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第三章:ほんとうの、はじまり
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五月の空は、微かに霞がかって柔らかに広がっている。
式は身内だけの、こじんまりとしたものだった。
確かに一美は一香と美彦の息子だが、岩崎循環器病院の跡取りではない。医学会の重鎮達を招く必要は、まったくなかった。霞谷病院小児科病棟の面々、萌《もえ》の『家族』たち――めぐみもいる――、一美の両親と友人達、そのくらいだ。
萌が一美のプロポーズを受け入れたのは、秋。
それから一美の両親の予定を調整し、半年以上を待って、ようやくこの日を迎えられた。
萌の姿を探せば、満面の笑みで『クスノキの家』の人たちに囲まれている。
現在のスタッフや入所している子ども達だけではなく、卒業していった者たちも、大半が招待に応じていた。オーガンジーを幾重にも重ねたミニドレスは華やかで可愛らしいが、彼女のその笑顔には敵わない。
離れた所からその様子を見つめ、一美は、あの笑顔を自分が一生守っていくのだと強く心に刻み込む。わずかな影も差させはしない、と。
と、そんな彼の肩に、ドサリと重みが加わった。
「かぁわいいねぇ、萌ちゃん。いいよねぇ、自分の奥さんに見惚れる旦那って」
耳のすぐ傍でそんな台詞が吐き出され、一美は邪険にその重みを――朗の腕を振り払った。その隣には、出会うなり彼と意気投合したらしい優人がいる。
性格的には共通するところのない二人だったが、一美を餌にして軽口を叩き合うのは息がぴったり合うらしい。
「お前の好みが、実はああいうタイプだったとはな。これまで長続きしなかったのも当たり前だ。趣向とまったく合っていなかったんだからな」
優人が同様に萌を見遣りながら、そう頷いた。子どもの頃からの女性遍歴を知られている相手に言われ、一美は眉間に皺を寄せる。
「趣向がどうとかいうわけじゃない」
結婚式という場に合わないむっつりとした顔でそう答えると、途端、朗が大げさな仕草で振り返った。
「うわぁ、ちょっと、聞きました、優人さん?」
「ああ、確かに」
「新婚早々、惚気られちゃったよ」
「こいつが、なあ……中学生の時からの女遍歴を、彼女に聞かせてやりたいよ」
ニヤニヤ笑う悪友二人が、実に腹立たしい。
「別に、惚気でも何でもないだろう」
ムッツリと言った一美に、朗はわざとらしく片手で目を覆い、天を仰いだ。
「自覚なしだよ……」
「鈍いな」
肩をすくめてつぶやく優人を、一美は睨み付ける。そんな彼の肩に肘を載せ、朗は囁く。
「好みとか何とか以前に、『彼女だから』好きなんだろう? それが惚気じゃなくて、何なわけ?」
それのどこが悪い、と一美は平然と朗を見返した。まさにその通りなのだ。仮に、萌の外見が普段彼の『好んで』いた女性たちと同じだったとしても、一美が選ぶのは『萌』しかいない。
一美の反応が悪かった為か、それともその開き直りぶりに呆れたのか、朗も優人もそれ以上、そのことについては突っ込んでこなかった。
代わりに、また次のネタを振ってくる。更に、たちの悪いものを。
朗は一美の真正面に立ち、ポンとその両肩に手を載せた。
「ところで、一美君。オレと優人さんは、是非ともお前に訊きたいことがある」
「何だ?」
珍しく、朗が真面目な顔付きをしてみせる。釣られて、一美も真面目に応じてしまった。
――朗の辞書に『真面目』という文字が欠落していることも忘れて。
「あのな、お前と萌ちゃんって……もう、ヤッた? ――イテッ!」
朗の台詞が終わるや否や、ガツンと鈍く響いた音と、彼の呻き声。自分でも思った以上に力がこもってしまい、一美は朗の頭を殴り付けた拳を何度か開閉した。しばらくペンが持ちにくそうだ。
「この反応は、君の勝ちか、有田さん」
「そうだねぇ」
殴られた頭をさすりながら、朗がニンマリと笑う。その忌々しい顔を、一美はギロリと射殺しそうな目で睨み付けた。
そんな一美の眼差しなどどこ吹く風、といった風情で朗は飄々と言う。
「いやぁ、二十年の付き合いと、現在進行形の付き合いと、どっちがより深くお前を理解しているかって、舘さんと賭けをしたんだよ。ちなみに、オレは『手を出していない』、彼は『もう手を出しまくり』。な? オレの勝ちだろ? まあ、萌ちゃんのことを知ってる分だけ、オレに分があったんだけどね」
「だが、付き合ってから約二年だろう? ……まさか、もう枯れたのか?」
優人の口調が本気で心配そうなのが、逆に腹立たしい。放っておけ、と言ってやりたいが、むしろ何も返さない方がいいのだろう。
無視を決め込んだ一美の代わりに、ピシャリとはたき付けるような声が響く。
「まったく! 神聖な席で、何下品なこと言ってるんですか!」
「やあ、リコさん! そのドレス、すごく似合ってるよ」
下品な台詞を吐いた本人は、眉を吊り上げたリコの叱責をニッコリ笑ってサラリとかわす。
「何で、あなたって人はそうなんですか。こういう時くらい、ちゃんと真面目にやってくださいよ」
「イヤだなぁ、リコさん。オレはいたって真面目だって。真面目に、ホントのところを聞きたかったんだよね。ほら、今後の二人の予測の為に」
「そういうのを、余計なお世話って言うんですよ!」
噛み付くリコにも、朗はヘラヘラとするだけだった。彼女は深々と溜息をつく。
そんな、神聖さとはかけ離れた淀んだ会話に、一服の清涼剤のような声が差し込む。
「皆さん、お揃いなんですね」
ドレスをふわふわと揺らしながら駆け寄ってきた萌が、『オトナ』たちを見回してニッコリと笑顔を浮かべた。朗が手を伸ばすよりも先に、一美は彼女の肩を捉える。人前で抱き寄せられたことに頬を赤らめながらも、萌は先のものとは違う笑みで彼を見上げた。
「幸せそうだねぇ、萌」
しみじみと、リコが言う。萌は彼女に向けて、満面の笑みと共に大きく頷いた。
「はい、とっても」
「これまた、判り易い惚気で……」
毒気を抜かれた顔で、朗がつぶやく。萌が相手ではからかうわけにもいかないようだった。
「あぁあ、私も結婚したくなってきたぁ」
萌の純白のドレスに憧れの溢れる眼差しを向けたリコが、ため息と共にそう漏らす。すかさず満面の笑みで己を指差したのは、朗だ。
「あ、オレがもらってあげようか? この間、彼氏と別れたんだろ?」
「絶っ対、お断り!」
まさに叩きつける勢いで間髪入れず即答したリコに、朗は「残念!」と笑っただけだった。
いかにも二人らしいやり取りに、萌もクスクスと笑みをこぼす。揺れるその肩を包み込む手に、一美は無意識のうちに力を込めた。
萌の肩は、悲しみや、寂しさや、そんなもので震えた時もあっただろう。これまでは、独りでそれを乗り越えさせてきた。
だが、これからは一美が傍にいる――いつでも、どんな時でも、傍にいられるのだ。
もっとも、彼女のことだから、何かあっても簡単には頼ってくれず、ただ傍にいるだけになるかもしれないが、それでも、独りきりには決してさせない。眠れぬ夜には一晩中だって彼女のことを抱き締めていてやる。
「先生?」
顔を引き締めた一美に、萌がどうしたのかと窺う眼差しで見上げてくる。
「いいや、何も」
短くそう答え、一美は少し屈んで彼女の耳元に唇を寄せる。他の連中には聞かれないように。
「……君と出会えて、良かった。君がこの世に産まれてきてくれて、本当に良かったと、心の底から思う」
萌は、数度瞬き、そして頬を薔薇色に染め上げながらフワリと笑う。
「わたしもです。わたしも、先生に会えて、良かった……産まれてきて、良かった」
言葉よりも、顔中に溢れる想いが、彼女の気持ちを伝えてくれる。
込み上げる愛おしさに、殆ど衝動的に、一美は萌を抱き締めた。
大事にしたい。慈しみたい。幸せにしたい。
彼の中はそんな『欲望』で満たされ、そしてそれは溢れ出る。
冷やかしの声など構わず、一美は愛しい花嫁を抱き上げた。
式は身内だけの、こじんまりとしたものだった。
確かに一美は一香と美彦の息子だが、岩崎循環器病院の跡取りではない。医学会の重鎮達を招く必要は、まったくなかった。霞谷病院小児科病棟の面々、萌《もえ》の『家族』たち――めぐみもいる――、一美の両親と友人達、そのくらいだ。
萌が一美のプロポーズを受け入れたのは、秋。
それから一美の両親の予定を調整し、半年以上を待って、ようやくこの日を迎えられた。
萌の姿を探せば、満面の笑みで『クスノキの家』の人たちに囲まれている。
現在のスタッフや入所している子ども達だけではなく、卒業していった者たちも、大半が招待に応じていた。オーガンジーを幾重にも重ねたミニドレスは華やかで可愛らしいが、彼女のその笑顔には敵わない。
離れた所からその様子を見つめ、一美は、あの笑顔を自分が一生守っていくのだと強く心に刻み込む。わずかな影も差させはしない、と。
と、そんな彼の肩に、ドサリと重みが加わった。
「かぁわいいねぇ、萌ちゃん。いいよねぇ、自分の奥さんに見惚れる旦那って」
耳のすぐ傍でそんな台詞が吐き出され、一美は邪険にその重みを――朗の腕を振り払った。その隣には、出会うなり彼と意気投合したらしい優人がいる。
性格的には共通するところのない二人だったが、一美を餌にして軽口を叩き合うのは息がぴったり合うらしい。
「お前の好みが、実はああいうタイプだったとはな。これまで長続きしなかったのも当たり前だ。趣向とまったく合っていなかったんだからな」
優人が同様に萌を見遣りながら、そう頷いた。子どもの頃からの女性遍歴を知られている相手に言われ、一美は眉間に皺を寄せる。
「趣向がどうとかいうわけじゃない」
結婚式という場に合わないむっつりとした顔でそう答えると、途端、朗が大げさな仕草で振り返った。
「うわぁ、ちょっと、聞きました、優人さん?」
「ああ、確かに」
「新婚早々、惚気られちゃったよ」
「こいつが、なあ……中学生の時からの女遍歴を、彼女に聞かせてやりたいよ」
ニヤニヤ笑う悪友二人が、実に腹立たしい。
「別に、惚気でも何でもないだろう」
ムッツリと言った一美に、朗はわざとらしく片手で目を覆い、天を仰いだ。
「自覚なしだよ……」
「鈍いな」
肩をすくめてつぶやく優人を、一美は睨み付ける。そんな彼の肩に肘を載せ、朗は囁く。
「好みとか何とか以前に、『彼女だから』好きなんだろう? それが惚気じゃなくて、何なわけ?」
それのどこが悪い、と一美は平然と朗を見返した。まさにその通りなのだ。仮に、萌の外見が普段彼の『好んで』いた女性たちと同じだったとしても、一美が選ぶのは『萌』しかいない。
一美の反応が悪かった為か、それともその開き直りぶりに呆れたのか、朗も優人もそれ以上、そのことについては突っ込んでこなかった。
代わりに、また次のネタを振ってくる。更に、たちの悪いものを。
朗は一美の真正面に立ち、ポンとその両肩に手を載せた。
「ところで、一美君。オレと優人さんは、是非ともお前に訊きたいことがある」
「何だ?」
珍しく、朗が真面目な顔付きをしてみせる。釣られて、一美も真面目に応じてしまった。
――朗の辞書に『真面目』という文字が欠落していることも忘れて。
「あのな、お前と萌ちゃんって……もう、ヤッた? ――イテッ!」
朗の台詞が終わるや否や、ガツンと鈍く響いた音と、彼の呻き声。自分でも思った以上に力がこもってしまい、一美は朗の頭を殴り付けた拳を何度か開閉した。しばらくペンが持ちにくそうだ。
「この反応は、君の勝ちか、有田さん」
「そうだねぇ」
殴られた頭をさすりながら、朗がニンマリと笑う。その忌々しい顔を、一美はギロリと射殺しそうな目で睨み付けた。
そんな一美の眼差しなどどこ吹く風、といった風情で朗は飄々と言う。
「いやぁ、二十年の付き合いと、現在進行形の付き合いと、どっちがより深くお前を理解しているかって、舘さんと賭けをしたんだよ。ちなみに、オレは『手を出していない』、彼は『もう手を出しまくり』。な? オレの勝ちだろ? まあ、萌ちゃんのことを知ってる分だけ、オレに分があったんだけどね」
「だが、付き合ってから約二年だろう? ……まさか、もう枯れたのか?」
優人の口調が本気で心配そうなのが、逆に腹立たしい。放っておけ、と言ってやりたいが、むしろ何も返さない方がいいのだろう。
無視を決め込んだ一美の代わりに、ピシャリとはたき付けるような声が響く。
「まったく! 神聖な席で、何下品なこと言ってるんですか!」
「やあ、リコさん! そのドレス、すごく似合ってるよ」
下品な台詞を吐いた本人は、眉を吊り上げたリコの叱責をニッコリ笑ってサラリとかわす。
「何で、あなたって人はそうなんですか。こういう時くらい、ちゃんと真面目にやってくださいよ」
「イヤだなぁ、リコさん。オレはいたって真面目だって。真面目に、ホントのところを聞きたかったんだよね。ほら、今後の二人の予測の為に」
「そういうのを、余計なお世話って言うんですよ!」
噛み付くリコにも、朗はヘラヘラとするだけだった。彼女は深々と溜息をつく。
そんな、神聖さとはかけ離れた淀んだ会話に、一服の清涼剤のような声が差し込む。
「皆さん、お揃いなんですね」
ドレスをふわふわと揺らしながら駆け寄ってきた萌が、『オトナ』たちを見回してニッコリと笑顔を浮かべた。朗が手を伸ばすよりも先に、一美は彼女の肩を捉える。人前で抱き寄せられたことに頬を赤らめながらも、萌は先のものとは違う笑みで彼を見上げた。
「幸せそうだねぇ、萌」
しみじみと、リコが言う。萌は彼女に向けて、満面の笑みと共に大きく頷いた。
「はい、とっても」
「これまた、判り易い惚気で……」
毒気を抜かれた顔で、朗がつぶやく。萌が相手ではからかうわけにもいかないようだった。
「あぁあ、私も結婚したくなってきたぁ」
萌の純白のドレスに憧れの溢れる眼差しを向けたリコが、ため息と共にそう漏らす。すかさず満面の笑みで己を指差したのは、朗だ。
「あ、オレがもらってあげようか? この間、彼氏と別れたんだろ?」
「絶っ対、お断り!」
まさに叩きつける勢いで間髪入れず即答したリコに、朗は「残念!」と笑っただけだった。
いかにも二人らしいやり取りに、萌もクスクスと笑みをこぼす。揺れるその肩を包み込む手に、一美は無意識のうちに力を込めた。
萌の肩は、悲しみや、寂しさや、そんなもので震えた時もあっただろう。これまでは、独りでそれを乗り越えさせてきた。
だが、これからは一美が傍にいる――いつでも、どんな時でも、傍にいられるのだ。
もっとも、彼女のことだから、何かあっても簡単には頼ってくれず、ただ傍にいるだけになるかもしれないが、それでも、独りきりには決してさせない。眠れぬ夜には一晩中だって彼女のことを抱き締めていてやる。
「先生?」
顔を引き締めた一美に、萌がどうしたのかと窺う眼差しで見上げてくる。
「いいや、何も」
短くそう答え、一美は少し屈んで彼女の耳元に唇を寄せる。他の連中には聞かれないように。
「……君と出会えて、良かった。君がこの世に産まれてきてくれて、本当に良かったと、心の底から思う」
萌は、数度瞬き、そして頬を薔薇色に染め上げながらフワリと笑う。
「わたしもです。わたしも、先生に会えて、良かった……産まれてきて、良かった」
言葉よりも、顔中に溢れる想いが、彼女の気持ちを伝えてくれる。
込み上げる愛おしさに、殆ど衝動的に、一美は萌を抱き締めた。
大事にしたい。慈しみたい。幸せにしたい。
彼の中はそんな『欲望』で満たされ、そしてそれは溢れ出る。
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