」

「お前、勇者なのに倫理観はないのか」

「ないよ。だって、僕がなんで勇者なんかになったかわかる?」

「……」

「人を殺すことが大好きだからだよ。あと、勇者なら正義のためにって言えば、人を殺しても罪には問われないしね」
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