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第1章
恋しいお風呂→愛しいパジャマ
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初めての開拓生活から、一夜が明けた。
モンスターひしめく無人島で無事に朝を迎えられたのは、チート級のクラフトスキルと、頼れるドラゴン三姉妹のおかげだ。
その事実に感謝しながら、俺は朝から3人を率いて、朝日を背にして家の前に出ていた。
「いっちに、いっちに……」
何をしているかというと、見ての通りのラジオ体操だ。
もちろんラジオなんてないから、俺の動きに皆がついてくる。
ジャンプして、体を伸ばして、いちに、いちに。
「はーい、大きく深呼吸……吸って、吐いて……よし、ラジオ体操終わりっ」
最後に体を伸ばしながら深呼吸して、肩から力を抜くと、後ろでエセルが首を傾げた。
「虎太郎さん、この『ラジオタイソウ』とは何ですか?」
「俺の故郷の、朝の習慣みたいなもんだ。本当はメシを食う前にするんだが、体を動かしたら頭も冴えてきて、いい気分だろ?」
「確かに、ちょっと体が軽いような気がしますね」
エセルは長女らしく、もともと朝に強いみたいだけど、残りふたりはそうでもない。
「リタ、まだ眠いよ~……」
「すぴー……ぷひゅるー……」
ツインテールを括らず、目をこするくらいのリタはまだましだ。
ウルフカットはぼさぼさ、涎も垂らしてるジェシカは半分しか目が開いてないし、鼻ちょうちんも作ってる。
ぐっすり寝ながらラジオ体操を踊るなんて、ある意味器用だな。
「寝てるやつもいるみたいだけど、まあいいか」
無理矢理起こして丸焦げになるのも怖いと思った俺は、ひとまず話を進めることにした。
「さてと、とりあえず今後の目標を話しておこうと思う。昨日も言ったけど、ぶっちゃけ、今の俺たちには家と井戸があるだけで、それ以外は足りないものだらけだ」
俺ひとりならてきとうにクラフトして生活できるが、4人となるとそうはいかない。
特に女の子の視点から必要なものは、積極的に作ってあげたいもんな。
「そこでみんなから意見をもらって、引き続き足りない設備やアイテムをクラフトしていこうと思う。皆、遠慮なく言って――」
「お洋服!」
「お風呂ーっ!」
俺が聞くと、リタとジェシカがかっと目を見開いて叫んだ。
その反射神経は、スポーツ選手もびっくりするくらいだ。
「……起きてたのかよ、お前ら」
「今起きましたっ!」
「調子のいいやつだな、オイ」
ジェシカの大声に呆れつつも、俺はなるほど、と頷いた。
「でも、服も風呂も確かに必要だな。昨日は他の服がないから、今の服で寝たけど、どうしてもごわごわして仕方なかったもんな」
「ベッドもちょっと汚れちゃったしぃ、テンション下がる~!」
「それに、湯船にもずっと浸かっていませんし、シャワーも浴びていません。無人島でそんな便利なものを使えるとは思っていませんでしたが、水浴びばかりでは……」
わずかにエセルが鼻をひくつかせたのを見て、リタがにやりと笑った。
「エセルおねーちゃん、おにーちゃんが来てから匂いを気にしてるよね~♪」
途端に、エセルの顔がトマトほども赤くなり、尻尾で地面を叩いた。
しかも翼もはためかせるくらいだから、よっぽど気にしてるみたいだ。
「なっ……に、匂いと虎太郎さんは関係ないでしょう!?」
そうはいっても、俺は何も臭わないけどな。
むしろ1週間近くヘルヘイムス島にいたのに、青い髪は綺麗なストレートのままだし、普通ならもっとぼさぼさになってていいはずだ。
そこも多分、人間と竜人族の違いなんだろう。
「いやいや、そんなに変な匂いは――」
努めてエセルに気にさせないように、俺は彼女のそばに近寄ろうとした。
「何をしてるんですかっ!」
「うおわっ!?」
すると、すごい顔をしたエセルが俺に向かって水平チョップを繰り出してきた!
あぶねえ、もうちょっと俺が前に出てたら、首が吹っ飛んでたぞ!
「こ、虎太郎さんはデリカシーがありません! 決して、間違いなく、確実に臭くありませんが……匂いを判別しているように思われる行動は、今後は慎んでください!」
冷や汗をかく俺の表情なんて構わず、エセルはちょこちょこと俺から距離を取った。
だから臭くないし、どっちかっていうと花みたいないい匂いだってするぞ。
「おいおい、俺は匂いを嗅いでなんて……」
「アイアンクローで頭を握り潰しますよ!?」
「もう二度とやりませんっ!」
うーむ、これ以上言及すると尻尾で絞め殺されそうだ。
笑いをこらえるリタ、きょとんとするジェシカの方に逃げつつ、俺は言った。
「と、とにかく、今日は衣類と風呂をクラフトする素材を集めるところから始めるか!」
「そうですね、早急に作ってもらうことにしましょう!」
エセルも同意してくれた。
よかった、話を逸らすのには成功したみたいだ。
とりあえず、俺は昨日のようにクラフト画面を開いて『設備』から『風呂』の項目をタップしてゆく。
相変わらず低いクラフトレベルのせいで、ほとんどが『?』マークしか表示されてないが、幸い《シャワー》と《五右衛門風呂》だけは作れるみたいだ。
……きっとこっちの世界じゃ通じないぞ、五右衛門風呂。
「クラフトレベルが上がったから、《五右衛門風呂》ならクラフトできるみたいだ。必要な素材は鉱物系に木材、石……家とほとんど似た素材があればできるのか」
というか、家のクラフトに必要な素材が、設備の要になるっぽい。
だったら素材を集める場所も、一緒にクラフトしておくと便利だな。
「服の素材になる布も必要だ。エセル、砂浜沿いに綿が自生してたって言ってたよな?」
「はい、砂浜と林の境目に生えていました。波に乗って流れ着いたのかもしれません」
「だったら砂浜を通って、昨日、素材を集めたところに向かうとするか」
風呂と洋服が手に入ると知って、次女と三女も喜ぶ。
「お風呂のためなら、なんでもやっちゃうよーっ☆」
「お洋服のために、おにーちゃんもおねーちゃんも頑張ってね~♪」
「こら、リタも手伝うんだぞ」
「は~い」
リタも心なし、俺の言うことを聞いてくれるようになった気がする。
皆との距離の縮まりを何となく感じながら、俺は昨日のように、握りこぶしを掲げた。
「それじゃあ今日も、快適な島暮らしのためにがんばるぞー!」
「「おーっ!」」
ヘルヘイムス島開拓生活・2日目。
今日の目標は――『洋服づくり』と『風呂に浸かる』だ!
モンスターひしめく無人島で無事に朝を迎えられたのは、チート級のクラフトスキルと、頼れるドラゴン三姉妹のおかげだ。
その事実に感謝しながら、俺は朝から3人を率いて、朝日を背にして家の前に出ていた。
「いっちに、いっちに……」
何をしているかというと、見ての通りのラジオ体操だ。
もちろんラジオなんてないから、俺の動きに皆がついてくる。
ジャンプして、体を伸ばして、いちに、いちに。
「はーい、大きく深呼吸……吸って、吐いて……よし、ラジオ体操終わりっ」
最後に体を伸ばしながら深呼吸して、肩から力を抜くと、後ろでエセルが首を傾げた。
「虎太郎さん、この『ラジオタイソウ』とは何ですか?」
「俺の故郷の、朝の習慣みたいなもんだ。本当はメシを食う前にするんだが、体を動かしたら頭も冴えてきて、いい気分だろ?」
「確かに、ちょっと体が軽いような気がしますね」
エセルは長女らしく、もともと朝に強いみたいだけど、残りふたりはそうでもない。
「リタ、まだ眠いよ~……」
「すぴー……ぷひゅるー……」
ツインテールを括らず、目をこするくらいのリタはまだましだ。
ウルフカットはぼさぼさ、涎も垂らしてるジェシカは半分しか目が開いてないし、鼻ちょうちんも作ってる。
ぐっすり寝ながらラジオ体操を踊るなんて、ある意味器用だな。
「寝てるやつもいるみたいだけど、まあいいか」
無理矢理起こして丸焦げになるのも怖いと思った俺は、ひとまず話を進めることにした。
「さてと、とりあえず今後の目標を話しておこうと思う。昨日も言ったけど、ぶっちゃけ、今の俺たちには家と井戸があるだけで、それ以外は足りないものだらけだ」
俺ひとりならてきとうにクラフトして生活できるが、4人となるとそうはいかない。
特に女の子の視点から必要なものは、積極的に作ってあげたいもんな。
「そこでみんなから意見をもらって、引き続き足りない設備やアイテムをクラフトしていこうと思う。皆、遠慮なく言って――」
「お洋服!」
「お風呂ーっ!」
俺が聞くと、リタとジェシカがかっと目を見開いて叫んだ。
その反射神経は、スポーツ選手もびっくりするくらいだ。
「……起きてたのかよ、お前ら」
「今起きましたっ!」
「調子のいいやつだな、オイ」
ジェシカの大声に呆れつつも、俺はなるほど、と頷いた。
「でも、服も風呂も確かに必要だな。昨日は他の服がないから、今の服で寝たけど、どうしてもごわごわして仕方なかったもんな」
「ベッドもちょっと汚れちゃったしぃ、テンション下がる~!」
「それに、湯船にもずっと浸かっていませんし、シャワーも浴びていません。無人島でそんな便利なものを使えるとは思っていませんでしたが、水浴びばかりでは……」
わずかにエセルが鼻をひくつかせたのを見て、リタがにやりと笑った。
「エセルおねーちゃん、おにーちゃんが来てから匂いを気にしてるよね~♪」
途端に、エセルの顔がトマトほども赤くなり、尻尾で地面を叩いた。
しかも翼もはためかせるくらいだから、よっぽど気にしてるみたいだ。
「なっ……に、匂いと虎太郎さんは関係ないでしょう!?」
そうはいっても、俺は何も臭わないけどな。
むしろ1週間近くヘルヘイムス島にいたのに、青い髪は綺麗なストレートのままだし、普通ならもっとぼさぼさになってていいはずだ。
そこも多分、人間と竜人族の違いなんだろう。
「いやいや、そんなに変な匂いは――」
努めてエセルに気にさせないように、俺は彼女のそばに近寄ろうとした。
「何をしてるんですかっ!」
「うおわっ!?」
すると、すごい顔をしたエセルが俺に向かって水平チョップを繰り出してきた!
あぶねえ、もうちょっと俺が前に出てたら、首が吹っ飛んでたぞ!
「こ、虎太郎さんはデリカシーがありません! 決して、間違いなく、確実に臭くありませんが……匂いを判別しているように思われる行動は、今後は慎んでください!」
冷や汗をかく俺の表情なんて構わず、エセルはちょこちょこと俺から距離を取った。
だから臭くないし、どっちかっていうと花みたいないい匂いだってするぞ。
「おいおい、俺は匂いを嗅いでなんて……」
「アイアンクローで頭を握り潰しますよ!?」
「もう二度とやりませんっ!」
うーむ、これ以上言及すると尻尾で絞め殺されそうだ。
笑いをこらえるリタ、きょとんとするジェシカの方に逃げつつ、俺は言った。
「と、とにかく、今日は衣類と風呂をクラフトする素材を集めるところから始めるか!」
「そうですね、早急に作ってもらうことにしましょう!」
エセルも同意してくれた。
よかった、話を逸らすのには成功したみたいだ。
とりあえず、俺は昨日のようにクラフト画面を開いて『設備』から『風呂』の項目をタップしてゆく。
相変わらず低いクラフトレベルのせいで、ほとんどが『?』マークしか表示されてないが、幸い《シャワー》と《五右衛門風呂》だけは作れるみたいだ。
……きっとこっちの世界じゃ通じないぞ、五右衛門風呂。
「クラフトレベルが上がったから、《五右衛門風呂》ならクラフトできるみたいだ。必要な素材は鉱物系に木材、石……家とほとんど似た素材があればできるのか」
というか、家のクラフトに必要な素材が、設備の要になるっぽい。
だったら素材を集める場所も、一緒にクラフトしておくと便利だな。
「服の素材になる布も必要だ。エセル、砂浜沿いに綿が自生してたって言ってたよな?」
「はい、砂浜と林の境目に生えていました。波に乗って流れ着いたのかもしれません」
「だったら砂浜を通って、昨日、素材を集めたところに向かうとするか」
風呂と洋服が手に入ると知って、次女と三女も喜ぶ。
「お風呂のためなら、なんでもやっちゃうよーっ☆」
「お洋服のために、おにーちゃんもおねーちゃんも頑張ってね~♪」
「こら、リタも手伝うんだぞ」
「は~い」
リタも心なし、俺の言うことを聞いてくれるようになった気がする。
皆との距離の縮まりを何となく感じながら、俺は昨日のように、握りこぶしを掲げた。
「それじゃあ今日も、快適な島暮らしのためにがんばるぞー!」
「「おーっ!」」
ヘルヘイムス島開拓生活・2日目。
今日の目標は――『洋服づくり』と『風呂に浸かる』だ!
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