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フラウの願い
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雷を身にまとっているかのようなアストールの姿に、フラウは言葉を失う。彼を中心に空気が渦巻き、道の両脇に生い茂る木々の枝が、今にも弾けてしまいそうな勢いでバサバサと揺れていた。
「これはまた、厄介な。私の人生はここで終わるかもしれませんね」
向かいでこぼされたカイの不穏な呟きに振り向こうとしたとき、フラウの身体がふわりと浮き上がる。そのまま不可視の力に運ばれて、我に返ったときにはアストールの腕に包まれていた。
「あの、アストールさま……?」
名前を呼んだフラウの口を封じるように、アストールが彼女をきつく抱きすくめる。フラウの顔はアストールの胸に押し付けられているから、彼の表情を見て取ることはできない。けれど、広い胸も強い腕も今は小刻みに震えていて、アストールが今どんな思いでいるかが、否が応にも伝わってきた。
アストールから離れないと約束したのに。
ずっと傍にいると、誓ったのに。
(謝らなくちゃ)
こんなにも心配させてしまうことになるなんて、思っていなかった。
ただ、アストールに知られたら止められてしまうということしか、頭になかった。
アストールを傷付けてしまったことで、フラウの胸も切り付けられたように痛む。
「アストールさま」
フラウの呼びかけに、応えはない。代わりに、放すものかと言わんばかりに腕に力が込められた。まるで、雛を守る母鳥のように頑なに。
そんなふうにアストールに包まれているからフラウには周囲の光景を目にすることはできなかったけれども、音は耳に入ってくる。
風が唸る音に、馬の不安そうな嘶き。今の破裂音は、何が砕けたものだろう。
アストールの力が、暴走している。フラウごと硬い殻に閉じこもってしまったような彼は、力を制御できていないことにも気づいていないようだった。
フラウはキュッと唇を噛んだ。
このままでは、誰かが怪我をしてしまう。そうなれば、また、アストールも深い傷を負うだろう。身体にではなく、心に。
それだけは、避けなければ。
(アストールさま)
届かぬ声の代わりにフラウは懸命に腕を伸ばしてアストールを抱き締めた。
(全部、わたしにください)
アストールを想えば想うほど、触れ合うところから彼の魔力が流れ込んでくる。四方に放散していた力が、一転、フラウめがけて押し寄せる。その激しさにフラウは眩暈を覚えたけれど、彼女はアストールを抱き締める手を緩めなかった。この身が破裂することになっても、構わない。彼の全てを受け止めたかった。
いくらフラウが奪っても、アストールの魔力はとめどなく溢れ出してくる。
(アストールさま……アストールさま)
フラウは心の中で繰り返し彼の名を呼びながら、怒涛のような魔力を受け入れ続けた。
――どれほどそうしていたことか。
蛇口から迸っていた水が尽きるように次第に流れ込んでくる勢いが弱まって、ふつりと止まる。
と、固く目を閉じてアストールに縋り付いていたフラウの頬に、大きな手がそっと触れてきた。労わるような、慈しむようなその温もりに、フラウはいつもの彼を感じて小さく息をつく。見上げると、その手と同じ温もりを満たした眼差しが見つめ返してきた。
(ああ、いつものアストールさまだ)
フラウはホッと頬を緩める。
「アス――」
「覚悟はできているのだろうな」
呼びかけようとしたところを切りつけるような口調で遮られて、フラウは息を呑んだ。
アストールが、怒っている。
それは当然だ。彼の言いつけを破って塔を抜け出したのだから。
「あの、ごめ――」
が、フラウが謝罪の言葉を口にするより先に、カイの声が届く。
「私は何もしていませんよ」
馬車から降りて静かにそう答えたカイに、アストールはギシリと歯を食いしばった。そうして、また、フラウを胸の中に抱え込む。まるで、カイから隠そうとするかのように。
「お前以外に誰がいる」
「そうはおっしゃっても、本当に私は何もしていません。彼女にお訊きになられては?」
「お前が力を使ったのなら、フラウの言葉になど何の意味もないだろうが」
「今回、私はこの力を用いる許可を受けていません。そう申し上げたではないですか」
「鵜呑みにできるか。とにかく、早く術を解け」
「ですから、私は何もしていません、と申し上げていますでしょう」
「フラウが自分から僕の言いつけを破ることはない。勝手に僕から離れることはないんだ」
欠片も疑心を持たずにそう断言したアストールに、フラウの胸が痛んだ。アストールとカイの遣り取りは今一つ良く解らないけれども、アストールがフラウのことを信じているから彼らが揉めているのは確かだ。
フラウはアストールと目を合わせようと、グイグイと彼の胸を押す。けれど、アストールは反応しない。いくらフラウが非力でも、何も感じていないわけではないと思うのだが。
フラウは顔を上げることを諦めて、目の前を占めているアストールの胸に向かって告げる。
「あの、アストールさま、ごめんなさい。わたしが自分から馬車に隠れたんです」
言いつけを破ったのだから、当然、叱られるものだと思っていた。
が。
「お前は悪くない。悪いのはカイだ」
「え?」
アストールの返事にフラウが目をしばたたかせると、彼女を閉じ込めていた力が緩んだ。フラウが頭を反らせて見上げると、アストールの渋面と目が合った。
「お前はカイに操られている」
断言されて、フラウは思わず眉根を寄せる。
「そんなことはないです」
「いや、ある。カイが一番得意としているのは精神操作だ。お前は操られているという自覚がないだけなんだ」
「違います! 本当にわたしはわたしの意思で馬車に乗ったんです!」
「そう思わせるのがあいつの力だ。でなければ、お前が王都に行こうなどと思う筈がない。そうしたいと欠片も思ってもいないことを、カイならさせられる」
そう言って、アストールは再びフラウを引き寄せようとした。恐らく、フラウが『自分の意思でなく』カイのもとへ行こうとするのを止めるために。
(そうじゃないのに)
フラウは精一杯の力を込めて、アストールの腕を振り払う。今度は彼も不意を突かれたのか、逃れることができた。
「フラウ、僕から離れるな」
険しい顔でまた手を伸ばしてきたアストールから、フラウは一歩後ずさる。そうして、彼を見上げた。
「わたしがしたいのは、『王都に行くこと』じゃないです」
「フラウ?」
訝しげなアストールと真っ直ぐに眼を合わせ、フラウは告げる。
「わたしがしたいのは、『アストールさまを笑わせること』です」
「いったい、何を言っている」
「わたしはアストールさまにもっと幸せになって欲しい……もっともっと、笑って欲しいんです。アストールさま、エマさんのこと、大好きなのでしょう? 本当はお会いになりたいんじゃないですか? でも、エマさんを怪我させてしまったことがお辛くて、お会いになれないのかなって……だから、エマさんのお怪我を治せばって……」
胸の前で固く手を握り合わせて見つめるフラウから、しかし、アストールはふいと視線を逸らす。
「エマには、僕ができる限りのことをしている。お前の力は必要ない」
「でも、アストールさま――」
「いいんだ。お前は王都になんて行かなくていい。エマのこともお前には関係のないことだ」
「アストールさまの大事な方なら、わたしにとっても大事な方です!」
懸命に言い募ったフラウを、アストールは片手を振って退ける。
「僕の大事なものはお前だ。お前を危険に晒すようなことは絶対にさせない。その力を知る者が増えれば増えるほど、お前の身が危険になる。だから、お前の力は使わせない」
「でも、それじゃ、エマさんが……わたしには治せるんですよね? だったら、やりたいです。やってみたいです」
フラウの言葉に、アストールの頬が微かに歪んだ。けれど、彼はかぶりを振る。
「だめだ。エマのことはいい。お前を守るためなら、僕は他の何を犠牲にしても構わない」
「わたしはそんなの嫌です!」
アストールを遮る勢いで声を張り上げたフラウに、彼は衝かれたように押し黙った。フラウはアストールの袖を掴んで身を乗り出す。
「わたしはアストールさまに楽しんで欲しいのです。もっと、アストールさまに笑っていて欲しいのです。アストールさまに、幸せでいて欲しいのです。エマさんのことがアストールさまの中で重石になっているのなら、それを取り除きたい。わたしの力でできるなら、そうしたいのです」
「フラウ……」
一歩も引かぬ構えで足を踏みしめたフラウに、アストールの眼が揺らいだ。
「これはまた、厄介な。私の人生はここで終わるかもしれませんね」
向かいでこぼされたカイの不穏な呟きに振り向こうとしたとき、フラウの身体がふわりと浮き上がる。そのまま不可視の力に運ばれて、我に返ったときにはアストールの腕に包まれていた。
「あの、アストールさま……?」
名前を呼んだフラウの口を封じるように、アストールが彼女をきつく抱きすくめる。フラウの顔はアストールの胸に押し付けられているから、彼の表情を見て取ることはできない。けれど、広い胸も強い腕も今は小刻みに震えていて、アストールが今どんな思いでいるかが、否が応にも伝わってきた。
アストールから離れないと約束したのに。
ずっと傍にいると、誓ったのに。
(謝らなくちゃ)
こんなにも心配させてしまうことになるなんて、思っていなかった。
ただ、アストールに知られたら止められてしまうということしか、頭になかった。
アストールを傷付けてしまったことで、フラウの胸も切り付けられたように痛む。
「アストールさま」
フラウの呼びかけに、応えはない。代わりに、放すものかと言わんばかりに腕に力が込められた。まるで、雛を守る母鳥のように頑なに。
そんなふうにアストールに包まれているからフラウには周囲の光景を目にすることはできなかったけれども、音は耳に入ってくる。
風が唸る音に、馬の不安そうな嘶き。今の破裂音は、何が砕けたものだろう。
アストールの力が、暴走している。フラウごと硬い殻に閉じこもってしまったような彼は、力を制御できていないことにも気づいていないようだった。
フラウはキュッと唇を噛んだ。
このままでは、誰かが怪我をしてしまう。そうなれば、また、アストールも深い傷を負うだろう。身体にではなく、心に。
それだけは、避けなければ。
(アストールさま)
届かぬ声の代わりにフラウは懸命に腕を伸ばしてアストールを抱き締めた。
(全部、わたしにください)
アストールを想えば想うほど、触れ合うところから彼の魔力が流れ込んでくる。四方に放散していた力が、一転、フラウめがけて押し寄せる。その激しさにフラウは眩暈を覚えたけれど、彼女はアストールを抱き締める手を緩めなかった。この身が破裂することになっても、構わない。彼の全てを受け止めたかった。
いくらフラウが奪っても、アストールの魔力はとめどなく溢れ出してくる。
(アストールさま……アストールさま)
フラウは心の中で繰り返し彼の名を呼びながら、怒涛のような魔力を受け入れ続けた。
――どれほどそうしていたことか。
蛇口から迸っていた水が尽きるように次第に流れ込んでくる勢いが弱まって、ふつりと止まる。
と、固く目を閉じてアストールに縋り付いていたフラウの頬に、大きな手がそっと触れてきた。労わるような、慈しむようなその温もりに、フラウはいつもの彼を感じて小さく息をつく。見上げると、その手と同じ温もりを満たした眼差しが見つめ返してきた。
(ああ、いつものアストールさまだ)
フラウはホッと頬を緩める。
「アス――」
「覚悟はできているのだろうな」
呼びかけようとしたところを切りつけるような口調で遮られて、フラウは息を呑んだ。
アストールが、怒っている。
それは当然だ。彼の言いつけを破って塔を抜け出したのだから。
「あの、ごめ――」
が、フラウが謝罪の言葉を口にするより先に、カイの声が届く。
「私は何もしていませんよ」
馬車から降りて静かにそう答えたカイに、アストールはギシリと歯を食いしばった。そうして、また、フラウを胸の中に抱え込む。まるで、カイから隠そうとするかのように。
「お前以外に誰がいる」
「そうはおっしゃっても、本当に私は何もしていません。彼女にお訊きになられては?」
「お前が力を使ったのなら、フラウの言葉になど何の意味もないだろうが」
「今回、私はこの力を用いる許可を受けていません。そう申し上げたではないですか」
「鵜呑みにできるか。とにかく、早く術を解け」
「ですから、私は何もしていません、と申し上げていますでしょう」
「フラウが自分から僕の言いつけを破ることはない。勝手に僕から離れることはないんだ」
欠片も疑心を持たずにそう断言したアストールに、フラウの胸が痛んだ。アストールとカイの遣り取りは今一つ良く解らないけれども、アストールがフラウのことを信じているから彼らが揉めているのは確かだ。
フラウはアストールと目を合わせようと、グイグイと彼の胸を押す。けれど、アストールは反応しない。いくらフラウが非力でも、何も感じていないわけではないと思うのだが。
フラウは顔を上げることを諦めて、目の前を占めているアストールの胸に向かって告げる。
「あの、アストールさま、ごめんなさい。わたしが自分から馬車に隠れたんです」
言いつけを破ったのだから、当然、叱られるものだと思っていた。
が。
「お前は悪くない。悪いのはカイだ」
「え?」
アストールの返事にフラウが目をしばたたかせると、彼女を閉じ込めていた力が緩んだ。フラウが頭を反らせて見上げると、アストールの渋面と目が合った。
「お前はカイに操られている」
断言されて、フラウは思わず眉根を寄せる。
「そんなことはないです」
「いや、ある。カイが一番得意としているのは精神操作だ。お前は操られているという自覚がないだけなんだ」
「違います! 本当にわたしはわたしの意思で馬車に乗ったんです!」
「そう思わせるのがあいつの力だ。でなければ、お前が王都に行こうなどと思う筈がない。そうしたいと欠片も思ってもいないことを、カイならさせられる」
そう言って、アストールは再びフラウを引き寄せようとした。恐らく、フラウが『自分の意思でなく』カイのもとへ行こうとするのを止めるために。
(そうじゃないのに)
フラウは精一杯の力を込めて、アストールの腕を振り払う。今度は彼も不意を突かれたのか、逃れることができた。
「フラウ、僕から離れるな」
険しい顔でまた手を伸ばしてきたアストールから、フラウは一歩後ずさる。そうして、彼を見上げた。
「わたしがしたいのは、『王都に行くこと』じゃないです」
「フラウ?」
訝しげなアストールと真っ直ぐに眼を合わせ、フラウは告げる。
「わたしがしたいのは、『アストールさまを笑わせること』です」
「いったい、何を言っている」
「わたしはアストールさまにもっと幸せになって欲しい……もっともっと、笑って欲しいんです。アストールさま、エマさんのこと、大好きなのでしょう? 本当はお会いになりたいんじゃないですか? でも、エマさんを怪我させてしまったことがお辛くて、お会いになれないのかなって……だから、エマさんのお怪我を治せばって……」
胸の前で固く手を握り合わせて見つめるフラウから、しかし、アストールはふいと視線を逸らす。
「エマには、僕ができる限りのことをしている。お前の力は必要ない」
「でも、アストールさま――」
「いいんだ。お前は王都になんて行かなくていい。エマのこともお前には関係のないことだ」
「アストールさまの大事な方なら、わたしにとっても大事な方です!」
懸命に言い募ったフラウを、アストールは片手を振って退ける。
「僕の大事なものはお前だ。お前を危険に晒すようなことは絶対にさせない。その力を知る者が増えれば増えるほど、お前の身が危険になる。だから、お前の力は使わせない」
「でも、それじゃ、エマさんが……わたしには治せるんですよね? だったら、やりたいです。やってみたいです」
フラウの言葉に、アストールの頬が微かに歪んだ。けれど、彼はかぶりを振る。
「だめだ。エマのことはいい。お前を守るためなら、僕は他の何を犠牲にしても構わない」
「わたしはそんなの嫌です!」
アストールを遮る勢いで声を張り上げたフラウに、彼は衝かれたように押し黙った。フラウはアストールの袖を掴んで身を乗り出す。
「わたしはアストールさまに楽しんで欲しいのです。もっと、アストールさまに笑っていて欲しいのです。アストールさまに、幸せでいて欲しいのです。エマさんのことがアストールさまの中で重石になっているのなら、それを取り除きたい。わたしの力でできるなら、そうしたいのです」
「フラウ……」
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