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孤児院の少女
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(今日は雪になるのかな)
寝起きをしている物置小屋の扉を開けたフラウは、白く漂った吐息に空を見上げた。
この時期、あまり青い空が見えることはなく、ここ数日そうであったように、重く垂れこめる灰色の雲が太陽の輝きを鈍らせている。あまり雪が降る地域ではないけれど、年に数回くらいはちらつくことがあるのだ。
(あんまり寒くなると、水が凍っちゃうな)
ほ、と息をついてもう一度顔の前に白い雲を作ってから、フラウは獣が入り込まないようにきちんと扉を閉め、皆が暮らしている建物の裏手に回った。勝手口の扉の前に、朝食と、布の塊がこんもりと詰め込まれた籠が五つ置かれている。この孤児院でのフラウの役割は、それらを洗って干すことだ。寒いせいでおねしょをする子が多かったのか、いつもよりも一つ多い。
「セイルの神よ、この糧をお与えくださってありがとうございます」
食事の前のお祈りの言葉は、フラウが孤児院に連れてこられたときに真っ先に教えられたことだ。いつものようにそれを呟いてから黒パンと温くなった牛乳を平らげると、フラウは両腕を精一杯伸ばして籠を抱え上げた。彼女はそれを、物置小屋の隣にある井戸へと運ぶ。四つ目を持ち上げるころには少し息が上がってきたけれど、いつもよりも多いのだから、急がなければ。
籠を全部運び終えると、今度は水汲みだ。
フラウは手押しポンプの取っ手にぶら下がるようにして、たらいの中に水を注ぎこんでいく。取っ手は彼女の胸の高さほどにあるから、ぶら下がるにはちょうど良い。けれど、体重の全てをかけてもたいして動かないから、水はなかなか溜まらない。
(明日起きたら大きくなれてたらいいのに)
毎日毎日、神さまに早く身体を大きくしてくださいとお願いしながら眠りに就くのだけれど、どうやら、彼女の声は届いていないようだ。残念ながら、さっぱり大きくなった気がしない。
フラウが身を置くこの孤児院はセイル教の修道院によって営まれていて、子どもたちの世話をしてくれている修道女たちは、何かにつけ、神さまに感謝をしなさいと言う。けれど、感謝というものは、何か良いことがあった時にするものなのではないだろうか。
だから、フラウは、食事以外でいつそれをしたら良いものなのか、今一つ判らない。
「もういいかな」
どうにかたらいの八分目ほどまで水を満たしたところで、フラウは呟いた。硝子よりも透き通ったそこへ手を差し入れると、たくさんの小さな針で刺されるようにピリピリする。洗い始めは痛い感じがするけれど、いつも、しばらくすれば何も感じなくなるのだ。敷布の一枚も洗い終わる頃にはジンジンと痺れた感じだけになってきて、もう痛みはない。
夏の、温い水の方がキレイになるのにな、と思いながら、フラウは洗い物を片付けていく。
しばらくして、朝食を終えた子どもたちが出てきたのか、遠くから歓声が響いてきた。孤児院の子どもたちはできることに応じて仕事が割り当てられたり、読み書きの勉強をしたりしているけれど、そのどちらもできない幼い子どもたちは自由に過ごしている。
フラウも、洗濯が終われば修道女が時々食事と一緒に置いておいてくれる絵本を読んでいて、近頃、ようやく文字が判るようになってきた。独りで過ごす時間は長いから、新しいものが届くまで、何度も何度も繰り返して読む。最近は、書くことも練習し始めていた。
黙々と手を動かしていた彼女に声が掛けられたのは、籠が三つ空になった時だった。
「フラウ」
その声が耳には入ってきたけれど、呼ばれることが滅多にないせいか、それが自分に向けられたものだとは気付けなかった。
「フラウ!」
強い声に、フラウはビクリと肩を跳ねさせる。
声を掛けられるということそのものもだけれど、フラウという名前も拾われてから院長がつけてくれたもので、もらったはいいものの、滅多に呼ばれることがない。だからか、自分のものだという実感があまり持てていなかった。
振り返ると、数歩離れた場所に修道女が立っていた。彼女たちは、それ以上近づいてくることはない。修道女だけでなく、ここに預けられている子どもたちもだ。
フラウには、誰も近づかない。
こうやって、裏で洗濯を任されているのも、それが独りでできる作業だからだ。物置で寝起きをしているのも、他の子や修道女と距離を置くため。
フラウがこの孤児院に連れてこられてから三度ほど季節が廻ったけれども、誰かがこれほど近くに来たことは、数えるほどしかなかった。ここに来る前までは、人が近寄ってきたときにはあまり良いことがなかったので、まだ少し身構えてしまう。
立ち上がったフラウに、修道女がその場に留まったまま告げる。
「あなたの引き取り手が決まりました」
「……え?」
フラウは、目をしばたたかせた。
修道女の言葉の意味が、一瞬解らなかったからだ。
キョトンとしているフラウに、彼女が再び口を開く。
「三日後に、迎えが来ます」
「むか、え?」
その一言を繰り返しながら思わず一歩を踏み出すと、修道女が顔を引きつらせてフラウの二歩分後ずさった。そうしてしまってから、取り繕うように微笑みを浮かべる。
「ええ。さるお方のところでお掃除や洗濯をさせていただくことになります。その方と料理人だけでお住まいとのことですから、きっと、あなたでも大丈夫よ。とても高貴なお方だもの……あなたとお会いになることなんてないわ」
修道女の言葉の最後の方は呟くようで、あまり聞き取れなかったフラウは小さく首をかしげた。
「ああ、いえ、何でもないのよ」
修道女は慌てた口調でそう言って、かぶりを振った。
「ここよりも人が少ないのだし、あなたにも良いことよ。良いご縁だと思うわ」
まるでフラウがそこに行きたくないと言い出すことを恐れているかのように、修道女は深く頷きながらニッコリと笑う。
掃除や、洗濯。
(でも、わたし、お洗濯しかしたことないけどな)
それでもいいのだろうか。
物置小屋の自分が寝起きするところは、キレイに片づけているつもりだけれど。
(それと同じ感じでやればいいのかな)
だったら、大丈夫かも。
フラウがコクリと頷いたのを同意と受け取ったのか、修道女が安堵に満ちた笑みを浮かべる。
「良かった。荷物をまとめておきなさいね。あちらに行っても、ここにいた時と同じように、人に触れないようにくれぐれもお気をつけなさい」
それは物心ついたころからもう何度も重ねられている言葉で、フラウはもう一度、今度は修道女に向けて頷いた。
「じゃあ、荷物を入れる鞄は明日の朝に戸口に出しておくわね」
そう告げて、修道女は足早に去って行く。その背中が建物の陰に消えるまで見送って、フラウは小さく息をついた。
(やっぱりここも、わたしがいていい場所じゃなかったんだ)
確かに、寝る場所があって、食べるものがあって。
生きていくことはできる場所。
でも、それだけだった。
風にのって、子どもたちの声がフラウに届く。
弾けるような、笑い声。
建物をグルッと回れば、彼女もその場所に行ける。けれども、フラウにそれは許されていない。フラウは、独りでいなければならないのだ。
「わたしにも、そばにいて良いよって言ってくれるひと、どこかにいるのかな」
フラウは、乾いた地面にこぼすように、ポツリと呟いた。
――もしもそんなひとが現れてくれたなら。
フラウはきっと、そのひとの為にどんなことでもできるだろう。
寝起きをしている物置小屋の扉を開けたフラウは、白く漂った吐息に空を見上げた。
この時期、あまり青い空が見えることはなく、ここ数日そうであったように、重く垂れこめる灰色の雲が太陽の輝きを鈍らせている。あまり雪が降る地域ではないけれど、年に数回くらいはちらつくことがあるのだ。
(あんまり寒くなると、水が凍っちゃうな)
ほ、と息をついてもう一度顔の前に白い雲を作ってから、フラウは獣が入り込まないようにきちんと扉を閉め、皆が暮らしている建物の裏手に回った。勝手口の扉の前に、朝食と、布の塊がこんもりと詰め込まれた籠が五つ置かれている。この孤児院でのフラウの役割は、それらを洗って干すことだ。寒いせいでおねしょをする子が多かったのか、いつもよりも一つ多い。
「セイルの神よ、この糧をお与えくださってありがとうございます」
食事の前のお祈りの言葉は、フラウが孤児院に連れてこられたときに真っ先に教えられたことだ。いつものようにそれを呟いてから黒パンと温くなった牛乳を平らげると、フラウは両腕を精一杯伸ばして籠を抱え上げた。彼女はそれを、物置小屋の隣にある井戸へと運ぶ。四つ目を持ち上げるころには少し息が上がってきたけれど、いつもよりも多いのだから、急がなければ。
籠を全部運び終えると、今度は水汲みだ。
フラウは手押しポンプの取っ手にぶら下がるようにして、たらいの中に水を注ぎこんでいく。取っ手は彼女の胸の高さほどにあるから、ぶら下がるにはちょうど良い。けれど、体重の全てをかけてもたいして動かないから、水はなかなか溜まらない。
(明日起きたら大きくなれてたらいいのに)
毎日毎日、神さまに早く身体を大きくしてくださいとお願いしながら眠りに就くのだけれど、どうやら、彼女の声は届いていないようだ。残念ながら、さっぱり大きくなった気がしない。
フラウが身を置くこの孤児院はセイル教の修道院によって営まれていて、子どもたちの世話をしてくれている修道女たちは、何かにつけ、神さまに感謝をしなさいと言う。けれど、感謝というものは、何か良いことがあった時にするものなのではないだろうか。
だから、フラウは、食事以外でいつそれをしたら良いものなのか、今一つ判らない。
「もういいかな」
どうにかたらいの八分目ほどまで水を満たしたところで、フラウは呟いた。硝子よりも透き通ったそこへ手を差し入れると、たくさんの小さな針で刺されるようにピリピリする。洗い始めは痛い感じがするけれど、いつも、しばらくすれば何も感じなくなるのだ。敷布の一枚も洗い終わる頃にはジンジンと痺れた感じだけになってきて、もう痛みはない。
夏の、温い水の方がキレイになるのにな、と思いながら、フラウは洗い物を片付けていく。
しばらくして、朝食を終えた子どもたちが出てきたのか、遠くから歓声が響いてきた。孤児院の子どもたちはできることに応じて仕事が割り当てられたり、読み書きの勉強をしたりしているけれど、そのどちらもできない幼い子どもたちは自由に過ごしている。
フラウも、洗濯が終われば修道女が時々食事と一緒に置いておいてくれる絵本を読んでいて、近頃、ようやく文字が判るようになってきた。独りで過ごす時間は長いから、新しいものが届くまで、何度も何度も繰り返して読む。最近は、書くことも練習し始めていた。
黙々と手を動かしていた彼女に声が掛けられたのは、籠が三つ空になった時だった。
「フラウ」
その声が耳には入ってきたけれど、呼ばれることが滅多にないせいか、それが自分に向けられたものだとは気付けなかった。
「フラウ!」
強い声に、フラウはビクリと肩を跳ねさせる。
声を掛けられるということそのものもだけれど、フラウという名前も拾われてから院長がつけてくれたもので、もらったはいいものの、滅多に呼ばれることがない。だからか、自分のものだという実感があまり持てていなかった。
振り返ると、数歩離れた場所に修道女が立っていた。彼女たちは、それ以上近づいてくることはない。修道女だけでなく、ここに預けられている子どもたちもだ。
フラウには、誰も近づかない。
こうやって、裏で洗濯を任されているのも、それが独りでできる作業だからだ。物置で寝起きをしているのも、他の子や修道女と距離を置くため。
フラウがこの孤児院に連れてこられてから三度ほど季節が廻ったけれども、誰かがこれほど近くに来たことは、数えるほどしかなかった。ここに来る前までは、人が近寄ってきたときにはあまり良いことがなかったので、まだ少し身構えてしまう。
立ち上がったフラウに、修道女がその場に留まったまま告げる。
「あなたの引き取り手が決まりました」
「……え?」
フラウは、目をしばたたかせた。
修道女の言葉の意味が、一瞬解らなかったからだ。
キョトンとしているフラウに、彼女が再び口を開く。
「三日後に、迎えが来ます」
「むか、え?」
その一言を繰り返しながら思わず一歩を踏み出すと、修道女が顔を引きつらせてフラウの二歩分後ずさった。そうしてしまってから、取り繕うように微笑みを浮かべる。
「ええ。さるお方のところでお掃除や洗濯をさせていただくことになります。その方と料理人だけでお住まいとのことですから、きっと、あなたでも大丈夫よ。とても高貴なお方だもの……あなたとお会いになることなんてないわ」
修道女の言葉の最後の方は呟くようで、あまり聞き取れなかったフラウは小さく首をかしげた。
「ああ、いえ、何でもないのよ」
修道女は慌てた口調でそう言って、かぶりを振った。
「ここよりも人が少ないのだし、あなたにも良いことよ。良いご縁だと思うわ」
まるでフラウがそこに行きたくないと言い出すことを恐れているかのように、修道女は深く頷きながらニッコリと笑う。
掃除や、洗濯。
(でも、わたし、お洗濯しかしたことないけどな)
それでもいいのだろうか。
物置小屋の自分が寝起きするところは、キレイに片づけているつもりだけれど。
(それと同じ感じでやればいいのかな)
だったら、大丈夫かも。
フラウがコクリと頷いたのを同意と受け取ったのか、修道女が安堵に満ちた笑みを浮かべる。
「良かった。荷物をまとめておきなさいね。あちらに行っても、ここにいた時と同じように、人に触れないようにくれぐれもお気をつけなさい」
それは物心ついたころからもう何度も重ねられている言葉で、フラウはもう一度、今度は修道女に向けて頷いた。
「じゃあ、荷物を入れる鞄は明日の朝に戸口に出しておくわね」
そう告げて、修道女は足早に去って行く。その背中が建物の陰に消えるまで見送って、フラウは小さく息をついた。
(やっぱりここも、わたしがいていい場所じゃなかったんだ)
確かに、寝る場所があって、食べるものがあって。
生きていくことはできる場所。
でも、それだけだった。
風にのって、子どもたちの声がフラウに届く。
弾けるような、笑い声。
建物をグルッと回れば、彼女もその場所に行ける。けれども、フラウにそれは許されていない。フラウは、独りでいなければならないのだ。
「わたしにも、そばにいて良いよって言ってくれるひと、どこかにいるのかな」
フラウは、乾いた地面にこぼすように、ポツリと呟いた。
――もしもそんなひとが現れてくれたなら。
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