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ライオンのしつけ方
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二月の京都の夜は寒い。
働いている小料理屋での仕事が終わり、百合はマフラーに頬を埋めるように首を竦めて、住処としているアパートを目指す。古い建物なので断熱ばっちり、というわけにはいかないけれど、ストーブを点ければそれなりに暖かくなる。今はとにかく、その温もりが恋しかった。
気を抜くと大きな足音を立ててしまう外階段を、夜も遅いので極力気を使って上った。
と、自分の部屋の前に佇む人影に気付いて、立ち止まる。何者かを確かめようと薄闇の中で目を凝らし――次の瞬間、思わず身を翻して、足音を気にする余裕もなく階段を駆け下りた。だが、ストライドの違いは顕著で、当然のことながら、さほど走らないうちに追いつかれてしまう。
グイと腕を掴まれて、思わず小さな悲鳴を漏らした。
「百合! 逃げてどうする!」
腹立たしげな、一智の声。
そんな、怒りを含んだ、甘さの欠片もない声でさえ、彼女の胸に言いようのない慕わしさをもたらす。
「放してください!」
足を踏ん張って掴まれている腕を引っこ抜こうとするが、それが叶う筈もない。
逆に、業を煮やした一智の腕の中に抱き込まれてしまう。数ヶ月ぶりに触れるその温もりに、百合の視界が滲んだ。
「百合、帰るぞ」
抱き締められたまま耳元で囁かれ、何度もそうされた夜を思い出し、百合の背中がぞくりとする。
――瞼を閉じたら、記憶に流されてしまう。
百合は大きく目を見開いて、絞り出すような声で彼に答えを返す。
「……無理です」
「何故」
「もう、あなたのお傍にはいられません」
「なんでだ?」
少し身体が離され、一智の手が顎にかかったかと思うと、百合は顔を仰向かされていた。真っ直ぐに見下ろしてくる彼の視線が、痛い。もともとシャープな輪郭だったが、肉が落ち、頬の辺りがいっそう鋭くなっている。
「……ちゃんと、ご飯を召し上がってますか?」
つい、そんな台詞が口からこぼれてしまった。
一智は一瞬ポカンとして、百合の遥か頭上から噛み付くような声で罵る。
「くそ! 飯なんか知るか!」
途端、近くの家の犬がやかましく吠えたてた。
目を上げなくとも、気配で、百合には一智が気まずげに唇を曲げているのがわかる。
しばらくお互い何も言わずにいたけれど、やがて彼が小さくため息をついた。それが前髪を揺らして、百合は微かに身を震わせる。
それを寒さからだと受け取ったのか、一智が、彼のコートの中に包み込むようにして、背中に腕をまわしてくる。
鼻腔をくすぐる彼の香り。
ピタリと寄り添う彼の硬い胸の温もり。
頭に押し付けられる彼の頬の感触。
その全てが、百合の心を揺さぶった。
知らぬうちに彼の懐に頬をすり寄せていた彼女の耳に、静かな声が届く。
「――何故、俺の傍にいられない?」
どこか、苦しそうな囁きだった。
百合は答えようとして、震えが抑えられない唇を何度か湿らせる。
「一智様が……私を望まれるのは、これまでの方たちとは毛色が違っているからです。外見も――反応も。物珍しさに慣れてしまえば、きっと……」
――飽きてしまう。
その言葉は、自分の口から出すことはできなかった。
ふと顎を捉える一智の力が抜けるのを感じ、百合は顔をそむける。きっと、図星を突いたに違いない。
少しの失望を含んだ諦念が、胸の中を満たしていく。
だが。
「お前に、そんなふうに思わせていたのか?」
一智のその声には、愕然とした響きが滲んでいた。
百合は彼の驚きにいぶかしさを覚える。
「ええ。だって、そうでしょう? 私は綺麗でもないし、スタイルだって良くないし、頭がいいわけでもない。これまで一智様がおつき合いなさってきた方々を振り返ってご覧なさいな。私に興味を示された理由なんて、一目瞭然でしょう?」
諭すように、百合は言い募る。自分を包む一智の腕が緩んだのは、彼自身も事実に気付いたからであろうか。
「ね? ですから、私のことは放っておいてください」
一歩下がって、微笑みながら百合は言う。彼女を絡め取っていた一智の腕が、力なく垂れ下がった。
「いやだ。俺はお前が欲しいんだ」
――ほら、その言葉。
百合は自嘲の笑みを漏らす。
彼は、『欲しい』と言う。
まるで、珍しい玩具か何かをせがむように。
「ご自分で気付かれていらっしゃらないだけです。三月もいいえ、ひと月もしたら、あれは何かの間違いだったとお気づきになりますよ」
「俺は、信じるに値しない?」
「信じるも何も……」
――最初から、単なる気の迷いなのだから。
百合は一歩も退かない覚悟で顎を引いた。ここで自分に負けたら、きっと一生後悔する。
「俺はお前が欲しい。多分この先一生、他の女になど、目移りはしない。どうやったら、納得するんだ?」
何と大仰な。
彼らしくない言葉に、百合は思わず苦笑する。
「無理はなさらないで下さい」
笑顔でそう言った彼女に、一智が奥歯を噛み締めるのがわかった。
こんなふうに苛立たしそうにするのも、自分の思ったとおりにならないからに違いない。何でも容易に手に入れることができてきたから、そうならないと、いっそうむきになるのだ。
――だったら、彼が飽きるまで傍にいたらどうかしら?
そんな囁きが誘いかけてくる。
けれど、そうしたら、自分はボロボロになってしまうだろう。
「どうか、お帰りになってください」
百合は潤んでくる視界の中、瞬きを堪えて一智を見つめる。
彼はしばらく押し黙っていたが、やがて強い光を宿した眼差しを百合に向けた。
「解った」
「お帰りいただけるのですか?」
自分が放った言葉が、チクリと胸に刺さる。だが、百合は辛うじて微笑みを保ち続けた。
一智は一瞬たりとも百合から目を逸らすことなく、続ける。
「ああ。今晩のところはな」
「え?」
「お前が理解できる方法で、俺の『誠意』を見せてやる」
「『誠意』?」
「そうだ。見ていろ、必ず俺はお前を納得させてやる。だから、二度と行方はくらますな。もしもまた姿を消したら必ず探し出して、今度は一生屋敷から出さないからな。地下牢でも作って閉じ込めてやる」
それだけ言うと彼が腕を伸ばし、百合は逃げる間もなく抱き寄せられた。
「これを最後に、お前が『いい』と言うまで、お前には触れない。でも、逢いには来るからな」
不意に、耳元が温かくなる。
「――逃げるなよ」
百合の耳に吐息を吹き込むような、囁き。
そっと彼女の耳朶に唇で触れると、一智はポケットを探って何かを取り出した。それは彼の手の中でシャラリと音を立てる。
百合がその正体に気付くよりも先に一智の腕が彼女の首にまわされ、何かヒヤリとしたものが項に触れた。
「これ……」
胸元を見下ろすと、いつか彼が渡そうとしたネックレスが光っている。
「それ、俺が選んだんだからな。女に渡すものを自分で選んだのは、それが初めてだ」
憮然とした顔でそう言う様子が、何だか妙に可愛く見える。
「『大事に想う相手にやれ』と言ったのは、お前だ。仕舞い込んだりするなよ? ちゃんと着けとけよな」
無くしたら大変だから、家に帰ったら仕舞っておこうと考えた百合の頭を覗き込んだかのように、一智が釘をさした。
「俺は、お前を諦めない」
噛み締めるようにそう囁いて百合を抱き締めると、首をかしげて唇を寄せてくる。射抜くような眼差しに囚われて、促されてもいないのに、勝手に顔が仰向いた。
――信じて、いいの?
目を閉じて彼の温かさに溺れながら、百合は心の中で問い掛けた。
働いている小料理屋での仕事が終わり、百合はマフラーに頬を埋めるように首を竦めて、住処としているアパートを目指す。古い建物なので断熱ばっちり、というわけにはいかないけれど、ストーブを点ければそれなりに暖かくなる。今はとにかく、その温もりが恋しかった。
気を抜くと大きな足音を立ててしまう外階段を、夜も遅いので極力気を使って上った。
と、自分の部屋の前に佇む人影に気付いて、立ち止まる。何者かを確かめようと薄闇の中で目を凝らし――次の瞬間、思わず身を翻して、足音を気にする余裕もなく階段を駆け下りた。だが、ストライドの違いは顕著で、当然のことながら、さほど走らないうちに追いつかれてしまう。
グイと腕を掴まれて、思わず小さな悲鳴を漏らした。
「百合! 逃げてどうする!」
腹立たしげな、一智の声。
そんな、怒りを含んだ、甘さの欠片もない声でさえ、彼女の胸に言いようのない慕わしさをもたらす。
「放してください!」
足を踏ん張って掴まれている腕を引っこ抜こうとするが、それが叶う筈もない。
逆に、業を煮やした一智の腕の中に抱き込まれてしまう。数ヶ月ぶりに触れるその温もりに、百合の視界が滲んだ。
「百合、帰るぞ」
抱き締められたまま耳元で囁かれ、何度もそうされた夜を思い出し、百合の背中がぞくりとする。
――瞼を閉じたら、記憶に流されてしまう。
百合は大きく目を見開いて、絞り出すような声で彼に答えを返す。
「……無理です」
「何故」
「もう、あなたのお傍にはいられません」
「なんでだ?」
少し身体が離され、一智の手が顎にかかったかと思うと、百合は顔を仰向かされていた。真っ直ぐに見下ろしてくる彼の視線が、痛い。もともとシャープな輪郭だったが、肉が落ち、頬の辺りがいっそう鋭くなっている。
「……ちゃんと、ご飯を召し上がってますか?」
つい、そんな台詞が口からこぼれてしまった。
一智は一瞬ポカンとして、百合の遥か頭上から噛み付くような声で罵る。
「くそ! 飯なんか知るか!」
途端、近くの家の犬がやかましく吠えたてた。
目を上げなくとも、気配で、百合には一智が気まずげに唇を曲げているのがわかる。
しばらくお互い何も言わずにいたけれど、やがて彼が小さくため息をついた。それが前髪を揺らして、百合は微かに身を震わせる。
それを寒さからだと受け取ったのか、一智が、彼のコートの中に包み込むようにして、背中に腕をまわしてくる。
鼻腔をくすぐる彼の香り。
ピタリと寄り添う彼の硬い胸の温もり。
頭に押し付けられる彼の頬の感触。
その全てが、百合の心を揺さぶった。
知らぬうちに彼の懐に頬をすり寄せていた彼女の耳に、静かな声が届く。
「――何故、俺の傍にいられない?」
どこか、苦しそうな囁きだった。
百合は答えようとして、震えが抑えられない唇を何度か湿らせる。
「一智様が……私を望まれるのは、これまでの方たちとは毛色が違っているからです。外見も――反応も。物珍しさに慣れてしまえば、きっと……」
――飽きてしまう。
その言葉は、自分の口から出すことはできなかった。
ふと顎を捉える一智の力が抜けるのを感じ、百合は顔をそむける。きっと、図星を突いたに違いない。
少しの失望を含んだ諦念が、胸の中を満たしていく。
だが。
「お前に、そんなふうに思わせていたのか?」
一智のその声には、愕然とした響きが滲んでいた。
百合は彼の驚きにいぶかしさを覚える。
「ええ。だって、そうでしょう? 私は綺麗でもないし、スタイルだって良くないし、頭がいいわけでもない。これまで一智様がおつき合いなさってきた方々を振り返ってご覧なさいな。私に興味を示された理由なんて、一目瞭然でしょう?」
諭すように、百合は言い募る。自分を包む一智の腕が緩んだのは、彼自身も事実に気付いたからであろうか。
「ね? ですから、私のことは放っておいてください」
一歩下がって、微笑みながら百合は言う。彼女を絡め取っていた一智の腕が、力なく垂れ下がった。
「いやだ。俺はお前が欲しいんだ」
――ほら、その言葉。
百合は自嘲の笑みを漏らす。
彼は、『欲しい』と言う。
まるで、珍しい玩具か何かをせがむように。
「ご自分で気付かれていらっしゃらないだけです。三月もいいえ、ひと月もしたら、あれは何かの間違いだったとお気づきになりますよ」
「俺は、信じるに値しない?」
「信じるも何も……」
――最初から、単なる気の迷いなのだから。
百合は一歩も退かない覚悟で顎を引いた。ここで自分に負けたら、きっと一生後悔する。
「俺はお前が欲しい。多分この先一生、他の女になど、目移りはしない。どうやったら、納得するんだ?」
何と大仰な。
彼らしくない言葉に、百合は思わず苦笑する。
「無理はなさらないで下さい」
笑顔でそう言った彼女に、一智が奥歯を噛み締めるのがわかった。
こんなふうに苛立たしそうにするのも、自分の思ったとおりにならないからに違いない。何でも容易に手に入れることができてきたから、そうならないと、いっそうむきになるのだ。
――だったら、彼が飽きるまで傍にいたらどうかしら?
そんな囁きが誘いかけてくる。
けれど、そうしたら、自分はボロボロになってしまうだろう。
「どうか、お帰りになってください」
百合は潤んでくる視界の中、瞬きを堪えて一智を見つめる。
彼はしばらく押し黙っていたが、やがて強い光を宿した眼差しを百合に向けた。
「解った」
「お帰りいただけるのですか?」
自分が放った言葉が、チクリと胸に刺さる。だが、百合は辛うじて微笑みを保ち続けた。
一智は一瞬たりとも百合から目を逸らすことなく、続ける。
「ああ。今晩のところはな」
「え?」
「お前が理解できる方法で、俺の『誠意』を見せてやる」
「『誠意』?」
「そうだ。見ていろ、必ず俺はお前を納得させてやる。だから、二度と行方はくらますな。もしもまた姿を消したら必ず探し出して、今度は一生屋敷から出さないからな。地下牢でも作って閉じ込めてやる」
それだけ言うと彼が腕を伸ばし、百合は逃げる間もなく抱き寄せられた。
「これを最後に、お前が『いい』と言うまで、お前には触れない。でも、逢いには来るからな」
不意に、耳元が温かくなる。
「――逃げるなよ」
百合の耳に吐息を吹き込むような、囁き。
そっと彼女の耳朶に唇で触れると、一智はポケットを探って何かを取り出した。それは彼の手の中でシャラリと音を立てる。
百合がその正体に気付くよりも先に一智の腕が彼女の首にまわされ、何かヒヤリとしたものが項に触れた。
「これ……」
胸元を見下ろすと、いつか彼が渡そうとしたネックレスが光っている。
「それ、俺が選んだんだからな。女に渡すものを自分で選んだのは、それが初めてだ」
憮然とした顔でそう言う様子が、何だか妙に可愛く見える。
「『大事に想う相手にやれ』と言ったのは、お前だ。仕舞い込んだりするなよ? ちゃんと着けとけよな」
無くしたら大変だから、家に帰ったら仕舞っておこうと考えた百合の頭を覗き込んだかのように、一智が釘をさした。
「俺は、お前を諦めない」
噛み締めるようにそう囁いて百合を抱き締めると、首をかしげて唇を寄せてくる。射抜くような眼差しに囚われて、促されてもいないのに、勝手に顔が仰向いた。
――信じて、いいの?
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