65 / 133
第二章:大いなる冬の訪れ
凶手、再び②
しおりを挟む
オルディンが今夜の寝床として見つけてきたのは、いつものように、村長が管理している村の納屋だった。村の外れにポツンと佇むその納屋は村の行事に用いる道具の数々を仕舞ってあるらしい。使い道の判らない物もちらほら見える。
当然のことながら、暖を取る為に火などを焚くわけにはいかない。ぜいぜい、灯かりにしている燭台程度だ。秋の夜長は深々と冷え込むが、床には厚く藁が敷き詰められ、毛布も十分すぎるほど用意してくれていた。
「何だよ、雑魚寝かよ」
納屋に入るなり舌打ち混じりでそう言ったのは、軍隊上がりで質素な生活に慣れている筈のロキスだ。
フリージアがエイルとソルの為に寝床を整えてやりながら言う。
「オルディンと二人で旅してた時は、たいていこんな感じか野宿だったよ」
「二人で旅してた時? 一国の将軍様が旅暮らし?」
「まあ、色々あったの。ほら、エイル、ソル、準備できたよ」
ロキスの台詞をサラリと流したフリージアが子ども二人を手招きした。
「ほら、寝て寝て。明日は早いよ」
と、まるで母親のような口調だが、実は三人の中では断トツで年若なのだ。
片手でつまみ上げられるほどに小さかった少女が甲斐甲斐しく子どもの世話を焼いている姿を見ると、オルディンは妙な感慨を覚える。
――もしかして、これが娘の成長を見る父親の心境というものなのだろうか。
そんなふうに思いつつ壁に寄りかかって三人を眺めていたオルディンに、ロキスが声をかけてきた。
「なあ? おたくと将軍って、どんな関係な訳?」
「あ?」
「おたくは兵隊ってわけじゃないんだろ? グランゲルド軍の訓練を見たけど、剣捌きとか、なんか違うよな」
「……」
「将軍への態度も、上官と兵士には見えねぇしな」
短い付き合いだというのに、意外に良く見ている。
オルディンは『ただの血気盛んな命知らずのバカ』というロキスに対する認識を、少々変えた。
「まあ、家族みたいなもんだよ」
「家族ぅ?」
「ああ。お前もさっさと寝ろよ」
ロキスに細かいことを説明する義理はない。オルディンはそう言いおいて、自分の寝床へと向かった。
彼は、フリージアたち三人よりも入口側に横になる。その位置であれば、侵入者があった時に真っ先に対峙できるからだ。
だが、いざ横になっても、オルディンにはなかなか眠気が訪れてくれなかった。
理由は判っている。
気にかかっているのはロキスのことだ――いや、彼自身がというわけではない。心に引っかかっているのは、彼がここに送り込まれたということだった。
無断で帰城を遅らせるわけにはいかなかったから、ラタを伝令に出したことは間違いではない。だが、それによりフリージアの居場所を知らしめてしまったことは、気に入らなかった。
この事を伝えられたのは、城の中でもごく一部の者だけだろう。皆、信頼に足る人物ばかりの筈で、危険はない。
――その筈なのに、オルディンの胸は騒ぐ。
何故、ミミルはロキスを選んだのだろう。
フリージアが指摘した通り、正規の護衛として送り込むのならば紅竜軍の誰かで良かった筈だ。あの宰相がロキスを選んだということは、何を意味しているのか。
ゲルダの死が彼の良く知る毒によるものだと聞かされた時から、オルディンには不安が付きまとっていた。どうしても、嫌な予感が拭い去れないのだ。
オルディンがまんじりともせずいるうちに、夜は更けていく。納屋の中の空気を乱すのは、各々が立てる寝息だけ。
少しでも頭と身体を休めようと、オルディンは目を閉じる。だが気は休まらず、意識は研ぎ澄まされるばかりだった。
皆の寝息だけが微かに空気を揺らす中で、時間は、ゆっくりと流れていく。
それが起きたのは、夜明けまであともう少し、一番闇が深くなる頃だった。
オルディンはチクリと肌を刺すような何かを感じて目を開ける。
――来た。
寝ている間に急襲するのは、確かに基本的かつ有効な手段だ。だが、目新しい手法ではない。
「ジア、ロキス」
オルディンは二人に低い声をかけながら起き上がる。どちらも反応は素早く、闇の中で身体を起こす気配が伝わってきた。
「お客さんだ。俺とロキスでおもてなしするぞ。ジアはここで二人を護ってろ」
ここは言葉の使い様で、中で隠れていろと言えば絶対に従わないだろうが、子ども二人を護れと言えば否とは返すまい。
案の定、フリージアはすぐに頷いた。
「わかった。二人とも、あっちの隅に行こう」
フリージアは言いながら、未だ寝ぼけ眼の子どもたちを納屋の奥へと急き立てる。それを横目で見送って、オルディンはロキスへと声をかけた。
「行くぞ」
幸いにして納屋の出入り口は一つだけで、そこさえ護れば賊をフリージアに近付けずに済む。それも見越してこの納屋を借りたのだが、正解だった。
ロキスに目配せをして、納屋の扉を開ける。
攻撃は、なかった。
先にオルディン、続いてロキスが外に出る。
納屋の前には四人の男達がいた。以前と同じ黒衣に身を包んでいるが、頭数はその時よりも少ない。だが、足さばき、重心の掛け方、そして彼らの放つ気から、腕前は段違いであることが容易に察せられた。
「こりゃ、楽しそうだな」
オルディンの隣で、強がりではなく本心から愉しそうに、ロキスがそう呟く。この男がニダベリル軍を出奔した理由が理由だから至極もっともな反応ではあるが、その緊迫感の無さに彼はこっそりとため息をついた。
恐らく敵は二対二に分かれてくるだろう。思考過程に少々難があってもロキスの腕は確かだ。オルディンの腕には及ばないまでも、充分に背中を預けられる。
「このまま帰ってもらうわけには、いかないよな?」
冗談めかしてオルディンが放った言葉と共に、四人の男が剣を抜く。殺気はない。本当に殺す気がないわけではなく、それを気取らせないほどの腕前なのだと判断するのが妥当なところに違いない。
「納屋の中に入れるなよ?」
「判ってるって」
オルディンの念押しにロキスは頷き、剣を抜き放った。月光に白刃が煌めく。
互いの剣が邪魔にならないように、互いに数歩横に動いた。その間も、四人の刺客に目を据えたまま。
先に一歩を踏み出したのはオルディンたちの方だった。
目配せ一つすることなく、ロキスとほぼ同時に地面を蹴る。
オルディンが左端の男目がけて振り下ろした刃は後ろに跳んでかわされる。すかさず距離を詰めた彼に、横からもう一人の男が切りつけてきた。翻した大剣でそれを受け止め男の腹を蹴りつける。
が、手ごたえが弱い。
オルディンの脚が触れるか否かというところで横に跳ばれたのだ。即座に足を戻して次の攻撃に備えた彼に、第二刃が襲い掛かった。
闇に響き渡る鋼と鋼のぶつかり合う音。
左右から絶え間なく繰り出される切っ先を剣で受け、身体を逸らしてかわすオルディンだったが、ふと、眉をひそめた。
彼らの剣捌きは鋭い。鋭いが――おかしい。
間断なく攻撃を仕掛けてくるくせに、決定打が来ない。オルディンが知る限りでは、彼らは自分の身の安全よりも任務遂行を重要視する。少なくとも、彼がいた頃のあの組織はそうだった。
自らの肉を切らせて相手の命を奪う。
それが定石の筈なのに、今一つ踏み込んでこようとしない。まるで、己の身が傷付くことを恐れているかのように。
――時間稼ぎ。
その言葉が脳裏をよぎった瞬間、オルディンは渾身の力で男二人を薙ぎ倒していた。
彼が納屋の方を振り返るのと同時に響く、ヒュイッと短い口笛の音。
オルディンの胸中は嫌な予感で埋め尽くされる。
対峙していた男たちの動きを確認することなく、身を翻して納屋へと走り出していた。
「ジア!」
音を立てて扉を開け放ち、その中へと飛び込む。忙しなく中を見回し、求める姿を探す。
「オル?」
耳慣れた声。
――無事だ。
思わず、安堵の息がオルディンの口から漏れる。強張った身体から力を抜いて、声がした方へと首を巡らせる。
そこでオルディンが目にしたのは、隅にしゃがみこんでいるエイルとソル――そして二人の前に立ち、目を丸くして彼に振り返ったフリージアだった。
オルディンはそちらに歩み寄りかけ、見えてきたものに数歩で足が止まった。彼の全身から、一気に血の気が引く。
「ジア……その腕は……」
フリージアを凝視し、彼は立ち尽くす。彼女の左腕――服が裂け、微かに血がにじんだその腕を、オルディンは信じがたい思いで見つめていた。
当然のことながら、暖を取る為に火などを焚くわけにはいかない。ぜいぜい、灯かりにしている燭台程度だ。秋の夜長は深々と冷え込むが、床には厚く藁が敷き詰められ、毛布も十分すぎるほど用意してくれていた。
「何だよ、雑魚寝かよ」
納屋に入るなり舌打ち混じりでそう言ったのは、軍隊上がりで質素な生活に慣れている筈のロキスだ。
フリージアがエイルとソルの為に寝床を整えてやりながら言う。
「オルディンと二人で旅してた時は、たいていこんな感じか野宿だったよ」
「二人で旅してた時? 一国の将軍様が旅暮らし?」
「まあ、色々あったの。ほら、エイル、ソル、準備できたよ」
ロキスの台詞をサラリと流したフリージアが子ども二人を手招きした。
「ほら、寝て寝て。明日は早いよ」
と、まるで母親のような口調だが、実は三人の中では断トツで年若なのだ。
片手でつまみ上げられるほどに小さかった少女が甲斐甲斐しく子どもの世話を焼いている姿を見ると、オルディンは妙な感慨を覚える。
――もしかして、これが娘の成長を見る父親の心境というものなのだろうか。
そんなふうに思いつつ壁に寄りかかって三人を眺めていたオルディンに、ロキスが声をかけてきた。
「なあ? おたくと将軍って、どんな関係な訳?」
「あ?」
「おたくは兵隊ってわけじゃないんだろ? グランゲルド軍の訓練を見たけど、剣捌きとか、なんか違うよな」
「……」
「将軍への態度も、上官と兵士には見えねぇしな」
短い付き合いだというのに、意外に良く見ている。
オルディンは『ただの血気盛んな命知らずのバカ』というロキスに対する認識を、少々変えた。
「まあ、家族みたいなもんだよ」
「家族ぅ?」
「ああ。お前もさっさと寝ろよ」
ロキスに細かいことを説明する義理はない。オルディンはそう言いおいて、自分の寝床へと向かった。
彼は、フリージアたち三人よりも入口側に横になる。その位置であれば、侵入者があった時に真っ先に対峙できるからだ。
だが、いざ横になっても、オルディンにはなかなか眠気が訪れてくれなかった。
理由は判っている。
気にかかっているのはロキスのことだ――いや、彼自身がというわけではない。心に引っかかっているのは、彼がここに送り込まれたということだった。
無断で帰城を遅らせるわけにはいかなかったから、ラタを伝令に出したことは間違いではない。だが、それによりフリージアの居場所を知らしめてしまったことは、気に入らなかった。
この事を伝えられたのは、城の中でもごく一部の者だけだろう。皆、信頼に足る人物ばかりの筈で、危険はない。
――その筈なのに、オルディンの胸は騒ぐ。
何故、ミミルはロキスを選んだのだろう。
フリージアが指摘した通り、正規の護衛として送り込むのならば紅竜軍の誰かで良かった筈だ。あの宰相がロキスを選んだということは、何を意味しているのか。
ゲルダの死が彼の良く知る毒によるものだと聞かされた時から、オルディンには不安が付きまとっていた。どうしても、嫌な予感が拭い去れないのだ。
オルディンがまんじりともせずいるうちに、夜は更けていく。納屋の中の空気を乱すのは、各々が立てる寝息だけ。
少しでも頭と身体を休めようと、オルディンは目を閉じる。だが気は休まらず、意識は研ぎ澄まされるばかりだった。
皆の寝息だけが微かに空気を揺らす中で、時間は、ゆっくりと流れていく。
それが起きたのは、夜明けまであともう少し、一番闇が深くなる頃だった。
オルディンはチクリと肌を刺すような何かを感じて目を開ける。
――来た。
寝ている間に急襲するのは、確かに基本的かつ有効な手段だ。だが、目新しい手法ではない。
「ジア、ロキス」
オルディンは二人に低い声をかけながら起き上がる。どちらも反応は素早く、闇の中で身体を起こす気配が伝わってきた。
「お客さんだ。俺とロキスでおもてなしするぞ。ジアはここで二人を護ってろ」
ここは言葉の使い様で、中で隠れていろと言えば絶対に従わないだろうが、子ども二人を護れと言えば否とは返すまい。
案の定、フリージアはすぐに頷いた。
「わかった。二人とも、あっちの隅に行こう」
フリージアは言いながら、未だ寝ぼけ眼の子どもたちを納屋の奥へと急き立てる。それを横目で見送って、オルディンはロキスへと声をかけた。
「行くぞ」
幸いにして納屋の出入り口は一つだけで、そこさえ護れば賊をフリージアに近付けずに済む。それも見越してこの納屋を借りたのだが、正解だった。
ロキスに目配せをして、納屋の扉を開ける。
攻撃は、なかった。
先にオルディン、続いてロキスが外に出る。
納屋の前には四人の男達がいた。以前と同じ黒衣に身を包んでいるが、頭数はその時よりも少ない。だが、足さばき、重心の掛け方、そして彼らの放つ気から、腕前は段違いであることが容易に察せられた。
「こりゃ、楽しそうだな」
オルディンの隣で、強がりではなく本心から愉しそうに、ロキスがそう呟く。この男がニダベリル軍を出奔した理由が理由だから至極もっともな反応ではあるが、その緊迫感の無さに彼はこっそりとため息をついた。
恐らく敵は二対二に分かれてくるだろう。思考過程に少々難があってもロキスの腕は確かだ。オルディンの腕には及ばないまでも、充分に背中を預けられる。
「このまま帰ってもらうわけには、いかないよな?」
冗談めかしてオルディンが放った言葉と共に、四人の男が剣を抜く。殺気はない。本当に殺す気がないわけではなく、それを気取らせないほどの腕前なのだと判断するのが妥当なところに違いない。
「納屋の中に入れるなよ?」
「判ってるって」
オルディンの念押しにロキスは頷き、剣を抜き放った。月光に白刃が煌めく。
互いの剣が邪魔にならないように、互いに数歩横に動いた。その間も、四人の刺客に目を据えたまま。
先に一歩を踏み出したのはオルディンたちの方だった。
目配せ一つすることなく、ロキスとほぼ同時に地面を蹴る。
オルディンが左端の男目がけて振り下ろした刃は後ろに跳んでかわされる。すかさず距離を詰めた彼に、横からもう一人の男が切りつけてきた。翻した大剣でそれを受け止め男の腹を蹴りつける。
が、手ごたえが弱い。
オルディンの脚が触れるか否かというところで横に跳ばれたのだ。即座に足を戻して次の攻撃に備えた彼に、第二刃が襲い掛かった。
闇に響き渡る鋼と鋼のぶつかり合う音。
左右から絶え間なく繰り出される切っ先を剣で受け、身体を逸らしてかわすオルディンだったが、ふと、眉をひそめた。
彼らの剣捌きは鋭い。鋭いが――おかしい。
間断なく攻撃を仕掛けてくるくせに、決定打が来ない。オルディンが知る限りでは、彼らは自分の身の安全よりも任務遂行を重要視する。少なくとも、彼がいた頃のあの組織はそうだった。
自らの肉を切らせて相手の命を奪う。
それが定石の筈なのに、今一つ踏み込んでこようとしない。まるで、己の身が傷付くことを恐れているかのように。
――時間稼ぎ。
その言葉が脳裏をよぎった瞬間、オルディンは渾身の力で男二人を薙ぎ倒していた。
彼が納屋の方を振り返るのと同時に響く、ヒュイッと短い口笛の音。
オルディンの胸中は嫌な予感で埋め尽くされる。
対峙していた男たちの動きを確認することなく、身を翻して納屋へと走り出していた。
「ジア!」
音を立てて扉を開け放ち、その中へと飛び込む。忙しなく中を見回し、求める姿を探す。
「オル?」
耳慣れた声。
――無事だ。
思わず、安堵の息がオルディンの口から漏れる。強張った身体から力を抜いて、声がした方へと首を巡らせる。
そこでオルディンが目にしたのは、隅にしゃがみこんでいるエイルとソル――そして二人の前に立ち、目を丸くして彼に振り返ったフリージアだった。
オルディンはそちらに歩み寄りかけ、見えてきたものに数歩で足が止まった。彼の全身から、一気に血の気が引く。
「ジア……その腕は……」
フリージアを凝視し、彼は立ち尽くす。彼女の左腕――服が裂け、微かに血がにじんだその腕を、オルディンは信じがたい思いで見つめていた。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
お飾り王妃の愛と献身
石河 翠
恋愛
エスターは、お飾りの王妃だ。初夜どころか結婚式もない、王国存続の生贄のような結婚は、父親である宰相によって調えられた。国王は身分の低い平民に溺れ、公務を放棄している。
けれどエスターは白い結婚を隠しもせずに、王の代わりに執務を続けている。彼女にとって大切なものは国であり、夫の愛情など必要としていなかったのだ。
ところがある日、暗愚だが無害だった国王の独断により、隣国への侵攻が始まる。それをきっかけに国内では革命が起き……。
国のために恋を捨て、人生を捧げてきたヒロインと、王妃を密かに愛し、彼女を手に入れるために国を変えることを決意した一途なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:24963620)をお借りしております。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる