2 / 108
第1章
クラフトスキル→テント作り
しおりを挟む
「よし、それじゃあ早速、アイテムクラフトをしてみるか!」
さっきまでの絶望感はどこへやら、俺はやる気満々でメニュー画面をタッチした。
『クラフトメニュー:●施設●ツール●武器』
エトセトラエトセトラ……。
山ほどクラフトできるアイテムや建物のジャンルと画像が表示されたけど、そのうちほとんどは灰色に染まってる。
これはゲームだと、序盤のレベル不足が原因でクラフトできないアイテムだ。
で、そのレベルを上げるにはどうするかって言うと、クラフトし続ければいい。
ゲームをやり込めばやり込むほど、自然にレベルは上昇して、それに伴ってクラフトできるアイテムは多くなり、建物は豪華になり、生活は便利になる。
そしてさらに便利さを求めてクラフトして、レベルを上げてと、延々ループする。
こんなやり込み要素があったから、前世の俺は寝る間も惜しんでこのゲームをやってた。
おかげで一時期、成績がガクンと落ちて……いや、この話はやめとこう。
とにかく、俺はゲームの記憶を手繰り寄せる。
最初に作ってたのは、ええと、何だったかな。
「そうだ、家だ!」
俺はゲームを始めて、とにもかくにも家を作りたがってた。
何が潜んでいるのか、何が起きるか分からない島で、棲むところがないなんて不安感をいつまでも抱いてられない。
逆に言えば、家さえあれば、とりあえず心の平穏は保たれるってのが俺の考えだ。
そうと決まれば、善は急げ。俺はメニュー画面を指でスライドして、今のレベルで唯一クラフトできる家をタップした。
『《テント》:レベル1でクラフト可能。とりあえず雨風はしのげるが、よく破れる。
必要素材:木の枝×4、布系の素材×1』
レベル1でクラフト可能なのは、ちょっと頼りないテント。
欲を言えば“豆腐ハウス”くらいは欲しかったけど、異世界で少なくとも安心して眠れる場所が手に入るなら、文句も言ってられない。
どっちかっていうと、問題は別のところにあるんだ。
「……急にモンスターとか、出てこないよな?」
なんせここは、俺の知らない、ゲームの中とも違うらしい異世界。
ゴブリンとかオークとか、ドラゴンとかが出てきたら、間違いなく一巻の終わりだ。
「……出てきませんように……」
背筋にちょっぴり冷たいものを覚えながら、俺はいそいそと砂浜で素材を集め始めた。
幸い、木の枝は落ちているものを簡単に拾えたし、布も漂着したらしいぼろきれがあったので、素材収集には5分とかからなかった。
「よし、これで素材は揃ったな」
俺の声に応じるように、メニュー画面にも『クラフト可能』と表示される。
あとはその項目をタッチすれば、あっという間にクラフトが完了するんだよな……もちろん、ゲームの中の話だけど。
「……頼む、うまくいってくれよ……!」
確信はあるのに、なぜか祈るような気持ちで、俺は『クラフト可能』を押した。
「うおっ! まぶしっ!」
すると、1カ所に集めてた素材が光り出し、たちまちひとりでに組み立てられてゆく。
動画を早送りするように、ぱたぱたとコマ送りの漫画を見るように。
光が収束してゆくと、そこには小ぢんまりとしたテントが完成していた。
「すっげえ……」
俺は思わず言葉を漏らし、テントに触れる。
布はぼろきれとは思えないほど分厚くなってて、木の枝は太い木材となって、わが家が倒れないようにしっかりと支えてる。
中も布でしっかりと覆われてて、砂の上なのに不安定な様子もない。
どこまでもテントだけど、ほっそい枝+ボロボロの布でできたものとは考えられないな。
これなら、ずっととは言わずとも、しばらくは生活拠点にできるはずだ。
そう思うと、俺の中で、異世界で生きていける自信が湧いてきた。
「……このクラフトスキルがあれば、何でもできる……!」
間違いない!
レベルさえ上がれば、俺は謎の島で暮らしていける!
もっと大きな家に、水源になる井戸に、畑にその他もろもろ、ゲームみたいにどんなものでもクラフトできる!
そしていずれは島を出て、異世界を心ゆくまで楽しむんだ!
「このスキルで、サイコーにハッピーな異世界ライフを満喫してやるぜ――」
テントの前で夢を膨らませた俺が、両手を高く掲げて宣言した時だった。
突然、海と砂浜の境目が弾けた。
いや、違う。
海の中から、俺めがけて何かが飛び出してきたんだ。
「――え」
それは巨大な、本当に巨大な魚だった。
俺の背丈より長く、信じられないほど肥え太っている、縞模様の魚。
おまけに大きく開いた口には牙が並んでいて、目は確かに俺を捉えてる。
『キシャアアアーッ!』
雄叫びまで上げるそいつが俺のところまで海から飛び跳ねてきたんだから、何をするつもりかなんて決まってる。俺を頭から丸かじりする気だ。
逃げろと脳が命令しても、体が動かない。
そしてこれはゲームじゃないから、頭を食いちぎられれば間違いなく死ぬ。
冗談だろ、せっかく希望を見出したのに、こんなところでゲームオーバーか。
ふざけんな、笑えない、最悪だ。
言いたいことをひとつも話せないまま、俺は死を覚悟して目を閉じた――。
「……?」
だけど、痛みも死も、ちっともやってこない。
どうしてだろうかと思いつつ、俺はゆっくりと目を開けた。
『ギュグエッ!?』
そこにいたのは、体がくの字に曲がった怪魚。
そして――どデカい魚を殴りつける、少女の姿だった。
「でりゃあああッ!」
青い髪の女の子が拳を振り抜くと、巨大な魚はたちまち吹っ飛ばされて、砂浜に転がった。
口から青い泡を吹いて痙攣しているうち、魚はぴくりとも動かなくなる。
間違いなく死んだと思しき魚を、俺が唖然と見つめていると、少女が言った。
「まさか『シータイガー』が島の近くに来るなんて……ですが、おかげで昼食には困りませんね」
そうして凛とした顔つきで俺を見て、首を傾げた。
「それで、どうして人間が、このヘルヘイムス島にいるのですか?」
彼女が俺をわざわざ人間と呼ぶ理由は、すぐに分かった。
少女の背中に生えた翼と、お尻から生えた長い尻尾。
まるでドラゴンとヒトのあいの子のような彼女の目は、腰を抜かした俺を、しっかと見据えていた。
さっきまでの絶望感はどこへやら、俺はやる気満々でメニュー画面をタッチした。
『クラフトメニュー:●施設●ツール●武器』
エトセトラエトセトラ……。
山ほどクラフトできるアイテムや建物のジャンルと画像が表示されたけど、そのうちほとんどは灰色に染まってる。
これはゲームだと、序盤のレベル不足が原因でクラフトできないアイテムだ。
で、そのレベルを上げるにはどうするかって言うと、クラフトし続ければいい。
ゲームをやり込めばやり込むほど、自然にレベルは上昇して、それに伴ってクラフトできるアイテムは多くなり、建物は豪華になり、生活は便利になる。
そしてさらに便利さを求めてクラフトして、レベルを上げてと、延々ループする。
こんなやり込み要素があったから、前世の俺は寝る間も惜しんでこのゲームをやってた。
おかげで一時期、成績がガクンと落ちて……いや、この話はやめとこう。
とにかく、俺はゲームの記憶を手繰り寄せる。
最初に作ってたのは、ええと、何だったかな。
「そうだ、家だ!」
俺はゲームを始めて、とにもかくにも家を作りたがってた。
何が潜んでいるのか、何が起きるか分からない島で、棲むところがないなんて不安感をいつまでも抱いてられない。
逆に言えば、家さえあれば、とりあえず心の平穏は保たれるってのが俺の考えだ。
そうと決まれば、善は急げ。俺はメニュー画面を指でスライドして、今のレベルで唯一クラフトできる家をタップした。
『《テント》:レベル1でクラフト可能。とりあえず雨風はしのげるが、よく破れる。
必要素材:木の枝×4、布系の素材×1』
レベル1でクラフト可能なのは、ちょっと頼りないテント。
欲を言えば“豆腐ハウス”くらいは欲しかったけど、異世界で少なくとも安心して眠れる場所が手に入るなら、文句も言ってられない。
どっちかっていうと、問題は別のところにあるんだ。
「……急にモンスターとか、出てこないよな?」
なんせここは、俺の知らない、ゲームの中とも違うらしい異世界。
ゴブリンとかオークとか、ドラゴンとかが出てきたら、間違いなく一巻の終わりだ。
「……出てきませんように……」
背筋にちょっぴり冷たいものを覚えながら、俺はいそいそと砂浜で素材を集め始めた。
幸い、木の枝は落ちているものを簡単に拾えたし、布も漂着したらしいぼろきれがあったので、素材収集には5分とかからなかった。
「よし、これで素材は揃ったな」
俺の声に応じるように、メニュー画面にも『クラフト可能』と表示される。
あとはその項目をタッチすれば、あっという間にクラフトが完了するんだよな……もちろん、ゲームの中の話だけど。
「……頼む、うまくいってくれよ……!」
確信はあるのに、なぜか祈るような気持ちで、俺は『クラフト可能』を押した。
「うおっ! まぶしっ!」
すると、1カ所に集めてた素材が光り出し、たちまちひとりでに組み立てられてゆく。
動画を早送りするように、ぱたぱたとコマ送りの漫画を見るように。
光が収束してゆくと、そこには小ぢんまりとしたテントが完成していた。
「すっげえ……」
俺は思わず言葉を漏らし、テントに触れる。
布はぼろきれとは思えないほど分厚くなってて、木の枝は太い木材となって、わが家が倒れないようにしっかりと支えてる。
中も布でしっかりと覆われてて、砂の上なのに不安定な様子もない。
どこまでもテントだけど、ほっそい枝+ボロボロの布でできたものとは考えられないな。
これなら、ずっととは言わずとも、しばらくは生活拠点にできるはずだ。
そう思うと、俺の中で、異世界で生きていける自信が湧いてきた。
「……このクラフトスキルがあれば、何でもできる……!」
間違いない!
レベルさえ上がれば、俺は謎の島で暮らしていける!
もっと大きな家に、水源になる井戸に、畑にその他もろもろ、ゲームみたいにどんなものでもクラフトできる!
そしていずれは島を出て、異世界を心ゆくまで楽しむんだ!
「このスキルで、サイコーにハッピーな異世界ライフを満喫してやるぜ――」
テントの前で夢を膨らませた俺が、両手を高く掲げて宣言した時だった。
突然、海と砂浜の境目が弾けた。
いや、違う。
海の中から、俺めがけて何かが飛び出してきたんだ。
「――え」
それは巨大な、本当に巨大な魚だった。
俺の背丈より長く、信じられないほど肥え太っている、縞模様の魚。
おまけに大きく開いた口には牙が並んでいて、目は確かに俺を捉えてる。
『キシャアアアーッ!』
雄叫びまで上げるそいつが俺のところまで海から飛び跳ねてきたんだから、何をするつもりかなんて決まってる。俺を頭から丸かじりする気だ。
逃げろと脳が命令しても、体が動かない。
そしてこれはゲームじゃないから、頭を食いちぎられれば間違いなく死ぬ。
冗談だろ、せっかく希望を見出したのに、こんなところでゲームオーバーか。
ふざけんな、笑えない、最悪だ。
言いたいことをひとつも話せないまま、俺は死を覚悟して目を閉じた――。
「……?」
だけど、痛みも死も、ちっともやってこない。
どうしてだろうかと思いつつ、俺はゆっくりと目を開けた。
『ギュグエッ!?』
そこにいたのは、体がくの字に曲がった怪魚。
そして――どデカい魚を殴りつける、少女の姿だった。
「でりゃあああッ!」
青い髪の女の子が拳を振り抜くと、巨大な魚はたちまち吹っ飛ばされて、砂浜に転がった。
口から青い泡を吹いて痙攣しているうち、魚はぴくりとも動かなくなる。
間違いなく死んだと思しき魚を、俺が唖然と見つめていると、少女が言った。
「まさか『シータイガー』が島の近くに来るなんて……ですが、おかげで昼食には困りませんね」
そうして凛とした顔つきで俺を見て、首を傾げた。
「それで、どうして人間が、このヘルヘイムス島にいるのですか?」
彼女が俺をわざわざ人間と呼ぶ理由は、すぐに分かった。
少女の背中に生えた翼と、お尻から生えた長い尻尾。
まるでドラゴンとヒトのあいの子のような彼女の目は、腰を抜かした俺を、しっかと見据えていた。
90
お気に入りに追加
320
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
付与効果スキル職人の離島生活 ~超ブラックな職場環境から解放された俺は小さな島でドラゴン少女&もふもふ妖狐と一緒に工房を開く~
鈴木竜一
ファンタジー
傭兵を派遣する商会で十年以上武器づくりを担当するジャック。貴重な付与効果スキルを持つ彼は逃げ場のない環境で強制労働させられていたが、新しく商会の代表に就任した無能な二代目に難癖をつけられ、解雇を言い渡される。
だが、それは彼にとってまさに天使の囁きに等しかった。
実はジャックには前世の記憶がよみがえっており、自分の持つ付与効果スキルを存分に発揮してアイテムづくりに没頭しつつ、夢の異世界のんびり生活を叶えようとしていたからだ。
思わぬ形で念願叶い、自由の身となったジャックはひょんなことから小さな離島へと移住し、そこで工房を開くことに。ドラゴン少女やもふもふ妖狐や病弱令嬢やらと出会いつつ、夢だった平穏な物づくりライフを満喫していくのであった。
一方、ジャックの去った商会は経営が大きく傾き、その原因がジャックの持つ優秀な付与効果スキルにあると気づくのだった。
俺がいなくなったら商会の経営が傾いた?
……そう(無関心)
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる