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アニスさんとマリアさんに店の撤退を強硬に反対される

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「話は変わるけど、ユリス君が帰ってもお店は残すのよね?」



「それはまだわかりません。アニス様、今それを決めてる最中なので」



「撤退は駄目です。絶対にです!!」



アニス様が物凄い勢いで近寄ってきた。



「わかりましたから、落ち着いて下さい」



「ユリス君撤退に関しては私も反対よ!!」



  マリア様まで興奮して反対してきた。今ジルさんが一生懸命抑えている所だ。



「なぜ二人はそこまで反対するのだ? 理由を聞かせてくれぬか?」



「では私アニスが代表して述べさせていただきます。まず美容品や、服、おしゃれグッツが手に入らなくなりますし、ガリウス領産の、美味しい食べ物が手に入らなくなります!!」





「そんなに違うのか?」



「当然です!! ちょっとそこの貴方例のものが焼き上がってるはずだから持ってきて、ちょうだい」



「かしこまりました」



  メイドさんが持って来たのは僕の家でいつも食卓にのっていたものだ。



「あ~!! それは、アベルの所で食べたパン。職人に言って何度も試行錯誤させてもだめだったものが、なぜここに?」



「ごめんなさい。貴方。実は給仕の人がユリスくんの店で、小麦粉と、必要な者を買ってきて焼いている所に出くわして、匂いですぐにあのパンだとわかったから分けてもらっていたの」



「そしてよく厨房に行くから私が後をつけたら、こんな美味しいものを食べてるんですもの」



「はぁ~ ずるいよ。自分だけ」



「ごめんなさい。ジル」



アニスさんはジルさんの後ろから前へ手を回していた



「まぁとにかく食べればわかるんだな?」



「ええ、貴方ぜひ食べてください」



「ああ、わかった。なんだ!! このパンの甘みと柔らかさは今まで食べたことがないぞ!! なるほど、これは確かに手に入らなくなるのはまずいな」



「そうでしょ? 貴方、いっそう王家でユリス君のお店、買い取ってしまいましょうか?」



「賛成です。お母様!!」



「シアも美味しいものを食べれるなら賛成」



シアちゃんは口にパンを入れながら賛成していた。



「そうじゃな。ユリスどうじゃ?」



「陛下が構わないのであれば僕は大丈夫ですよ」



「うむ、では白金貨三七枚で買い取る変わりに、ガリウス男爵領の最新商品をいち早くおいてくれぬか?」



「わかりました」



  こうして店は売却できたが、宿はどうしよう?



「宿はどうしますか?」



「そう言えば宿どもあったわね」



  アニスさんはかなり悩んでる様子だ



「噂ではサービスも料理もよくて居心地いいと言う話だけど、実際に見ていないと。 決めたわ!! ユリス君今日のお昼頃に視察に行くから」



  え、今日?? 僕は慌ててしまった。



「わかりました。準備してきます」



  そう言うと僕は急いで宿屋に向かった。



  宿屋につくとそこにいたメンバー全てを招集した。



「皆いきなりごめん。お昼から王妃様の視察が入った。皆には大変申し訳ないけど、よろしくお願いします」





「「「え~ !!!」」」





  皆流石はプロひとしきり驚いた後は自分の仕事に邁進していた。



  僕は邪魔になるといけないので馬車に戻ってバーチャルゲームを楽しんでいた。



  部下働かせて上司が遊んでるなと言うつ込みは適材適所ということでなしにしてください。テヘ



  宿に到着して少し経つと王家の馬車が到着し、アニス様が馬車から降りてきた。



「まぁ立派な造りね」



「ありがとうございます」



  アニスさんはいろいろと見られて花柄の部屋が気に入った様子だった。



「ユリス君この壁紙は手に入るのかしら?」



アニスさんは目を輝かせていた聞いてきた



「手に入りますよ」



「なら後で寸法を渡すから調達してくれるかしら?」



「かしこまりました」



「あ、後このベッドもいいわね。このベッドもお願いね」



  結局他にも気に入った物を調達するように言われアニスさんの買い物会場と化してしまった。



「うん。決めたわ。この宿も買うわ。陛下から私が決めていいといわれているし」



「わかりました。でも人は現地で雇った人以外残るかわかりませんよ?」



「構わないわ。穴は元メイドとかで埋めるから。さぁお次はお待ちかねのご飯に行きましょう」



 アニス様は鼻歌を歌いながら食堂に向かっていた。食堂につくと出迎えてくれたシェフにメニューを聞いた。



「シェフ今日の料理は?」



「パスタです。こちらのミートソースをかけてお召し上がりください」



  誰かが教えたらしく、食堂につくとすでに料理が用意されていた。



「おいしいわ!!」



「ね、貴方は残るの?」



シェフは難しい顔をしながら



「トアリスさん次第ですね」



「何故?」



「トアリスさんにこの間プロポーズしたからです」



シェフは顔が真赤だ。



噂をすればなんとやら、ご本人の登場だ



「あ、あの」



どうやら一部始終を聞いてしまったようで顔が真赤だ。アンちゃんは訳が分からず不思議そうにしている。



「トアリスさんどうしますか?」



「ゆっくり考えたんですけど、よろしくお願いします!!」



「おめでと!!」



「幸せにね!!」





周りで聞いていた、野次馬達がお祝いの言葉をかけだした。



「さぁ、皆、仕事に戻って」



僕が号令をかけると一斉に動き出した



そんな中アンちゃんだけがわけがわからない様子で、僕の方に歩いてきた。



「お兄ちゃん。お母さんどうかしたの?」



「うーん。簡単に言うとアンちゃんに新しいお父さんができたてことかな」



「アンにお父さんができたの? やったー!!」



「さぁアンちゃんは九尾にご飯あげて来れるかな?」



「アンいつもやってるからできるよ」



「よし、じゃあアンちゃんお願いできるかな」



「はーい」



アンちゃんはたのまれたのが嬉しいのか、はしゃぎながら餌をやりにいった。



「騒がしくて申し訳ありません」



「いえ、面白いものが見れたから気にしないわ。じゃあ帰るわね」



と言ってアニスさんは帰って行った















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