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十歳の試しの儀

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騎士を城に送り届けると家に帰り、セバスは留守中の情報を集めに行った。ユリスは父親に報告をするため商会長室に向かった。ノックをして入ると机の上にある書類の山と格闘する父親がいた。父親は手を止めユリスの元に行くと抱きしめた

「よくやった!」

父親は興奮した様子だった

「父さん痛いです」

「ああ、すまん、すまん。ユリスが無事に戻ってきた上に、商売を続けられると思うと嬉しくてな」

そう言うと父親はユリスを離した

「そうだ! ユリス。喜べ。辺境伯様がユリスに褒美を下さるそうだ」

「え? 本当ですか?」

「ああ。先ほど連絡が来てな。明日城に来てほしいそうだ」

ユリスは内心ガツポーズをしていた。辺境伯から買いたいものがあり、今回の功績を使って交渉できないものかと、帰りの馬車で思案していたのだ

「では、明日伺います」

「ああ、あの方は優しいので多少の無作法は見逃してくださるだろうが、くれぐれも失礼のないようにな」

「わかったよ。父さん」

「ならいい」

「あ、父さん。褒美と言えば陛下から白金貨二千枚と商業権をもらったよ」

「二千枚だと!! 陛下は随分と奮発されたのだな」

この世界では小銅貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨とあり、裕福な貴族の領地収入が、白金貨三百枚から五百枚なので、どれだけ奮発したのかがわかるだろう

「うん。俺も驚いたけど、もたもたしてると貴族に捕まりそうだから、手早く話をまとめて帰ってきたんだ」

「なるほどな。賢明な判断だ」

「ありがとう」

「話は変わるがユリスが行う十歳の儀は一か月後三か月に渡って行い、披露宴も行うからそのつもりでな」

「わかりました」

十歳の儀とは、仕入れ以外全て自分で行い、指定金額をクリアすれば合格となる。補助は付くが、自分主導で行わなければならない。

「ユリスの商人としての価値を周りから値踏みされることになる。気合を入れろよ」

「うん。これ以上ない結果を出してみせるよ」

ユリスは疲れていたため自室に戻ると、陛下の後ろ盾を得たことを伝え忘れたことを思い出したが、眠気には勝てずベットに入ると寝てしまった。

そのころ、商会長の元には緊急の連絡が届いていた



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みんなの感想(1件)

マヒル
2022.02.25 マヒル

不良在庫親子に取られないか?
個人指定出来ないのか?

解除

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