51 / 59
晒された真実
しおりを挟む
ルーカスは一本の線に見えるほどにきつく唇を引き結んでいるアデライドを見据えた。顎を上げ、背筋を伸ばしたその姿は傲慢そのものだが、その実、どこか虚勢めいたものを感じさせる。
「で、あなたの言い分は? このままでは、多少の金欲しさで実の娘を中年男に売り飛ばした鬼のような母、ということになりますが?」
半ば挑発の意を込めて発したルーカスの台詞に、しかし、アデライドは結んだままの唇をわずかに歪めただけだ。その嘲笑の形に、彼は内心眉をひそめる。
体裁を重要視しているアデライドにとって、ルーカスが言うような風評が流れるなど耐え難いことであるだろうに。
彼の台詞が全く何の効果ももたらさなかったわけではない。確かに、アデライドの中の何かを刺激したはずだ。それは、微かに変わった彼女の表情で、判る。
だが。
(私の言葉の何に反応した?)
ルーカスはそれを胸中で反芻してみた。
多少の金。
娘。
売り飛ばした。
鬼のような。
――母。
(違う)
実の、娘、だ。
ルーカスは腕の中に目を走らせフィオナの容貌を見る。次いで、トラントゥール夫妻を。
(似ているところが、何一つない)
そう、似ていないのだ、フィオナと彼らは。
最初から、自分はそう感じていたではないか。
見えていたのに見過ごしていたその事実に、ルーカスは今ようやく意味を見出した。
「フィオナは、あなたの娘ではないのか」
問いかけではなく確認の意を持たせたその台詞に、瞬時にしてアデライドの顔が豹変する。
眉を吊り上げ、頬を引きつらせたその顔は、彼女がこの場に入ってきてから一番、感情を吐露しているものとなった。そして隣に立つエドモンはと言えば、そんな妻から気持ち距離を取ってその顔色を窺うような視線を彼女に向けていた。
(フィオナは彼女の実の娘ではない。が、トラントゥール家の娘ではある)
つまり。
(夫が他の女性との間に作った子ども、ということか)
天を衝くほど気位が高いアデライドにとって、夫が自分以外の女に目移りをしたという事実は、それこそ耐え難い屈辱なのだろう。フィオナに対しての異常な態度もそれで合点がいった。何しろ、彼女はその屈辱的な事柄の証拠とも言うべき存在なのだから。
秘されていた夫妻の内情を一瞬にして見て取ったルーカスだったが、自分の脇腹の当たりで起きた小さな動きに気付いて目を落とす。見れば、フィオナの華奢な手が、関節が白くなるほどに彼の上着を握り締めていた。
(しまった)
ルーカスは内心で舌打ちをする。
たった数日間分しか時間を共有した記憶がないとはいえ、一応、フィオナはここに来てから二人を両親と思って過ごしてきたのだ。家族だという実感はないにしろ、彼女の前でするべき話ではなかった。
声に出さずに自分の雑さを罵りつつ、ルーカスはフィオナの頬に触れた。
「フィオナ」
そっと呼びかけると、彼女は一拍遅れて顔を上げる。
「大丈夫です」
目が合った瞬間、ルーカスが気遣いの言葉をかけるよりも先に、フィオナはそう言った。
今日は何度彼女の声でのその一言を耳にしたことだろう。
(本心からのものであるなら、いいのだがな)
ルーカスは見上げてくるフィオナの表情を探った。血の気は引いているが、大半を占めているのは純粋な驚愕か。落胆や恐怖、悲しみといったものは、見受けられない。
それでも、触れ合う場所からは彼女の身体の小刻みな震えが伝わってきて、気を抜けば膝が折れてしまうであろうことは察せられた。
ルーカスはフィオナを支える手に力をこめる。
「もう少しで終わらせるから」
囁き声で伝えると、フィオナは小さく頷いた。そんな彼女を励ますように微笑んで、ルーカスは再び前に目を向ける。
全てを白日の下に引きずり出して、後顧の憂いを、そして、この地に対するフィオナの未練を完全に断つのだ。二度と、ここに戻ろうという気になどならないように。
「話を整理しましょうか。フィオナはトラントゥール氏が夫人とは違う女性との間に作った子ども、だからトラントゥール家には邪魔だった。そこにアランブール氏から渡りに船の申し出があって、いそいそと乗り込んだというわけですね?」
敢えて軽い口調でのルーカスの要約に、エドモンが渋面になった。
「別に、邪魔だなんて言っていないだろう。ただ、私は、オーギュストに任せた方が幸せになるかと……これの下にいるよりは」
頭を傾け隣に立つアデライドを示した夫に、彼女はすぐさま反応する
「あなた? わたくしが悪い、と、そうおっしゃるの?」
「いや、悪いとは、言ってない」
「当然でしょう。そもそも全てあなたが悪いのよ。このわたくしに、娼婦の娘を育てさせるなんて!」
吐き捨てるような侮蔑の言葉に、フィオナがビクリと身体を震わせた。アデライドは忌々しげにルーカスに身を寄せたフィオナを睨む。
「あなたの母親は歌で男を惑わす海の魔物のように、わたくしの夫を惑わせたのよ。あなたも同じね。その人畜無害そうな顔で男を釣って」
いかにも、汚らわしい、と言わんばかりのその声。
嫉妬なのか何なのか判然としないもので上塗りされたその顔は、造作の美しさなどでは補えないほど、醜悪に歪んでいた。
頭に血が昇れば昇るほど、人間というものは隠そうとしていた真実を吐き出すものだ。
そう思っていても、ルーカスはそれ以上ほんのわずかでもアデライドの紅い唇が動くところを見たくはなかった。
「いい加減に――」
ルーカスはアデライドの口を塞ごうと声を上げかけたが、それに被るようにして、彼を上回る声量が二人を制する。
「黙れ! 彼女をそんなふうに言うな!」
それは、オーギュスト・アランブールが発したものだった。妻の冷たい視線に縮こまっていた彼は、今や両手を握り締め、ブルブルと全身を震わせてアデライドを睨み据えている。
「彼女はそんな女なんかじゃない! 繊細で優しくて……私を癒してくれるんだ! 彼女を手に入れようと思ったのも、邪まな気持ちからなんかじゃない! 私は、彼女を、守ってやらないと……そう思って、――」
アランブールは懐を探り、何かを取り出し、それを皆の前に掲げる。手巾のようにしか見えない。しかもレースで縁どられた、明らかに女性用の。
「これを見ろ。彼女はこれで、妻に殴られて傷ついた私の頬を優しく拭ってくれたんだ。見ず知らずの私のことを、労わってくれたんだ。あんたが言うような、薄汚い女なんかじゃ、ない!」
彼はその手巾を胸に押し抱き、続ける。
「こんなにも優しく控えめで健気だというのに、彼女は虐げられていた。だから、守ってやらなければいけないと思ったんだ。優しくして、慈しんで……そうしてやるべきだと、思ったんだ……私が……そうしてやるんだと……そうすれば……」
呟きながら、アランブールは膝から崩れ落ちるようにその場に座り込んだ。
アランブールに対して、ルーカスは若干の憐れみを覚える。多少は、その考えが解るような気もした。彼自身、初めてフィオナを目にしたときに無条件の庇護欲に駆られたのだから。それも、一も二もないほど、強烈に。
だが、共感する気持ちはあくまでもごくわずかだ。
(彼がそう思うのは、フィオナの為か、それとも、自分自身の為か?)
金持ちの妻に頭が上がらない、気弱な男。
そんな彼が、踏みつけられた儚い花のようなフィオナに出会った。
硬骨な妻に支配されていたオーギュスト・アランブールは、自分よりもか弱く不幸な彼女を見て、どう思ったのだろう。自分よりも打ち据えられている彼女を見て。
彼が言葉にしている通り、単純に、庇護欲を掻き立てられたのか。
それとも、彼女を庇護することで自分自身を満たそうとしたのか。
ルーカスは再び床にへたり込んだオーギュスト・アランブールを憐憫の眼差しで眺める。
(多分、彼は――)
その時、震える声が響き渡り、ルーカスはもの思いから引き戻される。それはけっして大きいものではなかったが、この部屋の淀んだ空気を払うような、澄んだ声だった。
「あなたたちが勝手にわたくしを決めつけないで」
彼の腕の中から発せられたその声は、確かに震えを帯びてはいたが、奥底に凛とした強さを感じさせるものだった。
「で、あなたの言い分は? このままでは、多少の金欲しさで実の娘を中年男に売り飛ばした鬼のような母、ということになりますが?」
半ば挑発の意を込めて発したルーカスの台詞に、しかし、アデライドは結んだままの唇をわずかに歪めただけだ。その嘲笑の形に、彼は内心眉をひそめる。
体裁を重要視しているアデライドにとって、ルーカスが言うような風評が流れるなど耐え難いことであるだろうに。
彼の台詞が全く何の効果ももたらさなかったわけではない。確かに、アデライドの中の何かを刺激したはずだ。それは、微かに変わった彼女の表情で、判る。
だが。
(私の言葉の何に反応した?)
ルーカスはそれを胸中で反芻してみた。
多少の金。
娘。
売り飛ばした。
鬼のような。
――母。
(違う)
実の、娘、だ。
ルーカスは腕の中に目を走らせフィオナの容貌を見る。次いで、トラントゥール夫妻を。
(似ているところが、何一つない)
そう、似ていないのだ、フィオナと彼らは。
最初から、自分はそう感じていたではないか。
見えていたのに見過ごしていたその事実に、ルーカスは今ようやく意味を見出した。
「フィオナは、あなたの娘ではないのか」
問いかけではなく確認の意を持たせたその台詞に、瞬時にしてアデライドの顔が豹変する。
眉を吊り上げ、頬を引きつらせたその顔は、彼女がこの場に入ってきてから一番、感情を吐露しているものとなった。そして隣に立つエドモンはと言えば、そんな妻から気持ち距離を取ってその顔色を窺うような視線を彼女に向けていた。
(フィオナは彼女の実の娘ではない。が、トラントゥール家の娘ではある)
つまり。
(夫が他の女性との間に作った子ども、ということか)
天を衝くほど気位が高いアデライドにとって、夫が自分以外の女に目移りをしたという事実は、それこそ耐え難い屈辱なのだろう。フィオナに対しての異常な態度もそれで合点がいった。何しろ、彼女はその屈辱的な事柄の証拠とも言うべき存在なのだから。
秘されていた夫妻の内情を一瞬にして見て取ったルーカスだったが、自分の脇腹の当たりで起きた小さな動きに気付いて目を落とす。見れば、フィオナの華奢な手が、関節が白くなるほどに彼の上着を握り締めていた。
(しまった)
ルーカスは内心で舌打ちをする。
たった数日間分しか時間を共有した記憶がないとはいえ、一応、フィオナはここに来てから二人を両親と思って過ごしてきたのだ。家族だという実感はないにしろ、彼女の前でするべき話ではなかった。
声に出さずに自分の雑さを罵りつつ、ルーカスはフィオナの頬に触れた。
「フィオナ」
そっと呼びかけると、彼女は一拍遅れて顔を上げる。
「大丈夫です」
目が合った瞬間、ルーカスが気遣いの言葉をかけるよりも先に、フィオナはそう言った。
今日は何度彼女の声でのその一言を耳にしたことだろう。
(本心からのものであるなら、いいのだがな)
ルーカスは見上げてくるフィオナの表情を探った。血の気は引いているが、大半を占めているのは純粋な驚愕か。落胆や恐怖、悲しみといったものは、見受けられない。
それでも、触れ合う場所からは彼女の身体の小刻みな震えが伝わってきて、気を抜けば膝が折れてしまうであろうことは察せられた。
ルーカスはフィオナを支える手に力をこめる。
「もう少しで終わらせるから」
囁き声で伝えると、フィオナは小さく頷いた。そんな彼女を励ますように微笑んで、ルーカスは再び前に目を向ける。
全てを白日の下に引きずり出して、後顧の憂いを、そして、この地に対するフィオナの未練を完全に断つのだ。二度と、ここに戻ろうという気になどならないように。
「話を整理しましょうか。フィオナはトラントゥール氏が夫人とは違う女性との間に作った子ども、だからトラントゥール家には邪魔だった。そこにアランブール氏から渡りに船の申し出があって、いそいそと乗り込んだというわけですね?」
敢えて軽い口調でのルーカスの要約に、エドモンが渋面になった。
「別に、邪魔だなんて言っていないだろう。ただ、私は、オーギュストに任せた方が幸せになるかと……これの下にいるよりは」
頭を傾け隣に立つアデライドを示した夫に、彼女はすぐさま反応する
「あなた? わたくしが悪い、と、そうおっしゃるの?」
「いや、悪いとは、言ってない」
「当然でしょう。そもそも全てあなたが悪いのよ。このわたくしに、娼婦の娘を育てさせるなんて!」
吐き捨てるような侮蔑の言葉に、フィオナがビクリと身体を震わせた。アデライドは忌々しげにルーカスに身を寄せたフィオナを睨む。
「あなたの母親は歌で男を惑わす海の魔物のように、わたくしの夫を惑わせたのよ。あなたも同じね。その人畜無害そうな顔で男を釣って」
いかにも、汚らわしい、と言わんばかりのその声。
嫉妬なのか何なのか判然としないもので上塗りされたその顔は、造作の美しさなどでは補えないほど、醜悪に歪んでいた。
頭に血が昇れば昇るほど、人間というものは隠そうとしていた真実を吐き出すものだ。
そう思っていても、ルーカスはそれ以上ほんのわずかでもアデライドの紅い唇が動くところを見たくはなかった。
「いい加減に――」
ルーカスはアデライドの口を塞ごうと声を上げかけたが、それに被るようにして、彼を上回る声量が二人を制する。
「黙れ! 彼女をそんなふうに言うな!」
それは、オーギュスト・アランブールが発したものだった。妻の冷たい視線に縮こまっていた彼は、今や両手を握り締め、ブルブルと全身を震わせてアデライドを睨み据えている。
「彼女はそんな女なんかじゃない! 繊細で優しくて……私を癒してくれるんだ! 彼女を手に入れようと思ったのも、邪まな気持ちからなんかじゃない! 私は、彼女を、守ってやらないと……そう思って、――」
アランブールは懐を探り、何かを取り出し、それを皆の前に掲げる。手巾のようにしか見えない。しかもレースで縁どられた、明らかに女性用の。
「これを見ろ。彼女はこれで、妻に殴られて傷ついた私の頬を優しく拭ってくれたんだ。見ず知らずの私のことを、労わってくれたんだ。あんたが言うような、薄汚い女なんかじゃ、ない!」
彼はその手巾を胸に押し抱き、続ける。
「こんなにも優しく控えめで健気だというのに、彼女は虐げられていた。だから、守ってやらなければいけないと思ったんだ。優しくして、慈しんで……そうしてやるべきだと、思ったんだ……私が……そうしてやるんだと……そうすれば……」
呟きながら、アランブールは膝から崩れ落ちるようにその場に座り込んだ。
アランブールに対して、ルーカスは若干の憐れみを覚える。多少は、その考えが解るような気もした。彼自身、初めてフィオナを目にしたときに無条件の庇護欲に駆られたのだから。それも、一も二もないほど、強烈に。
だが、共感する気持ちはあくまでもごくわずかだ。
(彼がそう思うのは、フィオナの為か、それとも、自分自身の為か?)
金持ちの妻に頭が上がらない、気弱な男。
そんな彼が、踏みつけられた儚い花のようなフィオナに出会った。
硬骨な妻に支配されていたオーギュスト・アランブールは、自分よりもか弱く不幸な彼女を見て、どう思ったのだろう。自分よりも打ち据えられている彼女を見て。
彼が言葉にしている通り、単純に、庇護欲を掻き立てられたのか。
それとも、彼女を庇護することで自分自身を満たそうとしたのか。
ルーカスは再び床にへたり込んだオーギュスト・アランブールを憐憫の眼差しで眺める。
(多分、彼は――)
その時、震える声が響き渡り、ルーカスはもの思いから引き戻される。それはけっして大きいものではなかったが、この部屋の淀んだ空気を払うような、澄んだ声だった。
「あなたたちが勝手にわたくしを決めつけないで」
彼の腕の中から発せられたその声は、確かに震えを帯びてはいたが、奥底に凛とした強さを感じさせるものだった。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。

【完結】貴方の後悔など、聞きたくありません。
なか
恋愛
学園に特待生として入学したリディアであったが、平民である彼女は貴族家の者には目障りだった。
追い出すようなイジメを受けていた彼女を救ってくれたのはグレアルフという伯爵家の青年。
優しく、明るいグレアルフは屈託のない笑顔でリディアと接する。
誰にも明かさずに会う内に恋仲となった二人であったが、
リディアは知ってしまう、グレアルフの本性を……。
全てを知り、死を考えた彼女であったが、
とある出会いにより自分の価値を知った時、再び立ち上がる事を選択する。
後悔の言葉など全て無視する決意と共に、生きていく。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

【完結】お姉様の婚約者
七瀬菜々
恋愛
姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。
残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。
サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。
誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。
けれど私の心は晴れやかだった。
だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。
ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です

「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる