20 / 70
捨て猫が懐いた日
7
しおりを挟む痛い…苦しい…
俺はどうなったんだ?確か水龍と戦っていて…
そうだ。水龍の最大火力の[龍の咆哮]をまともに食らったんだった。
「くっ…平気…ではないな。」
だんだんとぼんやりとした視界が晴れ、現状を確認する。
死んではいなかったがやはり被害は甚大だったようだ。
神狼の外套のお陰で体の欠損はなかったが、それでも体の至る所の骨が折れてしまっている。
「ギュィィィィィィィィ!!」
それになにか水龍の様子がおかしい。
なにかに痛がっているようだ。
「なにに苦しんでいるんだ…?」
俺はとりあえず体を癒すためにベルを呼び出し治癒術で回復してもらう。
「召喚、ベル、怪我を治してくれ」
「プルァ…」
ベルが大丈夫?と俺の体を治癒術で癒してくれる。
おかげで大きな怪我のとりあえずの処置は大丈夫だろう。
「ベル、ありがとう。危ないからとりあえず戻ってて。」
「プルル!」
俺はベルを撫でてもう一度[獣魔の部屋]に戻す。
俺の治癒が治ると同時に水龍も何かが終わったようだ。
「おいおい…まさか…」
俺は水龍の異変に気づき、即座に鑑定する。
[水龍アクボ]
LV.82
HP SS
MP S
攻撃力 SS
防御力 S
素早さ S
[スキル]
・牙術
・爪術
・翼術
・尾術
・魔力操作
・気配察知
・物理耐性
・魔法耐性
・水属性魔法の極意
・龍圧
・二重魔法
・硬化
・狂化
「は、ははっ…ここで進化かよ…」
稀に魔物に起こる現象進化。
これはゴブリンからホブゴブリンになるのとはわけが違う。
ゴブリンからホブゴブリンはただの成長だ。だが、今回の進化は存在そのものが上のものに進化するのだ。
それによって水龍は[水龍アクボ]という名前持ちになってしまった。
以前 SSランク級魔物が現れた際はSSランク冒険者の1チームがなんとか撃退した。
俺はそれを知った時、なぜこの塔の最上階まで行けなかったのか。と疑問を抱いたが、王都へ召集されて続きが挑戦できなかった、他のダンジョンの攻略の途中、などと色々な理由があったそうだ。
「やるしかないか…上位召喚フェル!」
俺はフェルを呼び出しフェルを纏う。
「フェル、行くぞ!上位付与!」
以前のスキル進化によってMPも実質使い放題だ。
今回は出し惜しみせずに最初から全力でいく。
「全二重上位付与!」
「ギュォオオォオ!!」
俺が付与をし、どんどんと強くなっているのがわかったのか水龍アクボが氷刃を大量に飛ばしてくる。
俺はそれを避け、避けきれないものは魔太刀一匹狼で切り、攻撃を凌ぐ。
俺に当たらなかった氷刃は岩をたやすく切り裂く威力だ。
「水属性の極意か…」
これは水属性に特大な威力と扱いやすさに補正がかかるスキルだ。
この攻撃を食らったらかなりまずい。
俺は水龍アクボの攻撃を避けながらさらに自分にバフをかける。
「上位付与黒雷!」
俺は雷の上位である黒雷を体に纏いさらにステータスを上げていく。
黒雷の付与効果は攻撃力、素早さ上昇に特大補正だ。
一通りの付与が終わり俺は一気に攻撃に出る。
水龍アクボは急接近して来た俺に尾術で突き攻撃をしてくるがそれをいなし、斬りつける。
「く、うまいな…」
水龍アクボは俺が斬りつけたところをうまく硬化し、防御する。
俺は水龍アクボにさらなる攻撃を与えるために準備を始めた。
0
お気に入りに追加
210
あなたにおすすめの小説

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。

【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です

思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる