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色付く想い-2
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午後外来の最後の患者を診察室から送り出し、清一郎はフウと息をつく。今日の患者達はまずまず聞き分けの良い者ばかりで、順調に終わらせることができた。
この後病棟の患者を診に行くのだが、いつも、清一郎は病棟に上がる前に外来のパソコンで入院患者の状態をざっと把握しておく。血圧や脈拍、朝の回診後に出てきた患者の訴えなど、そんなことを。
電子カルテというものは、実に便利な代物だ。清一郎の上司などは、未だに「昔は大変だったと」ぼやくことがある。紙のカルテだった頃は、何をするにも分厚いカルテがある病棟なり外来なりに行かなければならなかったらしい。今はパソコンさえあれば、患者のID一つで他の場所に居ながらいつでも操作できるのだ。
循環器内科があるのは六階病棟で、彼はそのページを開く。患者の一覧を表示し、一人一人のカルテを開いては閉じ、を繰り返して一通り目を通した。特に容体に変化のある者はいないようだ。
用が済んでログアウトしかけたところで、清一郎は手を止めた。
少し考えて、四階のカルテを開く――そこは、小児科病棟だ。
パッと目が引かれるのは、雨宮キラという名前。
電子カルテにはその患者が入院している日数も表示されるのだが、彼女のその数字は、もう二ヶ月を越えていた。
彼女の名前をクリックして、清一郎はカルテを開く。
主治医である岩崎の診察記事と、看護師の短い記録。
特に状態の変化の記載はないが、『主訴』の欄にある文に、彼の目が留まった。そこにあるのは、キラの訴え――希望、だ。
『評価』と『方針』の記載欄にははっきりしたことは書かれていなくて、キラが要求したことに対して、岩崎が許可を出すべきかどうか決め兼ねていることが伝わってくる。
少し遡って、検査結果に目を通してみた。
時系列で追ってみて、清一郎の眉間にはしわが寄る。
何度かそれを読み返してから、彼はパソコンを閉じて腰を上げた。
十年来の習慣で、清一郎の足は意識をしていなくても勝手に非常階段へ向かう。二階から三階、三階から四階へと上がり――小児科病棟へと出る扉のある踊り場で、清一郎は立ち止った。
少し迷って、そこをくぐる。
そこは、相変わらずどこか華やかだった。
非常扉を出るとすぐにエレベーターホール、そして見舞い客と過ごすことのできるデイルームがある。廊下とデイルーム内を隔てているガラスの仕切りには、他の病棟にはない、色々なキャラクターのイラストが貼られていた。
何気なくそちらへ目を向けた清一郎は、見慣れた背中に吸い寄せられる。
ふわふわの髪に、華奢な肩。
病院のものではないパジャマに、カーディガンを羽織っている。
後姿でも、それがキラだという事はすぐに判った。
歩き出して、彼女の前にいるのが前に見かけた男子生徒だという事に清一郎は気付く――見舞いに来ているのが、彼だけだという事に。
(いつもの子は、いないのか……?)
いつもキラの見舞いに来ているのは、真っ直ぐな黒髪をした眼鏡の少女だ。しかし今は、彼女も一緒にいるようには、見えない。
キラの前にいる少年は、楽しそうだ。
――キラも、楽しそうにしているのだろうか。
ふと、清一郎は彼女の表情が、気になった。
きっと、笑顔に違いない。
キラは学校がとても好きだし、あの少年も、わざわざ見舞いに来たということは、それなりに親しくしている相手の筈だ。
(親しい……どれくらい……?)
普通、男子高校生が一人で女子の元へ見舞いには来ないだろう。何か、特別な関係でもない限りは。
別に、清一郎に二人の邪魔をする気はなかった。
全く。
特に深く考えることなく、彼は真っ直ぐにデイルームの入り口へと向かう。と、廊下に近い席にいる二人の会話が、盗み聞きする気などなかった清一郎の耳に届いてきた。
そして。
「瀧先生は熱心だから」
何だかやけに慌てたようなキラの声で唐突に響いた彼自身の名前に、思わず足が止まる。更に聞こえてくる、うわずった彼女の声。
「ホントに、全然、そんなことないんだからね? 確かに、時々、お話はするけど……先生はわたしよりずっと大人だもん。倍くらいの年だよ?」
「まあ、確かにオッサンではあるわな」
(……オッサン?)
ムッと清一郎は眉間に皺を寄せる。
確かに、キラは十七歳。そして彼は三十五歳だ。
今まで、清一郎に自分が年を取ったという意識はなかった。三十歳も半ばを迎えても、だからと言って、別に何という事もない――なかった。
が。
(オッサン?)
もう一度、胸の中で呟いた。
その一言が、やけに耳に残る。
と、固まった彼の目の前で、突然クルリとキラが振り返った。
まともに視線が合って、清一郎はまじまじと彼女を見つめてしまう。
確かに、キラは若かった。
元々小柄な彼女が座っていると、立っている彼からしたら当然更に小さく見える。
顔の作りもどちらかというと、いや、明らかに童顔だ。
実際の年齢は、下手をしたら彼の娘とも言えるほどのもので、見た目が幼いから、余計にそれを実感する。
(だが、彼女は外見通りの者じゃない)
清一郎は、まるで誰かに言い訳をするように、胸の中でそう呟いた。
――キラの内面は、老成している。
ある面では、彼女の方が清一郎よりも成熟しているのではないだろうかと思うことがあるくらいに。
清一郎の目がついキラに向いてしまうのは、そのギャップのせいなのかもしれない。
天真爛漫で幼いようにも見える彼女が時折見せる、大人びた横顔。
弱さと同居する、強さ。
キラが語る言葉は、清一郎に何かをもたらすのだ。
そして、彼女が笑うと、清一郎の中で何かが動く。
そう、彼女の存在は、いつの間にか彼の中で『数多いる患者のうちの一人』ではなくなりつつあった。
(これは、僕にとって良い事なのか? それとも……)
無言で自問をしても、答えは見つからなかった――今は、まだ。
清一郎は踵を返し、出てきた場所、階段に続く非常扉へと向かう。
扉を押し開け、閉めると、病棟のざわめきはシャットアウトされて自分の呼吸の音が耳に付く。
先ほどのキラの姿を思い返し、そして、彼女の前に座っていた少年のことが思い浮かんだ。
――彼は、キラが付き合っている相手だろうか。
不意に、そんな疑問が頭に湧いた。
そうであっても、おかしくはない。キラは十七歳の少女だし、彼女なら誰からも好かれるに違いない。
少年は、本来キラが属しているべき世界の者だ。
病院は、彼女にふさわしい場所ではない。
本当は、学校や、街や、そういう所で、明るい笑い声を響かせているような少女なのだ。けれど、病気が、それを歪めてしまった。
あるべき場所に、彼女を帰してやりたいと思う。
あるべき場所、そして共にあるべき人の間に。
それは断じて病院ではなく、医者や看護師でもなかった。
そう思った瞬間、何故か清一郎の鳩尾がギュッと縮まったような痛みを訴える。
彼は扉に寄りかかり、胸元を握り締めた。
不快な痛みは一瞬で消え失せ、何も無くなる。
多分、気の所為だったのだろう。
清一郎は小さく息をつき、先ほどの二人の様子を思い返した。
きっと彼が、彼女の生きる理由であり死ねない理由の一つなのだ。
キラを、この世に引き止めているもの。
それは大事な存在だ。そう思うのに、何故か清一郎の胸がざわつく。
ふと、彼は思った。
自分も、キラを引き止めるいくばくかの理由になっているのだろうかと。
ほんのわずかでもつながりを持てば、彼女という人はそれを無下にはできない筈だ。
そう思った瞬間、清一郎は、自分が彼女にとってそういう存在であることを強く願った。
(これは、この気持ちは、きっと彼女を死なせたくないからだ)
医者であるからには、患者を死なせたくないと思う。だから、当然湧き上がって然るべき感情だ。そう考えて、彼は頭を振る。
(『感情』? いいや、違う、『考え』だ)
清一郎は、感情では動かない。彼の行動規範は感情などではない。
断じて。
清一郎は頭を一振りすると、再び階段を上り始めた。彼を待つ患者のいる病棟を目指して。
そこにいる何十人もの人間の中に、キラに対して抱くような考えを彼に起こさせる者はいなかったという事実には、気付かないふりをした。
この後病棟の患者を診に行くのだが、いつも、清一郎は病棟に上がる前に外来のパソコンで入院患者の状態をざっと把握しておく。血圧や脈拍、朝の回診後に出てきた患者の訴えなど、そんなことを。
電子カルテというものは、実に便利な代物だ。清一郎の上司などは、未だに「昔は大変だったと」ぼやくことがある。紙のカルテだった頃は、何をするにも分厚いカルテがある病棟なり外来なりに行かなければならなかったらしい。今はパソコンさえあれば、患者のID一つで他の場所に居ながらいつでも操作できるのだ。
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少し考えて、四階のカルテを開く――そこは、小児科病棟だ。
パッと目が引かれるのは、雨宮キラという名前。
電子カルテにはその患者が入院している日数も表示されるのだが、彼女のその数字は、もう二ヶ月を越えていた。
彼女の名前をクリックして、清一郎はカルテを開く。
主治医である岩崎の診察記事と、看護師の短い記録。
特に状態の変化の記載はないが、『主訴』の欄にある文に、彼の目が留まった。そこにあるのは、キラの訴え――希望、だ。
『評価』と『方針』の記載欄にははっきりしたことは書かれていなくて、キラが要求したことに対して、岩崎が許可を出すべきかどうか決め兼ねていることが伝わってくる。
少し遡って、検査結果に目を通してみた。
時系列で追ってみて、清一郎の眉間にはしわが寄る。
何度かそれを読み返してから、彼はパソコンを閉じて腰を上げた。
十年来の習慣で、清一郎の足は意識をしていなくても勝手に非常階段へ向かう。二階から三階、三階から四階へと上がり――小児科病棟へと出る扉のある踊り場で、清一郎は立ち止った。
少し迷って、そこをくぐる。
そこは、相変わらずどこか華やかだった。
非常扉を出るとすぐにエレベーターホール、そして見舞い客と過ごすことのできるデイルームがある。廊下とデイルーム内を隔てているガラスの仕切りには、他の病棟にはない、色々なキャラクターのイラストが貼られていた。
何気なくそちらへ目を向けた清一郎は、見慣れた背中に吸い寄せられる。
ふわふわの髪に、華奢な肩。
病院のものではないパジャマに、カーディガンを羽織っている。
後姿でも、それがキラだという事はすぐに判った。
歩き出して、彼女の前にいるのが前に見かけた男子生徒だという事に清一郎は気付く――見舞いに来ているのが、彼だけだという事に。
(いつもの子は、いないのか……?)
いつもキラの見舞いに来ているのは、真っ直ぐな黒髪をした眼鏡の少女だ。しかし今は、彼女も一緒にいるようには、見えない。
キラの前にいる少年は、楽しそうだ。
――キラも、楽しそうにしているのだろうか。
ふと、清一郎は彼女の表情が、気になった。
きっと、笑顔に違いない。
キラは学校がとても好きだし、あの少年も、わざわざ見舞いに来たということは、それなりに親しくしている相手の筈だ。
(親しい……どれくらい……?)
普通、男子高校生が一人で女子の元へ見舞いには来ないだろう。何か、特別な関係でもない限りは。
別に、清一郎に二人の邪魔をする気はなかった。
全く。
特に深く考えることなく、彼は真っ直ぐにデイルームの入り口へと向かう。と、廊下に近い席にいる二人の会話が、盗み聞きする気などなかった清一郎の耳に届いてきた。
そして。
「瀧先生は熱心だから」
何だかやけに慌てたようなキラの声で唐突に響いた彼自身の名前に、思わず足が止まる。更に聞こえてくる、うわずった彼女の声。
「ホントに、全然、そんなことないんだからね? 確かに、時々、お話はするけど……先生はわたしよりずっと大人だもん。倍くらいの年だよ?」
「まあ、確かにオッサンではあるわな」
(……オッサン?)
ムッと清一郎は眉間に皺を寄せる。
確かに、キラは十七歳。そして彼は三十五歳だ。
今まで、清一郎に自分が年を取ったという意識はなかった。三十歳も半ばを迎えても、だからと言って、別に何という事もない――なかった。
が。
(オッサン?)
もう一度、胸の中で呟いた。
その一言が、やけに耳に残る。
と、固まった彼の目の前で、突然クルリとキラが振り返った。
まともに視線が合って、清一郎はまじまじと彼女を見つめてしまう。
確かに、キラは若かった。
元々小柄な彼女が座っていると、立っている彼からしたら当然更に小さく見える。
顔の作りもどちらかというと、いや、明らかに童顔だ。
実際の年齢は、下手をしたら彼の娘とも言えるほどのもので、見た目が幼いから、余計にそれを実感する。
(だが、彼女は外見通りの者じゃない)
清一郎は、まるで誰かに言い訳をするように、胸の中でそう呟いた。
――キラの内面は、老成している。
ある面では、彼女の方が清一郎よりも成熟しているのではないだろうかと思うことがあるくらいに。
清一郎の目がついキラに向いてしまうのは、そのギャップのせいなのかもしれない。
天真爛漫で幼いようにも見える彼女が時折見せる、大人びた横顔。
弱さと同居する、強さ。
キラが語る言葉は、清一郎に何かをもたらすのだ。
そして、彼女が笑うと、清一郎の中で何かが動く。
そう、彼女の存在は、いつの間にか彼の中で『数多いる患者のうちの一人』ではなくなりつつあった。
(これは、僕にとって良い事なのか? それとも……)
無言で自問をしても、答えは見つからなかった――今は、まだ。
清一郎は踵を返し、出てきた場所、階段に続く非常扉へと向かう。
扉を押し開け、閉めると、病棟のざわめきはシャットアウトされて自分の呼吸の音が耳に付く。
先ほどのキラの姿を思い返し、そして、彼女の前に座っていた少年のことが思い浮かんだ。
――彼は、キラが付き合っている相手だろうか。
不意に、そんな疑問が頭に湧いた。
そうであっても、おかしくはない。キラは十七歳の少女だし、彼女なら誰からも好かれるに違いない。
少年は、本来キラが属しているべき世界の者だ。
病院は、彼女にふさわしい場所ではない。
本当は、学校や、街や、そういう所で、明るい笑い声を響かせているような少女なのだ。けれど、病気が、それを歪めてしまった。
あるべき場所に、彼女を帰してやりたいと思う。
あるべき場所、そして共にあるべき人の間に。
それは断じて病院ではなく、医者や看護師でもなかった。
そう思った瞬間、何故か清一郎の鳩尾がギュッと縮まったような痛みを訴える。
彼は扉に寄りかかり、胸元を握り締めた。
不快な痛みは一瞬で消え失せ、何も無くなる。
多分、気の所為だったのだろう。
清一郎は小さく息をつき、先ほどの二人の様子を思い返した。
きっと彼が、彼女の生きる理由であり死ねない理由の一つなのだ。
キラを、この世に引き止めているもの。
それは大事な存在だ。そう思うのに、何故か清一郎の胸がざわつく。
ふと、彼は思った。
自分も、キラを引き止めるいくばくかの理由になっているのだろうかと。
ほんのわずかでもつながりを持てば、彼女という人はそれを無下にはできない筈だ。
そう思った瞬間、清一郎は、自分が彼女にとってそういう存在であることを強く願った。
(これは、この気持ちは、きっと彼女を死なせたくないからだ)
医者であるからには、患者を死なせたくないと思う。だから、当然湧き上がって然るべき感情だ。そう考えて、彼は頭を振る。
(『感情』? いいや、違う、『考え』だ)
清一郎は、感情では動かない。彼の行動規範は感情などではない。
断じて。
清一郎は頭を一振りすると、再び階段を上り始めた。彼を待つ患者のいる病棟を目指して。
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