39 / 73
狼におあずけをくわせる方法
3
しおりを挟む
移動は、橘が手配した車で行なった。
運転手を除いて、車内にいるのは、一輝、弥生、橘、それに弥生の二人の弟、睦月に葉月だ。
用意したのはワゴン車で、最後尾はベンチシートになっている。
一輝と弥生はそこに並んで乗車――ならばいいのだが、二人の間にちょこんと居座っているのは葉月であった。
八歳になって反抗期を迎えていてもいい筈のその少年は、未だに弥生べったりの甘えん坊である。
目が合うといつでもニコリと無邪気に笑いかけてくれるのだが、最近、一輝が大石宅を訪問すると、妙に視線を感じる。
至って可愛らしい少年にも拘らず、睦月よりも厄介な存在なような気がするのは、気のせいだろうか。
今も弥生の腕にしがみついて、葉月が朗らかな声を上げている。
「ぼく、おんせんってはじめてだよね?」
「あ、そうだね。嬉しい?」
「うん。すっごくひろいおフロなんでしょ?」
「うちのお風呂が五個は入るかもね。一輝君が連れてきてくれたんだよ?」
「ありがとう、かずきお兄ちゃん」
そう言って向けてくる、満面の笑顔。
「どういたしまして」
「またつれてきてね。おねえちゃんといっしょに」
――これは、「二人きりにはさせないぞ」という意味か?
八歳の子ども相手に深読みするものでもないだろうが、彼に笑みを返したものの、何となく言葉通りには受け取れない一輝だった。
二人の遣り取りを、弥生はニコニコと見守っている。
そんな一部妙な緊張を漂わせている空気をよそに、前の方から能天気な声があがる。
「すげぇな。こういうのにも七人乗りなんかあるんだな」
声の主は睦月だ。彼は助手席に陣取っている。
――弥生さんと二人きりというのは、多分新婚旅行までお預けになるのだろうな。
小さくため息をつくと、すぐ前の席に座っていた橘が振り返る。
「残念でしたねぇ、一輝様」
頬杖をついて窓の外に目をやった一輝に、橘が温い微笑を浮かべながらそう言った。
「うるさい」
ボソリと返した一輝に、橘はくすくすと笑みを漏らす。全てを見通しているかのような橘の態度には腹が立つが、何か言えば余計に彼を笑わせることになるのが目に見えていた。
一輝とて、弥生と二人きりで泊りがけの旅行ができるなど思ってはいなかった。むしろ、そうなる方が驚きだ。
一輝の心中を読むことに長けた橘は引き際をわきまえている。
「もうじきですねぇ」
澄ました声で、通り過ぎていった道路標識を見送りながら言った。
「そろそろ着きますからね」
橘が、皆に向かってそう声をかける。
その宣言どおり、程なくして閑静な佇まいの旅館が木々の間に見えてきた。
滞在先の温泉は、有名ではないが、知る人ぞ知る名湯である。橘が予約したのは、二、三家族が泊まれば満室になってしまうような、小さな宿だった。今日は彼らだけの貸切になっている。
車を降りた一行は、一輝、大石家三人、橘と運転手の三手に別れて部屋に向かう。
部屋に落ち着いた一輝の部屋に、じきに橘が訪れた。
「何かお困りのことはございませんか?」
「大丈夫だ。弥生さんたちはどうだ?」
「この後、伺おうかと」
「そうか」
一輝は部屋を見回し、特にすることもないことを確認する。
「僕も行こう」
そう言って、先に立って歩き出した。
大石家が泊まる部屋の前まで来ると、中から楽しそうな声が聞こえてくる。
「わあ、スゴォイ。お姉ちゃん、見て見て! このお部屋、お風呂付いてる!」
「葉月、ほら、早く片付けて。お散歩行けなくなっちゃうよ」
大石家はあまりこういった旅行に出かけることがないらしく、葉月は大はしゃぎのようだ。普段の弥生の生活を彷彿させる。
ポスポスと襖をノックし、一輝は一声かけた。
「弥生さん? 片付きますか?」
「あ、一輝君」
振り返った弥生が、彼を認めてパッと笑顔になる。
彼女は睦月や葉月にももちろんよく笑いかけるが、一輝に見せるものは、何かが違っているような気がする。
それを向けられる度、一輝の胸の中は温かかな綿が降り積もっていくような心持ちになった。
今この場に彼と弥生しかいなければ、すぐさま抱き寄せるのだが。
そんな想いを胸に押し込め、一輝は微笑む。
「片付きそうなら、少し外を散策しませんか? 少し寒いですが、夕食前にいかがでしょう」
途端に、部屋の中を探検していた葉月が弥生の腰にしがみついた。
「おねえちゃん、ぼくも行きたいなぁ」
弥生の弟二人はそれぞれ対照的で、上の睦月がどっしりとした大型犬だとすれば、下の葉月は甘えん坊の猫だ。
姉に抱きつき甘えた声を出しながら、少年の眼差しは一輝にジッと注がれている。
――この場で同じようにはできない一輝に見せつけようとしているわけではない筈だ。
きっと。
「まずは、片付けてからね」
弟と一輝の間に微かに散る火花に全く気付かず、弥生は柔らかく笑いかけながら弟を諭す。長年親代わりをしてきた姉が、躾に関しては決して引くことはないのが判っているのか、葉月は大人しく彼女から離れると放り出したものを拾い集め始める。
「いいお宿だね」
葉月が素直に片付けるのを見守りながら、弥生が一輝に笑いかけた。
「橘が手配してくれたんですよ。お気に召していただけたなら、よかったです」
そうやって、二人で目を合わせて微笑みあう。
「ちょっと、お二人さん。ここ、他のモンもいるってのを忘れないでくれよな」
と、それまで黙って座椅子に寄りかかっていた睦月が、初めて声を出した。
冷やかす弟に、心持ち顔を赤らめながら弥生は目を逸らしてしまう。このもう一人の弟は、葉月のように露骨な妨害はしてこないのだが、一輝と弥生の雰囲気を見透かして、いいタイミングで水を差してくる。
せっかくの旅行ではあるが、家族連れでは仕方がない。胸中で舌打ちしつつも、一輝は睦月に笑いかけた。
「悪いな、つい二人きりのつもりになってしまって」
そう、暗に二人だけの時の状態を示唆する一輝に、弥生の頬は更に染まる。当てられた睦月は肩を竦めて横を向いた。
だが、上の弟とのけりをつけたかと思えば、もう一方が勢力を増すのだ。
「おねえちゃん、片付けたよ!」
褒めて褒めてとばかりに声を上げ、再び葉月が弥生にしがみつく。
「はい、よくできました」
頭を撫でられて、まるで喉を鳴らす猫のように葉月は目を細めていた。弥生も、年の離れた弟が可愛くて仕方がないようだ。
もう、意識の全ては葉月に向けられている。
「じゃあ、お散歩に行こうか」
そう言って、弥生は葉月に上着を着せ掛けた。
運転手を除いて、車内にいるのは、一輝、弥生、橘、それに弥生の二人の弟、睦月に葉月だ。
用意したのはワゴン車で、最後尾はベンチシートになっている。
一輝と弥生はそこに並んで乗車――ならばいいのだが、二人の間にちょこんと居座っているのは葉月であった。
八歳になって反抗期を迎えていてもいい筈のその少年は、未だに弥生べったりの甘えん坊である。
目が合うといつでもニコリと無邪気に笑いかけてくれるのだが、最近、一輝が大石宅を訪問すると、妙に視線を感じる。
至って可愛らしい少年にも拘らず、睦月よりも厄介な存在なような気がするのは、気のせいだろうか。
今も弥生の腕にしがみついて、葉月が朗らかな声を上げている。
「ぼく、おんせんってはじめてだよね?」
「あ、そうだね。嬉しい?」
「うん。すっごくひろいおフロなんでしょ?」
「うちのお風呂が五個は入るかもね。一輝君が連れてきてくれたんだよ?」
「ありがとう、かずきお兄ちゃん」
そう言って向けてくる、満面の笑顔。
「どういたしまして」
「またつれてきてね。おねえちゃんといっしょに」
――これは、「二人きりにはさせないぞ」という意味か?
八歳の子ども相手に深読みするものでもないだろうが、彼に笑みを返したものの、何となく言葉通りには受け取れない一輝だった。
二人の遣り取りを、弥生はニコニコと見守っている。
そんな一部妙な緊張を漂わせている空気をよそに、前の方から能天気な声があがる。
「すげぇな。こういうのにも七人乗りなんかあるんだな」
声の主は睦月だ。彼は助手席に陣取っている。
――弥生さんと二人きりというのは、多分新婚旅行までお預けになるのだろうな。
小さくため息をつくと、すぐ前の席に座っていた橘が振り返る。
「残念でしたねぇ、一輝様」
頬杖をついて窓の外に目をやった一輝に、橘が温い微笑を浮かべながらそう言った。
「うるさい」
ボソリと返した一輝に、橘はくすくすと笑みを漏らす。全てを見通しているかのような橘の態度には腹が立つが、何か言えば余計に彼を笑わせることになるのが目に見えていた。
一輝とて、弥生と二人きりで泊りがけの旅行ができるなど思ってはいなかった。むしろ、そうなる方が驚きだ。
一輝の心中を読むことに長けた橘は引き際をわきまえている。
「もうじきですねぇ」
澄ました声で、通り過ぎていった道路標識を見送りながら言った。
「そろそろ着きますからね」
橘が、皆に向かってそう声をかける。
その宣言どおり、程なくして閑静な佇まいの旅館が木々の間に見えてきた。
滞在先の温泉は、有名ではないが、知る人ぞ知る名湯である。橘が予約したのは、二、三家族が泊まれば満室になってしまうような、小さな宿だった。今日は彼らだけの貸切になっている。
車を降りた一行は、一輝、大石家三人、橘と運転手の三手に別れて部屋に向かう。
部屋に落ち着いた一輝の部屋に、じきに橘が訪れた。
「何かお困りのことはございませんか?」
「大丈夫だ。弥生さんたちはどうだ?」
「この後、伺おうかと」
「そうか」
一輝は部屋を見回し、特にすることもないことを確認する。
「僕も行こう」
そう言って、先に立って歩き出した。
大石家が泊まる部屋の前まで来ると、中から楽しそうな声が聞こえてくる。
「わあ、スゴォイ。お姉ちゃん、見て見て! このお部屋、お風呂付いてる!」
「葉月、ほら、早く片付けて。お散歩行けなくなっちゃうよ」
大石家はあまりこういった旅行に出かけることがないらしく、葉月は大はしゃぎのようだ。普段の弥生の生活を彷彿させる。
ポスポスと襖をノックし、一輝は一声かけた。
「弥生さん? 片付きますか?」
「あ、一輝君」
振り返った弥生が、彼を認めてパッと笑顔になる。
彼女は睦月や葉月にももちろんよく笑いかけるが、一輝に見せるものは、何かが違っているような気がする。
それを向けられる度、一輝の胸の中は温かかな綿が降り積もっていくような心持ちになった。
今この場に彼と弥生しかいなければ、すぐさま抱き寄せるのだが。
そんな想いを胸に押し込め、一輝は微笑む。
「片付きそうなら、少し外を散策しませんか? 少し寒いですが、夕食前にいかがでしょう」
途端に、部屋の中を探検していた葉月が弥生の腰にしがみついた。
「おねえちゃん、ぼくも行きたいなぁ」
弥生の弟二人はそれぞれ対照的で、上の睦月がどっしりとした大型犬だとすれば、下の葉月は甘えん坊の猫だ。
姉に抱きつき甘えた声を出しながら、少年の眼差しは一輝にジッと注がれている。
――この場で同じようにはできない一輝に見せつけようとしているわけではない筈だ。
きっと。
「まずは、片付けてからね」
弟と一輝の間に微かに散る火花に全く気付かず、弥生は柔らかく笑いかけながら弟を諭す。長年親代わりをしてきた姉が、躾に関しては決して引くことはないのが判っているのか、葉月は大人しく彼女から離れると放り出したものを拾い集め始める。
「いいお宿だね」
葉月が素直に片付けるのを見守りながら、弥生が一輝に笑いかけた。
「橘が手配してくれたんですよ。お気に召していただけたなら、よかったです」
そうやって、二人で目を合わせて微笑みあう。
「ちょっと、お二人さん。ここ、他のモンもいるってのを忘れないでくれよな」
と、それまで黙って座椅子に寄りかかっていた睦月が、初めて声を出した。
冷やかす弟に、心持ち顔を赤らめながら弥生は目を逸らしてしまう。このもう一人の弟は、葉月のように露骨な妨害はしてこないのだが、一輝と弥生の雰囲気を見透かして、いいタイミングで水を差してくる。
せっかくの旅行ではあるが、家族連れでは仕方がない。胸中で舌打ちしつつも、一輝は睦月に笑いかけた。
「悪いな、つい二人きりのつもりになってしまって」
そう、暗に二人だけの時の状態を示唆する一輝に、弥生の頬は更に染まる。当てられた睦月は肩を竦めて横を向いた。
だが、上の弟とのけりをつけたかと思えば、もう一方が勢力を増すのだ。
「おねえちゃん、片付けたよ!」
褒めて褒めてとばかりに声を上げ、再び葉月が弥生にしがみつく。
「はい、よくできました」
頭を撫でられて、まるで喉を鳴らす猫のように葉月は目を細めていた。弥生も、年の離れた弟が可愛くて仕方がないようだ。
もう、意識の全ては葉月に向けられている。
「じゃあ、お散歩に行こうか」
そう言って、弥生は葉月に上着を着せ掛けた。
0
お気に入りに追加
143
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
天才外科医は仮初の妻を手放したくない
夢幻惠
恋愛
ホテルのフリントに勤務している澪(みお)は、ある日突然見知らぬ男性、陽斗(はると)に頼まれて結婚式に出ることになる。新婦が来るまでのピンチヒッターとして了承するも、新婦は現れなかった。陽斗に頼まれて仮初の夫婦となってしまうが、陽斗は天才と呼ばれる凄腕外科医だったのだ。しかし、澪を好きな男は他にもいたのだ。幼馴染の、前坂 理久(まえさか りく)は幼い頃から澪をずっと思い続けている。
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
踏み台令嬢はへこたれない
IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる