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本当の自分
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人形。
エミールが口にしたその言葉は、ひどく深々とフィオナの胸に突き刺さった。
(人形……わたくしが……?)
声に出さずに呟くと、頭に鋭い痛みが走る。
次の瞬間、フィオナの脳裏に映像めいたものがひらめいた。
それは、真っ暗な中にいる、自分の姿。
そこでは、何も見えず、何も聞こえず、何も感じない。
辺りには爽やかな空気が満ちたままだというのに不意に息苦しさを覚えて、彼女は眉をひそめる。
(これは、捕まっていた時のこと?)
フィオナは覚えていないけれども、母によれば、四年前、彼女はこのフランジナで散歩に出かけているさ中に拉致されたのだという。それから数ヶ月後に、グランスでルーカスたちに救出された。
その数ヶ月の間、そんな場所に閉じ込められていたのだろうか。
自問し、フィオナはかぶりを振る。
違う。きっと、そうではない。
暗い中にいる自分は、多分、心象風景だ。このフランジナで過ごしていた頃の。
何も見えず、何も聞こえず、何も感じない――ではなく、何も見ず、何も聞かず、何も感じようとしない、それが正しいのだと思う。
かつての自分は、きっとそんなふうだった。
それを、エミールは『人形のようだ』と言い表したのだろう。
何かのできごとや光景を具体的に思い出したわけではない。
(でも、そう感じるのは、間違いじゃない)
何一つ覚えていないのに、我ながら不思議に思うほどの確信があった。
そして、確信した瞬間、フィオナは強烈な孤独感にみまわれた。強烈だけれどもその孤独はどこか客観的な、俯瞰しているような感覚を伴っていて、それが今現在のものではなく、その暗闇にいた頃のものだと彼女は悟る。
(わたくしは、ここにいた頃、人形のようで、そして、孤独だった)
噛み締めるようにフィオナは胸中で呟き、膝の上に置いた手をひっくり返してその掌を見つめる。
過去の経験は何一つ思い出さないまま、その感覚だけははっきりと、彼女の手の中にあった。
フィオナは思う。
かつての――本来の彼女がそんな人間であるならば、今、ここにいる自分は何なのだろう、と。
今の自分は、『人形』ではない。
意志を持ち、考えを持ち、望みを持っている。
けれど。
(昔のことを思い出した瞬間、今のわたくしは消えてしまうの?)
フルリと、フィオナの身が震えた。
本当の自分が戻った瞬間、今の自分が消え失せる。
それは、とてつもなく怖いことだ。けれど、同時に、フィオナはその自分を取り戻したいと強く思った。それを手放したままでは、ルーカスを、ケイティを、皆を、欺いているような気がして。
フィオナは、両手をきつく握り込む。
と、その時。
「停めるな! 走らせろ!」
突然、御者台にいるルーカスが鞭打つように声を走らせた。が、彼の言葉に反して、ほぼ同時に、馬車が急停止する。
「ッと!」
前に飛び出しそうになったフィオナを、エミールがとっさに抱え込んで守ってくれた。
「怪我は!?」
肩越しに振り返ったルーカスが、まだエミールの腕の中にいるフィオナの全身に目を走らせる。
「大丈夫です」
「何事なんだ?」
答えたフィオナの声と、問いただすエミールの声が重なった。
「強盗のようです。馬車にいてください」
答えながらルーカスはヒラリと御者台から飛び降りた。彼の言葉でハッとフィオナが前方を見ると、五人の男が道を塞ぐようにして並んでいる。皆、厳つく大柄で、見るからに荒事に慣れていそうだ。
(あんなにたくさん、どうしたら……)
フィオナが抱いた不安を、エミールも感じたらしい。
「君一人で五人を相手にするつもりかい?」
男たちを見たエミールがルーカスに目を移し、眉をひそめた。この場にいるもう一人の男性である御者は線の細く初老で、戦力にはなりそうにない。
「私も、多少は――」
言いながら馬車を降りようとしたエミールを、しかし、ルーカスが目で制す。
「あなたはフィオナを守っていてください。彼女に毛筋一つの傷もつかないように」
エミールに向けられたルーカスの眼差しは、フィオナが見たことのない鋭さを帯びていた。まるで、その言葉が守られなければ、エミールを縊り殺してしまうのではなかろうかと思ってしまうほどに。
そう感じたのはエミールも同じだったのか、彼は浮かせた腰を座席に戻す。
「判った」
おとなしく頷いたエミールを一瞥し、ルーカスは落ち着いた足取りで男たちの方へと行ってしまう。男たちの内の一人が馬車の方にやってこようとしたけれど、ルーカスの動きを警戒したのか、立ち止まった。
暴漢五人を前にして、ルーカスの背中は寛いでいるといってもいいほどだ。
日々、警邏隊での訓練を目にしているから、フィオナもルーカスの強さは知っている。それでも、心配だった。
痺れんばかりに両手を固く握り合わせたフィオナが見守る中、待ってましたとばかりに男たちがルーカスを取り囲む。ルーカスは、ゆっくりと彼らを見回した。と思ったら、次の瞬間、ふわりと銀髪が舞う。それを目で追っていたフィオナは、一拍遅れて男たちの内の二人が崩れ落ちたのを見て取った。残った三人に狼狽が走り、そして人数で勝っていることからだろう余裕が掻き消える。
「わぁ、すごいね、彼。まさに目にも止まらぬ速さだ」
呑気な声が、フィオナの隣から上がった。見れば、エミールが微笑み返してくる。
「相手も油断していたのだろうが、それにしても、力の差があり過ぎだね。あれなら全く問題ないだろう。というより、下手に入ったら邪魔になりそうだな」
そう言ってのんびり馬車の背もたれに身を任せてしまったエミールからは、助けに入ろうという気はきれいに失せてしまったようだ。そんな彼に内心憤りつつ、フィオナはまたルーカスへと眼を移す。
ルーカスは涼しげに立っているけれど、残った三人の男たちからは緊張が見て取れる。相手の油断が無くなった分だけ、手強くなっているに違いない。
息を詰めてフィオナが見守る中、ルーカスの左手と前方にいる男が同時に動く。ルーカスの意識が二人に向いたのが、彼女にも何となく判った。と、残る一人がジリジリと動き、ルーカスの死角に入りながら腰の辺りを探るような動きを見せる。
(何を……?)
眉をひそめたフィオナは、次の瞬間男の手の中でキラリと光った物にハッと息を呑んだ。
(ナイフ!)
小振りな、しかし、人を傷つけるには充分な刃を持ったそれを、男が握り締める。
ルーカスは、気付いていない。
そう認識した瞬間、フィオナの身体はそれが正しいかどうかを考える間もなく動いていた。
「え、フィオナ!?」
馬車から飛び降りたフィオナを、エミールの声が追いかけてくる。けれど、彼女の五感は目の前で起きている光景しか受け止めていなかった。
二人の男をほぼ同時に叩き伏せるルーカス。
その背に回り、ナイフを身構える男。
フィオナは、その背目がけて思い切り体当たりをする。
「何だ!?」
体格が違うから、もちろん、男はほんの少しよろけたくらいだ。一方、フィオナは硬い身体に弾き返され足をもつれさせて、地面に倒れ伏す。
「この――」
顔を上げたフィオナを、振り返った男が唸るような声と共に睨み付けてきた。
憤怒の形相で彼女に向けて一歩踏み出した男の額に、エミールが投げ付けたのか、小石のようなものが当たる。
「てッ!?」
その小さな礫に怯んだ男は、次の瞬間声もなくへなへなと崩れ落ちた。まさかそんな小石が当たったくらいで意識を失うはずもなく、その背後から、ルーカスが姿を現す。多分、彼が何かしたのだろう。
「ルーカスさん、お怪我は――」
一見して無事そうな姿にホッとしつつ問うたフィオナに返ってきたのは。
「君は、何をしているんだ!?」
怒りに満ちた、ルーカスの問いだった。
エミールが口にしたその言葉は、ひどく深々とフィオナの胸に突き刺さった。
(人形……わたくしが……?)
声に出さずに呟くと、頭に鋭い痛みが走る。
次の瞬間、フィオナの脳裏に映像めいたものがひらめいた。
それは、真っ暗な中にいる、自分の姿。
そこでは、何も見えず、何も聞こえず、何も感じない。
辺りには爽やかな空気が満ちたままだというのに不意に息苦しさを覚えて、彼女は眉をひそめる。
(これは、捕まっていた時のこと?)
フィオナは覚えていないけれども、母によれば、四年前、彼女はこのフランジナで散歩に出かけているさ中に拉致されたのだという。それから数ヶ月後に、グランスでルーカスたちに救出された。
その数ヶ月の間、そんな場所に閉じ込められていたのだろうか。
自問し、フィオナはかぶりを振る。
違う。きっと、そうではない。
暗い中にいる自分は、多分、心象風景だ。このフランジナで過ごしていた頃の。
何も見えず、何も聞こえず、何も感じない――ではなく、何も見ず、何も聞かず、何も感じようとしない、それが正しいのだと思う。
かつての自分は、きっとそんなふうだった。
それを、エミールは『人形のようだ』と言い表したのだろう。
何かのできごとや光景を具体的に思い出したわけではない。
(でも、そう感じるのは、間違いじゃない)
何一つ覚えていないのに、我ながら不思議に思うほどの確信があった。
そして、確信した瞬間、フィオナは強烈な孤独感にみまわれた。強烈だけれどもその孤独はどこか客観的な、俯瞰しているような感覚を伴っていて、それが今現在のものではなく、その暗闇にいた頃のものだと彼女は悟る。
(わたくしは、ここにいた頃、人形のようで、そして、孤独だった)
噛み締めるようにフィオナは胸中で呟き、膝の上に置いた手をひっくり返してその掌を見つめる。
過去の経験は何一つ思い出さないまま、その感覚だけははっきりと、彼女の手の中にあった。
フィオナは思う。
かつての――本来の彼女がそんな人間であるならば、今、ここにいる自分は何なのだろう、と。
今の自分は、『人形』ではない。
意志を持ち、考えを持ち、望みを持っている。
けれど。
(昔のことを思い出した瞬間、今のわたくしは消えてしまうの?)
フルリと、フィオナの身が震えた。
本当の自分が戻った瞬間、今の自分が消え失せる。
それは、とてつもなく怖いことだ。けれど、同時に、フィオナはその自分を取り戻したいと強く思った。それを手放したままでは、ルーカスを、ケイティを、皆を、欺いているような気がして。
フィオナは、両手をきつく握り込む。
と、その時。
「停めるな! 走らせろ!」
突然、御者台にいるルーカスが鞭打つように声を走らせた。が、彼の言葉に反して、ほぼ同時に、馬車が急停止する。
「ッと!」
前に飛び出しそうになったフィオナを、エミールがとっさに抱え込んで守ってくれた。
「怪我は!?」
肩越しに振り返ったルーカスが、まだエミールの腕の中にいるフィオナの全身に目を走らせる。
「大丈夫です」
「何事なんだ?」
答えたフィオナの声と、問いただすエミールの声が重なった。
「強盗のようです。馬車にいてください」
答えながらルーカスはヒラリと御者台から飛び降りた。彼の言葉でハッとフィオナが前方を見ると、五人の男が道を塞ぐようにして並んでいる。皆、厳つく大柄で、見るからに荒事に慣れていそうだ。
(あんなにたくさん、どうしたら……)
フィオナが抱いた不安を、エミールも感じたらしい。
「君一人で五人を相手にするつもりかい?」
男たちを見たエミールがルーカスに目を移し、眉をひそめた。この場にいるもう一人の男性である御者は線の細く初老で、戦力にはなりそうにない。
「私も、多少は――」
言いながら馬車を降りようとしたエミールを、しかし、ルーカスが目で制す。
「あなたはフィオナを守っていてください。彼女に毛筋一つの傷もつかないように」
エミールに向けられたルーカスの眼差しは、フィオナが見たことのない鋭さを帯びていた。まるで、その言葉が守られなければ、エミールを縊り殺してしまうのではなかろうかと思ってしまうほどに。
そう感じたのはエミールも同じだったのか、彼は浮かせた腰を座席に戻す。
「判った」
おとなしく頷いたエミールを一瞥し、ルーカスは落ち着いた足取りで男たちの方へと行ってしまう。男たちの内の一人が馬車の方にやってこようとしたけれど、ルーカスの動きを警戒したのか、立ち止まった。
暴漢五人を前にして、ルーカスの背中は寛いでいるといってもいいほどだ。
日々、警邏隊での訓練を目にしているから、フィオナもルーカスの強さは知っている。それでも、心配だった。
痺れんばかりに両手を固く握り合わせたフィオナが見守る中、待ってましたとばかりに男たちがルーカスを取り囲む。ルーカスは、ゆっくりと彼らを見回した。と思ったら、次の瞬間、ふわりと銀髪が舞う。それを目で追っていたフィオナは、一拍遅れて男たちの内の二人が崩れ落ちたのを見て取った。残った三人に狼狽が走り、そして人数で勝っていることからだろう余裕が掻き消える。
「わぁ、すごいね、彼。まさに目にも止まらぬ速さだ」
呑気な声が、フィオナの隣から上がった。見れば、エミールが微笑み返してくる。
「相手も油断していたのだろうが、それにしても、力の差があり過ぎだね。あれなら全く問題ないだろう。というより、下手に入ったら邪魔になりそうだな」
そう言ってのんびり馬車の背もたれに身を任せてしまったエミールからは、助けに入ろうという気はきれいに失せてしまったようだ。そんな彼に内心憤りつつ、フィオナはまたルーカスへと眼を移す。
ルーカスは涼しげに立っているけれど、残った三人の男たちからは緊張が見て取れる。相手の油断が無くなった分だけ、手強くなっているに違いない。
息を詰めてフィオナが見守る中、ルーカスの左手と前方にいる男が同時に動く。ルーカスの意識が二人に向いたのが、彼女にも何となく判った。と、残る一人がジリジリと動き、ルーカスの死角に入りながら腰の辺りを探るような動きを見せる。
(何を……?)
眉をひそめたフィオナは、次の瞬間男の手の中でキラリと光った物にハッと息を呑んだ。
(ナイフ!)
小振りな、しかし、人を傷つけるには充分な刃を持ったそれを、男が握り締める。
ルーカスは、気付いていない。
そう認識した瞬間、フィオナの身体はそれが正しいかどうかを考える間もなく動いていた。
「え、フィオナ!?」
馬車から飛び降りたフィオナを、エミールの声が追いかけてくる。けれど、彼女の五感は目の前で起きている光景しか受け止めていなかった。
二人の男をほぼ同時に叩き伏せるルーカス。
その背に回り、ナイフを身構える男。
フィオナは、その背目がけて思い切り体当たりをする。
「何だ!?」
体格が違うから、もちろん、男はほんの少しよろけたくらいだ。一方、フィオナは硬い身体に弾き返され足をもつれさせて、地面に倒れ伏す。
「この――」
顔を上げたフィオナを、振り返った男が唸るような声と共に睨み付けてきた。
憤怒の形相で彼女に向けて一歩踏み出した男の額に、エミールが投げ付けたのか、小石のようなものが当たる。
「てッ!?」
その小さな礫に怯んだ男は、次の瞬間声もなくへなへなと崩れ落ちた。まさかそんな小石が当たったくらいで意識を失うはずもなく、その背後から、ルーカスが姿を現す。多分、彼が何かしたのだろう。
「ルーカスさん、お怪我は――」
一見して無事そうな姿にホッとしつつ問うたフィオナに返ってきたのは。
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