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第2章
良からぬ来訪者→人間の技術
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「コタロー君、あれ! 海岸から煙が!」
もくもくと一筋の煙が立っているのは、いつも素材を取りに行く海岸だ。
おまけに元いた場所を追われたのか、モンスターの叫び声も聞こえてくる。
「自然に発生したもの……なわけないよな!」
エセルがミーナを担ぎ、4人で煙に向かってどかどかと走ってゆく。
森林を挟み、そう遠くない海岸に近づくうち、ようやく煙と轟音を巻き起こした連中が見えてきた。
無人島に似つかわしくない、上から下まで真っ黒な服に身を包んだ連中。
そしてその先頭に立つのは、老人と――長い銀髪の、豪奢な身なりの男だ。
あのいかにも成金って雰囲気の男は、名前を聞かなくたって、どこで会ったか、どんな奴だったかをはっきりと覚えてるよ。
「間違いありませんわ……あのお方たちは、お兄様の親衛隊!」
「それに先頭に立ってるのって、あの時のあやしーおじさんと、執事みたいなおじいちゃんだよ! リゾート計画を話してた、あいつらだ!」
ミーナとリタの言う通り、あいつは港で会った男だ。
俺たちに、ヘルヘイムス島のリゾート化を勧めてきた野郎だ!
「貴方たち、何をしているんですか!」
海岸に着いて早々、エセルが吼えた。
「……予想通り。こうすれば来てくれると、信じていたよ」
竜人族の咆哮を聞いても、武器を構えた黒服の面々も、成金野郎も動じない。
むしろ待っていたとばかりに、口端を吊り上げて笑ってやがる。
「オースティン・オッドランドだな?」
俺が聞くと、オースティンは一層いやらしい笑みを浮かべた。
「ああ、名前を憶えてくれていたのか。だったら、どうして僕がここに来たのか、君たちと話し合いの場を設けたいのか、分かってくれるね?」
「話し合いなんて必要ありません、自分が追い払います!」
「グゥルル……!」
エセルとジェシカは臨戦態勢だけど、ここで戦うなんて危険すぎる。
「落ち着け、エセル、ジェシカ。数じゃあ、圧倒的にこっちが不利だ」
「数の差なんて、竜人族の力の前には無意味です!」
「どうだかな。こいつらは人間の力で、ヘルヘイムス島まで無傷でやって来たんだ。それを甘く見てると、大けがするのはこっちの方だぜ」
「お見事。君はどうやら、話が通じるようだ」
俺がふたりを制するのを見ながら、オースティンが後ろの船を指さした。
とんでもなく大きな船だ――俺がクラフトしたパドル船と、さほど変わらないほどに。
「この船はセントラルで造られた、最新鋭の船でね。非常にパワフルで、しかもマナストーンの応用で、モンスターが近寄らない波動を発することができるんだ」
しかも、モンスターを回避する能力まであるなんて。
「海流を無視して、しかもモンスターと戦う危険性がないのか!?」
「ありえません! ドワーフならまだしも、人間がそこまでのものを……」
「竜人族の傲慢さは、ここまで目を曇らせるのだね」
呆れた調子で、オースティンは言った。
「このヘルヘイムス島に人間が足を踏み入れなかったのは、モンスターが怖いからでも、沈没を恐れたからでもない。単にくだらない伝承を恐れた田舎者どもが反発していただけだ。ふたを開ければ、何でもない、ただの未踏の地だな」
エリューズの住民は、ヘルヘイムス島を神聖な場所だと思ってくれている。
でも、こいつは違う。
明らかにここをひとつの資源地としか見ていない、いや、ともすればそれ以下の搾取すべき場所としか思っていないんだ。
「何が言いたいんだ?」
「僕たちがここをより良いところにしてあげようと、提案しているんだ」
「ふざけてるのかよ」
俺が反論すると、オースティンはジェシカから下りたミーナを一瞥した。
「……ミーナ。僕の予想通り、彼らとの関係性はうまく築けたみたいだね?」
「お、お兄様……」
「お前からも言ってくれ。こちらに悪意はないと、ヘルヘイムス島をリゾート化すれば利益も出るし、竜人族にも礼ははずむと説得してくれないか?」
この野郎。
こいつはミーナの願いをかなえるためじゃなく、ミーナを利用して俺たちを懐柔して、交渉の役に立てようとしたんだ。
最初から、ミーナのことなんてちっとも考えちゃいなかったんだな。
「お前、まさかそのためにミーナを……!」
「分かっているな? 仮にもオッドランド家の女なら、僕の言う通りに――」
ぎろりと睨みつけるような視線をぶつけて、オースティンが言った。
ミーナはしばらく縮こまってたけど、ごくり、とつばを飲み込んでから答えた。
「……わ、わたくしには言えませんわ」
「なんだと?」
「お兄様が何をお望みかは知りませんでしたわ! ですが、このヘルヘイムス島に土足で、乱暴に踏み入るような頼み事はできません!」
オースティンの瞳孔が細くなるのも構わず、ミーナが声を張り上げた。
こいつは驚いちゃいるが、こっちとしては驚くほどのことじゃない。
お前が妹をぞんざいに扱っている間に、俺たちはミーナと本当のつながりを紡いで、喜びも苦しみも分かち合ったんだ。
オッドランド家で過ごした数年よりも濃厚な、数日間をな。
「わたくしは、わたくしは……虎太郎様と皆様を、心から愛してますの!」
はっきりとミーナが告げた時、オースティンの表情が変わった。
「……愚かな連中に好かれるだけが、お前の能だと思っていたんだがな」
「お兄様!」
「どうやら、それ以上のことはできない無能だったようだ」
感情が柔和なものから、醜悪な怒りに染まってゆく。
俺がまずい、と思った時には遅かった。
「篭絡すらできないなら、島に来るまでにくたばっておけば良かったんだ、オッドランド家の出来損ないがっ!」
オースティンの野郎は、ミーナを――実の妹を、殴り飛ばしたんだ!
もくもくと一筋の煙が立っているのは、いつも素材を取りに行く海岸だ。
おまけに元いた場所を追われたのか、モンスターの叫び声も聞こえてくる。
「自然に発生したもの……なわけないよな!」
エセルがミーナを担ぎ、4人で煙に向かってどかどかと走ってゆく。
森林を挟み、そう遠くない海岸に近づくうち、ようやく煙と轟音を巻き起こした連中が見えてきた。
無人島に似つかわしくない、上から下まで真っ黒な服に身を包んだ連中。
そしてその先頭に立つのは、老人と――長い銀髪の、豪奢な身なりの男だ。
あのいかにも成金って雰囲気の男は、名前を聞かなくたって、どこで会ったか、どんな奴だったかをはっきりと覚えてるよ。
「間違いありませんわ……あのお方たちは、お兄様の親衛隊!」
「それに先頭に立ってるのって、あの時のあやしーおじさんと、執事みたいなおじいちゃんだよ! リゾート計画を話してた、あいつらだ!」
ミーナとリタの言う通り、あいつは港で会った男だ。
俺たちに、ヘルヘイムス島のリゾート化を勧めてきた野郎だ!
「貴方たち、何をしているんですか!」
海岸に着いて早々、エセルが吼えた。
「……予想通り。こうすれば来てくれると、信じていたよ」
竜人族の咆哮を聞いても、武器を構えた黒服の面々も、成金野郎も動じない。
むしろ待っていたとばかりに、口端を吊り上げて笑ってやがる。
「オースティン・オッドランドだな?」
俺が聞くと、オースティンは一層いやらしい笑みを浮かべた。
「ああ、名前を憶えてくれていたのか。だったら、どうして僕がここに来たのか、君たちと話し合いの場を設けたいのか、分かってくれるね?」
「話し合いなんて必要ありません、自分が追い払います!」
「グゥルル……!」
エセルとジェシカは臨戦態勢だけど、ここで戦うなんて危険すぎる。
「落ち着け、エセル、ジェシカ。数じゃあ、圧倒的にこっちが不利だ」
「数の差なんて、竜人族の力の前には無意味です!」
「どうだかな。こいつらは人間の力で、ヘルヘイムス島まで無傷でやって来たんだ。それを甘く見てると、大けがするのはこっちの方だぜ」
「お見事。君はどうやら、話が通じるようだ」
俺がふたりを制するのを見ながら、オースティンが後ろの船を指さした。
とんでもなく大きな船だ――俺がクラフトしたパドル船と、さほど変わらないほどに。
「この船はセントラルで造られた、最新鋭の船でね。非常にパワフルで、しかもマナストーンの応用で、モンスターが近寄らない波動を発することができるんだ」
しかも、モンスターを回避する能力まであるなんて。
「海流を無視して、しかもモンスターと戦う危険性がないのか!?」
「ありえません! ドワーフならまだしも、人間がそこまでのものを……」
「竜人族の傲慢さは、ここまで目を曇らせるのだね」
呆れた調子で、オースティンは言った。
「このヘルヘイムス島に人間が足を踏み入れなかったのは、モンスターが怖いからでも、沈没を恐れたからでもない。単にくだらない伝承を恐れた田舎者どもが反発していただけだ。ふたを開ければ、何でもない、ただの未踏の地だな」
エリューズの住民は、ヘルヘイムス島を神聖な場所だと思ってくれている。
でも、こいつは違う。
明らかにここをひとつの資源地としか見ていない、いや、ともすればそれ以下の搾取すべき場所としか思っていないんだ。
「何が言いたいんだ?」
「僕たちがここをより良いところにしてあげようと、提案しているんだ」
「ふざけてるのかよ」
俺が反論すると、オースティンはジェシカから下りたミーナを一瞥した。
「……ミーナ。僕の予想通り、彼らとの関係性はうまく築けたみたいだね?」
「お、お兄様……」
「お前からも言ってくれ。こちらに悪意はないと、ヘルヘイムス島をリゾート化すれば利益も出るし、竜人族にも礼ははずむと説得してくれないか?」
この野郎。
こいつはミーナの願いをかなえるためじゃなく、ミーナを利用して俺たちを懐柔して、交渉の役に立てようとしたんだ。
最初から、ミーナのことなんてちっとも考えちゃいなかったんだな。
「お前、まさかそのためにミーナを……!」
「分かっているな? 仮にもオッドランド家の女なら、僕の言う通りに――」
ぎろりと睨みつけるような視線をぶつけて、オースティンが言った。
ミーナはしばらく縮こまってたけど、ごくり、とつばを飲み込んでから答えた。
「……わ、わたくしには言えませんわ」
「なんだと?」
「お兄様が何をお望みかは知りませんでしたわ! ですが、このヘルヘイムス島に土足で、乱暴に踏み入るような頼み事はできません!」
オースティンの瞳孔が細くなるのも構わず、ミーナが声を張り上げた。
こいつは驚いちゃいるが、こっちとしては驚くほどのことじゃない。
お前が妹をぞんざいに扱っている間に、俺たちはミーナと本当のつながりを紡いで、喜びも苦しみも分かち合ったんだ。
オッドランド家で過ごした数年よりも濃厚な、数日間をな。
「わたくしは、わたくしは……虎太郎様と皆様を、心から愛してますの!」
はっきりとミーナが告げた時、オースティンの表情が変わった。
「……愚かな連中に好かれるだけが、お前の能だと思っていたんだがな」
「お兄様!」
「どうやら、それ以上のことはできない無能だったようだ」
感情が柔和なものから、醜悪な怒りに染まってゆく。
俺がまずい、と思った時には遅かった。
「篭絡すらできないなら、島に来るまでにくたばっておけば良かったんだ、オッドランド家の出来損ないがっ!」
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