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探索者ライフ①フレイヤの酒騒動!
お酒をやめるエトセトラ
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翌日から、宿では妙なうめき声が聞こえるようになった。
「……うぅ……」
正体はもちろん、禁酒を開始したフレイヤだ。
今まで毎晩のように飲み明かしていた人間にとって、丸一日酒を飲まないというのは拷問に等しい。ましてや酒で多くの物事を誤魔化していた人間ならなおさらだ。
いつもの剛毅な人柄はどこへやら、しょぼくれた顔のフレイヤはどことなく縮んですら見えた。
「まだ禁酒を始めて一日も経ってないってのに、随分とつらそうね」
「かわいそうですけど、わたくし達も心を鬼にしないといけませんわ」
宿の食堂でうなだれるフレイヤを、カムナ達は陰から見つめていた。
ただ、パーティーメンバー達とて、ただ酒を没収しておしまいではない。しっかりとフレイヤをサポートするのが、禁酒を切り出した者達の務めだ。
「フレイヤ、お酒の代わりになるようなドリンクを用意したよ! 口寂しくなったら、代わりにこっちを飲んでね!」
「これ、拾った木の実。美味しいから食べてね」
例えばクリスとマガツは、飲食の面からフレイヤを支えた。
クリスが市場街から買い込んできたのは、ノンアルコールドリンクだ。酒ほどの強さはないが、風味のおかげで口寂しさはまぎれるだろう。
一方でマガツはというと、どこからか麻袋いっぱいの木の実を調達してきたようだ。
「かたじけないな、クリス君、マガツ……」
木の実をつまんで口に含んだフレイヤの顔は、少しだけ元気になったらしい。
さて、二人が頑張っているのを、カムナとリゼットは見つめているだけではない。
「気持ちを切り替えるなら、体を動かすのが一番よ! 次の探索に備えて、あたしとスパーリングでもしましょ!」
飲食に詳しくないカムナは、身一つでできる手段をフレイヤに提示した。
宿の庭で組み手をする姿はそう珍しくなく、鍛錬の一つだと言ってフレイヤがカムナをしょっちゅう誘っていた。
武器を使わない武術は、ダンジョン探索でも必須だからだ。
「うむ、そうだな。気を紛らわせるにはよさそうだ」
最初は少しだけ渋っていたフレイヤも、カムナに連れられて外に出て体を動かすと、やはり気分は紛れるようであった。
ちなみにダンジョン探索自体は、フレイヤが落ち着くまでしばらく休んでいる。
ローズマリーも、これ以上酒乱が原因で騒動が起きるよりはずっとましだと思ったのか、あっさりと容認してくれた。
ただ、体を動かして食べてばかりでは、どうにも疲れてしまうだろう。
「心のリラックスには、アロマが欠かせませんわ。Cランクダンジョンで獲れた新鮮な果物を混ぜ合わせたオイルの香りをこうして広げれば……ほら!」
そこで、夜はリゼットの出番である。
貴族だった頃の経験を記憶として残している彼女は、市場街でてきとうな素材を買い集めてアロマを作り、フレイヤの部屋で焚いてあげた。
器具を作成したクリスの腕の良さもあってか、部屋中に安らぐ香りが広がる。
例えるなら、せせらぎと鳥の声だけが聞こえる遥か森の奥、とでも言うべきか。
「なるほど、いい香りだ……なんだか眠くなる、不思議なものだな……」
そんなシチュエーションでベッドにもぐりこむと、フレイヤはたちまち目を瞑り、静かな寝息を立て始めた。
彼女の額をぽん、と軽く叩き、リゼットは優しく微笑んでから部屋の外に出た。
「ゆっくりお休みなさいな。戦士の休息と思えば、誰も責めたりはしませんわ」
「うん、いい調子だね。とても健康的な生活を送れてるはずだよ」
外で待っていたクリス達は、初日を無事に終えたことにほっとしていた。
「食事に気を使って、適度な運動をして、夜にはアロマの力でぐっすり快眠。なんだか禁酒というより、金持ちの私生活を補助してる気分になってきたわね」
「これからもっと大変になるんだし、俺達ができる限りのサポートをしてあげないとね。聞いたところだと、少しでも苦しいと思うとお酒が欲しくなるらしいよ」
「……やめさせる、というのは少々酷かもしれませんわね」
リゼットはこう言っているが、こうせざるを得なかったのも事実だ。
半端な処置では結局効果がなかったのだから、乱暴な手段に出るのも致し方ない。最期にはこれがフレイヤのためになる、と一同は互いに頷き合う。
「酒場での事件があるから厳しめにスタートさせたけど、フレイヤならきっとやり遂げるよ。しっかりと自己管理ができるようになったら、没収していたお酒を……」
ただし、完全に酒を切り離すほど、クリスも鬼ではなかった。
彼は、没収したお酒をインテリアとして返すつもりだった。
「お酒、マガツが全部捨てたよ」
マガツの口から、恐ろしい発言が飛び出すまでは。
「え、いつの間に?」
「お部屋から引っ張り出した時。いらないと思ったから捨てたの」
魔獣ゆえに物の価値を知らない彼女はあっけらかんと、いつもの無表情で言ってのけたが、クリスとリゼットの血の気はさっと引いた。
「確かフレイヤのコレクションには、ビンテージワインやダンジョン由来の珍しいビールがいくつもあったように覚えていますわ……」
フレイヤは服や化粧に無頓着で、どこに稼いだお金を使っているのかさっぱりだった。
ところが今、それは判明した。高級な種類を買うのにお金が使われていたのだ。
そしてそれらは、マガツの手によって消し去られたのである。
「その話は、フレイヤにしちゃダメだよ」
「分からないけど、マガツ、分かった」
首を傾げるマガツのそばで、カムナが静かに部屋のドアを開けた。
廊下から差し込む光が、かすかにフレイヤの顔を照らす。
「かわいい寝顔じゃない。お酒なんてもうすっかり、頭の中から抜けてるって顔よ」
「これなら、じきにお酒なんて飲まなくなるかもね」
一同は安心したように微笑み合い、ゆっくりとドアを閉めた。
こうして二日、三日と経っても酒による恐ろしいトラブルは起きなくなり、誰もが順調に酒離れが進んでいると信じて疑わなかった。
ただ一人――フレイヤ自身を除いては。
「……うぅ……」
正体はもちろん、禁酒を開始したフレイヤだ。
今まで毎晩のように飲み明かしていた人間にとって、丸一日酒を飲まないというのは拷問に等しい。ましてや酒で多くの物事を誤魔化していた人間ならなおさらだ。
いつもの剛毅な人柄はどこへやら、しょぼくれた顔のフレイヤはどことなく縮んですら見えた。
「まだ禁酒を始めて一日も経ってないってのに、随分とつらそうね」
「かわいそうですけど、わたくし達も心を鬼にしないといけませんわ」
宿の食堂でうなだれるフレイヤを、カムナ達は陰から見つめていた。
ただ、パーティーメンバー達とて、ただ酒を没収しておしまいではない。しっかりとフレイヤをサポートするのが、禁酒を切り出した者達の務めだ。
「フレイヤ、お酒の代わりになるようなドリンクを用意したよ! 口寂しくなったら、代わりにこっちを飲んでね!」
「これ、拾った木の実。美味しいから食べてね」
例えばクリスとマガツは、飲食の面からフレイヤを支えた。
クリスが市場街から買い込んできたのは、ノンアルコールドリンクだ。酒ほどの強さはないが、風味のおかげで口寂しさはまぎれるだろう。
一方でマガツはというと、どこからか麻袋いっぱいの木の実を調達してきたようだ。
「かたじけないな、クリス君、マガツ……」
木の実をつまんで口に含んだフレイヤの顔は、少しだけ元気になったらしい。
さて、二人が頑張っているのを、カムナとリゼットは見つめているだけではない。
「気持ちを切り替えるなら、体を動かすのが一番よ! 次の探索に備えて、あたしとスパーリングでもしましょ!」
飲食に詳しくないカムナは、身一つでできる手段をフレイヤに提示した。
宿の庭で組み手をする姿はそう珍しくなく、鍛錬の一つだと言ってフレイヤがカムナをしょっちゅう誘っていた。
武器を使わない武術は、ダンジョン探索でも必須だからだ。
「うむ、そうだな。気を紛らわせるにはよさそうだ」
最初は少しだけ渋っていたフレイヤも、カムナに連れられて外に出て体を動かすと、やはり気分は紛れるようであった。
ちなみにダンジョン探索自体は、フレイヤが落ち着くまでしばらく休んでいる。
ローズマリーも、これ以上酒乱が原因で騒動が起きるよりはずっとましだと思ったのか、あっさりと容認してくれた。
ただ、体を動かして食べてばかりでは、どうにも疲れてしまうだろう。
「心のリラックスには、アロマが欠かせませんわ。Cランクダンジョンで獲れた新鮮な果物を混ぜ合わせたオイルの香りをこうして広げれば……ほら!」
そこで、夜はリゼットの出番である。
貴族だった頃の経験を記憶として残している彼女は、市場街でてきとうな素材を買い集めてアロマを作り、フレイヤの部屋で焚いてあげた。
器具を作成したクリスの腕の良さもあってか、部屋中に安らぐ香りが広がる。
例えるなら、せせらぎと鳥の声だけが聞こえる遥か森の奥、とでも言うべきか。
「なるほど、いい香りだ……なんだか眠くなる、不思議なものだな……」
そんなシチュエーションでベッドにもぐりこむと、フレイヤはたちまち目を瞑り、静かな寝息を立て始めた。
彼女の額をぽん、と軽く叩き、リゼットは優しく微笑んでから部屋の外に出た。
「ゆっくりお休みなさいな。戦士の休息と思えば、誰も責めたりはしませんわ」
「うん、いい調子だね。とても健康的な生活を送れてるはずだよ」
外で待っていたクリス達は、初日を無事に終えたことにほっとしていた。
「食事に気を使って、適度な運動をして、夜にはアロマの力でぐっすり快眠。なんだか禁酒というより、金持ちの私生活を補助してる気分になってきたわね」
「これからもっと大変になるんだし、俺達ができる限りのサポートをしてあげないとね。聞いたところだと、少しでも苦しいと思うとお酒が欲しくなるらしいよ」
「……やめさせる、というのは少々酷かもしれませんわね」
リゼットはこう言っているが、こうせざるを得なかったのも事実だ。
半端な処置では結局効果がなかったのだから、乱暴な手段に出るのも致し方ない。最期にはこれがフレイヤのためになる、と一同は互いに頷き合う。
「酒場での事件があるから厳しめにスタートさせたけど、フレイヤならきっとやり遂げるよ。しっかりと自己管理ができるようになったら、没収していたお酒を……」
ただし、完全に酒を切り離すほど、クリスも鬼ではなかった。
彼は、没収したお酒をインテリアとして返すつもりだった。
「お酒、マガツが全部捨てたよ」
マガツの口から、恐ろしい発言が飛び出すまでは。
「え、いつの間に?」
「お部屋から引っ張り出した時。いらないと思ったから捨てたの」
魔獣ゆえに物の価値を知らない彼女はあっけらかんと、いつもの無表情で言ってのけたが、クリスとリゼットの血の気はさっと引いた。
「確かフレイヤのコレクションには、ビンテージワインやダンジョン由来の珍しいビールがいくつもあったように覚えていますわ……」
フレイヤは服や化粧に無頓着で、どこに稼いだお金を使っているのかさっぱりだった。
ところが今、それは判明した。高級な種類を買うのにお金が使われていたのだ。
そしてそれらは、マガツの手によって消し去られたのである。
「その話は、フレイヤにしちゃダメだよ」
「分からないけど、マガツ、分かった」
首を傾げるマガツのそばで、カムナが静かに部屋のドアを開けた。
廊下から差し込む光が、かすかにフレイヤの顔を照らす。
「かわいい寝顔じゃない。お酒なんてもうすっかり、頭の中から抜けてるって顔よ」
「これなら、じきにお酒なんて飲まなくなるかもね」
一同は安心したように微笑み合い、ゆっくりとドアを閉めた。
こうして二日、三日と経っても酒による恐ろしいトラブルは起きなくなり、誰もが順調に酒離れが進んでいると信じて疑わなかった。
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