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第二章:大いなる冬の訪れ
ヒトと、エルフィアと、そして……②
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王宮の一画で、廊下を歩いていたミミルは不意にラタに呼び止められた。振り返ると、柱の陰から白銀の姿が現れる。
「ロウグ将軍は?」
彼女たちが戻ってきたという報せは、彼の耳には届いていない。王都まで来ていなくても、近隣の村や町で姿を見かけたらすぐさま彼の元に連絡が来るように手配してあるのだが。
嫌な予感に微かに眉をしかめたミミルに、ラタは彼の予想通りの言葉を返してくる。
「帰りが遅くなる。エルフィアを一人連れ帰るから、馬で帰ることになった。十日ほどかかる、と」
「エルフィアを? 何故、また、そのようなことに……」
呆れ半分、諦め半分で呻いたミミルを、ラタは無言で見つめている。恐らく、何か伝言はないかと待っているのだろう。
マナヘルムから馬で帰るとしたら、立ち寄る町は限られてくる。
そして、翼竜ならばまだしも、馬でとなるとその分、人目に触れる機会も、無防備になる時間も増えるだろう。その間、護衛はオルディン一人だ。
ミミルはしばらく考えて、指示を出す。
「一つ、頼まれてくれ」
そう告げた彼の言葉に、ラタは小さく頷いた。
「ロウグ将軍は?」
彼女たちが戻ってきたという報せは、彼の耳には届いていない。王都まで来ていなくても、近隣の村や町で姿を見かけたらすぐさま彼の元に連絡が来るように手配してあるのだが。
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「帰りが遅くなる。エルフィアを一人連れ帰るから、馬で帰ることになった。十日ほどかかる、と」
「エルフィアを? 何故、また、そのようなことに……」
呆れ半分、諦め半分で呻いたミミルを、ラタは無言で見つめている。恐らく、何か伝言はないかと待っているのだろう。
マナヘルムから馬で帰るとしたら、立ち寄る町は限られてくる。
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