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戻れたらいいのに
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最近、とみにコンスタンスがまとわりついてくる。
次の舞踏会で身にまとう予定のドレスや装飾品のことについて取り留めもなく話し続けている彼女に笑顔を向けながら、ルーカスの内心は焦れていた。
かつてフィオナの世話をしていたという侍女から話を聞き、トラントゥール家における彼女の扱いに違和感以上のものを抱いたルーカスはコンスタンスを情報収集の相手に選んだ。
ともすれば彼女自身のことに向かいがちなコンスタンスの話を、おだてにおだて、軌道を修正し、できる限りフィオナのことを訊き出した。
だがしかし、確かに知りたいことはあらかた知り得たのだが、いささか熱が入り過ぎてしまったらしい。どうやらコンスタンスはルーカスがすっかり自分の虜になったと思い込んでしまったようで、これまで以上に我が物顔で彼の傍にいるようになってしまったのだ。
「ねぇ、ルーカス様。ドレスの色は紅と碧、どちらが良いと思います?」
「首飾りの宝石は緑柱石にしようと思っていますの。ほら、わたくしの目によく合うでしょう?」
「髪型は――」
コンスタンス似たような話をとめどなく吐き出してくるが、はっきり言って、ルーカスは欠片も興味がない。
彼女がどれだけ着飾ろうと、中身が変わるわけではないのだ。外側ばかり見栄えを良くしたとしても、内側が濁っていれば何の意味もなかった。
フィオナの姉が紅く塗られた形の良いその唇から出すのは、基本、彼女自身のことばかりだ。
他人のことを言うときもあるが、それが良い感情を持ったものであった試しがない。
どこそこ家の令嬢は高価な宝石を身に着けてくるが肌の色が悪い。
どこそこ家の令嬢は良いドレスを作ってくるが、太り過ぎだ。
そんな話ばかりを聞かされていれば、社交界の無駄話に慣れたルーカスでも流石にうんざりしてくる。
その方向にばかり進むコンスタンスの手綱を取りつつ、ルーカスは、フィオナが拉致されるまでの十余年間について、どうにかこうにか訊き出したのだった。
とはいえ、その話も、さして中身のあるものではない。
はっきりと判ったのは、この家で、フィオナは幸せな子ども時代を過ごしてはいなかったということだけだ。
もちろん、コンスタンスは露骨にフィオナのことを貶したりはしない。
だが、言葉の端々から、彼女や母親がトラントゥール家の末娘のことをどう扱っていたのかが嫌というほどうかがい知れた。
確かにフィオナは、この屋敷にいた頃、衣食住には恵まれていただろう。
それは、間違いない。
良い服を着て、良い食事を摂り、良い部屋に住む。
それは、叶えられていたはずだ。
しかし、アデライドはフィオナのことを『いない者』としていた節がある――あるいは、『存在を許されていない者』、か。
そしてコンスタンスは、母のそんな態度を踏襲した。
「お母様は、あの子の声が嫌いみたい」
「充分に与えられているのだから、何かを欲しがる必要はなかったのよ」
つまり、口を開くことを許されず、自ら何かを望むことも許されていなかったということだ。可能であれば、アデライドは、フィオナに呼吸をすることすら許さなかったのではないかとすら思われた。
息をひそめ、ひっそりと佇むだけのフィオナの姿がルーカスの脳裏に浮かぶ。
出会ったころの彼女が口をきこうとも微笑もうともしなかったのも、当然だ。幼い頃からそれを禁じられてきたのだから。
今のフィオナは、自分の思いを言葉にして伝えることも、声を上げて笑うこともできる。
確かに強く自己を主張することはないけれど、それでも、打ちひしがれて押し黙ってしまうことはない。
この三年間で、フィオナは本当に大きく変わったのだ。
ほとんど奇跡と言っていいほどに。
(くそ)
ルーカスは、上品な貴族らしからぬ罵りを胸の中で放った。
叶うことなら幼いフィオナのもとに駆け付け、掻っ攫ってきてしまいたい。
まだ不幸を知る前の彼女を彼の元に連れてきて、最初から甘やかし慈しみ、幸福のみを教えたい。
とうてい実現不可能なことを、彼は切実に願った。
そして、フィオナに記憶を取り戻させたくないと、心の底から思った。その記憶が、彼女を幸せにするとは、とてもではないが、思えなかったから。
コンスタンスに向ける笑顔はそのままに固く拳を握り込んだルーカスの前で、彼女は、いかにも無邪気な素振りで小首をかしげる。
「あの子はグランスにいた方が幸せだと思いますの」
「え?」
眉をひそめたルーカスに、コンスタンスは艶やかに笑いかける。
「あの子は前もそうでしたわ。昔も、ここでの生活には馴染んでいなかったから。きっと、グランスに帰してあげた方が幸せになりますわ。ああ、もちろん、ルーカスさまはいくらでもここにいらして?」
そう言って、コンスタンスはおもねる眼差しでルーカスを見上げてきた。フィオナのことを気遣うような口振りを装ってはいるが、その眼差しには嘲笑が見え隠れする。『上流階級』に溶け込めない妹を、明らかに見下しているのだ。
「そうですね。もうじきそうなると思いますよ」
口元だけの笑みと共にそう答えはしたが、ルーカスの中で不快さは限界を超えつつあった。
いや、もうすでに一瞬たりとも耐えられそうにない。
「ああ、そうだ、上司に報告書を送らないと……」
唐突に、今思い出したという風情で言ったルーカスに、コンスタンスが唇を尖らせる。
「今すぐですの?」
「ええ。本当は、二、三日前にはしておかなければならなかったのですが、ついつい先延ばしにしてしまって。少し失礼します」
そう言い残し、ルーカスは彼女にそれ以上引き留める隙を与えず歩き出した。
コンスタンスから距離を稼ぐその足で向かったのは、フィオナの元だ。
無性に、彼女に逢いたくてたまらなかった。
逢って、その頬に柔らかな微笑みが浮かぶところを、見たかった。
(最近の彼女は、私の前でもそんなふうには笑ってくれないがな)
そうする必要があるのだとは言え、フィオナを傷付ける側に自分が回ってしまっていることが、ひどくつらい。いつでも、どんな状況でも、完全に、頭の天辺から爪の先まで、彼女の味方でありたかったのに。
苦いため息をこぼしたルーカスは、辿り着いたフィオナの部屋の扉を軽く叩いてみる。
が、返事はない。
ここにいないとなると、図書室か、あるいは庭か。
ルーカスは踵を返して次の場所に向かった。
クライブからの報告で、何も用がない時、フィオナはたいていそのどちらかで過ごしているのだと聞いている。常に見張られているのだと知ればフィオナもいい気はしないだろうが、この、誰が敵なのかがさっぱり見当もつかない状況の中で、あの男が常に彼女の傍にいてくれるのだと思うと安心できる。本来ならば常にフィオナの傍にいて彼女を守るのはルーカスの役割――というより望み――だったが、仕方がない。
ほどなくして覗き込んだ図書室にも、彼女の姿はなかった。軽く呼んでみても、返事はない。
「庭か」
呟き、ルーカスは眉をひそめた。
クライブがついていれば大丈夫だとは思うが、庭は屋敷内ほど安全ではないし、しかも、フィオナが好むのは庭のはずれにある四阿だという。不精なトラントゥール家の者はそこまで足を運ぶこともなく、それなりに広い敷地に一人しかいない庭師も滅多にそこまでは手を伸ばさないだろう。
本当はあまり行って欲しくないのだが、禁じる理由も言えず、ルーカスはクライブがいるのだからと容認していた。
逸る気持ちのままに庭の奥を目指して大股で歩くうち、向かう方から微かな人の声が流れてきた。フィオナの声と――もう一つは男の声だ。
(誰だ……?)
まさかクライブのはずがない。
エドモンでもセルジュでもなく、唯一フィオナを訪ねてくる可能性があるエミールの声でもない。彼よりも、だいぶ年配だろう。トラントゥール家の使用人は主人に話しかけるようなことはしないから、彼らのうちの誰かでもないはずだ。
ルーカスは眉根を寄せた。
クライブが傍にいるはずだから、危険はない。
そう思いつつも、気が焦った。
足を速めたルーカスの目にやがて入ってきたのは、四阿の中のフィオナの姿。格子を模したその建造物の中で、彼女は、まるで鳥籠に囚われた可憐な小鳥のように見える。
そして、そんなフィオナの前にひざまずき、彼女の手を取る一人の男。
無個性な茶色の髪に、整ってはいるが覇気のない面立ち。
あれは――
(オーギュスト・アランブール、か?)
その名に思い至ったルーカスの胸中には、ザワリと不快なさざ波が立った。
次の舞踏会で身にまとう予定のドレスや装飾品のことについて取り留めもなく話し続けている彼女に笑顔を向けながら、ルーカスの内心は焦れていた。
かつてフィオナの世話をしていたという侍女から話を聞き、トラントゥール家における彼女の扱いに違和感以上のものを抱いたルーカスはコンスタンスを情報収集の相手に選んだ。
ともすれば彼女自身のことに向かいがちなコンスタンスの話を、おだてにおだて、軌道を修正し、できる限りフィオナのことを訊き出した。
だがしかし、確かに知りたいことはあらかた知り得たのだが、いささか熱が入り過ぎてしまったらしい。どうやらコンスタンスはルーカスがすっかり自分の虜になったと思い込んでしまったようで、これまで以上に我が物顔で彼の傍にいるようになってしまったのだ。
「ねぇ、ルーカス様。ドレスの色は紅と碧、どちらが良いと思います?」
「首飾りの宝石は緑柱石にしようと思っていますの。ほら、わたくしの目によく合うでしょう?」
「髪型は――」
コンスタンス似たような話をとめどなく吐き出してくるが、はっきり言って、ルーカスは欠片も興味がない。
彼女がどれだけ着飾ろうと、中身が変わるわけではないのだ。外側ばかり見栄えを良くしたとしても、内側が濁っていれば何の意味もなかった。
フィオナの姉が紅く塗られた形の良いその唇から出すのは、基本、彼女自身のことばかりだ。
他人のことを言うときもあるが、それが良い感情を持ったものであった試しがない。
どこそこ家の令嬢は高価な宝石を身に着けてくるが肌の色が悪い。
どこそこ家の令嬢は良いドレスを作ってくるが、太り過ぎだ。
そんな話ばかりを聞かされていれば、社交界の無駄話に慣れたルーカスでも流石にうんざりしてくる。
その方向にばかり進むコンスタンスの手綱を取りつつ、ルーカスは、フィオナが拉致されるまでの十余年間について、どうにかこうにか訊き出したのだった。
とはいえ、その話も、さして中身のあるものではない。
はっきりと判ったのは、この家で、フィオナは幸せな子ども時代を過ごしてはいなかったということだけだ。
もちろん、コンスタンスは露骨にフィオナのことを貶したりはしない。
だが、言葉の端々から、彼女や母親がトラントゥール家の末娘のことをどう扱っていたのかが嫌というほどうかがい知れた。
確かにフィオナは、この屋敷にいた頃、衣食住には恵まれていただろう。
それは、間違いない。
良い服を着て、良い食事を摂り、良い部屋に住む。
それは、叶えられていたはずだ。
しかし、アデライドはフィオナのことを『いない者』としていた節がある――あるいは、『存在を許されていない者』、か。
そしてコンスタンスは、母のそんな態度を踏襲した。
「お母様は、あの子の声が嫌いみたい」
「充分に与えられているのだから、何かを欲しがる必要はなかったのよ」
つまり、口を開くことを許されず、自ら何かを望むことも許されていなかったということだ。可能であれば、アデライドは、フィオナに呼吸をすることすら許さなかったのではないかとすら思われた。
息をひそめ、ひっそりと佇むだけのフィオナの姿がルーカスの脳裏に浮かぶ。
出会ったころの彼女が口をきこうとも微笑もうともしなかったのも、当然だ。幼い頃からそれを禁じられてきたのだから。
今のフィオナは、自分の思いを言葉にして伝えることも、声を上げて笑うこともできる。
確かに強く自己を主張することはないけれど、それでも、打ちひしがれて押し黙ってしまうことはない。
この三年間で、フィオナは本当に大きく変わったのだ。
ほとんど奇跡と言っていいほどに。
(くそ)
ルーカスは、上品な貴族らしからぬ罵りを胸の中で放った。
叶うことなら幼いフィオナのもとに駆け付け、掻っ攫ってきてしまいたい。
まだ不幸を知る前の彼女を彼の元に連れてきて、最初から甘やかし慈しみ、幸福のみを教えたい。
とうてい実現不可能なことを、彼は切実に願った。
そして、フィオナに記憶を取り戻させたくないと、心の底から思った。その記憶が、彼女を幸せにするとは、とてもではないが、思えなかったから。
コンスタンスに向ける笑顔はそのままに固く拳を握り込んだルーカスの前で、彼女は、いかにも無邪気な素振りで小首をかしげる。
「あの子はグランスにいた方が幸せだと思いますの」
「え?」
眉をひそめたルーカスに、コンスタンスは艶やかに笑いかける。
「あの子は前もそうでしたわ。昔も、ここでの生活には馴染んでいなかったから。きっと、グランスに帰してあげた方が幸せになりますわ。ああ、もちろん、ルーカスさまはいくらでもここにいらして?」
そう言って、コンスタンスはおもねる眼差しでルーカスを見上げてきた。フィオナのことを気遣うような口振りを装ってはいるが、その眼差しには嘲笑が見え隠れする。『上流階級』に溶け込めない妹を、明らかに見下しているのだ。
「そうですね。もうじきそうなると思いますよ」
口元だけの笑みと共にそう答えはしたが、ルーカスの中で不快さは限界を超えつつあった。
いや、もうすでに一瞬たりとも耐えられそうにない。
「ああ、そうだ、上司に報告書を送らないと……」
唐突に、今思い出したという風情で言ったルーカスに、コンスタンスが唇を尖らせる。
「今すぐですの?」
「ええ。本当は、二、三日前にはしておかなければならなかったのですが、ついつい先延ばしにしてしまって。少し失礼します」
そう言い残し、ルーカスは彼女にそれ以上引き留める隙を与えず歩き出した。
コンスタンスから距離を稼ぐその足で向かったのは、フィオナの元だ。
無性に、彼女に逢いたくてたまらなかった。
逢って、その頬に柔らかな微笑みが浮かぶところを、見たかった。
(最近の彼女は、私の前でもそんなふうには笑ってくれないがな)
そうする必要があるのだとは言え、フィオナを傷付ける側に自分が回ってしまっていることが、ひどくつらい。いつでも、どんな状況でも、完全に、頭の天辺から爪の先まで、彼女の味方でありたかったのに。
苦いため息をこぼしたルーカスは、辿り着いたフィオナの部屋の扉を軽く叩いてみる。
が、返事はない。
ここにいないとなると、図書室か、あるいは庭か。
ルーカスは踵を返して次の場所に向かった。
クライブからの報告で、何も用がない時、フィオナはたいていそのどちらかで過ごしているのだと聞いている。常に見張られているのだと知ればフィオナもいい気はしないだろうが、この、誰が敵なのかがさっぱり見当もつかない状況の中で、あの男が常に彼女の傍にいてくれるのだと思うと安心できる。本来ならば常にフィオナの傍にいて彼女を守るのはルーカスの役割――というより望み――だったが、仕方がない。
ほどなくして覗き込んだ図書室にも、彼女の姿はなかった。軽く呼んでみても、返事はない。
「庭か」
呟き、ルーカスは眉をひそめた。
クライブがついていれば大丈夫だとは思うが、庭は屋敷内ほど安全ではないし、しかも、フィオナが好むのは庭のはずれにある四阿だという。不精なトラントゥール家の者はそこまで足を運ぶこともなく、それなりに広い敷地に一人しかいない庭師も滅多にそこまでは手を伸ばさないだろう。
本当はあまり行って欲しくないのだが、禁じる理由も言えず、ルーカスはクライブがいるのだからと容認していた。
逸る気持ちのままに庭の奥を目指して大股で歩くうち、向かう方から微かな人の声が流れてきた。フィオナの声と――もう一つは男の声だ。
(誰だ……?)
まさかクライブのはずがない。
エドモンでもセルジュでもなく、唯一フィオナを訪ねてくる可能性があるエミールの声でもない。彼よりも、だいぶ年配だろう。トラントゥール家の使用人は主人に話しかけるようなことはしないから、彼らのうちの誰かでもないはずだ。
ルーカスは眉根を寄せた。
クライブが傍にいるはずだから、危険はない。
そう思いつつも、気が焦った。
足を速めたルーカスの目にやがて入ってきたのは、四阿の中のフィオナの姿。格子を模したその建造物の中で、彼女は、まるで鳥籠に囚われた可憐な小鳥のように見える。
そして、そんなフィオナの前にひざまずき、彼女の手を取る一人の男。
無個性な茶色の髪に、整ってはいるが覇気のない面立ち。
あれは――
(オーギュスト・アランブール、か?)
その名に思い至ったルーカスの胸中には、ザワリと不快なさざ波が立った。
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