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第一章:はじまり
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結局、一美が病棟に到着したのは、ほぼ予想通りの時間だった。
PICU《小児集中治療室》に一つだけ置かれたベッドの周りには、肇の他に小児科病棟七年目のベテランナース川西と、もう一人、萌が控えていた。あと一人いる筈だが、整形外科患者を中心に見ているのだろう。霞谷病院は二交代制だから、明日の朝までこの三人が勤務することになる。
「どうだ、状態は」
姿を現した一美に、硬い表情でベッドを見下ろしていた肇がホッとした顔を見せた。
「あ、先生! すみません、お呼び立てしてしまって。バイタルは落ち着いています。ただ……瞳孔は散大していますし、対光反射もありません。鎮静かけてなくても自発呼吸はゼロです」
「蘇生開始までにかかった時間はどのくらいなんだ?」
「わかりません。長ければ、一時間弱。だいたい一時間くらい前に、授乳させたらしいです。その後、お母さんはちょっとうたたねして、帰ってきた父が異状に気付いたそうです。すぐに救急車を呼び、待っている間も両親で胸骨圧迫とかしていたそうですが」
脳に酸素がいかないという状態が続いたのが、たとえ十分であっても見通しは暗い。ましてや一時間ともなれば、絶望的だ。
小児用のサークルベッドが大きく見えるほど、その真ん中に寝かされた赤ん坊の身体は小さかった。口から入れられた気管挿管のチューブがなければ、まるでただ熟睡しているだけのように見える。
だが、一美が持ち上げた手を放すと、それはそのままだらりとベッドに落ちた。
室内は赤ん坊に着けられた呼吸器と心電図モニターの音だけが規則正しく響いている。その規則正しさもまた、その子どもの命の危うさを表していた。
一美は慎重な手つきで赤ん坊の目蓋を上げ、光を当てる――反応がない。
「――駄目だな」
恐らく、回復は見込めないだろう。
肇と川西は一美の言葉を予期していたのか、それを耳にしても微かに目を伏せただけだ。だが、萌は、ヒュッと息を呑んで目を見開く。
彼女がこの病棟に来て、あるいは看護師になって四ヶ月が過ぎたが、その間、重症らしい重症は入ってこなかった。
しかし、この霞谷病院レベルになると、年間数件は亡くなる子どもも出てくる。彼女がこういう状況に直面するのは、遅かれ早かれ、いずれは経験するものだった。
新米の看護師が初めて死の瀬戸際にある子どもに遭遇した時、誰もが今の萌と同じような顔をする。一美はそれを何度も見てきたし、それは必要で仕方のないことだと受け流してきた。
だが、今の彼女の目を見ていると胸が錐で突かれるような心持ちになるのは、何故なのだろうか。
色を失った萌を視界から外し、一美は川西に声をかけた。
「話をするからご家族に入ってもらえ」
川西は無言で頷くと、家族が控えているデイルームに向かう。
「小宮山さん? 何なら、外に出ていてもいいぞ」
一美は低い声でそう言ったが、萌は無言で小さく首を振る。そして、そっと指先で赤ん坊の頬に触れた。直後、忙しなく瞬きをする。
彼女のまつ毛の先で光を弾いたものに、一美は「痛い」と思った。
それは、殆ど物理的な痛みに等しく、今まで感じたことのないものだ。
重ねて退室を促そうと口を開きかけたところでPICUの扉が開き、そこから川西に続いて両親と思しき男女が入ってきた。
一美は思考を切り替えて彼らに向き直る。
「樫本康太君のお父さんとお母さんですね?」
そう尋ねながら、一美は二人に椅子を勧める。カルテによれば、父は太一、母は康子という名前だった。康子は目を真っ赤に腫らしており、太一は彼女の肩をきつく抱き締めている。
「康太は……康太は、どうなんですか?」
上ずった声で、ベッドの方を凝視しながら太一が問うてくる。
こういった状態になった子の親には、絶望させず、だが過剰な期待も抱かせないような説明をしてやらねばならない。
何度経験しても慣れることなどないが、それでも努めて落ち着いた声を出し、一美は答えた。
「まず、初めに、康太君は心臓も呼吸も止まった状態で発見されました。救急隊の処置やこちらに来てから使った薬で、心臓はまた動き出しています。ただし、呼吸は回復していないので、ああやって口から管を入れて人工呼吸器で呼吸を補助しています」
一美はそこで一度口を噤む。一拍置いて、「ヒィ」と康子のむせび泣きが響いた。太一は何度も彼女の肩をさすりながら、目を一美に向ける。
「それで、助かるんですか……助かるんですよね?」
必死なその眼差しに「はい」と答えてやりたくても、一美は気休めにしかならない嘘を口にするわけにはいかないのだ。
グッと唇を引き締めて、続ける。
「非常に厳しい状態です。康太君のように、命を落としそうになったけれども何とか取り留めたことを、我々の専門用語ではALTE、乳幼児突然性危急事態と呼びます。何故そうなるのか、それは原因不明です。ただ、突然、そうなるのです。これはご両親の行動や他の何かが悪かったとか、決してそういうことではありません――決して」
一美は、腫れた康子の目を真っ直ぐに見据えながら、きっぱりと断言する。
今の彼女の眼差しの中にあるものはショックと悲しみだけだが、いずれ日が経てばその大部分は罪悪感と後悔に変わってくる。そして自分の行動を一つ一つ思い返し、「あれが悪かったのではないか」「これが悪かったのではないか」と始めるのだ。
それを完全に防ぐことはできないが、軽減できるかどうかは、彼の言葉一つにかかってくる。
正確に言えば、康太の状態は息を吹き返すことができたALTEではなく、助かる見込みのないSIDS――乳幼児突然死症候群だ。
だが、あなた達の子どもはもう死んでいる、と伝えて、メリットは一つもない。真実とごまかしとを織り交ぜて話す方がいい。
「いいですか? 我々も、でき得る限りのことはします。ですが、最終的には、康太君の生命力次第です。今、康太君は一生懸命頑張っていますから、一緒に見守っていきましょう。さあ、康太君の傍に行ってあげてください」
二人をそう促し、ベッドサイドへ導いた。後は川西に任せて一美と肇、そして萌はナースステーションに戻る。
「康太君……助かりますよね?」
両親に声が届かないところまでくると、囁くように萌が尋ねてくる。ジッと見上げてくるその目が望んでいる返事を、一美は知っている。だが、彼は首を振った。
「無理だ。早ければ三日で片が着くだろう。万が一命はつなげたとしても、自分で呼吸ができるようにはならない」
きっぱりと断言した一美に、萌は大きな目をさらに見開く。
「わたしは……わたしは、何をしたらいいんですか? 何ができますか?」
「何も。ただ、両親がこれを受け入れられるようになるだけの時間を稼ぐだけだ。いくら待っても、完全に受容できるようにはならないが、ゼロよりはいい」
その台詞を聞いた萌は、唇を噛み締めた。
――そんなに強く噛んだら、切れてしまう。
思わず手を伸ばしそうになるのを、一美は堪えた。
何故、彼女が夜勤の時に、こんなことになるのか。
どうにもできないことに、彼は苛立ちを覚える。
萌には、まだ早いのだ。
ふと、先ほどまで会っていた、萌とそう年の変わらない女子大生達を思い出した。
あんなにも能天気に遊んでいられる彼女たちと萌とは、何がそんなに違うというのだろう。
生まれて間もない赤ん坊の死の場面に立ち会うなど、何も二十歳の小娘が味わわなくてもいいではないか。
看護師は患者を護り、癒す存在だ。しかし、その細い肩を見下ろしていると、萌こそを誰かが護ってやるべきではないのかと、一美は思った。
だが、そんな彼の物思いをよそに、萌が顔を上げる。唇は赤くなっていたが、そこに血はにじんでいなかった。
「わたし、わたしにできることをさがします。少しでも、何か……」
萌はそう言って、潤みを消した目を一美に向ける。
彼女のその真っ直ぐすぎる眼差しに、一美は不安を覚えてしまう。
のめり込めば、それだけ最期を迎えた時のダメージも大きくなるだろう。先のない患者と接するなら、もっとドライになれる者の方がいい。
そんなことを考えながら、一美は萌を見つめる。その視線をどう受け止めたのか、彼女は軽く頭を下げると、再びPICUに戻っていった。
一美は、取り敢えず今晩だけのことだから、とその背中を見送る。
「彼女……ちょっと心配ですね」
そう呟いたのは肇だ。一美の心中を代弁した台詞に、彼も頷く。
そう、誰が見ても、萌のひたむきさには不安を覚える筈だった。
PICU《小児集中治療室》に一つだけ置かれたベッドの周りには、肇の他に小児科病棟七年目のベテランナース川西と、もう一人、萌が控えていた。あと一人いる筈だが、整形外科患者を中心に見ているのだろう。霞谷病院は二交代制だから、明日の朝までこの三人が勤務することになる。
「どうだ、状態は」
姿を現した一美に、硬い表情でベッドを見下ろしていた肇がホッとした顔を見せた。
「あ、先生! すみません、お呼び立てしてしまって。バイタルは落ち着いています。ただ……瞳孔は散大していますし、対光反射もありません。鎮静かけてなくても自発呼吸はゼロです」
「蘇生開始までにかかった時間はどのくらいなんだ?」
「わかりません。長ければ、一時間弱。だいたい一時間くらい前に、授乳させたらしいです。その後、お母さんはちょっとうたたねして、帰ってきた父が異状に気付いたそうです。すぐに救急車を呼び、待っている間も両親で胸骨圧迫とかしていたそうですが」
脳に酸素がいかないという状態が続いたのが、たとえ十分であっても見通しは暗い。ましてや一時間ともなれば、絶望的だ。
小児用のサークルベッドが大きく見えるほど、その真ん中に寝かされた赤ん坊の身体は小さかった。口から入れられた気管挿管のチューブがなければ、まるでただ熟睡しているだけのように見える。
だが、一美が持ち上げた手を放すと、それはそのままだらりとベッドに落ちた。
室内は赤ん坊に着けられた呼吸器と心電図モニターの音だけが規則正しく響いている。その規則正しさもまた、その子どもの命の危うさを表していた。
一美は慎重な手つきで赤ん坊の目蓋を上げ、光を当てる――反応がない。
「――駄目だな」
恐らく、回復は見込めないだろう。
肇と川西は一美の言葉を予期していたのか、それを耳にしても微かに目を伏せただけだ。だが、萌は、ヒュッと息を呑んで目を見開く。
彼女がこの病棟に来て、あるいは看護師になって四ヶ月が過ぎたが、その間、重症らしい重症は入ってこなかった。
しかし、この霞谷病院レベルになると、年間数件は亡くなる子どもも出てくる。彼女がこういう状況に直面するのは、遅かれ早かれ、いずれは経験するものだった。
新米の看護師が初めて死の瀬戸際にある子どもに遭遇した時、誰もが今の萌と同じような顔をする。一美はそれを何度も見てきたし、それは必要で仕方のないことだと受け流してきた。
だが、今の彼女の目を見ていると胸が錐で突かれるような心持ちになるのは、何故なのだろうか。
色を失った萌を視界から外し、一美は川西に声をかけた。
「話をするからご家族に入ってもらえ」
川西は無言で頷くと、家族が控えているデイルームに向かう。
「小宮山さん? 何なら、外に出ていてもいいぞ」
一美は低い声でそう言ったが、萌は無言で小さく首を振る。そして、そっと指先で赤ん坊の頬に触れた。直後、忙しなく瞬きをする。
彼女のまつ毛の先で光を弾いたものに、一美は「痛い」と思った。
それは、殆ど物理的な痛みに等しく、今まで感じたことのないものだ。
重ねて退室を促そうと口を開きかけたところでPICUの扉が開き、そこから川西に続いて両親と思しき男女が入ってきた。
一美は思考を切り替えて彼らに向き直る。
「樫本康太君のお父さんとお母さんですね?」
そう尋ねながら、一美は二人に椅子を勧める。カルテによれば、父は太一、母は康子という名前だった。康子は目を真っ赤に腫らしており、太一は彼女の肩をきつく抱き締めている。
「康太は……康太は、どうなんですか?」
上ずった声で、ベッドの方を凝視しながら太一が問うてくる。
こういった状態になった子の親には、絶望させず、だが過剰な期待も抱かせないような説明をしてやらねばならない。
何度経験しても慣れることなどないが、それでも努めて落ち着いた声を出し、一美は答えた。
「まず、初めに、康太君は心臓も呼吸も止まった状態で発見されました。救急隊の処置やこちらに来てから使った薬で、心臓はまた動き出しています。ただし、呼吸は回復していないので、ああやって口から管を入れて人工呼吸器で呼吸を補助しています」
一美はそこで一度口を噤む。一拍置いて、「ヒィ」と康子のむせび泣きが響いた。太一は何度も彼女の肩をさすりながら、目を一美に向ける。
「それで、助かるんですか……助かるんですよね?」
必死なその眼差しに「はい」と答えてやりたくても、一美は気休めにしかならない嘘を口にするわけにはいかないのだ。
グッと唇を引き締めて、続ける。
「非常に厳しい状態です。康太君のように、命を落としそうになったけれども何とか取り留めたことを、我々の専門用語ではALTE、乳幼児突然性危急事態と呼びます。何故そうなるのか、それは原因不明です。ただ、突然、そうなるのです。これはご両親の行動や他の何かが悪かったとか、決してそういうことではありません――決して」
一美は、腫れた康子の目を真っ直ぐに見据えながら、きっぱりと断言する。
今の彼女の眼差しの中にあるものはショックと悲しみだけだが、いずれ日が経てばその大部分は罪悪感と後悔に変わってくる。そして自分の行動を一つ一つ思い返し、「あれが悪かったのではないか」「これが悪かったのではないか」と始めるのだ。
それを完全に防ぐことはできないが、軽減できるかどうかは、彼の言葉一つにかかってくる。
正確に言えば、康太の状態は息を吹き返すことができたALTEではなく、助かる見込みのないSIDS――乳幼児突然死症候群だ。
だが、あなた達の子どもはもう死んでいる、と伝えて、メリットは一つもない。真実とごまかしとを織り交ぜて話す方がいい。
「いいですか? 我々も、でき得る限りのことはします。ですが、最終的には、康太君の生命力次第です。今、康太君は一生懸命頑張っていますから、一緒に見守っていきましょう。さあ、康太君の傍に行ってあげてください」
二人をそう促し、ベッドサイドへ導いた。後は川西に任せて一美と肇、そして萌はナースステーションに戻る。
「康太君……助かりますよね?」
両親に声が届かないところまでくると、囁くように萌が尋ねてくる。ジッと見上げてくるその目が望んでいる返事を、一美は知っている。だが、彼は首を振った。
「無理だ。早ければ三日で片が着くだろう。万が一命はつなげたとしても、自分で呼吸ができるようにはならない」
きっぱりと断言した一美に、萌は大きな目をさらに見開く。
「わたしは……わたしは、何をしたらいいんですか? 何ができますか?」
「何も。ただ、両親がこれを受け入れられるようになるだけの時間を稼ぐだけだ。いくら待っても、完全に受容できるようにはならないが、ゼロよりはいい」
その台詞を聞いた萌は、唇を噛み締めた。
――そんなに強く噛んだら、切れてしまう。
思わず手を伸ばしそうになるのを、一美は堪えた。
何故、彼女が夜勤の時に、こんなことになるのか。
どうにもできないことに、彼は苛立ちを覚える。
萌には、まだ早いのだ。
ふと、先ほどまで会っていた、萌とそう年の変わらない女子大生達を思い出した。
あんなにも能天気に遊んでいられる彼女たちと萌とは、何がそんなに違うというのだろう。
生まれて間もない赤ん坊の死の場面に立ち会うなど、何も二十歳の小娘が味わわなくてもいいではないか。
看護師は患者を護り、癒す存在だ。しかし、その細い肩を見下ろしていると、萌こそを誰かが護ってやるべきではないのかと、一美は思った。
だが、そんな彼の物思いをよそに、萌が顔を上げる。唇は赤くなっていたが、そこに血はにじんでいなかった。
「わたし、わたしにできることをさがします。少しでも、何か……」
萌はそう言って、潤みを消した目を一美に向ける。
彼女のその真っ直ぐすぎる眼差しに、一美は不安を覚えてしまう。
のめり込めば、それだけ最期を迎えた時のダメージも大きくなるだろう。先のない患者と接するなら、もっとドライになれる者の方がいい。
そんなことを考えながら、一美は萌を見つめる。その視線をどう受け止めたのか、彼女は軽く頭を下げると、再びPICUに戻っていった。
一美は、取り敢えず今晩だけのことだから、とその背中を見送る。
「彼女……ちょっと心配ですね」
そう呟いたのは肇だ。一美の心中を代弁した台詞に、彼も頷く。
そう、誰が見ても、萌のひたむきさには不安を覚える筈だった。
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