110 / 133
第三章:角笛の音色と新たな夜明け
ロキスの提案①
しおりを挟む
夕食前のフリージアの天幕には、彼女の他にビグヴィルとスキルナの両将軍、バイダルにオルディン、ロキスと、彼の希望でラタも呼ばれていた。
各軍の戦況報告がそれぞれの将軍の口からなされる。その日、グランゲルド側に出た死者は二名だった。いずれも紅竜軍で、右翼の第三陣として出撃していた兵士達だ。軽装で接近戦を行う紅竜軍は、どうしても手傷を負う者が多くなる。他にも数名重傷者がいて、今も医師達が懸命に手を尽くしているところだ。
戦いで人が死なぬ筈がない。それは自明の理だが、それでもその結果に空気はぐんと重さを増した。天幕の中を、一瞬沈黙が支配する。それを破ったのは、いささかわざとらしさを含んだビグヴィルの咳払いだった。
「まあ……あの状況でその被害なら、上出来だろうて」
気遣うようにビグヴィルが言うのへ、フリージアは淡い微笑みすら浮かべて、頷きを返した。その反応に、彼はホッとしたように頬を緩める。
一見、フリージアは何らいつもと変わりがないようだった。
だが、彼女の斜め後ろに座るオルディンの目には少し強張っている彼女の頬と、関節が白くなるまで硬く握られた拳が映っている。
手を伸ばして慰めてやるのは簡単なことだ。しかし、真っ直ぐに伸ばされたフリージアの背は、それを望んでいない。
オルディンは立てた片膝を抱えてフリージアを見守る。細いその肩が一度小さく上下して、彼女が一つ息をついたのが判った。
「……そうだね。二人だけで――良かった」
わずかな逡巡の後に付け加えられた最後のその一言で、拳が更にきつく握り込まれる。そして続いた、朗らかな声。
「でも、あそこで青雲軍が出てくれて、助かったよ! ありがとう、スキルナ将軍。あの人達、いつから隠れてたの?」
フリージアに水を向けられたスキルナが微笑んだ。
「初日からです。紅竜軍や黒鉄軍を信じていないわけではなかったのですが、万が一の時の為にと潜ませておきました。ニダベリル側に悟られぬよう、お二方にもお伝えしませんでした。申し訳ない」
「我らが気付かなかったのに、ニダベリルが気付くわけがありませんな」
そう言って、ビグヴィルが笑う。
確かに、紅竜軍の者なり黒鉄軍の者なり、そこに青雲軍が控えてくれていると知っていれば、誰かがチラリと目を走らせてしまっていたかもしれない。
橋の不寝番を黒鉄軍、川の上流の警戒を紅竜軍、そして下流の警戒を青雲軍が担っていたのだが、そう言えば、真っ先に下流の担当を希望したのはスキルナだったなとオルディンは思い出す。はなから伏兵を忍ばせておくつもりだったのだろう。
――つくづく、隠し事の好きな男だな。
オルディンは半ば呆れ、半ば感心する。眺めやるとスキルナと目が合い、彼はいつもと変わらぬ柔らかな笑みを返してきた。
「こっそり伏兵っていうのはもう通じないよね。明日からは、最初っから青雲軍にいてもらおうかな。牽制にはなると思うんだけど」
「そうですね、今日のような突撃はしなくなるかと思います」
フリージアの提案に、スキルナが頷く。
「百ほど並ばせましょう」
「黒鉄軍に護衛についてもらった方がいいよね」
だが、今度の彼女の言葉には、彼は首を横に振った。
「いいえ、不要です。黒鉄軍には中央の守りに徹してもらいましょう。我々も自分の身は自分で守れます。確かに近寄られたら攻撃はできませんが、防御はしっかり身に付けさせてありますから」
「でも……」
フリージアは更に言い募ろうとしたが、力を分散させる余裕がないことは事実である。わずかな逡巡の後、顔を上げた。
「わかった、任せる」
そう言って、彼女は笑顔を作る。そして表情を改めた。
「で、話はもう一つあるんだけど……ロキス」
フリージアに呼ばれたロキスが、天幕の隅から身体を起こす。
「ああ」
「今日のニダベリル軍を見て、どうだった?」
首をかしげたフリージアに、ロキスは肩を竦めて返した。
「あっちも結構消耗してるぜ、あれは。バイダルのおっさんもオルディンも、一日目と二日目、そんで今日。何か気付かなかったか?」
ロキスが実動部隊である二人に問い掛けた。二人とも、三日間通してニダベリル兵と剣を交《まじ》えている。オルディンは少し考えて、答えた。
「歩兵の動きが違ったな」
彼の台詞に、バイダルも小さく顎を引いて賛同の意を示す。
「お、流石に鋭い」
「何が違うんだ?」
「まずは、ニダベリル軍の中身を説明するわ。オレがいたグイ大隊とダウ将軍の方とではちょっと違うんだけどな、まあ、直で戦ったのはグイ大隊だからそっちで話をするぜ」
ロキスの前置きに皆が頷く。一同を見回し、彼が続けた。
「騎馬兵、重装歩兵、弓兵はグランゲルドと同じなんだけどな、ニダベリルで多いのは、歩兵なんだよ。騎馬兵三百、重装歩兵二百、弓兵四百、歩兵六百ってとこかな。今回の状況だとあっちの弓兵はなかなかこっちに出てこないだろうから、取り敢えず外しとこう。で、騎馬兵と重装歩兵は、グランゲルドと同じように根っからの軍人なんだ――ニダベリル生まれ、ニダベリル育ちの。けどな、歩兵はそうじゃない。軍人は中隊長くらいだな。あとは平民からの徴兵と、もう一つ、『転向者』って呼ばれる連中なんだよ」
「『転向者』?」
耳慣れない呼称に、フリージアが眉をひそめる。他の面々も同じような表情だ。ロキスは彼らに向けて肩を竦めてから説明を付け加える。
「ニダベリルもあんだけ戦ってばっかじゃ、すぐに兵士が尽きちまうだろ? だから、制圧した部族やらの戦災孤児を拾って、兵士に育て上げるんだよ。ちなみに、オレもそう」
「でも、そんなの、ニダベリルの為に戦う気になんかならないんじゃないの?」
「まあ、他に行けるとこもやれることも無いからな。戦うしかないだろ? オレみたいに好きで戦ってた奴もいたけどな、だいたいはそれしかないから戦ってた感じだぜ?」
ロキスは当然のようにそう言う。後ろにいるオルディンにはフリージアの表情を見ることはできなかったが、さぞかし納得がいかない顔をしていることだろう。ロキスの苦笑がその証拠だ。
「とにかく、ニダベリルの歩兵はそんな感じなんだよ。で、『転向者』の方が、当然、平民からの徴兵よりも腕が立つ。日がな一日訓練してるってこともあるけどな、何より弱い奴はどんどん淘汰されてくから、日が経つにつれて手強くなってくってわけ。三日もすれば、残ってんのはこれまでの戦いも生き延びてきた経験豊富な『転向者』なりってな。多分、初日もそうだったろうけど、今日倒したニダベリルの歩兵も徴兵された奴らか、まだ未熟な『転向者』のどっちかだろうな。大方、ダウ大隊からでも補充されたんだろ」
「何か……食物倉に芋でも足してくみたいな感じ……」
「同じようなもんだろ、特に『転向者』の方はな。そんなだから、ニダベリルへの忠誠心なんざありゃしねぇ。それこそ、何も知らねぇ赤ん坊の頃から育てられたってんなら別だけどよ、ニダベリルもそこまでの手間はかけねぇからな。普通は、自分達の身に起きたこと――自分の親達がどうなったかってことを知ってるし、覚えてる。それでも、どうしようもねぇだろ? ガキの頃は逃げりゃ飢え死に、言うこと聞かなきゃ処分。自分の食い扶持くらい何とかできるような年になっても、脱走兵は即処刑だし、そもそも、戦うことしか教えられていねぇしな。殆どの奴は、『戦う羊』だよ。羊飼いに連れ回されるままにあっちこっち行かされて、戦って、死ぬ。自分たちが捨て駒だってのは重々承知の上だが、やるしかない。――けどな、だからこそ、そこにつけ込む隙がある」
各軍の戦況報告がそれぞれの将軍の口からなされる。その日、グランゲルド側に出た死者は二名だった。いずれも紅竜軍で、右翼の第三陣として出撃していた兵士達だ。軽装で接近戦を行う紅竜軍は、どうしても手傷を負う者が多くなる。他にも数名重傷者がいて、今も医師達が懸命に手を尽くしているところだ。
戦いで人が死なぬ筈がない。それは自明の理だが、それでもその結果に空気はぐんと重さを増した。天幕の中を、一瞬沈黙が支配する。それを破ったのは、いささかわざとらしさを含んだビグヴィルの咳払いだった。
「まあ……あの状況でその被害なら、上出来だろうて」
気遣うようにビグヴィルが言うのへ、フリージアは淡い微笑みすら浮かべて、頷きを返した。その反応に、彼はホッとしたように頬を緩める。
一見、フリージアは何らいつもと変わりがないようだった。
だが、彼女の斜め後ろに座るオルディンの目には少し強張っている彼女の頬と、関節が白くなるまで硬く握られた拳が映っている。
手を伸ばして慰めてやるのは簡単なことだ。しかし、真っ直ぐに伸ばされたフリージアの背は、それを望んでいない。
オルディンは立てた片膝を抱えてフリージアを見守る。細いその肩が一度小さく上下して、彼女が一つ息をついたのが判った。
「……そうだね。二人だけで――良かった」
わずかな逡巡の後に付け加えられた最後のその一言で、拳が更にきつく握り込まれる。そして続いた、朗らかな声。
「でも、あそこで青雲軍が出てくれて、助かったよ! ありがとう、スキルナ将軍。あの人達、いつから隠れてたの?」
フリージアに水を向けられたスキルナが微笑んだ。
「初日からです。紅竜軍や黒鉄軍を信じていないわけではなかったのですが、万が一の時の為にと潜ませておきました。ニダベリル側に悟られぬよう、お二方にもお伝えしませんでした。申し訳ない」
「我らが気付かなかったのに、ニダベリルが気付くわけがありませんな」
そう言って、ビグヴィルが笑う。
確かに、紅竜軍の者なり黒鉄軍の者なり、そこに青雲軍が控えてくれていると知っていれば、誰かがチラリと目を走らせてしまっていたかもしれない。
橋の不寝番を黒鉄軍、川の上流の警戒を紅竜軍、そして下流の警戒を青雲軍が担っていたのだが、そう言えば、真っ先に下流の担当を希望したのはスキルナだったなとオルディンは思い出す。はなから伏兵を忍ばせておくつもりだったのだろう。
――つくづく、隠し事の好きな男だな。
オルディンは半ば呆れ、半ば感心する。眺めやるとスキルナと目が合い、彼はいつもと変わらぬ柔らかな笑みを返してきた。
「こっそり伏兵っていうのはもう通じないよね。明日からは、最初っから青雲軍にいてもらおうかな。牽制にはなると思うんだけど」
「そうですね、今日のような突撃はしなくなるかと思います」
フリージアの提案に、スキルナが頷く。
「百ほど並ばせましょう」
「黒鉄軍に護衛についてもらった方がいいよね」
だが、今度の彼女の言葉には、彼は首を横に振った。
「いいえ、不要です。黒鉄軍には中央の守りに徹してもらいましょう。我々も自分の身は自分で守れます。確かに近寄られたら攻撃はできませんが、防御はしっかり身に付けさせてありますから」
「でも……」
フリージアは更に言い募ろうとしたが、力を分散させる余裕がないことは事実である。わずかな逡巡の後、顔を上げた。
「わかった、任せる」
そう言って、彼女は笑顔を作る。そして表情を改めた。
「で、話はもう一つあるんだけど……ロキス」
フリージアに呼ばれたロキスが、天幕の隅から身体を起こす。
「ああ」
「今日のニダベリル軍を見て、どうだった?」
首をかしげたフリージアに、ロキスは肩を竦めて返した。
「あっちも結構消耗してるぜ、あれは。バイダルのおっさんもオルディンも、一日目と二日目、そんで今日。何か気付かなかったか?」
ロキスが実動部隊である二人に問い掛けた。二人とも、三日間通してニダベリル兵と剣を交《まじ》えている。オルディンは少し考えて、答えた。
「歩兵の動きが違ったな」
彼の台詞に、バイダルも小さく顎を引いて賛同の意を示す。
「お、流石に鋭い」
「何が違うんだ?」
「まずは、ニダベリル軍の中身を説明するわ。オレがいたグイ大隊とダウ将軍の方とではちょっと違うんだけどな、まあ、直で戦ったのはグイ大隊だからそっちで話をするぜ」
ロキスの前置きに皆が頷く。一同を見回し、彼が続けた。
「騎馬兵、重装歩兵、弓兵はグランゲルドと同じなんだけどな、ニダベリルで多いのは、歩兵なんだよ。騎馬兵三百、重装歩兵二百、弓兵四百、歩兵六百ってとこかな。今回の状況だとあっちの弓兵はなかなかこっちに出てこないだろうから、取り敢えず外しとこう。で、騎馬兵と重装歩兵は、グランゲルドと同じように根っからの軍人なんだ――ニダベリル生まれ、ニダベリル育ちの。けどな、歩兵はそうじゃない。軍人は中隊長くらいだな。あとは平民からの徴兵と、もう一つ、『転向者』って呼ばれる連中なんだよ」
「『転向者』?」
耳慣れない呼称に、フリージアが眉をひそめる。他の面々も同じような表情だ。ロキスは彼らに向けて肩を竦めてから説明を付け加える。
「ニダベリルもあんだけ戦ってばっかじゃ、すぐに兵士が尽きちまうだろ? だから、制圧した部族やらの戦災孤児を拾って、兵士に育て上げるんだよ。ちなみに、オレもそう」
「でも、そんなの、ニダベリルの為に戦う気になんかならないんじゃないの?」
「まあ、他に行けるとこもやれることも無いからな。戦うしかないだろ? オレみたいに好きで戦ってた奴もいたけどな、だいたいはそれしかないから戦ってた感じだぜ?」
ロキスは当然のようにそう言う。後ろにいるオルディンにはフリージアの表情を見ることはできなかったが、さぞかし納得がいかない顔をしていることだろう。ロキスの苦笑がその証拠だ。
「とにかく、ニダベリルの歩兵はそんな感じなんだよ。で、『転向者』の方が、当然、平民からの徴兵よりも腕が立つ。日がな一日訓練してるってこともあるけどな、何より弱い奴はどんどん淘汰されてくから、日が経つにつれて手強くなってくってわけ。三日もすれば、残ってんのはこれまでの戦いも生き延びてきた経験豊富な『転向者』なりってな。多分、初日もそうだったろうけど、今日倒したニダベリルの歩兵も徴兵された奴らか、まだ未熟な『転向者』のどっちかだろうな。大方、ダウ大隊からでも補充されたんだろ」
「何か……食物倉に芋でも足してくみたいな感じ……」
「同じようなもんだろ、特に『転向者』の方はな。そんなだから、ニダベリルへの忠誠心なんざありゃしねぇ。それこそ、何も知らねぇ赤ん坊の頃から育てられたってんなら別だけどよ、ニダベリルもそこまでの手間はかけねぇからな。普通は、自分達の身に起きたこと――自分の親達がどうなったかってことを知ってるし、覚えてる。それでも、どうしようもねぇだろ? ガキの頃は逃げりゃ飢え死に、言うこと聞かなきゃ処分。自分の食い扶持くらい何とかできるような年になっても、脱走兵は即処刑だし、そもそも、戦うことしか教えられていねぇしな。殆どの奴は、『戦う羊』だよ。羊飼いに連れ回されるままにあっちこっち行かされて、戦って、死ぬ。自分たちが捨て駒だってのは重々承知の上だが、やるしかない。――けどな、だからこそ、そこにつけ込む隙がある」
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
何を間違った?【完結済】
maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。
彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。
今真実を聞いて⋯⋯。
愚かな私の後悔の話
※作者の妄想の産物です
他サイトでも投稿しております
公爵夫人の微笑※3話完結
cyaru
恋愛
侯爵令嬢のシャルロッテには婚約者がいた。公爵子息のエドワードである。
ある日偶然にエドワードの浮気現場を目撃してしまう。
浮気相手は男爵令嬢のエリザベスだった。
※作品の都合上、うわぁと思うようなシーンがございます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる