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第二章:大いなる冬の訪れ
穏やかなひと時①
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秋も深まり、華やかな色の花々の代わりに紅や黄金色に染まった木々が鮮やかな彩りを見せてくれる王宮の中庭で、精緻な装飾が施された円卓をグルリと取り囲んだ面々は舌鼓を打つ。参席しているのはサーガにフリージア、オルディンにエイルだ。
「いかが? このお菓子は東の方の地域で食べられているものでしてよ」
「おいしいです。甘いのに、しょっぱいや」
フリージアの手の中にあるのは、手のひらほどの平べったい菓子だ。全体に塗られた塩よりももっと香ばしいしょっぱさと、まぶされている粒の大きな砂糖の甘さとが絶妙な調和を保っている。味は良いとして、この菓子は、噛み砕くのになかなか顎の力がいる。
「……ちょっと硬いけど、この歯ごたえが結構いいかも。エイル、大丈夫?」
問いながらフリージアがエイルに目を向けると、エルフィアの子どもはコクリと頷いた。ゆっくりながらも、ちゃんと食べられているようだ。
「料理人が申すには、木の実を一度粉にして練り、それにその地域特有の調味料を塗って、焼き上がり際に砂糖をまぶしているとか」
説明してくれた給仕に、フリージアは笑いかける。
「お菓子っていうと、甘いだけかと思っていたから、ちょっと新鮮」
「ふふふ、ゲルダ様も、お菓子が大好きでしたのよ。お屋敷の料理人が作るものだけでは満足なさらなくて、時々、街に出てつまみ食いされてらっしゃったわ。わたくしも何度か連れて行っていただきましたの」
「ええっ? 母さんってば、王妃様を連れ出したの?」
「まだ、わたくしが嫁ぐ前ですわ……お父様には、内緒でしたけれど」
目を丸くしたフリージアに、サーガがクスクスと笑う。
「母さんとサーガ様って、本当に仲が良かったんですね」
「ええ、幼馴染でしたの。ゲルダ様のお母様はあの方がお生まれになってすぐに亡くなってしまって。わたくしの母がとても気にかけていて、しょっちゅうロウグ家に様子を見に行っていましたのよ」
「小っちゃい頃からの友達なんですね」
「うふふ。幼い頃のゲルダ様は、それはそれは愛らしくて、いたずらで。その後は女神様のようでしたわ。お美して、お強くて――」
ふっと、サーガの目が遠くを見つめる。
きっと、フリージアには見えない面影を辿っているのだろう。その眼差しが王に向けられる時よりも熱いものを含んでいるように見えるのは、フリージアの気の所為か。
普段は明るく屈託のないサーガなのに、ゲルダの事を口にすると、こんなふうに微かにその目が曇る。彼女が亡くなってからもう二月以上が経ったのに、サーガの悲しみはまだ全く色褪せていないようだった。
そんなふうに悼んでいる王妃に、フリージアはその問いを投げようかどうしようか、迷う。けれど、彼女の『お茶会』に誘われるようになって七日間、毎日、「今日は訊こう」と思いつつ、なかなか口に出せずにいたのだ。
綺麗な薄緑色の茶を全て飲み干し、今日こそは、と、フリージアは覚悟を決める。
「あの、サーガ様」
フリージアの声にサーガは急に腕を引っ張られたかのように一つ二つ瞬きをすると、にっこりと微笑んだ。
「何?」
「あの……」
言い淀むフリージアに、サーガは少し首をかしげて待っている。
「えっと、ですね、母さんは――」
言いかけ、一つ唾を飲み、意を決する。
「母さんは、どうやって死んだんですか?」
言葉を飾らず切り込んだフリージアに、サーガは大きく一つ瞬きをした。
「フリージア?」
「母さんって、すごく強かったんですよね? ビグヴィル将軍から、賊に殺されたっていうことは聞きました」
サーガは笑みを消して、フリージアを見つめている。その視線を真っ直ぐに受け止めながら、続けた。
「オルが勝てない相手なんて、あたしは今まで見たことがないです。母さんは、そんなオルも負かしたことがあるって。そんな人が、何で、殺されたんですか?」
しばらくは、誰も何も言わなかった。中庭には、小鳥のさえずりと木々の梢がそよ風に揺れる音だけが響く。
やがて、サーガが小さく息をついた。
「ええ……ゲルダ様は、とても――とても、お強かったわ。この国の中で、一番」
「じゃあ、何故?」
サーガはその空色の目を一度伏せ、そして、再びフリージアに向ける。
「あれは、あの方がいつものように町へ出られた時でしたわ。本当に、いつものように、何一つ変わることのない、お出かけでしたの。……賊は、五名ほどだったと、聞いております。いつもの彼女でしたら、何ということはない、数」
たった、五名。
フリージアは胸中でその数を繰り返す。
本当に、『たった』だ。
オルディンだったら、剣も使わず叩き伏せることができるだろう。にもかかわらず後れを取るなど、賊はそんなに手練れだったのだろうか。
彼女のそんな考えが伝わったのか、サーガは緩く首を振った。
「いいえ、ゲルダ様には難しい相手ではありませんでしたわ。見ていた者は、いとも簡単にあしらっていた、と」
「でも、死んだ」
「ええ。町中だったことが、良くなかったわ……彼女は、飛び出してきた子どもを、庇ったの」
「子ども?」
「ええ。まだ、幼い子ども。三つか四つの、女の子だったと聞いていてよ。もしかしたら、賊はそれを見越していたのかもしれないわね。誰か民が危険な目に遭えば、あの方は必ず庇う、と。でなければ、昼日中、人の多い中で襲いはしないでしょうから。取り逃がしてしまって彼らの真意は判らないけれど、とにかく、ゲルダ様はその子を庇ったわ。そして、小さな傷を負ったの。本当に、小さなかすり傷」
「毒、か」
言葉を切ったサーガに続いて呟いたのは、オルディンだ。その眉間には深いしわが刻まれている。彼は知識が豊富だから、何か思い当たるようなものがあるのかもしれない。
サーガはオルディンに頷くと、続けた。
「ええ。遅効性のものでしたわ。何となくだるい、から始まった時、彼女は自分でもそんなことがあるのか、と笑ってらっしゃいました。ただ、体調が悪いだけだと思ってらしたのね。……気付いた時には、手遅れでした。その時には、もう、身体の中がボロボロで……三日間床に伏して、そして、亡くなりました。あなたの事を、皆に言い残して」
「そうなんだ……子どもを……」
フリージアは、呟く。と、不意に、頭と腕に、温もりを感じた。頭の上にあるのは、よく馴染んだ感触――温かくて大きなオルディンの手だ。そして腕に置かれたのは、小さなエイルのものだった。
「ありがと、大丈夫だよ」
フリージアはオルディンに笑いかけ、エイルの頭をくしゃくしゃと撫でる。
母が庇ったというその子の事を、フリージアは恨むことなどできなかった。多分、ゲルダのその行動を止めることなど、誰もできなかっただろう。その結果が死だと判っていたとしても、彼女だって、きっと止めやしない。
こうやって皆の中に散らばる母親の欠片を集めていると、フリージアの中に彼女の鮮やかな形が組み立てられ、動き出し始める。グランゲルドに来てから見せられたゲルダの肖像画はただの『絵』に過ぎなかったが、あれに、魂が吹き込まれていくような心持ちだった。
フリージアの中の母親として彼女を慕う気持ちは、やはり薄い。
多分、フリージアにとって、オルディンが母であり、父であり、兄であり、友であり――いや、それらをひっくるめてもまだ足りない大事なかけがえのない存在なのだ。彼女の中で、その位置は他の誰にも譲れない。
だから、母として、ではなく、人として、ゲルダと会って、話をしたいと思った。話をして、その為人を知りたいと思った。
「いかが? このお菓子は東の方の地域で食べられているものでしてよ」
「おいしいです。甘いのに、しょっぱいや」
フリージアの手の中にあるのは、手のひらほどの平べったい菓子だ。全体に塗られた塩よりももっと香ばしいしょっぱさと、まぶされている粒の大きな砂糖の甘さとが絶妙な調和を保っている。味は良いとして、この菓子は、噛み砕くのになかなか顎の力がいる。
「……ちょっと硬いけど、この歯ごたえが結構いいかも。エイル、大丈夫?」
問いながらフリージアがエイルに目を向けると、エルフィアの子どもはコクリと頷いた。ゆっくりながらも、ちゃんと食べられているようだ。
「料理人が申すには、木の実を一度粉にして練り、それにその地域特有の調味料を塗って、焼き上がり際に砂糖をまぶしているとか」
説明してくれた給仕に、フリージアは笑いかける。
「お菓子っていうと、甘いだけかと思っていたから、ちょっと新鮮」
「ふふふ、ゲルダ様も、お菓子が大好きでしたのよ。お屋敷の料理人が作るものだけでは満足なさらなくて、時々、街に出てつまみ食いされてらっしゃったわ。わたくしも何度か連れて行っていただきましたの」
「ええっ? 母さんってば、王妃様を連れ出したの?」
「まだ、わたくしが嫁ぐ前ですわ……お父様には、内緒でしたけれど」
目を丸くしたフリージアに、サーガがクスクスと笑う。
「母さんとサーガ様って、本当に仲が良かったんですね」
「ええ、幼馴染でしたの。ゲルダ様のお母様はあの方がお生まれになってすぐに亡くなってしまって。わたくしの母がとても気にかけていて、しょっちゅうロウグ家に様子を見に行っていましたのよ」
「小っちゃい頃からの友達なんですね」
「うふふ。幼い頃のゲルダ様は、それはそれは愛らしくて、いたずらで。その後は女神様のようでしたわ。お美して、お強くて――」
ふっと、サーガの目が遠くを見つめる。
きっと、フリージアには見えない面影を辿っているのだろう。その眼差しが王に向けられる時よりも熱いものを含んでいるように見えるのは、フリージアの気の所為か。
普段は明るく屈託のないサーガなのに、ゲルダの事を口にすると、こんなふうに微かにその目が曇る。彼女が亡くなってからもう二月以上が経ったのに、サーガの悲しみはまだ全く色褪せていないようだった。
そんなふうに悼んでいる王妃に、フリージアはその問いを投げようかどうしようか、迷う。けれど、彼女の『お茶会』に誘われるようになって七日間、毎日、「今日は訊こう」と思いつつ、なかなか口に出せずにいたのだ。
綺麗な薄緑色の茶を全て飲み干し、今日こそは、と、フリージアは覚悟を決める。
「あの、サーガ様」
フリージアの声にサーガは急に腕を引っ張られたかのように一つ二つ瞬きをすると、にっこりと微笑んだ。
「何?」
「あの……」
言い淀むフリージアに、サーガは少し首をかしげて待っている。
「えっと、ですね、母さんは――」
言いかけ、一つ唾を飲み、意を決する。
「母さんは、どうやって死んだんですか?」
言葉を飾らず切り込んだフリージアに、サーガは大きく一つ瞬きをした。
「フリージア?」
「母さんって、すごく強かったんですよね? ビグヴィル将軍から、賊に殺されたっていうことは聞きました」
サーガは笑みを消して、フリージアを見つめている。その視線を真っ直ぐに受け止めながら、続けた。
「オルが勝てない相手なんて、あたしは今まで見たことがないです。母さんは、そんなオルも負かしたことがあるって。そんな人が、何で、殺されたんですか?」
しばらくは、誰も何も言わなかった。中庭には、小鳥のさえずりと木々の梢がそよ風に揺れる音だけが響く。
やがて、サーガが小さく息をついた。
「ええ……ゲルダ様は、とても――とても、お強かったわ。この国の中で、一番」
「じゃあ、何故?」
サーガはその空色の目を一度伏せ、そして、再びフリージアに向ける。
「あれは、あの方がいつものように町へ出られた時でしたわ。本当に、いつものように、何一つ変わることのない、お出かけでしたの。……賊は、五名ほどだったと、聞いております。いつもの彼女でしたら、何ということはない、数」
たった、五名。
フリージアは胸中でその数を繰り返す。
本当に、『たった』だ。
オルディンだったら、剣も使わず叩き伏せることができるだろう。にもかかわらず後れを取るなど、賊はそんなに手練れだったのだろうか。
彼女のそんな考えが伝わったのか、サーガは緩く首を振った。
「いいえ、ゲルダ様には難しい相手ではありませんでしたわ。見ていた者は、いとも簡単にあしらっていた、と」
「でも、死んだ」
「ええ。町中だったことが、良くなかったわ……彼女は、飛び出してきた子どもを、庇ったの」
「子ども?」
「ええ。まだ、幼い子ども。三つか四つの、女の子だったと聞いていてよ。もしかしたら、賊はそれを見越していたのかもしれないわね。誰か民が危険な目に遭えば、あの方は必ず庇う、と。でなければ、昼日中、人の多い中で襲いはしないでしょうから。取り逃がしてしまって彼らの真意は判らないけれど、とにかく、ゲルダ様はその子を庇ったわ。そして、小さな傷を負ったの。本当に、小さなかすり傷」
「毒、か」
言葉を切ったサーガに続いて呟いたのは、オルディンだ。その眉間には深いしわが刻まれている。彼は知識が豊富だから、何か思い当たるようなものがあるのかもしれない。
サーガはオルディンに頷くと、続けた。
「ええ。遅効性のものでしたわ。何となくだるい、から始まった時、彼女は自分でもそんなことがあるのか、と笑ってらっしゃいました。ただ、体調が悪いだけだと思ってらしたのね。……気付いた時には、手遅れでした。その時には、もう、身体の中がボロボロで……三日間床に伏して、そして、亡くなりました。あなたの事を、皆に言い残して」
「そうなんだ……子どもを……」
フリージアは、呟く。と、不意に、頭と腕に、温もりを感じた。頭の上にあるのは、よく馴染んだ感触――温かくて大きなオルディンの手だ。そして腕に置かれたのは、小さなエイルのものだった。
「ありがと、大丈夫だよ」
フリージアはオルディンに笑いかけ、エイルの頭をくしゃくしゃと撫でる。
母が庇ったというその子の事を、フリージアは恨むことなどできなかった。多分、ゲルダのその行動を止めることなど、誰もできなかっただろう。その結果が死だと判っていたとしても、彼女だって、きっと止めやしない。
こうやって皆の中に散らばる母親の欠片を集めていると、フリージアの中に彼女の鮮やかな形が組み立てられ、動き出し始める。グランゲルドに来てから見せられたゲルダの肖像画はただの『絵』に過ぎなかったが、あれに、魂が吹き込まれていくような心持ちだった。
フリージアの中の母親として彼女を慕う気持ちは、やはり薄い。
多分、フリージアにとって、オルディンが母であり、父であり、兄であり、友であり――いや、それらをひっくるめてもまだ足りない大事なかけがえのない存在なのだ。彼女の中で、その位置は他の誰にも譲れない。
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