36 / 48
Ⅲ:捨てられ王子の綺羅星
二つの場所で:衝撃の光景
しおりを挟む
その日もアレッサンドロは夜明けと共に動き出し、朝食もそこそこに執務室に腰を据えていた。
リナルドが次々差し出してくる書類の数々を、いつものように彼の目と手と頭は黙々と処理していく。が、いつものように十割の力を政務に注ぎ込むことはできていない。
常にアレッサンドロの思考の底にわだかまり、ふと手を止めた拍子にふわりと浮上してくるのは、もちろん、ステラのことだ。
(くそ、情けない)
アレッサンドロは、自分は理性と自制心を充分に備えた人間だと思っていた。
ディアスタ村に王宮からの迎えが来た時はステラと離れたくないという自分の感情よりも彼女の言葉に従ったし、八年間、ステラに逢いたいという想いよりも彼女の為に国を立て直すのだという使命感を優先させてきた。
長年、それができていたというのに、たった三ヶ月でこのざまだ。
結局、『本物』相手ではどう足掻いても負けるのだ。アレッサンドロの中にあった記憶や想像のステラなど、実際の彼女の足元にも及ばないということなのだろう。
これまで数多の女性に対峙してもピクリとも動かなかった心が、彼女に対してはたった三ヶ月で情けないほどにもろくなる。
極力接触を避けていたというのにこの体たらく。自分に対して腹が立って仕方がない。
(早く手を打たないと)
苛々と、アレッサンドロの爪の先が卓上を叩く。字を目で追い、情報を分析し、問題を解決しながらその仕草が出てしまうようになったのは、ここ二、三ヶ月のことだ。そうでもしていないと、こうやって椅子に座っていることが耐え難くなる。
本気で、ふと気付いたら彼女を離宮にでも閉じ込めていたという事態にもなりかねない。
やはり、速やかにステラを自分から遠ざけなければ。
だが、アレサンドロに拒まれたと思えば彼女は傷つくだろう。そう思わせずにここを去らせるには、どうしたら良いものか。
書類処理と同時進行でそんなことを考えていたアレッサンドロの耳に、その時、小さな呟き声が届く。「おや」とか何とか、驚きの響きが混じった一言だ。
「何か言ったか?」
職務中は必要最低限の言葉しか発しないリナルドの、思わず、といった風情のその声に、アレッサンドロは眉をひそめる。
「ああ、いえ、お気になさらず」
そう言って、リナルドは目を伏せたが、曖昧な応えが明らかに胡散臭い。これは何か企んでいるに違いない、乗ったら負けだと理解しつつ、アレッサンドロは老宰相を睨み付けた。
「何なんだ」
リナルドはチラリとアレッサンドロを見てから、窓の外へと目を向ける。
「いや、庭にですね、最近、ジーノ様とステラ殿がお揃いのところをお見かけするな、と」
「……」
あごひげをしごきながら首をかしげたリナルドはさも今気が付いたと言わんばかりだが、そんなはずがない。二人の姿が並ぶようになってから、少なくとももう五日は経っているのだから。この抜け目のない狸が気付いていなかったはずがないのだ。
アレッサンドロは奥歯を食いしばり、罵りを喉の奥に押し込める。
ステラのことには言及したくなく、さりとて、完全にこの話を無視すればまた勘繰られるに違いない。当たり障りのない、揚げ足を取られることもない台詞を、アレッサンドロはどうにか捻り出す。
「――ここのところ、兄上は体調がよろしいようだな」
八年前に再会した時は、広間で顔を合わせた後、ジーノは十日間寝込んだ。その後も寝台から出ることができず、その何年も前から、政務も寝室で執り行われていたのだという。
アレッサンドロが政を代行できるようになると多少は負担が減ったのか部屋の中を歩き回るくらいのことはできるようになったが、それでも、城の外で姿を見ることはもう何年もなかったのだ。
窓の外では、ステラとジーノが笑顔を交わしている。
その光景に、アレッサンドロの胸がチクリと痛んだ。
今目の前の二人に対して感じた痛みなのか、それとも、胸の奥に沈めたはずの温かな記憶を刺激されたせいなのか。
ギュッと眉間に力を込めたアレッサンドロの前を横切り、リナルドが窓際に寄る。
「さようでございますね。昨年医学院に招いた東方からの医師のお陰かと。我々が見たこともないような薬草の知識を山ほどお持ちだとか」
しみじみとした口調での宰相の言葉には、珍しく感情がこもっていた。アレッサンドロよりも長い間兄の傍にいた彼にとって、あんなふうに庭で笑う姿を目にすることができるとは夢にも思っていなかったに違いない。そもそも、アレッサンドロが呼び戻されたのも、いよいよ兄の先行きが怪しくなってきたからだったのだから。
依然として王としての役割を果たすことは難しいだろうが、今のジーノであれば、明日をも知れない身とは言い難い。治療と環境によっては、この先十年、二十年も考えることができるだろう。
そう思いが至ったところで、アレッサンドロは一つの手を思いつく。
「兄上にはもっと静かなところで療養してもらったらどうだろう」
例えば、ディアスタ村とか。
ジーノの世話を頼むという形なら自然にステラを村に帰せるし、眼下の二人の様子を見るに、きっと、彼女も喜んで引き受けるだろう――そう考えたアレッサンドロの胸が、また疼いた。先ほどよりも、強く。
今度の痛みの理由は明白だったから、アレッサンドロはそれを呑み下した。
「ステラも、あの人と気が合うようだしな」
努めて何気ない口調でそう付け足したアレッサンドロに、リナルドが微かに目を細める。
「よろしいのですか?」
「何が」
アレッサンドロは問いに問いを返したが、リナルドは答えが判っていてそう訊いてきたのだろう。何も言わずにアレッサンドロを見返してきただけだった。
アレッサンドロはひたと注がれるリナルドの視線から眼を逸らす。
もちろん、良くはない。欠片も良くない。
自分以外の誰かと時を紡いでいくステラの姿を想像するだけで、胸の奥が煮えるようだ。
だが、八年間離れていられたのだから、距離さえおけば、きっとまた大丈夫になれるはず。いずれまた、離れたところから穏やかな気持ちで彼女を見守っていけるようになるはずだ。
アレッサンドロは再び窓に目を向けた。
ステラと、ジーノ。
彼女といくつか言葉を交わし、兄の顔が満面の笑みで輝いた。
かつては、ステラの傍であの笑顔を浮かべていたのはアレッサンドロだった。
(多分、俺は、もう二度とあんなふうに笑えることはないのだろう)
つらいのに眼を逸らすことができずにいるアレッサンドロが見守る中で、ジーノに呼ばれたようにステラが数歩彼に歩み寄った。手の届く距離まで近づいた彼女に、彼が手を伸ばす。
そのひとに、触れるな。
思わず胸の内で叫んだその声が届いたかのように、ステラの肩越しに、兄と目が合った気がする。と思った次の瞬間、アレッサンドロは重厚な椅子を蹴倒す勢いで立ち上がった。
「どうされました?」
訝しげな眼差しで問いかけてきたリナルドに、アレッサンドロは気もそぞろに返す。
「なんでもない」
答えたアレッサンドロの頭に溢れていたのは、たった今目にした光景だった。
離れているから、はっきりとそうだとは言えない。
だが、座るジーノがステラに手を伸ばし、それに応えて身を屈めた彼女のあの所作は――
(口づけ、た?)
バクバクと、心臓が痛いほどに胸郭を打っていた。
いや、口づけを交わしてはいなくても、礼儀作法を絵に描いたようなジーノは、余程親しい間柄でなければ女性に触れたりはしないだろう。ステラだって、相手が子どもならともかく、ジーノのようないい年をした男に気軽に頬を触らせたりはしない筈。
つまり、彼らは、アレッサンドロが気付かぬ間にそれを許す間柄になっていたということで。
アレッサンドロはきつく拳を握り込む。
(それなら、好都合じゃないか)
それほどの間柄になっているのなら、二人揃ってディアスタ村に行かせるのはとても自然な事になるではないか。
アレッサンドロは胸の内でそう自分自身に言い聞かせようとしたが、少しも好都合だとは思えない。
「くそ」
肯定の代わりに口からこぼれ出した罵りの一言に、リナルドが軽く眉を上げた。
「今、何と?」
「何でもない。他に書類は?」
宰相の問いにはかぶりを振って、アレッサンドロは椅子に尻を戻す。
今は、もう、余計なことを考えたくはなかった。何なら、三日間不眠不休で政務をこなしてもいい。むしろ、そうしたい。
半ばやけになった主をリナルドはしげしげと見つめてから、頷いた。
「……では、こちらを」
微かな間に含みを感じてアレッサンドロは老宰相を目だけで見上げたが、彼はいつも通りに淡々と書類を差し出しただけだった。
リナルドが次々差し出してくる書類の数々を、いつものように彼の目と手と頭は黙々と処理していく。が、いつものように十割の力を政務に注ぎ込むことはできていない。
常にアレッサンドロの思考の底にわだかまり、ふと手を止めた拍子にふわりと浮上してくるのは、もちろん、ステラのことだ。
(くそ、情けない)
アレッサンドロは、自分は理性と自制心を充分に備えた人間だと思っていた。
ディアスタ村に王宮からの迎えが来た時はステラと離れたくないという自分の感情よりも彼女の言葉に従ったし、八年間、ステラに逢いたいという想いよりも彼女の為に国を立て直すのだという使命感を優先させてきた。
長年、それができていたというのに、たった三ヶ月でこのざまだ。
結局、『本物』相手ではどう足掻いても負けるのだ。アレッサンドロの中にあった記憶や想像のステラなど、実際の彼女の足元にも及ばないということなのだろう。
これまで数多の女性に対峙してもピクリとも動かなかった心が、彼女に対してはたった三ヶ月で情けないほどにもろくなる。
極力接触を避けていたというのにこの体たらく。自分に対して腹が立って仕方がない。
(早く手を打たないと)
苛々と、アレッサンドロの爪の先が卓上を叩く。字を目で追い、情報を分析し、問題を解決しながらその仕草が出てしまうようになったのは、ここ二、三ヶ月のことだ。そうでもしていないと、こうやって椅子に座っていることが耐え難くなる。
本気で、ふと気付いたら彼女を離宮にでも閉じ込めていたという事態にもなりかねない。
やはり、速やかにステラを自分から遠ざけなければ。
だが、アレサンドロに拒まれたと思えば彼女は傷つくだろう。そう思わせずにここを去らせるには、どうしたら良いものか。
書類処理と同時進行でそんなことを考えていたアレッサンドロの耳に、その時、小さな呟き声が届く。「おや」とか何とか、驚きの響きが混じった一言だ。
「何か言ったか?」
職務中は必要最低限の言葉しか発しないリナルドの、思わず、といった風情のその声に、アレッサンドロは眉をひそめる。
「ああ、いえ、お気になさらず」
そう言って、リナルドは目を伏せたが、曖昧な応えが明らかに胡散臭い。これは何か企んでいるに違いない、乗ったら負けだと理解しつつ、アレッサンドロは老宰相を睨み付けた。
「何なんだ」
リナルドはチラリとアレッサンドロを見てから、窓の外へと目を向ける。
「いや、庭にですね、最近、ジーノ様とステラ殿がお揃いのところをお見かけするな、と」
「……」
あごひげをしごきながら首をかしげたリナルドはさも今気が付いたと言わんばかりだが、そんなはずがない。二人の姿が並ぶようになってから、少なくとももう五日は経っているのだから。この抜け目のない狸が気付いていなかったはずがないのだ。
アレッサンドロは奥歯を食いしばり、罵りを喉の奥に押し込める。
ステラのことには言及したくなく、さりとて、完全にこの話を無視すればまた勘繰られるに違いない。当たり障りのない、揚げ足を取られることもない台詞を、アレッサンドロはどうにか捻り出す。
「――ここのところ、兄上は体調がよろしいようだな」
八年前に再会した時は、広間で顔を合わせた後、ジーノは十日間寝込んだ。その後も寝台から出ることができず、その何年も前から、政務も寝室で執り行われていたのだという。
アレッサンドロが政を代行できるようになると多少は負担が減ったのか部屋の中を歩き回るくらいのことはできるようになったが、それでも、城の外で姿を見ることはもう何年もなかったのだ。
窓の外では、ステラとジーノが笑顔を交わしている。
その光景に、アレッサンドロの胸がチクリと痛んだ。
今目の前の二人に対して感じた痛みなのか、それとも、胸の奥に沈めたはずの温かな記憶を刺激されたせいなのか。
ギュッと眉間に力を込めたアレッサンドロの前を横切り、リナルドが窓際に寄る。
「さようでございますね。昨年医学院に招いた東方からの医師のお陰かと。我々が見たこともないような薬草の知識を山ほどお持ちだとか」
しみじみとした口調での宰相の言葉には、珍しく感情がこもっていた。アレッサンドロよりも長い間兄の傍にいた彼にとって、あんなふうに庭で笑う姿を目にすることができるとは夢にも思っていなかったに違いない。そもそも、アレッサンドロが呼び戻されたのも、いよいよ兄の先行きが怪しくなってきたからだったのだから。
依然として王としての役割を果たすことは難しいだろうが、今のジーノであれば、明日をも知れない身とは言い難い。治療と環境によっては、この先十年、二十年も考えることができるだろう。
そう思いが至ったところで、アレッサンドロは一つの手を思いつく。
「兄上にはもっと静かなところで療養してもらったらどうだろう」
例えば、ディアスタ村とか。
ジーノの世話を頼むという形なら自然にステラを村に帰せるし、眼下の二人の様子を見るに、きっと、彼女も喜んで引き受けるだろう――そう考えたアレッサンドロの胸が、また疼いた。先ほどよりも、強く。
今度の痛みの理由は明白だったから、アレッサンドロはそれを呑み下した。
「ステラも、あの人と気が合うようだしな」
努めて何気ない口調でそう付け足したアレッサンドロに、リナルドが微かに目を細める。
「よろしいのですか?」
「何が」
アレッサンドロは問いに問いを返したが、リナルドは答えが判っていてそう訊いてきたのだろう。何も言わずにアレッサンドロを見返してきただけだった。
アレッサンドロはひたと注がれるリナルドの視線から眼を逸らす。
もちろん、良くはない。欠片も良くない。
自分以外の誰かと時を紡いでいくステラの姿を想像するだけで、胸の奥が煮えるようだ。
だが、八年間離れていられたのだから、距離さえおけば、きっとまた大丈夫になれるはず。いずれまた、離れたところから穏やかな気持ちで彼女を見守っていけるようになるはずだ。
アレッサンドロは再び窓に目を向けた。
ステラと、ジーノ。
彼女といくつか言葉を交わし、兄の顔が満面の笑みで輝いた。
かつては、ステラの傍であの笑顔を浮かべていたのはアレッサンドロだった。
(多分、俺は、もう二度とあんなふうに笑えることはないのだろう)
つらいのに眼を逸らすことができずにいるアレッサンドロが見守る中で、ジーノに呼ばれたようにステラが数歩彼に歩み寄った。手の届く距離まで近づいた彼女に、彼が手を伸ばす。
そのひとに、触れるな。
思わず胸の内で叫んだその声が届いたかのように、ステラの肩越しに、兄と目が合った気がする。と思った次の瞬間、アレッサンドロは重厚な椅子を蹴倒す勢いで立ち上がった。
「どうされました?」
訝しげな眼差しで問いかけてきたリナルドに、アレッサンドロは気もそぞろに返す。
「なんでもない」
答えたアレッサンドロの頭に溢れていたのは、たった今目にした光景だった。
離れているから、はっきりとそうだとは言えない。
だが、座るジーノがステラに手を伸ばし、それに応えて身を屈めた彼女のあの所作は――
(口づけ、た?)
バクバクと、心臓が痛いほどに胸郭を打っていた。
いや、口づけを交わしてはいなくても、礼儀作法を絵に描いたようなジーノは、余程親しい間柄でなければ女性に触れたりはしないだろう。ステラだって、相手が子どもならともかく、ジーノのようないい年をした男に気軽に頬を触らせたりはしない筈。
つまり、彼らは、アレッサンドロが気付かぬ間にそれを許す間柄になっていたということで。
アレッサンドロはきつく拳を握り込む。
(それなら、好都合じゃないか)
それほどの間柄になっているのなら、二人揃ってディアスタ村に行かせるのはとても自然な事になるではないか。
アレッサンドロは胸の内でそう自分自身に言い聞かせようとしたが、少しも好都合だとは思えない。
「くそ」
肯定の代わりに口からこぼれ出した罵りの一言に、リナルドが軽く眉を上げた。
「今、何と?」
「何でもない。他に書類は?」
宰相の問いにはかぶりを振って、アレッサンドロは椅子に尻を戻す。
今は、もう、余計なことを考えたくはなかった。何なら、三日間不眠不休で政務をこなしてもいい。むしろ、そうしたい。
半ばやけになった主をリナルドはしげしげと見つめてから、頷いた。
「……では、こちらを」
微かな間に含みを感じてアレッサンドロは老宰相を目だけで見上げたが、彼はいつも通りに淡々と書類を差し出しただけだった。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説

愛されなかった公爵令嬢のやり直し
ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。
母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。
婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。
そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。
どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。
死ぬ寸前のセシリアは思う。
「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。
目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。
セシリアは決意する。
「自分の幸せは自分でつかみ取る!」
幸せになるために奔走するセシリア。
だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。

婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。

わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載

あなたには、この程度のこと、だったのかもしれませんが。
ふまさ
恋愛
楽しみにしていた、パーティー。けれどその場は、信じられないほどに凍り付いていた。
でも。
愉快そうに声を上げて笑う者が、一人、いた。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
皇帝は虐げられた身代わり妃の瞳に溺れる
えくれあ
恋愛
丞相の娘として生まれながら、蔡 重華は生まれ持った髪の色によりそれを認められず使用人のような扱いを受けて育った。
一方、母違いの妹である蔡 鈴麗は父親の愛情を一身に受け、何不自由なく育った。そんな鈴麗は、破格の待遇での皇帝への輿入れが決まる。
しかし、わがまま放題で育った鈴麗は輿入れ当日、後先を考えることなく逃げ出してしまった。困った父は、こんな時だけ重華を娘扱いし、鈴麗が見つかるまで身代わりを務めるように命じる。
皇帝である李 晧月は、後宮の妃嬪たちに全く興味を示さないことで有名だ。きっと重華にも興味は示さず、身代わりだと気づかれることなくやり過ごせると思っていたのだが……
【完結】冷遇・婚約破棄の上、物扱いで軍人に下賜されたと思ったら、幼馴染に溺愛される生活になりました。
えんとっぷ
恋愛
【恋愛151位!(5/20確認時点)】
アルフレッド王子と婚約してからの間ずっと、冷遇に耐えてきたというのに。
愛人が複数いることも、罵倒されることも、アルフレッド王子がすべき政務をやらされていることも。
何年間も耐えてきたのに__
「お前のような器量の悪い女が王家に嫁ぐなんて国家の恥も良いところだ。婚約破棄し、この娘と結婚することとする」
アルフレッド王子は新しい愛人の女の腰を寄せ、婚約破棄を告げる。
愛人はアルフレッド王子にしなだれかかって、得意げな顔をしている。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる