1 / 1
神殺し
しおりを挟む
息を切らしながら神社の鳥居をくぐると、僕はお守り売り場の前でしゃがみ込んだ。そして息を整え、巫女に話しかけようとしたらその前に彼女が口を開いた。
「君、呪われてるね」
「実は山奥にあった祠を壊してしまってから変なことが起こっているんです。お願いします! 助けてください!」
「無理。私はただ視えるだけの巫女だし。それよりも適任がいるでしょ?」
「適任?」
「祓い屋の弓削一真」
「あの人のところに行ったんですけど、呪いを解くには1000万かかると言われました」
「へー、あの子1000万で神殺ししようとしてたんだ。だいぶ狂ってるな。まぁ、半分混じってるしおかしくはないか。でも、1000万出せば助かるのに非情な親だね。可哀想。君の親は君のことを愛していないんだね」
「そ、そんなことないです。祖母が一人で僕を育てているので、お金がないだけです」
「じゃあ、私が助けてあげる。10万ぐらいは払えるよね?」
「え? お金取るんですか?」
「逆に聞くけど、なんで無償で人助けしないといけないの?」
「……聖職だから」
「理由になってないな。なんで私が金もらって仕事をするかわかる? そうしないと、客がつけあがるんだよ。ありがとうって言葉はお金とセットじゃないと価値がないの。第一、なんで知らない奴のために無償で、しかも命かけて働かないといけなんだよ」
「わかりました。10万払います」
「それじゃ、明日までに君の大事なものをこの神社に持って来るんだ。わかったかい?」
次の日、僕は愛犬のラッキーを連れて神社に向かった。巫女は僕らの姿を見て呆れたようにこう言った。
「犬畜生と人間様の命の価値が同じなわけないだろう。バカなのか君は」
「じゃあ、僕はこれ以上何を捧げればいいんですか?」
「そんなの決まっているだろう? 君の祖母の命だ」
「嫌です! そんなの」
「仕方ない。じゃあ、代わりに君が死ぬしかないな」
「君、呪われてるね」
「実は山奥にあった祠を壊してしまってから変なことが起こっているんです。お願いします! 助けてください!」
「無理。私はただ視えるだけの巫女だし。それよりも適任がいるでしょ?」
「適任?」
「祓い屋の弓削一真」
「あの人のところに行ったんですけど、呪いを解くには1000万かかると言われました」
「へー、あの子1000万で神殺ししようとしてたんだ。だいぶ狂ってるな。まぁ、半分混じってるしおかしくはないか。でも、1000万出せば助かるのに非情な親だね。可哀想。君の親は君のことを愛していないんだね」
「そ、そんなことないです。祖母が一人で僕を育てているので、お金がないだけです」
「じゃあ、私が助けてあげる。10万ぐらいは払えるよね?」
「え? お金取るんですか?」
「逆に聞くけど、なんで無償で人助けしないといけないの?」
「……聖職だから」
「理由になってないな。なんで私が金もらって仕事をするかわかる? そうしないと、客がつけあがるんだよ。ありがとうって言葉はお金とセットじゃないと価値がないの。第一、なんで知らない奴のために無償で、しかも命かけて働かないといけなんだよ」
「わかりました。10万払います」
「それじゃ、明日までに君の大事なものをこの神社に持って来るんだ。わかったかい?」
次の日、僕は愛犬のラッキーを連れて神社に向かった。巫女は僕らの姿を見て呆れたようにこう言った。
「犬畜生と人間様の命の価値が同じなわけないだろう。バカなのか君は」
「じゃあ、僕はこれ以上何を捧げればいいんですか?」
「そんなの決まっているだろう? 君の祖母の命だ」
「嫌です! そんなの」
「仕方ない。じゃあ、代わりに君が死ぬしかないな」
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【ショートショート】乱暴
遠藤良二
現代文学
俺はある女を付け回している。その女の名前は知らない。でも、顔とスタイルは気に入っている。だから、いずれ俺の女にしようと企んでいる。
今日もその女は夕方十七時半頃このマンションに帰宅するため歩いているところを見付けた。この女は俺の存在に気付いていないだろう。
今日は雨模様で周りに人影はいない。声をかけるチャンスだ。俺は木陰から出て来て傘をさしている女に、
「ちょっと、すみません。傘を持ってないんで入れてくれませんか?」
「あ、すみません。急いでいるもので」
そこで俺は女の右の頬を張った。
「キャッ!」
と声を上げた。それからお腹を殴った。すると、
「うう……」
とその場にうずくまりしゃがみ込んだ。
事前に用意しておいたハンカチに睡眠剤を含ませておいて女の口と鼻を塞ぎ即効性のある薬剤だからその場に倒れ込んだ。俺は女を背負い、俺の家に運んだ。そして、女を触りたいだけ触った。

★【完結】小さな家(作品240305)
菊池昭仁
現代文学
建築家の宮永新一は、海が見える小高い丘の上に、「小さな家」の建築を依頼される。
その依頼主の女はその家にひとりで暮らすのだという。
人間にとって「家」とは、しあわせとは何かを考える物語です。

夏風邪
ルリコ
現代文学
風邪をひいて見た“夢”
じゃあ……現実の男は?
約2000文字完結。
代表作もお読みください。
キャラ文芸大賞&恋愛小説大賞にエントリーした作品あり。
[ポイント表]
初日:596pt
2025/01/17:1042pt


【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
六華 snow crystal 5
なごみ
現代文学
雪の街、札幌を舞台にした医療系純愛小説。part 5
沖縄で娘を産んだ有紀が札幌に戻ってきた。娘の名前は美冬。
雪のかけらみたいに綺麗な子。
修二さんにひと目でいいから見せてあげたいな。だけどそれは、許されないことだよね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる