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罪には報いを
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バルバラが話を終えた頃からポツリポツリと店に客が入り始め、彼女とエンゾは仕事に戻っていった。
フィオナはバルバラが運んできてくれた料理を口に運んでいるが、気もそぞろな様子だ。
先に食事を終えてしまったルーカスは、フィオナが小鳥のように食事をついばむのを見守った。
彼女のその所作は、とても美しい。記憶が白紙状態になってからの三年間、むさくるしく雑な男どもの間にあっても、身に滲み込んだ作法は損なわれることがなかったのだ。
黙々と食事を進めていたフィオナだったが、皿の中身が半分ほどまで減ったところで、ふとその手を止めた。
何やら考え込んでいるなと思ったら、不意に、卓上に注いでいた視線を上げる。ジッとルーカスを見つめてくるその眼差しは、もの問いたげだ。
「どうかしたかい?」
彼女が言いたいことは判っていたが、ルーカスは小首をかしげて空惚けてみせた。
フィオナは滑らかな眉間にしわを寄せて、問うてくる。
「ルーカスさんは、母のことをご存じだったのですね」
予想通りのその言葉に、彼は申し訳なさそうな顔で頷いた。
「ああ、実はね。あの後、君のお父さんを問い詰めたんだよ、君のお母さんの名前を教えろ、とね」
もっとも、実際に訊き出したのは、クライブだったが。
優秀な諜報員である彼は、当然のことながら尋問の技にも長けていた。エドモンがカラカラの搾りかすになるまで、キレイに情報を引き出してきてくれた。
フィオナの実母、リリアーヌ・フェリエのこと。
エドモンと彼女が出会い、フィオナが生まれるまでの経緯。
リリアーヌが亡くなり、フィオナをアランブールに売りつけるまでの日々。
アランブール家でフィオナの前で暴露した時には彼はほとんど関与していないようなことを言っていたが、正しかったのは、発案者ではない、という点においてだけだった。アデライドが言い出したことに従容と従い、金と引き換えにフィオナをアランブールに渡そうとした。ルーカスにしてみれば充分に有罪だ。
そして尋問の成果は、フィオナのことから離れて、トラントゥール家の内情についても、少々。
訊き出したことの九割方はフィオナには聞かせたくない――聞く必要のないことだった。彼女とあの家とは、もう完全に無関係なのだから。今後、フィオナは彼らの消息を耳にすることは一切ないのだ。
(彼らがどうなろうが――生きようが死のうが、もう、フィオナが知る必要はない)
一応アシュレイ・バートンにトラントゥール家の動向を報せてくれるようには伝えてあるが、何が起きようとフィオナに伝えるつもりは更々なかった。たとえどんな仕打ちを受けようとも、一度は家族と思った者たちに不幸が起きればフィオナはその優しい心を痛めるだろう。だが、彼らに、その価値はない。
そんなもの思いにふけっていたルーカスの耳に、少しばかり棘のある声が入ってくる。とは言え、その棘もタンポポの綿毛並みのものだったが。
「どうして、知っているということを教えてくださらなかったのですか?」
気持ち唇を尖らせているフィオナは、ご立腹らしい。
(まあ、それも当然か)
初めて目にする彼女の膨れ面も可愛らしいなと思いつつ、ルーカスはニコリと笑った。
「もう二十年近く前のことだから、覚えている人がいない可能性の方が高かったからね。ぬか喜びさせたくなかったんだ。君とお母さんは瓜二つらしいから、覚えている人がいれば一目で気づくだろうと思ってね」
実際その目論見は大当たりで、バルバラはチラリとフィオナを見るなり声を上げた。
「そう、ですか」
フィオナのことを気遣ったのだというルーカスの説明に納得せざるを得なかったのか、まだ薄っすらと残っているものの、彼女の眉間のしわが和らいだ。
フィオナはまた料理を突く。が、突くだけだ。明らかに、何かを考えている。
今度は何を言ってくるだろうと頬杖を突きながら、ルーカスは待った。
ややして、結局料理を減らせることができないまま、フィオナが顔を上げる。
「あの……父と母がどうやって知り合ったのかは、訊かれましたか?」
本当は、知りたいのは二人の馴れ初めだけでなく、どれほど二人が愛し合っていたか、なのだろう。
もちろん、そこも訊き出した。嘘偽りのない、真実を。
「……とても美しく歌声も素晴らしいというお母さんの噂をエドモン氏が耳にしたことがきっかけだったそうだ」
暇を持て余した放蕩者が集まる酒の席での話で、下々の中にそんなイイ女がいるはずがない、じゃあ確かめに行ってみろ、そんな遣り取りが始まりだった。
「お父さんはお母さんを見て一目で恋に落ち、猛烈に迫ったらしい」
その『恋』がどんなものだったのかは、詳しく教える気になれないが。果物も実は甘いが種は苦い。それなら、種は食べさせなければいいのだ。
フィオナはルーカスが言ったことを咀嚼するように唇を噛み、そして、ためらいがちに目を上げる。
「その頃、もちろん、おか――トラントゥール夫人がもうおられたのですよね?」
「そうだね」
そこは、どうやっても取り繕い様がない。
端的で率直な返事にうなだれたフィオナの手を、ルーカスはそっと取った。
「お母さんはなかなか頷かなかったらしいよ。でも、きっと、どうしようもなかったんだ」
「好きになってしまったから……?」
「――ああ」
頷くと、フィオナは視線を落とした。
「さっき、バルバラさんもおっしゃっていましたものね、お父さま以外にも、求婚者は後を絶たなかったって。それでも、お父さまを選んだのだから、きっと、本当に好きになってしまったんですね」
仕方がなかったんですよね、と笑うフィオナに、ルーカスは微笑み返した。
だが、エドモンは言っていた。
何度誘いをかけようとも、どんな贈り物をしようとも、リリアーヌはなびかなかった。そこで、母を亡くして悲しみに暮れている彼女に、一度だけ食事に付き合ってくれたらもう諦めると言ったのだと。
そしてリリアーヌは、それに応じた。その一度だけに。
それからおよそ三ヶ月後にリリアーヌはバルバラたちのもとを去り、更におよそ半年後にフィオナが生まれた――だからこそエドモンはリリアーヌを連れて行こうとし、彼女もそれを拒むことができなかったのだろう。
エドモンは彼の視点のみで彼の都合が言い様に話していたが、ルーカスには、その時に起きていたことが手に取るように解っていた。同じような話は、ごまんとある。
フィオナが信じているように、せめて、想いが双方向のものであったなら、まだマシな話になるのだが。
(バルバラの話を聞くに、少なくともリリアーヌの方にエドモン・トラントゥールに恋い焦がれる気持ちがあったようには思えないな)
だが、それをフィオナに気付かせても何の益もない。
「恋は人を盲目にさせるからね」
微笑みながら、ルーカスはそう答えた。内心では、彼女に向けるものとは正反対の笑みを浮かべて。
(まあ、これから先、彼らも楽に生きてはいけないだろうからな)
リリアーヌへの仕打ちだけではない。フィオナに対してしてきたことでも、トラントゥール家の者たちはそれ相応の罰を与えられてしかるべきなのだ。そのためにばら撒いた種はいずれ芽吹き、彼らを食い潰してくれるだろう。
『トラントゥール家は火の車』
これは、事実だ。
その事実にもう少し脚色を加えて、噂を流させた。
『トラントゥール家は火の車で破産寸前。その上少々法に抵触することをしたらしく、爵位も取り上げられそうだ』
元々、『友人』たちと真のつながりなど持っていなかった彼らのことだ。社交界では居場所がなくなるだろう。
見栄で生きているようなトラントゥール一家にとって、それは耐え難い屈辱に違いない。
セルジュやコンスタンスの結婚相手も、貴族の中では見つかるまい。あれほど『庶民』を見下していたにも拘らず、家をつないでいくにはその血を受け入れなければならなくなるだろう。
もう一人の黒幕オーギュスト・アランブールも妻から離縁され、収入を断たれた状態だ。家の切り盛りも妻に任せていた状態だったから、アランブール家が没落するのもそう遠くない。たとえ再びフィオナを欲したとしても、それを叶える手段はもう失われたのだ。
「もう、全ては終わったことだよ。後は君が先へと進んでいくだけだ」
笑みながらルーカスがそう告げると、フィオナは束の間目を落とし、そして彼に微笑みを返してきた。
「そうですね」
「ああ。時間は前にしか流れないものだからね。さあ、食事を終わらせなさい。せっかくの美味しい料理が、冷めてしまってはもったいない。明日は早いし、もうそろそろ宿に戻らないと」
「はい」
素直に頷きフィオナはまた匙を手に取ったが、そこで再び動きが止まる。
フィオナはバルバラが運んできてくれた料理を口に運んでいるが、気もそぞろな様子だ。
先に食事を終えてしまったルーカスは、フィオナが小鳥のように食事をついばむのを見守った。
彼女のその所作は、とても美しい。記憶が白紙状態になってからの三年間、むさくるしく雑な男どもの間にあっても、身に滲み込んだ作法は損なわれることがなかったのだ。
黙々と食事を進めていたフィオナだったが、皿の中身が半分ほどまで減ったところで、ふとその手を止めた。
何やら考え込んでいるなと思ったら、不意に、卓上に注いでいた視線を上げる。ジッとルーカスを見つめてくるその眼差しは、もの問いたげだ。
「どうかしたかい?」
彼女が言いたいことは判っていたが、ルーカスは小首をかしげて空惚けてみせた。
フィオナは滑らかな眉間にしわを寄せて、問うてくる。
「ルーカスさんは、母のことをご存じだったのですね」
予想通りのその言葉に、彼は申し訳なさそうな顔で頷いた。
「ああ、実はね。あの後、君のお父さんを問い詰めたんだよ、君のお母さんの名前を教えろ、とね」
もっとも、実際に訊き出したのは、クライブだったが。
優秀な諜報員である彼は、当然のことながら尋問の技にも長けていた。エドモンがカラカラの搾りかすになるまで、キレイに情報を引き出してきてくれた。
フィオナの実母、リリアーヌ・フェリエのこと。
エドモンと彼女が出会い、フィオナが生まれるまでの経緯。
リリアーヌが亡くなり、フィオナをアランブールに売りつけるまでの日々。
アランブール家でフィオナの前で暴露した時には彼はほとんど関与していないようなことを言っていたが、正しかったのは、発案者ではない、という点においてだけだった。アデライドが言い出したことに従容と従い、金と引き換えにフィオナをアランブールに渡そうとした。ルーカスにしてみれば充分に有罪だ。
そして尋問の成果は、フィオナのことから離れて、トラントゥール家の内情についても、少々。
訊き出したことの九割方はフィオナには聞かせたくない――聞く必要のないことだった。彼女とあの家とは、もう完全に無関係なのだから。今後、フィオナは彼らの消息を耳にすることは一切ないのだ。
(彼らがどうなろうが――生きようが死のうが、もう、フィオナが知る必要はない)
一応アシュレイ・バートンにトラントゥール家の動向を報せてくれるようには伝えてあるが、何が起きようとフィオナに伝えるつもりは更々なかった。たとえどんな仕打ちを受けようとも、一度は家族と思った者たちに不幸が起きればフィオナはその優しい心を痛めるだろう。だが、彼らに、その価値はない。
そんなもの思いにふけっていたルーカスの耳に、少しばかり棘のある声が入ってくる。とは言え、その棘もタンポポの綿毛並みのものだったが。
「どうして、知っているということを教えてくださらなかったのですか?」
気持ち唇を尖らせているフィオナは、ご立腹らしい。
(まあ、それも当然か)
初めて目にする彼女の膨れ面も可愛らしいなと思いつつ、ルーカスはニコリと笑った。
「もう二十年近く前のことだから、覚えている人がいない可能性の方が高かったからね。ぬか喜びさせたくなかったんだ。君とお母さんは瓜二つらしいから、覚えている人がいれば一目で気づくだろうと思ってね」
実際その目論見は大当たりで、バルバラはチラリとフィオナを見るなり声を上げた。
「そう、ですか」
フィオナのことを気遣ったのだというルーカスの説明に納得せざるを得なかったのか、まだ薄っすらと残っているものの、彼女の眉間のしわが和らいだ。
フィオナはまた料理を突く。が、突くだけだ。明らかに、何かを考えている。
今度は何を言ってくるだろうと頬杖を突きながら、ルーカスは待った。
ややして、結局料理を減らせることができないまま、フィオナが顔を上げる。
「あの……父と母がどうやって知り合ったのかは、訊かれましたか?」
本当は、知りたいのは二人の馴れ初めだけでなく、どれほど二人が愛し合っていたか、なのだろう。
もちろん、そこも訊き出した。嘘偽りのない、真実を。
「……とても美しく歌声も素晴らしいというお母さんの噂をエドモン氏が耳にしたことがきっかけだったそうだ」
暇を持て余した放蕩者が集まる酒の席での話で、下々の中にそんなイイ女がいるはずがない、じゃあ確かめに行ってみろ、そんな遣り取りが始まりだった。
「お父さんはお母さんを見て一目で恋に落ち、猛烈に迫ったらしい」
その『恋』がどんなものだったのかは、詳しく教える気になれないが。果物も実は甘いが種は苦い。それなら、種は食べさせなければいいのだ。
フィオナはルーカスが言ったことを咀嚼するように唇を噛み、そして、ためらいがちに目を上げる。
「その頃、もちろん、おか――トラントゥール夫人がもうおられたのですよね?」
「そうだね」
そこは、どうやっても取り繕い様がない。
端的で率直な返事にうなだれたフィオナの手を、ルーカスはそっと取った。
「お母さんはなかなか頷かなかったらしいよ。でも、きっと、どうしようもなかったんだ」
「好きになってしまったから……?」
「――ああ」
頷くと、フィオナは視線を落とした。
「さっき、バルバラさんもおっしゃっていましたものね、お父さま以外にも、求婚者は後を絶たなかったって。それでも、お父さまを選んだのだから、きっと、本当に好きになってしまったんですね」
仕方がなかったんですよね、と笑うフィオナに、ルーカスは微笑み返した。
だが、エドモンは言っていた。
何度誘いをかけようとも、どんな贈り物をしようとも、リリアーヌはなびかなかった。そこで、母を亡くして悲しみに暮れている彼女に、一度だけ食事に付き合ってくれたらもう諦めると言ったのだと。
そしてリリアーヌは、それに応じた。その一度だけに。
それからおよそ三ヶ月後にリリアーヌはバルバラたちのもとを去り、更におよそ半年後にフィオナが生まれた――だからこそエドモンはリリアーヌを連れて行こうとし、彼女もそれを拒むことができなかったのだろう。
エドモンは彼の視点のみで彼の都合が言い様に話していたが、ルーカスには、その時に起きていたことが手に取るように解っていた。同じような話は、ごまんとある。
フィオナが信じているように、せめて、想いが双方向のものであったなら、まだマシな話になるのだが。
(バルバラの話を聞くに、少なくともリリアーヌの方にエドモン・トラントゥールに恋い焦がれる気持ちがあったようには思えないな)
だが、それをフィオナに気付かせても何の益もない。
「恋は人を盲目にさせるからね」
微笑みながら、ルーカスはそう答えた。内心では、彼女に向けるものとは正反対の笑みを浮かべて。
(まあ、これから先、彼らも楽に生きてはいけないだろうからな)
リリアーヌへの仕打ちだけではない。フィオナに対してしてきたことでも、トラントゥール家の者たちはそれ相応の罰を与えられてしかるべきなのだ。そのためにばら撒いた種はいずれ芽吹き、彼らを食い潰してくれるだろう。
『トラントゥール家は火の車』
これは、事実だ。
その事実にもう少し脚色を加えて、噂を流させた。
『トラントゥール家は火の車で破産寸前。その上少々法に抵触することをしたらしく、爵位も取り上げられそうだ』
元々、『友人』たちと真のつながりなど持っていなかった彼らのことだ。社交界では居場所がなくなるだろう。
見栄で生きているようなトラントゥール一家にとって、それは耐え難い屈辱に違いない。
セルジュやコンスタンスの結婚相手も、貴族の中では見つかるまい。あれほど『庶民』を見下していたにも拘らず、家をつないでいくにはその血を受け入れなければならなくなるだろう。
もう一人の黒幕オーギュスト・アランブールも妻から離縁され、収入を断たれた状態だ。家の切り盛りも妻に任せていた状態だったから、アランブール家が没落するのもそう遠くない。たとえ再びフィオナを欲したとしても、それを叶える手段はもう失われたのだ。
「もう、全ては終わったことだよ。後は君が先へと進んでいくだけだ」
笑みながらルーカスがそう告げると、フィオナは束の間目を落とし、そして彼に微笑みを返してきた。
「そうですね」
「ああ。時間は前にしか流れないものだからね。さあ、食事を終わらせなさい。せっかくの美味しい料理が、冷めてしまってはもったいない。明日は早いし、もうそろそろ宿に戻らないと」
「はい」
素直に頷きフィオナはまた匙を手に取ったが、そこで再び動きが止まる。
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