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Ⅱ:捨てられ王子と金の馬車
笑顔
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「このくらいの穴を掘って、その中にたっぷり水を入れてね。で、その水が無くなったらアスピルを挿して土を入れて、それからまた、水をあげて。あ、葉っぱにはかからないようにね」
アレッサンドロが出す指示一つ一つにうなずきながら、ステラは真剣そのものの面持ちでせっせと手を動かしている。
滅多に見ることができないステラの丸い頭の天辺のつむじは、口づけたくなるほど、可愛い。他の子たちのつむじはどれだけ見ていても何も感じないのに、どうしてか、彼女に対してはそんなふうに思ってしまう。
「これでいいかな」
顔を上げたステラと眼が合って、アレッサンドロは我に返った。
「あ、うん、そんな感じ。じゃ、次のを植えようか。隣と近くならないように、ステラの指の先から肘くらいの間を空けてにして」
「こう?」
ステラはピッと伸ばした指先をたった今植えたばかりの苗に触れるくらいに近づけて、もう片方の手で肘の辺りを指差した。小首をかしげて見上げてくる彼女に名状し難い胸の痛みを覚えながら、アレッサンドロは頷く。
「うん、そのくらい」
「よし、じゃ、どんどん行こ」
「あ、僕もやるよ」
いそいそと次のアスピルに手を伸ばしたステラに先んじてそれを取ろうとすると、パッと彼女に遮られた。
「いいの、アレックスはわたしがちゃんとやれてるか見張ってて」
やる気満々のステラに、アレッサンドロの胸がほっこりする。
「わかった」
そこからは、黙々と。
ひたすら手を動かすステラを、アレッサンドロは見守った。
間近に見える長い睫毛や小さな鼻や、真剣になるあまり無意識に少しばかり尖らせている柔らかそうな唇、それにふっくらとした頬。
だいたい、いつも誰かしらがやってくるから、こんなふうに彼女を独り占めできることは滅多にない。
力を込めて土を固めた拍子に、ステラの三つ編みから一筋髪がこぼれ落ちる。アレッサンドロはとっさにそれに手を伸ばしかけて、危ういところで指を握り込んだ。
最近、時々、無性にステラに触れたくなる時がある。
出逢ったばかりの頃は抱き締めてくるステラを何も考えずに抱き締め返すことができていたけれど、ある時、アレッサンドロは、『触れられたから触れ返す』ではなく、自分から『触れたい』と思っていることに気が付いた。そして、その想いの中に、幼かった時の無邪気さとは違う何かが育ち始めていることにも。
(多分、これは、あまり良くない考えだ)
漠然と、そんな自覚があった。日の元に引きずり出せば、何かが大きく変わってしまう、と。
だからアレッサンドロは、それは胸の奥に閉じ込めて蓋をすることにしたのだ。
籠の中からたっぷりと土を着けておいたアスピル十本ほどを植えたところで、アレッサンドロはステラに声をかける。
「もうじき花が咲く頃だし、そうしたら一本について五個くらいは種が採れるから、もうこのくらいにしておこうよ。薬にする分も残しときたいでしょ?」
「あ、うん、そうだね」
答えて顔を上げたステラを見て、アレッサンドロは思わず笑ってしまった。
「何?」
「鼻の上に土が付いちゃってるよ」
「え? ホント?」
慌ててステラがそこをこすろうとするから、アレッサンドロは手を伸ばしてそれをやめさせる。泥だらけの手でそんなことをしたら、余計に汚れてしまう。
「ちょっと待って、拭いてあげる」
アレッサンドロは笑いをこらえながら手の甲の泥が付いていないところで彼女の鼻の頭をそっと拭ってやった。
「キレイになった?」
「うん」
「ありがと」
満面の笑みを浮かべたステラに釣られて、アレッサンドロも自然と笑顔になる。と、そんな彼をステラがしげしげと見つめてきた。
「どうしたの?」
眉根を寄せたアレッサンドロに、ステラが微笑む。
「あんなに泣き虫だったのに、良く笑うようになったなって、思って」
「僕だっていつまでも子どものままじゃないよ」
アレッサンドロは少しばかり唇を尖らせて答えた。
「ふふ、そうだね、ごめん。もうあれから四年も経ってるんだもんね。もう十歳になったんだよね。……なんか、まだ、時々夜に泣いてるんじゃないかって思っちゃうの」
「もう大丈夫だよ」
(あなたが、もう大丈夫にしてくれたから)
胸の中でそう付け加え、アレッサンドロは変わらぬ優しさを湛えたステラの目を覗き込む。
彼女の瞳は茶色に緑の星が散っていて、今まで見た中で一番綺麗なものだ。
「ステラはいつも笑ってるよね」
笑ったときに、その星がいっそう綺麗に輝く。だから、彼女の目はいつだってこの世で一番綺麗なのだ。
と、その時、束の間脳裏に過去が飛来して、アレッサンドロはそっと目を伏せる。
ステラの温かな笑顔は、かつてアレッサンドロの母親も浮かべていたものだ。苦しい日々に追われるようになっても、その苦しさを隠して、彼の為に笑ってくれていた。永遠に失われることになる、その瞬間まで。
「わたしが笑っていられるのは、みんなが笑わせてくれるからだよ」
ステラの柔らかな声で、アレッサンドロは顔を上げる。
「僕も、その中にいる?」
「もちろん。アレックスも、わたしをたくさん笑わせてくれてるよ」
そう言ってから、ステラはふと笑みを消した。微かに唇を噛む仕草は何か物言いたげで、アレッサンドロは首をかしげて彼女を覗き込む。
「どうかした?」
促されてもまだ少し迷う素振りを見せていたけれど、何かを振り切るようにステラは勢いをつけて顔を上げた。
「あのね、前から訊かなくちゃって思ってたのだけど」
「何?」
「その、ね、アレックスにはお母さん以外の家族って、いないの?」
「いないよ」
返事が、少し速過ぎたかもしれない。
アレッサンドロは口調を和らげて繰り返す。
「僕にはもう家族なんていないよ」
「でも、小さい頃に住んでいたところに戻ったら、誰かいるかもしれないよ? 探さなくていいの?」
「要らない」
きっぱりと告げて、アレッサンドロはステラの目を真っ直ぐに見つめた。
「僕はここにいたい。ステラの傍にいたいんだ」
「アレックス……」
アレッサンドロはともに泥にまみれたステラの手を取り握り締める。
「ここにいさせて。ステラのことはずっと僕が守ってあげるから」
「違うよ。そうじゃなくて、そんなことしなくても、アレックスがここにいたいならいたらいいんだよ」
請うたアレッサンドロに、ステラは大きくかぶりを振った。そんなつもりではなかったと、身体中で訴えるように。
アレッサンドロはホッと息をつき、ステラの目を覗き込む。
「僕はステラにずっと笑っていて欲しい。だから、そのためなら何だってするよ」
「わたしはだいじょうぶだよ。みんなが元気でいてくれたら、それだけで毎日笑ってられる。アレックスも含めてね」
ステラは微笑み、アレッサンドロの手をギュゥと握り返してきた。
「なら、教会も守るよ。全部、守る」
ステラの為に。
「ありがと。でも、アレックスは、一番にアレックスのこと、ちゃんと大事にしてね」
「わかった」
頷きつつも、その約束は守れそうにないと、アレッサンドロは思った。
(だって、ステラ以上に大事なものなんて、もうないんだ。ステラが幸せでないなら、僕だって幸せになんてなれない)
ステラに笑いかけられて、アレッサンドロも笑い返す。
アレッサンドロは、笑顔のステラの前でしか、笑えない。
だから、彼女を守るためなら、彼女の笑顔を守るためなら、何でもできる。
(どんなことでも、耐えられる。どんなことでも、耐えてみせる)
この時のアレッサンドロは、その誓いを守るために命よりも大事なものを手放さなければならない時が来るとは、夢にも思っていなかった。
アレッサンドロが出す指示一つ一つにうなずきながら、ステラは真剣そのものの面持ちでせっせと手を動かしている。
滅多に見ることができないステラの丸い頭の天辺のつむじは、口づけたくなるほど、可愛い。他の子たちのつむじはどれだけ見ていても何も感じないのに、どうしてか、彼女に対してはそんなふうに思ってしまう。
「これでいいかな」
顔を上げたステラと眼が合って、アレッサンドロは我に返った。
「あ、うん、そんな感じ。じゃ、次のを植えようか。隣と近くならないように、ステラの指の先から肘くらいの間を空けてにして」
「こう?」
ステラはピッと伸ばした指先をたった今植えたばかりの苗に触れるくらいに近づけて、もう片方の手で肘の辺りを指差した。小首をかしげて見上げてくる彼女に名状し難い胸の痛みを覚えながら、アレッサンドロは頷く。
「うん、そのくらい」
「よし、じゃ、どんどん行こ」
「あ、僕もやるよ」
いそいそと次のアスピルに手を伸ばしたステラに先んじてそれを取ろうとすると、パッと彼女に遮られた。
「いいの、アレックスはわたしがちゃんとやれてるか見張ってて」
やる気満々のステラに、アレッサンドロの胸がほっこりする。
「わかった」
そこからは、黙々と。
ひたすら手を動かすステラを、アレッサンドロは見守った。
間近に見える長い睫毛や小さな鼻や、真剣になるあまり無意識に少しばかり尖らせている柔らかそうな唇、それにふっくらとした頬。
だいたい、いつも誰かしらがやってくるから、こんなふうに彼女を独り占めできることは滅多にない。
力を込めて土を固めた拍子に、ステラの三つ編みから一筋髪がこぼれ落ちる。アレッサンドロはとっさにそれに手を伸ばしかけて、危ういところで指を握り込んだ。
最近、時々、無性にステラに触れたくなる時がある。
出逢ったばかりの頃は抱き締めてくるステラを何も考えずに抱き締め返すことができていたけれど、ある時、アレッサンドロは、『触れられたから触れ返す』ではなく、自分から『触れたい』と思っていることに気が付いた。そして、その想いの中に、幼かった時の無邪気さとは違う何かが育ち始めていることにも。
(多分、これは、あまり良くない考えだ)
漠然と、そんな自覚があった。日の元に引きずり出せば、何かが大きく変わってしまう、と。
だからアレッサンドロは、それは胸の奥に閉じ込めて蓋をすることにしたのだ。
籠の中からたっぷりと土を着けておいたアスピル十本ほどを植えたところで、アレッサンドロはステラに声をかける。
「もうじき花が咲く頃だし、そうしたら一本について五個くらいは種が採れるから、もうこのくらいにしておこうよ。薬にする分も残しときたいでしょ?」
「あ、うん、そうだね」
答えて顔を上げたステラを見て、アレッサンドロは思わず笑ってしまった。
「何?」
「鼻の上に土が付いちゃってるよ」
「え? ホント?」
慌ててステラがそこをこすろうとするから、アレッサンドロは手を伸ばしてそれをやめさせる。泥だらけの手でそんなことをしたら、余計に汚れてしまう。
「ちょっと待って、拭いてあげる」
アレッサンドロは笑いをこらえながら手の甲の泥が付いていないところで彼女の鼻の頭をそっと拭ってやった。
「キレイになった?」
「うん」
「ありがと」
満面の笑みを浮かべたステラに釣られて、アレッサンドロも自然と笑顔になる。と、そんな彼をステラがしげしげと見つめてきた。
「どうしたの?」
眉根を寄せたアレッサンドロに、ステラが微笑む。
「あんなに泣き虫だったのに、良く笑うようになったなって、思って」
「僕だっていつまでも子どものままじゃないよ」
アレッサンドロは少しばかり唇を尖らせて答えた。
「ふふ、そうだね、ごめん。もうあれから四年も経ってるんだもんね。もう十歳になったんだよね。……なんか、まだ、時々夜に泣いてるんじゃないかって思っちゃうの」
「もう大丈夫だよ」
(あなたが、もう大丈夫にしてくれたから)
胸の中でそう付け加え、アレッサンドロは変わらぬ優しさを湛えたステラの目を覗き込む。
彼女の瞳は茶色に緑の星が散っていて、今まで見た中で一番綺麗なものだ。
「ステラはいつも笑ってるよね」
笑ったときに、その星がいっそう綺麗に輝く。だから、彼女の目はいつだってこの世で一番綺麗なのだ。
と、その時、束の間脳裏に過去が飛来して、アレッサンドロはそっと目を伏せる。
ステラの温かな笑顔は、かつてアレッサンドロの母親も浮かべていたものだ。苦しい日々に追われるようになっても、その苦しさを隠して、彼の為に笑ってくれていた。永遠に失われることになる、その瞬間まで。
「わたしが笑っていられるのは、みんなが笑わせてくれるからだよ」
ステラの柔らかな声で、アレッサンドロは顔を上げる。
「僕も、その中にいる?」
「もちろん。アレックスも、わたしをたくさん笑わせてくれてるよ」
そう言ってから、ステラはふと笑みを消した。微かに唇を噛む仕草は何か物言いたげで、アレッサンドロは首をかしげて彼女を覗き込む。
「どうかした?」
促されてもまだ少し迷う素振りを見せていたけれど、何かを振り切るようにステラは勢いをつけて顔を上げた。
「あのね、前から訊かなくちゃって思ってたのだけど」
「何?」
「その、ね、アレックスにはお母さん以外の家族って、いないの?」
「いないよ」
返事が、少し速過ぎたかもしれない。
アレッサンドロは口調を和らげて繰り返す。
「僕にはもう家族なんていないよ」
「でも、小さい頃に住んでいたところに戻ったら、誰かいるかもしれないよ? 探さなくていいの?」
「要らない」
きっぱりと告げて、アレッサンドロはステラの目を真っ直ぐに見つめた。
「僕はここにいたい。ステラの傍にいたいんだ」
「アレックス……」
アレッサンドロはともに泥にまみれたステラの手を取り握り締める。
「ここにいさせて。ステラのことはずっと僕が守ってあげるから」
「違うよ。そうじゃなくて、そんなことしなくても、アレックスがここにいたいならいたらいいんだよ」
請うたアレッサンドロに、ステラは大きくかぶりを振った。そんなつもりではなかったと、身体中で訴えるように。
アレッサンドロはホッと息をつき、ステラの目を覗き込む。
「僕はステラにずっと笑っていて欲しい。だから、そのためなら何だってするよ」
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ステラは微笑み、アレッサンドロの手をギュゥと握り返してきた。
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ステラの為に。
「ありがと。でも、アレックスは、一番にアレックスのこと、ちゃんと大事にしてね」
「わかった」
頷きつつも、その約束は守れそうにないと、アレッサンドロは思った。
(だって、ステラ以上に大事なものなんて、もうないんだ。ステラが幸せでないなら、僕だって幸せになんてなれない)
ステラに笑いかけられて、アレッサンドロも笑い返す。
アレッサンドロは、笑顔のステラの前でしか、笑えない。
だから、彼女を守るためなら、彼女の笑顔を守るためなら、何でもできる。
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