23 / 95
おっさん、新人冒険者の面倒を見る
盗賊団のアジトにて
しおりを挟む
イスモアの町は、これといって特徴がない辺鄙な町であった。
ただ、何もないが故に昔から小悪党の隠れ家となっており、騎士団が押し寄せてきたことも少なくない。
人によってはイスモアの町を『悪党の家』と呼ぶ者もいる。
いまやここに来る者は、悪党か、悪党を追いかける者のどちらかだ。
「……ねえ、リン」
「なに、セレナ」
さて、ここにいるセレナとリンは、後者だ。
月夜に悪党を追いかけて、アジトに乗り込んで、やっつけてやると豪語した。
「――今度からはもうちょっと考えて行動します、ごめんなさ~いっ!」
その結果が、これだ。
ふたりはアジトの小屋の柱に縄で縛りつけられ、強面の男達に囲まれていた。
自慢の剣技と魔法で倒せた敵はせいぜい4、5人で、数の暴力には敵わず、たちまちセレナもリンも一切抵抗できない状態まで追い込まれてしまったのである。
「今更言っても遅いよ」
むすっとした顔でリンが言うと、ふたりの正面に立つ男が笑った。
「がっはっは! まさか真正面から俺達を捕まえるなんて大見得切るなんざ、とんだ肝っ玉の冒険者だな!」
リンの倍ほどもある体躯と、もじゃもじゃの髪に髭、全身の生々しい傷痕。
肩から提げた巨大な斧も含め、この男が依頼書に記されていたヤヴァンに違いない。
「だがまあ、そういうのがさまになるのは、実力が伴ってこそよ。部下を何人かぶっ飛ばしたくらいじゃあ、このヤヴァンの首は取れんぞ」
「親分、こいつらをどうするつもりです?」
「さっさと殺して、埋めてやりましょうよ!」
「そう急くな。命知らずな冒険者にも、使い道はあるもんだ」
ヤヴァンは屈んで、睨みつけるセレナと目線を合わせる。
「おい、金髪の小娘。お前らの保護者はどこだ?」
彼が何を狙っているのかを察せないほど、セレナも鈍くはない。
恐らくこれから、自分達は身代金要求のための交渉材料にされるのだ。
「……何の話? あたし達はぶッ」
セレナはしらを切ろうとしたが、ヤヴァンの拳が彼女の顔面に直撃した。
力を相当抑えているとはいえ、顔から拳が離れると、セレナの鼻から血が垂れた。
「セレナ!」
「もう一度聞くぞ、クソガキ。お前らが危ない目に遭ったと知って、金を払ってくれそうな奴はどこにいるんだ?」
ぞっとするような悪党の目に、セレナが映る。
「……知らないよ、そんなの……おぐッ!」
彼女が答えようとしないと見るや否や、今度は立ち上がり、腹に蹴りを叩き込む。
「ぐ、がは、がっ……!」
しかも一度や二度ではない。
硬い革製の靴で、何度も腹や顔を蹴るのだ。
「やめて、セレナを傷つけないで!」
リンが叫び声を上げると、ヤヴァンは暴力を振るうのをやめた。
ただし、情けからではなく、セレナの恐怖に怯えた返答を期待しているからだ。
「げほ、ごほ……聞いて、どうすんのさ……」
血を流し、顔を少しを腫らしながらも反抗心を剥き出しにするセレナに、ヤヴァンは感心すらしているようだった。
だから解放するかと言われれば、そんなわけはないのだが。
「当然、お前らの為に身代金をひねり出す金蔓になってもらう。何度か金を払ってもらったら、生首だけはそいつのところに返してやるさ」
「あたし達みたいなのが、お金なんて……持ってるように……見える……?」
「おうとも。この高級な剣や魔導書、貧乏人に買えるわけがないだろう?」
しまった、とセレナもリンも、目で言ってしまった。
ダンテに買ってもらったものは、いずれもC級冒険者どころか、B級冒険者ですらろくに手に入れられない代物だ。
盗賊、ましてやヤヴァンほどの有名人なら、即座に見抜いて判断するだろう。
彼女達にアイテムを分け与えて、冒険者活動をさせている者がいるのだと。
「大方、どこぞの小金持ちがワガママ娘に高級なアイテムを買い与えて、冒険者ごっこでもやらせたんだろうよ」
だから彼と盗賊団は、ごっこ遊びをする子供達を人質に取ろうと画策したのだ。
ところが、ヤヴァンの言葉はセレナの逆鱗に触れた。
「……ごっこなんかじゃ、ない」
「あ?」
「冒険者ごっこじゃない! あたし達はいつか、A級冒険者になるんだ!」
セレナは本気でA級冒険者を目指しているのだ。
真剣に挑む日々を遊びだと一蹴されれば、本気で怒り狂っても仕方ないだろう。
もっとも、彼女の怒りなど、ヤヴァン盗賊団が恐れるはずがない。
「「――ぎゃははははは!」」
顔を見合わせて、盗賊団の面々は大笑いした。
「こいつらが、A級!? 冗談キツイぜ!」
「酒の肴になりそうな笑い話だな、ひゃははは!」
腹を抱えて笑い、涙が出るほど笑う。
自分達が目指すすべてを侮辱されたように思えて、セレナとリンの顔が悔しさで歪んだ。
「わ……笑うな、笑うなぁっ!」
「ボクとセレナの夢を、バカにするな!」
目に涙が浮かぶほど怒鳴り散らしても、ヤヴァン達が謝るわけも、訂正するわけもない。
彼女達の必死さは、惨めさを助長するばかりだ。
「ひひひ、わ、笑うなと言う方が無理だぞ! お前らみたいなちんちくりんが、ひひ、A級冒険者なんて、俺が親なら現実を見ろと説教してやるところだ!」
「う、うぅ~……!」
「まったく、もうちょっと身の丈に合う夢を見るんだな、ガキ共!」
セレナが唇を噛みしめるしかできなくなったのは、ヤヴァンの言い分が、恐ろしいほど彼女が気にしていることだったからだ。
アポロスにはダンテに頼っているだけと言われて。
ヤヴァンには敵わない夢を追いかけているマヌケと笑われて。
彼女の心は、もうズタズタに切り裂かれていた。
「叶いもしない夢を抱えて、親だか何だかの助けがないと手に入らないような武器を持って、一丁前に冒険者気取りなんざ、笑い話以外の何物でもないだろうよ!」
「……くそ……」
「セレナ……」
ぶるぶると震えるセレナ、彼女を不安げに見つめるリン。
彼女達の苦しむさまを心底楽しそうに見下ろしながら、ヤヴァンが口を開いた。
「さて、いい加減聞かせてくれ。お前らの保護者は――」
しかし、盗賊の親玉が求めていた答えは、まるで別のところから返ってきた。
「「どわああああああッ!?」」
アジトのドアが爆散する音と共に、子分達が何人か吹っ飛んだ。
もうもうと立ち込める煙の臭いが絶叫に混ざり、ヤヴァンが獣のような形相で振り向く。
「誰だァ!?」
彼の視線の先には、月灯りを背に受ける男の姿があった。
真っ黒な影が、アジトに足を踏み入れてきて、やっとセレナ達は誰が来たかを知った。
「誰って、お前らが会いたがってた奴だよ――保護者じゃなくて、仲間だがな」
馬の尾のような後ろ髪、冷たい瞳に見慣れた顔。
ダンテ・ウォーレンがそこにいた。
ただ、何もないが故に昔から小悪党の隠れ家となっており、騎士団が押し寄せてきたことも少なくない。
人によってはイスモアの町を『悪党の家』と呼ぶ者もいる。
いまやここに来る者は、悪党か、悪党を追いかける者のどちらかだ。
「……ねえ、リン」
「なに、セレナ」
さて、ここにいるセレナとリンは、後者だ。
月夜に悪党を追いかけて、アジトに乗り込んで、やっつけてやると豪語した。
「――今度からはもうちょっと考えて行動します、ごめんなさ~いっ!」
その結果が、これだ。
ふたりはアジトの小屋の柱に縄で縛りつけられ、強面の男達に囲まれていた。
自慢の剣技と魔法で倒せた敵はせいぜい4、5人で、数の暴力には敵わず、たちまちセレナもリンも一切抵抗できない状態まで追い込まれてしまったのである。
「今更言っても遅いよ」
むすっとした顔でリンが言うと、ふたりの正面に立つ男が笑った。
「がっはっは! まさか真正面から俺達を捕まえるなんて大見得切るなんざ、とんだ肝っ玉の冒険者だな!」
リンの倍ほどもある体躯と、もじゃもじゃの髪に髭、全身の生々しい傷痕。
肩から提げた巨大な斧も含め、この男が依頼書に記されていたヤヴァンに違いない。
「だがまあ、そういうのがさまになるのは、実力が伴ってこそよ。部下を何人かぶっ飛ばしたくらいじゃあ、このヤヴァンの首は取れんぞ」
「親分、こいつらをどうするつもりです?」
「さっさと殺して、埋めてやりましょうよ!」
「そう急くな。命知らずな冒険者にも、使い道はあるもんだ」
ヤヴァンは屈んで、睨みつけるセレナと目線を合わせる。
「おい、金髪の小娘。お前らの保護者はどこだ?」
彼が何を狙っているのかを察せないほど、セレナも鈍くはない。
恐らくこれから、自分達は身代金要求のための交渉材料にされるのだ。
「……何の話? あたし達はぶッ」
セレナはしらを切ろうとしたが、ヤヴァンの拳が彼女の顔面に直撃した。
力を相当抑えているとはいえ、顔から拳が離れると、セレナの鼻から血が垂れた。
「セレナ!」
「もう一度聞くぞ、クソガキ。お前らが危ない目に遭ったと知って、金を払ってくれそうな奴はどこにいるんだ?」
ぞっとするような悪党の目に、セレナが映る。
「……知らないよ、そんなの……おぐッ!」
彼女が答えようとしないと見るや否や、今度は立ち上がり、腹に蹴りを叩き込む。
「ぐ、がは、がっ……!」
しかも一度や二度ではない。
硬い革製の靴で、何度も腹や顔を蹴るのだ。
「やめて、セレナを傷つけないで!」
リンが叫び声を上げると、ヤヴァンは暴力を振るうのをやめた。
ただし、情けからではなく、セレナの恐怖に怯えた返答を期待しているからだ。
「げほ、ごほ……聞いて、どうすんのさ……」
血を流し、顔を少しを腫らしながらも反抗心を剥き出しにするセレナに、ヤヴァンは感心すらしているようだった。
だから解放するかと言われれば、そんなわけはないのだが。
「当然、お前らの為に身代金をひねり出す金蔓になってもらう。何度か金を払ってもらったら、生首だけはそいつのところに返してやるさ」
「あたし達みたいなのが、お金なんて……持ってるように……見える……?」
「おうとも。この高級な剣や魔導書、貧乏人に買えるわけがないだろう?」
しまった、とセレナもリンも、目で言ってしまった。
ダンテに買ってもらったものは、いずれもC級冒険者どころか、B級冒険者ですらろくに手に入れられない代物だ。
盗賊、ましてやヤヴァンほどの有名人なら、即座に見抜いて判断するだろう。
彼女達にアイテムを分け与えて、冒険者活動をさせている者がいるのだと。
「大方、どこぞの小金持ちがワガママ娘に高級なアイテムを買い与えて、冒険者ごっこでもやらせたんだろうよ」
だから彼と盗賊団は、ごっこ遊びをする子供達を人質に取ろうと画策したのだ。
ところが、ヤヴァンの言葉はセレナの逆鱗に触れた。
「……ごっこなんかじゃ、ない」
「あ?」
「冒険者ごっこじゃない! あたし達はいつか、A級冒険者になるんだ!」
セレナは本気でA級冒険者を目指しているのだ。
真剣に挑む日々を遊びだと一蹴されれば、本気で怒り狂っても仕方ないだろう。
もっとも、彼女の怒りなど、ヤヴァン盗賊団が恐れるはずがない。
「「――ぎゃははははは!」」
顔を見合わせて、盗賊団の面々は大笑いした。
「こいつらが、A級!? 冗談キツイぜ!」
「酒の肴になりそうな笑い話だな、ひゃははは!」
腹を抱えて笑い、涙が出るほど笑う。
自分達が目指すすべてを侮辱されたように思えて、セレナとリンの顔が悔しさで歪んだ。
「わ……笑うな、笑うなぁっ!」
「ボクとセレナの夢を、バカにするな!」
目に涙が浮かぶほど怒鳴り散らしても、ヤヴァン達が謝るわけも、訂正するわけもない。
彼女達の必死さは、惨めさを助長するばかりだ。
「ひひひ、わ、笑うなと言う方が無理だぞ! お前らみたいなちんちくりんが、ひひ、A級冒険者なんて、俺が親なら現実を見ろと説教してやるところだ!」
「う、うぅ~……!」
「まったく、もうちょっと身の丈に合う夢を見るんだな、ガキ共!」
セレナが唇を噛みしめるしかできなくなったのは、ヤヴァンの言い分が、恐ろしいほど彼女が気にしていることだったからだ。
アポロスにはダンテに頼っているだけと言われて。
ヤヴァンには敵わない夢を追いかけているマヌケと笑われて。
彼女の心は、もうズタズタに切り裂かれていた。
「叶いもしない夢を抱えて、親だか何だかの助けがないと手に入らないような武器を持って、一丁前に冒険者気取りなんざ、笑い話以外の何物でもないだろうよ!」
「……くそ……」
「セレナ……」
ぶるぶると震えるセレナ、彼女を不安げに見つめるリン。
彼女達の苦しむさまを心底楽しそうに見下ろしながら、ヤヴァンが口を開いた。
「さて、いい加減聞かせてくれ。お前らの保護者は――」
しかし、盗賊の親玉が求めていた答えは、まるで別のところから返ってきた。
「「どわああああああッ!?」」
アジトのドアが爆散する音と共に、子分達が何人か吹っ飛んだ。
もうもうと立ち込める煙の臭いが絶叫に混ざり、ヤヴァンが獣のような形相で振り向く。
「誰だァ!?」
彼の視線の先には、月灯りを背に受ける男の姿があった。
真っ黒な影が、アジトに足を踏み入れてきて、やっとセレナ達は誰が来たかを知った。
「誰って、お前らが会いたがってた奴だよ――保護者じゃなくて、仲間だがな」
馬の尾のような後ろ髪、冷たい瞳に見慣れた顔。
ダンテ・ウォーレンがそこにいた。
33
お気に入りに追加
1,073
あなたにおすすめの小説

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

無能扱いされた実は万能な武器職人、Sランクパーティーに招かれる~理不尽な理由でパーティーから追い出されましたが、恵まれた新天地で頑張ります~
詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)
ファンタジー
鍛冶職人が武器を作り、提供する……なんてことはもう古い時代。
現代のパーティーには武具生成を役目とするクリエイターという存在があった。
アレンはそんなクリエイターの一人であり、彼もまたとある零細パーティーに属していた。
しかしアレンはパーティーリーダーのテリーに理不尽なまでの要望を突きつけられる日常を送っていた。
本当は彼の適性に合った武器を提供していたというのに……
そんな中、アレンの元に二人の少女が歩み寄ってくる。アレンは少女たちにパーティーへのスカウトを受けることになるが、後にその二人がとんでもない存在だったということを知る。
後日、アレンはテリーの裁量でパーティーから追い出されてしまう。
だが彼はクビを宣告されても何とも思わなかった。
むしろ、彼にとってはこの上なく嬉しいことだった。
これは万能クリエイター(本人は自覚無し)が最高の仲間たちと紡ぐ冒険の物語である。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる