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第一章:はじまり
11-2
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その店はカジュアルな居酒屋で、いかにも女性が好みそうな造りだ。
入り口に立ってさほど広くないその店内を見渡せば、すぐにリコたちは見つかった。
女性四人と、男性四人が相向かいで座っている。
女性陣は入り口に背を向けていたが、どれが萌なのかはすぐに判った。彼女の前には斉藤貢が座って、にこやかな笑みを萌に向けて惜しみなく投げかけている。
萌は明らかにビールと思われるものが入ったグラスを手にしていた。中身が殆ど減っていないのは、一美の言ったことを守っているのか、それとも単に味が好みではないのか。
一美はツカツカとそのテーブルに歩み寄り、グラスを口に運ぼうとした萌の手を背中越しに捉えた。
振り返った萌が、彼の姿に目と口を丸くする。
「岩崎先生! ここで何してるんですか!?」
素っ頓狂な声でそう問いただしてきたのは、リコだった。他の二人の看護師もぽかんとして彼を見つめている。それには答えず無言で萌を座らせたまま椅子を引くと、彼女の両脇に手を差し入れて立たせる。椅子に掛けられていたハンドバッグと上着を取ると、萌の手首を掴んだ。
そうして呆気に取られている斉藤を一瞥すると、短く残した。
「悪いな、彼女は連れて行く」
「ちょっと、そんなの困ります! 岩崎先生!」
リコの声は背中で聞いて、一美は萌の手を引いてさっさと歩き出す。
店を出て、道を歩き、ゆっくりと話ができるような場所を探した。
行き着いた先は病院近くの小さな公園で、数少ないベンチはカップルで埋め尽くされていたが、少なくとも、静かだ。
振り返って萌を見ると、彼女は息も絶え絶えだった。走ったわけではなかったが、歩幅の差を考えていなかったのだ。
「……悪い」
手を掴んだまま、一美は謝る。解放したら彼女に逃げられそうな気がして、放す気になれなかった。
しばらくそのままで、萌の息が落ち着くのを待つ。
五分ほどもした頃だろうか、ようやく、彼女が言葉を発した。
「何で、なんです?」
その声には明らかに怒りが含まれている。
(もしかしたら、アイツと会うのを楽しんでいたのか……?)
そんな考えに一美はらしくなく怯みそうになったが、グッと奥歯を噛んで萌を見返した。
「小宮山さん――萌」
「名前で、呼ばないでください。手も、放して」
「逃げないか?」
「……逃げません」
それでもしばらくは手放せず、萌のジトリと睨んでくる眼差しを受け続けた。やがて小さく息をつき、一美はようやく手を開く。
「すまなかった」
「謝るくらいなら、何であんなことをしたんですか。リコさん、怒りますよ?」
「……君はあの場にいたかったのか?」
「それは……」
「彼と付き合うつもりだったのか?」
萌には一美の言う『彼』というのが誰のことなのか、すぐに判ったようだ。キッと眦を吊り上げる。
「先生には関係ありません!」
「いや、ある。彼のことが好きなのか?」
一美は、咄嗟にそう訊いていた。
返ってくるのが、否定ならばいい。
だが、肯定だったらどうしたらいいのだろうか。
(また彼女を連れて、あの店へ戻るのか? 斉藤に引き合わす為に?)
憮然として自問する彼の耳に、心許なげな萌の声が届く。彼女の視線は下がり、自分のつま先を見つめている。
「いい人だと、思います」
「『いい人』? それは好きだと言うわけではないんだな?」
我ながら間が抜けていると思うほど、ホッとした声が出た。彼のその念押しに、俯いた彼女は低い声で反応する。
「好き……?」
「ああ。違うんだな?」
「わたしが誰のことを好きでも、先生には関係ないでしょう?」
微妙に喧嘩腰な口調で、萌がそう言った。
一美は、彼女のその台詞にわずかな引っ掛かりを覚える。その言葉は、つまり、誰か好きな男がいるということになるのではなかろうか。最近の萌の態度を見ていると、一美に気持ちが残っているという可能性は低い気がする。
となると――
「誰か、好きな奴ができたのか?」
思わず、ポロリと一美の口からこぼれた。
途端、萌が顔を上げる。その目に光るものを浮かべながら。
「先生は、無神経です! 何で先生がそんなことを言うんですか!?」
それは、唐突な爆発だった。
何故、彼女が怒っているのか、そして、何故、彼女が泣いているのか、一美には解からない。
「萌――」
戸惑う彼の胸を、萌は両手の拳を固めて叩いてくる。
「わたしの名前を呼ばないで! もう! わたしは! 先生が好きだって、言ったじゃないですか!」
ドン、ドン、と叩きながら、萌は言う。
ポロポロと涙をこぼしながら。
だが、泣いているにも拘らず、彼女のその目に浮かんでいるのは、どう見ても悲しみの色ではなかった。
萌の小さな拳など、全く痛くない。
むしろ彼女の手の方こそ傷めてしまいそうで、一美は自らの手のひらで彼女のそれをそっと包み込む。
「せっかく、忘れようと頑張ってるのに、何で、先生は、そういう……!」
両手を取られてしまっては涙を拭うこともできず、萌の顔はもうグシャグシャだ。
鼻も赤くなっている。
まるで子どものような泣きっぷりだった。
はっきり言って不細工なその顔に、一美は鳩尾の辺りに何かが刺さったような痛みを覚える。
思わず、彼はその泣き顔を胸に抱き寄せた。
萌は、ヒクッとしゃくりあげたきり、固まった。
その小さな頭を自分の胸に押し付けながら、一美は告げる。
「悪い。今更なんだが、俺は君のことが好きらしい」
胸の中の彼女は無言だ。
しばらく経って、声が聞こえた。
「……――は?」
華奢な両肩を手のひらで包んで、顔が見えるように距離を取る。
「多分、俺は君のことが好きなのだと思う」
「……はい?」
ポカンとしている萌が、言いようもなく愛おしい。
微かに開いているその唇を自分のそれで塞いでしまいたくなるのをこらえて、一美はそっと彼女の頬を両手で包み込んだ。
「前に君は、俺が君の事を妹か娘のように思っている、と言っただろう? 多分、そうではないと思う」
「何で」
萌が何かを言おうとするが、それ以上、言葉が見つからないらしい。
眉間に皺は寄っているが、驚きの所為か涙は止まっていて、彼はホッとする。
「何で、そんなに曖昧な言い方なんですか」
「自分でもよく判らないんだ。だが、君が斉藤といるところを想像すると、ムカムカする」
一美の台詞に、萌はしばし考え込むように首をかしげた。
「……それって、やきもちっていうことですか?」
「そうかもしれない」
彼自身納得いかないが、恐らく嫉妬以外の何ものでもないことは認めざるを得ず、頷いた。
萌の眉間の皺が、消える。
「じゃあ、わたしは先生のことを好きなままでいいんですか? わたしの気持ちは、先生の迷惑にならないんですか?」
「と言うより、むしろそのままでいてくれ。……こんな曖昧な言い方では、いやか?」
柄にも無く不安になってそう訊いた一美に、萌はフルフルとかぶりを振った。
「いいです。わたしは先生のことが好きですから……先生のことを好きなままでいていいなら、それでいいです」
そう言って、彼女はパッと笑顔になった――花がほころぶように。
夜の闇さえ明るく照らしてしまいそうな輝きを放つそれは、初めて見た時の彼女の笑みと、同じものだった。
痛みを覚えるほどに真っ直ぐに向けられた彼女の想いに、一美の胸が温かく締め付けられる。
もしかすると、彼の中のこの気持ちは、あの時から芽吹き始めていたのかもしれない。
ずいぶんな回り道をしてきたが、最初に彼女に笑いかけられた時から、きっと全てが始まっていたのだ。
「頼むから、俺のことを好きでいてくれ」
――ずっと、死ぬまで。
胸の中でそう囁きながら、一美は、もう一度萌を抱き締める。
今度は、優しく、包み込むように。
入り口に立ってさほど広くないその店内を見渡せば、すぐにリコたちは見つかった。
女性四人と、男性四人が相向かいで座っている。
女性陣は入り口に背を向けていたが、どれが萌なのかはすぐに判った。彼女の前には斉藤貢が座って、にこやかな笑みを萌に向けて惜しみなく投げかけている。
萌は明らかにビールと思われるものが入ったグラスを手にしていた。中身が殆ど減っていないのは、一美の言ったことを守っているのか、それとも単に味が好みではないのか。
一美はツカツカとそのテーブルに歩み寄り、グラスを口に運ぼうとした萌の手を背中越しに捉えた。
振り返った萌が、彼の姿に目と口を丸くする。
「岩崎先生! ここで何してるんですか!?」
素っ頓狂な声でそう問いただしてきたのは、リコだった。他の二人の看護師もぽかんとして彼を見つめている。それには答えず無言で萌を座らせたまま椅子を引くと、彼女の両脇に手を差し入れて立たせる。椅子に掛けられていたハンドバッグと上着を取ると、萌の手首を掴んだ。
そうして呆気に取られている斉藤を一瞥すると、短く残した。
「悪いな、彼女は連れて行く」
「ちょっと、そんなの困ります! 岩崎先生!」
リコの声は背中で聞いて、一美は萌の手を引いてさっさと歩き出す。
店を出て、道を歩き、ゆっくりと話ができるような場所を探した。
行き着いた先は病院近くの小さな公園で、数少ないベンチはカップルで埋め尽くされていたが、少なくとも、静かだ。
振り返って萌を見ると、彼女は息も絶え絶えだった。走ったわけではなかったが、歩幅の差を考えていなかったのだ。
「……悪い」
手を掴んだまま、一美は謝る。解放したら彼女に逃げられそうな気がして、放す気になれなかった。
しばらくそのままで、萌の息が落ち着くのを待つ。
五分ほどもした頃だろうか、ようやく、彼女が言葉を発した。
「何で、なんです?」
その声には明らかに怒りが含まれている。
(もしかしたら、アイツと会うのを楽しんでいたのか……?)
そんな考えに一美はらしくなく怯みそうになったが、グッと奥歯を噛んで萌を見返した。
「小宮山さん――萌」
「名前で、呼ばないでください。手も、放して」
「逃げないか?」
「……逃げません」
それでもしばらくは手放せず、萌のジトリと睨んでくる眼差しを受け続けた。やがて小さく息をつき、一美はようやく手を開く。
「すまなかった」
「謝るくらいなら、何であんなことをしたんですか。リコさん、怒りますよ?」
「……君はあの場にいたかったのか?」
「それは……」
「彼と付き合うつもりだったのか?」
萌には一美の言う『彼』というのが誰のことなのか、すぐに判ったようだ。キッと眦を吊り上げる。
「先生には関係ありません!」
「いや、ある。彼のことが好きなのか?」
一美は、咄嗟にそう訊いていた。
返ってくるのが、否定ならばいい。
だが、肯定だったらどうしたらいいのだろうか。
(また彼女を連れて、あの店へ戻るのか? 斉藤に引き合わす為に?)
憮然として自問する彼の耳に、心許なげな萌の声が届く。彼女の視線は下がり、自分のつま先を見つめている。
「いい人だと、思います」
「『いい人』? それは好きだと言うわけではないんだな?」
我ながら間が抜けていると思うほど、ホッとした声が出た。彼のその念押しに、俯いた彼女は低い声で反応する。
「好き……?」
「ああ。違うんだな?」
「わたしが誰のことを好きでも、先生には関係ないでしょう?」
微妙に喧嘩腰な口調で、萌がそう言った。
一美は、彼女のその台詞にわずかな引っ掛かりを覚える。その言葉は、つまり、誰か好きな男がいるということになるのではなかろうか。最近の萌の態度を見ていると、一美に気持ちが残っているという可能性は低い気がする。
となると――
「誰か、好きな奴ができたのか?」
思わず、ポロリと一美の口からこぼれた。
途端、萌が顔を上げる。その目に光るものを浮かべながら。
「先生は、無神経です! 何で先生がそんなことを言うんですか!?」
それは、唐突な爆発だった。
何故、彼女が怒っているのか、そして、何故、彼女が泣いているのか、一美には解からない。
「萌――」
戸惑う彼の胸を、萌は両手の拳を固めて叩いてくる。
「わたしの名前を呼ばないで! もう! わたしは! 先生が好きだって、言ったじゃないですか!」
ドン、ドン、と叩きながら、萌は言う。
ポロポロと涙をこぼしながら。
だが、泣いているにも拘らず、彼女のその目に浮かんでいるのは、どう見ても悲しみの色ではなかった。
萌の小さな拳など、全く痛くない。
むしろ彼女の手の方こそ傷めてしまいそうで、一美は自らの手のひらで彼女のそれをそっと包み込む。
「せっかく、忘れようと頑張ってるのに、何で、先生は、そういう……!」
両手を取られてしまっては涙を拭うこともできず、萌の顔はもうグシャグシャだ。
鼻も赤くなっている。
まるで子どものような泣きっぷりだった。
はっきり言って不細工なその顔に、一美は鳩尾の辺りに何かが刺さったような痛みを覚える。
思わず、彼はその泣き顔を胸に抱き寄せた。
萌は、ヒクッとしゃくりあげたきり、固まった。
その小さな頭を自分の胸に押し付けながら、一美は告げる。
「悪い。今更なんだが、俺は君のことが好きらしい」
胸の中の彼女は無言だ。
しばらく経って、声が聞こえた。
「……――は?」
華奢な両肩を手のひらで包んで、顔が見えるように距離を取る。
「多分、俺は君のことが好きなのだと思う」
「……はい?」
ポカンとしている萌が、言いようもなく愛おしい。
微かに開いているその唇を自分のそれで塞いでしまいたくなるのをこらえて、一美はそっと彼女の頬を両手で包み込んだ。
「前に君は、俺が君の事を妹か娘のように思っている、と言っただろう? 多分、そうではないと思う」
「何で」
萌が何かを言おうとするが、それ以上、言葉が見つからないらしい。
眉間に皺は寄っているが、驚きの所為か涙は止まっていて、彼はホッとする。
「何で、そんなに曖昧な言い方なんですか」
「自分でもよく判らないんだ。だが、君が斉藤といるところを想像すると、ムカムカする」
一美の台詞に、萌はしばし考え込むように首をかしげた。
「……それって、やきもちっていうことですか?」
「そうかもしれない」
彼自身納得いかないが、恐らく嫉妬以外の何ものでもないことは認めざるを得ず、頷いた。
萌の眉間の皺が、消える。
「じゃあ、わたしは先生のことを好きなままでいいんですか? わたしの気持ちは、先生の迷惑にならないんですか?」
「と言うより、むしろそのままでいてくれ。……こんな曖昧な言い方では、いやか?」
柄にも無く不安になってそう訊いた一美に、萌はフルフルとかぶりを振った。
「いいです。わたしは先生のことが好きですから……先生のことを好きなままでいていいなら、それでいいです」
そう言って、彼女はパッと笑顔になった――花がほころぶように。
夜の闇さえ明るく照らしてしまいそうな輝きを放つそれは、初めて見た時の彼女の笑みと、同じものだった。
痛みを覚えるほどに真っ直ぐに向けられた彼女の想いに、一美の胸が温かく締め付けられる。
もしかすると、彼の中のこの気持ちは、あの時から芽吹き始めていたのかもしれない。
ずいぶんな回り道をしてきたが、最初に彼女に笑いかけられた時から、きっと全てが始まっていたのだ。
「頼むから、俺のことを好きでいてくれ」
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