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9章 2021年 最愛の人
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「うん。好きなだけ、抱いてほしい」
手を引かれて二階へ上がる。蓮也はシャワールームでボディオイルを手に取り、それから寝室に入って十羽を大きなベッドに横たえさせ、上から唇を塞いだ。
十羽は自分でスウェットを脱いだ。脱いだ途端に脇腹にキスをされ「あっ」と声が出た。ヘソの周りや腰骨にもキスをされ、体がよがる。
「あぁ……っ」
悶えながらスウェットのズボンも脱いだ。蓮也が手を貸してくれたのでズボンを脱ぎ捨て、続けてボクサーパンツも脱いだ。硬くなった中心が露わになる。赤く熟れたそれが誘うように揺れ、蓮也が息を呑んだ。大きな手で握られたそれが、彼の口中に収まる。
「ふあぁ……っ」
温かい口中でそれが喜び、硬度を増し、全身に甘い悦楽が広がった。全裸の十羽は仰向けで足を大きく開いた。あられもない格好だが、恥ずかしさはない。蓮也にとっては22年ぶりに見る恋人の体だ。全てを見てほしい。
彼は自分の服を脱ぐ余裕もなく愛しい人の果実を貪った。
十羽の体が蜂蜜のようにとろける。
「あ……気持ちいい……っ」
「十羽はこれが好きだったよな。後ろも……」
ボディオイルのキャップを外した蓮也がオイルを手に取り、十羽の後孔に塗り込んだ。
軽く指を挿れられただけで「あ……ん」と声が漏れる。指が窄まりを押し広げるように中へ潜り込んで動く。
「んん……っ」
彼を何度も受け入れてきたそこが、愛撫に反応して容易に解れていく。
潤んだ瞳で熱い眼差しを向けると、彼が堪らないという風に息を漏らした。
「十羽……」
十羽の体から艶やかな色香が放たれる。演技では決して出せない、本物の色香が。早く彼がほしい。貫かれたい。そんな欲求が高まっていく。
「蓮也君、お願い……。今すぐ挿れて?」
一度スイッチが入れば、蓮也を求めて止まらなくなる。彼に抱かれるのが好きだ。恥じらいを捨て、全てを見せて一つになる、愛し合う行為が好きだ。昂ぶりを現すように後孔がヒクつき、彼を誘う。
蓮也がぐっと喉を鳴らす。
「そのお願い、久しぶりに聞いた。すげえ破壊力。やっぱりベッドの上では大胆だな」
「だって……」
「そういうところも好きだよ」
蓮也がスラックスの前をくつろげ、ボクサーパンツを下ろす。今にも破裂しそうな熱塊が顔を出し、天を仰いだ。十羽の膝裏を抱え上げ、待ち焦がれている後孔に熱塊の切っ先をあてがう。
「ん……!」
後孔がすんなりと侵入を許した。
ほしかったものを得られた喜びが十羽の体を震わせる。蓮也も最奥を突き「くう……っ」と吐息を漏らした。腰を引き、もう一度奥まで貫く。
「あっ……もっと!」
「十羽……十羽……!」
譫言のように名前を呼び、抽挿を繰り返す。
「あっ……あっ……あっ……!」
突かれるたびに体が喜んだ。愉悦に身を任せて彼を受け入れる。
過ぎた愉悦が苦しいのか、蓮也は肩で息をしながら眉間に皺を寄せ、十羽に熱塊を打ち込み続けた。しかし何度目かで耐えきれなくなり「悪い。もう……!」と苦しげに言った。
久しぶりなのだ。すぐに達するのも無理はない。
「僕はいいから、先にイって?」
そう言うと、一際強く突かれて十羽の体がのけ反った。
「ああっ!」
体内に熱情が注がれる。何度か腰を打ちつけて吐精した後、彼が十羽の上にドサリと倒れ込んで細い体を抱きしめた。まるで全力疾走した直後のように息が上がっている。
「はあ、はあ……。ほんとに……悪い。十羽はまだ全然なのに」
「僕は大丈夫」
呼吸が整うように、彼の背中を優しく撫でた。
服を着たままでは暑くて苦しそうだ。素肌で触れ合いたい気持ちも相まって、蓮也のシャツを脱がせようと手をかける。ふと、その手を彼に止められた。
「もう、20歳の頃とは違う。体を見てがっかりするなよ」
十羽は微笑み「しないよ。絶対に」と答えた。
蓮也が起き上がってシャツを脱ぐ。さらにはスラックスとボクサーパンツも脱いだ。ベッドの上にあぐらを掻いて座り、少し気まずげに後頭を掻く。
「一応、日頃から鍛えてはいるんだけど、な」
十羽は目を見張った。彼の体が驚くほど引き締まっていたからだ。20歳の頃とほとんど変わらないスリムな体躯だが、以前よりも胸板が厚くなり、全体的に筋肉量が増している。大人の男の色気を大いに感じ、惚れ惚れした。
「か、かっこいい!」
思わずキュンキュンしていると「おいで」と手を差し出されたので、その手に引っ張られて体を起こした。彼の上にまたがって腰を下ろす。抱き合って素肌の体温を感じ、安堵の息をついた。
「蓮也君……」
十羽は彼の耳にキスをした。首筋にもキスをしてついばむ。例え彼の容姿が以前より衰えていたとしても幻滅などしない。外見だけで好きになったわけではないのだ。
蓮也も同じように十羽の耳や肩、鎖骨をついばんでくれた。くすぐったいような甘い感覚が嬉しくて楽しい。軽やかな甘さに酔って「ふふ」と笑ったり、肩をすぼめたり。
意図せずかわいい色気を振りまく十羽を見て、蓮也は愛おしげに目を細めた。
「牛丸を誘う十羽の声を聞いたとき、嫉妬で本当にどうにかなりそうだった」
「あ、あれは、ただの演技だよ」
「牛丸が狂うのもわかる気がする。大麻のせいだけじゃなく、十羽に狂ってたんだと思う」
「そ、そんな」
「十羽……好きだ」
鎖骨の近くにキスマークがつくほど強いキスをもらい、十羽は「ああ……」と熱い吐息を漏らした。胸の突起にもキスをされ、体に愉悦が湧き起こる。体に触れられてこんな風になるのは蓮也だけだ。他の誰でもない、愛している人だけ。
手を引かれて二階へ上がる。蓮也はシャワールームでボディオイルを手に取り、それから寝室に入って十羽を大きなベッドに横たえさせ、上から唇を塞いだ。
十羽は自分でスウェットを脱いだ。脱いだ途端に脇腹にキスをされ「あっ」と声が出た。ヘソの周りや腰骨にもキスをされ、体がよがる。
「あぁ……っ」
悶えながらスウェットのズボンも脱いだ。蓮也が手を貸してくれたのでズボンを脱ぎ捨て、続けてボクサーパンツも脱いだ。硬くなった中心が露わになる。赤く熟れたそれが誘うように揺れ、蓮也が息を呑んだ。大きな手で握られたそれが、彼の口中に収まる。
「ふあぁ……っ」
温かい口中でそれが喜び、硬度を増し、全身に甘い悦楽が広がった。全裸の十羽は仰向けで足を大きく開いた。あられもない格好だが、恥ずかしさはない。蓮也にとっては22年ぶりに見る恋人の体だ。全てを見てほしい。
彼は自分の服を脱ぐ余裕もなく愛しい人の果実を貪った。
十羽の体が蜂蜜のようにとろける。
「あ……気持ちいい……っ」
「十羽はこれが好きだったよな。後ろも……」
ボディオイルのキャップを外した蓮也がオイルを手に取り、十羽の後孔に塗り込んだ。
軽く指を挿れられただけで「あ……ん」と声が漏れる。指が窄まりを押し広げるように中へ潜り込んで動く。
「んん……っ」
彼を何度も受け入れてきたそこが、愛撫に反応して容易に解れていく。
潤んだ瞳で熱い眼差しを向けると、彼が堪らないという風に息を漏らした。
「十羽……」
十羽の体から艶やかな色香が放たれる。演技では決して出せない、本物の色香が。早く彼がほしい。貫かれたい。そんな欲求が高まっていく。
「蓮也君、お願い……。今すぐ挿れて?」
一度スイッチが入れば、蓮也を求めて止まらなくなる。彼に抱かれるのが好きだ。恥じらいを捨て、全てを見せて一つになる、愛し合う行為が好きだ。昂ぶりを現すように後孔がヒクつき、彼を誘う。
蓮也がぐっと喉を鳴らす。
「そのお願い、久しぶりに聞いた。すげえ破壊力。やっぱりベッドの上では大胆だな」
「だって……」
「そういうところも好きだよ」
蓮也がスラックスの前をくつろげ、ボクサーパンツを下ろす。今にも破裂しそうな熱塊が顔を出し、天を仰いだ。十羽の膝裏を抱え上げ、待ち焦がれている後孔に熱塊の切っ先をあてがう。
「ん……!」
後孔がすんなりと侵入を許した。
ほしかったものを得られた喜びが十羽の体を震わせる。蓮也も最奥を突き「くう……っ」と吐息を漏らした。腰を引き、もう一度奥まで貫く。
「あっ……もっと!」
「十羽……十羽……!」
譫言のように名前を呼び、抽挿を繰り返す。
「あっ……あっ……あっ……!」
突かれるたびに体が喜んだ。愉悦に身を任せて彼を受け入れる。
過ぎた愉悦が苦しいのか、蓮也は肩で息をしながら眉間に皺を寄せ、十羽に熱塊を打ち込み続けた。しかし何度目かで耐えきれなくなり「悪い。もう……!」と苦しげに言った。
久しぶりなのだ。すぐに達するのも無理はない。
「僕はいいから、先にイって?」
そう言うと、一際強く突かれて十羽の体がのけ反った。
「ああっ!」
体内に熱情が注がれる。何度か腰を打ちつけて吐精した後、彼が十羽の上にドサリと倒れ込んで細い体を抱きしめた。まるで全力疾走した直後のように息が上がっている。
「はあ、はあ……。ほんとに……悪い。十羽はまだ全然なのに」
「僕は大丈夫」
呼吸が整うように、彼の背中を優しく撫でた。
服を着たままでは暑くて苦しそうだ。素肌で触れ合いたい気持ちも相まって、蓮也のシャツを脱がせようと手をかける。ふと、その手を彼に止められた。
「もう、20歳の頃とは違う。体を見てがっかりするなよ」
十羽は微笑み「しないよ。絶対に」と答えた。
蓮也が起き上がってシャツを脱ぐ。さらにはスラックスとボクサーパンツも脱いだ。ベッドの上にあぐらを掻いて座り、少し気まずげに後頭を掻く。
「一応、日頃から鍛えてはいるんだけど、な」
十羽は目を見張った。彼の体が驚くほど引き締まっていたからだ。20歳の頃とほとんど変わらないスリムな体躯だが、以前よりも胸板が厚くなり、全体的に筋肉量が増している。大人の男の色気を大いに感じ、惚れ惚れした。
「か、かっこいい!」
思わずキュンキュンしていると「おいで」と手を差し出されたので、その手に引っ張られて体を起こした。彼の上にまたがって腰を下ろす。抱き合って素肌の体温を感じ、安堵の息をついた。
「蓮也君……」
十羽は彼の耳にキスをした。首筋にもキスをしてついばむ。例え彼の容姿が以前より衰えていたとしても幻滅などしない。外見だけで好きになったわけではないのだ。
蓮也も同じように十羽の耳や肩、鎖骨をついばんでくれた。くすぐったいような甘い感覚が嬉しくて楽しい。軽やかな甘さに酔って「ふふ」と笑ったり、肩をすぼめたり。
意図せずかわいい色気を振りまく十羽を見て、蓮也は愛おしげに目を細めた。
「牛丸を誘う十羽の声を聞いたとき、嫉妬で本当にどうにかなりそうだった」
「あ、あれは、ただの演技だよ」
「牛丸が狂うのもわかる気がする。大麻のせいだけじゃなく、十羽に狂ってたんだと思う」
「そ、そんな」
「十羽……好きだ」
鎖骨の近くにキスマークがつくほど強いキスをもらい、十羽は「ああ……」と熱い吐息を漏らした。胸の突起にもキスをされ、体に愉悦が湧き起こる。体に触れられてこんな風になるのは蓮也だけだ。他の誰でもない、愛している人だけ。
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