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第2章
ドッキリ大作戦→ハプニング
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俺の後ろ、ずっと後ろの森から出てきたもの。
俺よりもずっと巨大で、オースティンの船よりずっと巨大なもの。
「な、な、ななな……!」
連中が見上げるほど大きく、恐ろしいもの。
それは――白い巨竜、ユグドラシルだ。
「「なんじゃこりゃあああああーっ!?」」
オースティンを含めた連中が、一斉に叫び声をあげておののいた。
ま、いきなり30メートルどころじゃないデカさの竜が姿を現したんだから、小便を漏らさないだけまだましってところか。
『グオオオオオオオオッ!』
ただ、ユグドラシルが吼えると、さすがに部下の何人かはズボンを濡らした。
ところでこの巨竜なんだが、当然本物じゃない。
実はこいつ――ラジコンみたいなものなんだ。
鉄や木を組み合わせてクラフトして、白い自然由来の塗料でコーティング。
エセルたちに渡したのはリモコンで、簡単な動きができる装置を使って手や首を動かしたり、雄叫びを上げさせたりする。
よく見てみれば見抜けるだろうけど、パニックになったあいつらには無理だろうな。
「オースティン様! あれは、あれはまさか、伝説のユグドラシルでは!?」
「バカを言うな! あんなものはただのおとぎ話だ! 調査結果ではあれほどの竜が暮らせる場所なんてないんだ、存在するわけがないんだぞ!」
「で、では! 目の前にいる怪物はどう説明されるのですか!?」
「知るか、知るかァ! とにかく全員、矢を放てェ!」
オースティンの部下が一斉に矢を撃つけど、まったくもってユグドラシルはどうじない。
そりゃそうだ、あれはユグドラシルもどきなんだからさ。
「……き、効いていません……」
「そ、そんなバカな……」
「おいおい、さっきまでの威勢はどうしたんだ? ユグドラシルなんて怖くないなんて言ってたわりには、すっかり腰が引けてるぜ?」
ガクガクと震える奴らの前で、俺はにやりと笑う。
「よーし、もう一度だけチャンスをやる。おとなしくヘルヘイムス島から出て行って、二度と関わらないと約束するか、ユグドラシルに踏み潰されるかだ」
このタイミングで条件を出してやれば、ほとんどの輩は従う。
そうしないのは、利益しか頭にないミラクルバカくらいだろうな。
「こ、ここは従いましょう、オースティン様!」
「バカを言うな! 僕が名を上げるためには、ここを支配しないといけないんだ!」
おまけに、自ら武勲なんてないってカミングアウトするほどのバカだぜ。
「ハッ、やっぱり臆病者だな。アンタはどうしようもない負け犬――」
今度こそ勝ち誇って、俺が鼻を鳴らした時だった。
『……グゥ』
急に、ユグドラシルもどきの口からおかしな音が鳴った。
変だな……あんな音声が鳴るような設計にはしてないんだけどな。
「え?」
ふと振り返ってみると、白い巨竜の口から煙が漏れ出してる。
『グ、ゴゴ、ガギゴ……!』
「おいおいおいおい、どうなってるんだ!?」
まさか、と嫌な予感が頭をよぎるのと同時に、エセルたちが草むらから飛び出してきた。
「大変です、虎太郎さん!」
「エセル!?」
「ユグドラシルの様子がおかしいです! さっきまで普通に動いていたのに、リモコンの指示を聞きません!」
確かに彼女の言う通り、リモコンのボタンを押しても、ユグドラシルはちっとも動かない。
むしろボタンを押すたびに、奇怪な音が張りぼてから漏れるんだ。
「ジェシカおねーちゃんが、面白がってボタンを押しまくるからだよ!」
「お、押したのはリタだよぉ~っ!」
「虎太郎様! ユグドラシルが……」
ジェシカとリタが揉めているうち、とうとうミーナがユグドラシルを指さした。
俺たち全員が嫌な汗を流してるのは、ユグドラシルもどきが動き出したからだ――壊れたラジオみたいに、変な音を出しながら。
『ゴギャグ、ギギ、ギギギギギギギ――』
首がグルグル回り、腕の部品がボロボロと取れ始めて、そして。
『――ギャアアアアアアアスッ!』
特撮映画の怪獣みたいに、頭からすっかり崩壊してしまった。
残ったのは、上半身と違ってチープな造りの、白く塗られた土台だけだ。
「ユグドラシルが、崩れ落ちた……!?」
「……やべえ」
俺がぽつりとつぶやいて振り返ると、オースティンたちはもう怯えてなんてなかった。
むしろ、とんでもない激情で瞳がめらめらと燃えているんだ。
「……なるほど、なるほど。つまりあの巨竜は張りぼてで、僕らを脅かすためにひと晩で造り上げた、ニセモノだったのか」
「い、意外と理解力はあるんだな」
「ああ、あるとも。たった今、貴様らクソガキへの怒りに取って代わったがなァ!」
そして怒りは、いとも簡単に言葉や態度となって表れた。
しかもそれはほかのメンツも同じで、俺たちに一斉に矢を向けてきた。
「構えろ! こいつらを射殺して、モンスターの餌にしてやる!」
すっかりキレたやつらに、もう小細工は通用しない。
少なくとも、ドラゴン三姉妹はこれ以上の交渉なんて考えてないみたいだ。
「こうなったら、やるしかありません! 虎太郎さん、自分が先陣を切って暴れます!」
「あたしとリタもやれるよ! コタロー君とミーナちゃんは後ろに下がっててね!」
「皆様……!」
俺とミーナが、ジェシカの後ろに押しのけられる。
「クソ、戦うしかねえのか……ん?」
それでもなんとか、無傷でどうにかしたいと俺が思っていた、その瞬間。
ふと、海の向こうに何かが見えた。
「……まさか……」
いいや、向こうじゃない。
あまりにも大きくて、俺の脳が錯覚しているだけだ。
すでに島のそばまで来ている――本物の存在に、俺はやっと気づいた。
俺よりもずっと巨大で、オースティンの船よりずっと巨大なもの。
「な、な、ななな……!」
連中が見上げるほど大きく、恐ろしいもの。
それは――白い巨竜、ユグドラシルだ。
「「なんじゃこりゃあああああーっ!?」」
オースティンを含めた連中が、一斉に叫び声をあげておののいた。
ま、いきなり30メートルどころじゃないデカさの竜が姿を現したんだから、小便を漏らさないだけまだましってところか。
『グオオオオオオオオッ!』
ただ、ユグドラシルが吼えると、さすがに部下の何人かはズボンを濡らした。
ところでこの巨竜なんだが、当然本物じゃない。
実はこいつ――ラジコンみたいなものなんだ。
鉄や木を組み合わせてクラフトして、白い自然由来の塗料でコーティング。
エセルたちに渡したのはリモコンで、簡単な動きができる装置を使って手や首を動かしたり、雄叫びを上げさせたりする。
よく見てみれば見抜けるだろうけど、パニックになったあいつらには無理だろうな。
「オースティン様! あれは、あれはまさか、伝説のユグドラシルでは!?」
「バカを言うな! あんなものはただのおとぎ話だ! 調査結果ではあれほどの竜が暮らせる場所なんてないんだ、存在するわけがないんだぞ!」
「で、では! 目の前にいる怪物はどう説明されるのですか!?」
「知るか、知るかァ! とにかく全員、矢を放てェ!」
オースティンの部下が一斉に矢を撃つけど、まったくもってユグドラシルはどうじない。
そりゃそうだ、あれはユグドラシルもどきなんだからさ。
「……き、効いていません……」
「そ、そんなバカな……」
「おいおい、さっきまでの威勢はどうしたんだ? ユグドラシルなんて怖くないなんて言ってたわりには、すっかり腰が引けてるぜ?」
ガクガクと震える奴らの前で、俺はにやりと笑う。
「よーし、もう一度だけチャンスをやる。おとなしくヘルヘイムス島から出て行って、二度と関わらないと約束するか、ユグドラシルに踏み潰されるかだ」
このタイミングで条件を出してやれば、ほとんどの輩は従う。
そうしないのは、利益しか頭にないミラクルバカくらいだろうな。
「こ、ここは従いましょう、オースティン様!」
「バカを言うな! 僕が名を上げるためには、ここを支配しないといけないんだ!」
おまけに、自ら武勲なんてないってカミングアウトするほどのバカだぜ。
「ハッ、やっぱり臆病者だな。アンタはどうしようもない負け犬――」
今度こそ勝ち誇って、俺が鼻を鳴らした時だった。
『……グゥ』
急に、ユグドラシルもどきの口からおかしな音が鳴った。
変だな……あんな音声が鳴るような設計にはしてないんだけどな。
「え?」
ふと振り返ってみると、白い巨竜の口から煙が漏れ出してる。
『グ、ゴゴ、ガギゴ……!』
「おいおいおいおい、どうなってるんだ!?」
まさか、と嫌な予感が頭をよぎるのと同時に、エセルたちが草むらから飛び出してきた。
「大変です、虎太郎さん!」
「エセル!?」
「ユグドラシルの様子がおかしいです! さっきまで普通に動いていたのに、リモコンの指示を聞きません!」
確かに彼女の言う通り、リモコンのボタンを押しても、ユグドラシルはちっとも動かない。
むしろボタンを押すたびに、奇怪な音が張りぼてから漏れるんだ。
「ジェシカおねーちゃんが、面白がってボタンを押しまくるからだよ!」
「お、押したのはリタだよぉ~っ!」
「虎太郎様! ユグドラシルが……」
ジェシカとリタが揉めているうち、とうとうミーナがユグドラシルを指さした。
俺たち全員が嫌な汗を流してるのは、ユグドラシルもどきが動き出したからだ――壊れたラジオみたいに、変な音を出しながら。
『ゴギャグ、ギギ、ギギギギギギギ――』
首がグルグル回り、腕の部品がボロボロと取れ始めて、そして。
『――ギャアアアアアアアスッ!』
特撮映画の怪獣みたいに、頭からすっかり崩壊してしまった。
残ったのは、上半身と違ってチープな造りの、白く塗られた土台だけだ。
「ユグドラシルが、崩れ落ちた……!?」
「……やべえ」
俺がぽつりとつぶやいて振り返ると、オースティンたちはもう怯えてなんてなかった。
むしろ、とんでもない激情で瞳がめらめらと燃えているんだ。
「……なるほど、なるほど。つまりあの巨竜は張りぼてで、僕らを脅かすためにひと晩で造り上げた、ニセモノだったのか」
「い、意外と理解力はあるんだな」
「ああ、あるとも。たった今、貴様らクソガキへの怒りに取って代わったがなァ!」
そして怒りは、いとも簡単に言葉や態度となって表れた。
しかもそれはほかのメンツも同じで、俺たちに一斉に矢を向けてきた。
「構えろ! こいつらを射殺して、モンスターの餌にしてやる!」
すっかりキレたやつらに、もう小細工は通用しない。
少なくとも、ドラゴン三姉妹はこれ以上の交渉なんて考えてないみたいだ。
「こうなったら、やるしかありません! 虎太郎さん、自分が先陣を切って暴れます!」
「あたしとリタもやれるよ! コタロー君とミーナちゃんは後ろに下がっててね!」
「皆様……!」
俺とミーナが、ジェシカの後ろに押しのけられる。
「クソ、戦うしかねえのか……ん?」
それでもなんとか、無傷でどうにかしたいと俺が思っていた、その瞬間。
ふと、海の向こうに何かが見えた。
「……まさか……」
いいや、向こうじゃない。
あまりにも大きくて、俺の脳が錯覚しているだけだ。
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