改訂版 勇者と聖女の育成請け負います_みんなで育てれば怖くないね

にしのみつてる

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第6章

6-10 バスコンに改造しようよ

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「クルミさん、ようやく《仮》が外れましたね」
「サトル、私たち頑張ったよね」

「ラギュエル、シローさんとスミレさんの仕事はまだまだかかるの?」
「はい、ティーチ市で新たに転生してきたトビーさんとセルマさんを育てています」
「たぶん、あと2日はかかるかも知れません」
 ラギュエルはヨダシステムの共有情報からトビーとセルマが新しく仲間になったことをサトルとクルミに教えた。

「ラギュエル、俺たちもシローさん、スミレさんが住んでいる空飛ぶログハウスを作れないかな」
「はい、ログハウス自体を作るのは簡単ですが、飛空石とゴーレムの核が採取できていないので空は飛べません」
「飛空石はログハウスに飛行能力を与える魔石です」
「ゴーレムの核は飛行バランスを保つために必要でピリス・ダンジョンの6階と7階でも手に入りますが、飛空石の採取は産出地が限られているためイポニアで手に入れるのは難しいのです」

「ふーん、ある程度はわかったよ」
「ラギュエル、俺たちに最適なログハウスを考えて」
「了解しました」

「サトルさんとクルミさんに最適なプランはこちらになります」
 ラギュエルはサトルとクルミの記憶から観光バスのキャンピングカー、バスコンを提案したのだった。

「クルミさん、観光バスだね」
「サトル、バスよ、バス」

「私、幼稚園の頃はバスガイドさんに憧れていたの」
「クルミさん、俺は幼稚園の頃にバスの運転手さんになりたかったのです」
「「私たちって小さい頃からおなじだよね」」

 クルミはそう言ってサトルにハイタッチした。

「ラギュエル、キャンピングカーを大型バスに改造しようよ」
「はい、改造の前に材料が足りませんので魔石の採取が先です」

「明日はアピアーダ山の洞窟に魔鉱石採取に向かいます」
「ラギュエル、アピアーダ山の洞窟は何処なの?」

 タブレットの画面にはアピアーダ山の洞窟に行く飛行コースが表示されて10分の飛行時間だった。サトルは青いスイッチを押したのでキャンピングカーは直ぐに上昇を開始した。10分後にアピアーダ山の麓に着いた。

 夕方に近かったのでアピアーダ山の洞窟には行かずに二人はここでキャンプすることにしたのだった。

 ◇ ◇ ◇ ◇

 次の朝……簡単にキャンピングカーで朝食を済ませて、サトルとクルミは山道に差し掛かっていた。

「これより先は道が狭いので四輪バギーの移動になりますので、先に四輪バギーを作りましょう」
 サトルはタブレットの画面を見ながら直ぐに四輪バギを作った。

「サトル、カッコイイじゃない」
「クルミさん、後ろに乗ってください」

 サトルとクルミは四輪バギーに乗って山道を登って、10分後にはアピアーダ山の洞窟に到着していた。洞窟は全部で5つ並んでいたので、左から順番に入っていくことにした。

「ラギュエル、魔物の種類を教えてくれ」

「魔物の種類は、左からオーク、コボルト、ガーゴイル、サーペント、ロックリザードがいると思われます」

「クルミさん、タブレットの赤い点を確認して」
「サトル、真ん中に赤い点が多数光っているわ」

「サトルさん、短剣型魔導銃では役不足ですので広域魔法のサンダーボルトでやっつけましょう」
「サンダーボルト」ガラガラピシャーン、洞窟内で稲妻が弾けオーク20体は固まったまま感電死したようだった。

「クルミさん、赤い点はまだ光っていますか?」

「サトル、赤い点は光ってないから、大丈夫よ」
 オーク20体は後でギルドで売却するので全て収納に入れた。

「サトルさん、魔鉱石を全て回収してください」
 サトルは魔鉱石を全て収納にしまった。


「クルミさん、次の洞窟に行こうよ」
「サトル、洞窟に入っては駄目よ、入り口で赤い点が多数光っているわ」
「ラギュエル、洞窟の魔物は何だ?」
「はい、コボルトと上位種のコボルナイトがいるかも知れません」

「クルミさん、サンダーボルトでやっつけましょう」
「サトル、頑張って」

「サンダーボルト」ガラガラピシャーン、青白い稲妻が洞窟の入り口で弾けた。入口で待ち構えていたコボルト20体は全て収納にしまったのだった。まだ、奥にコボルトが潜んでいそうな気配がするのでサトルとクルミは慎重に入って行った。

「クルミさん、赤い点はまだ光っていますか?」
「ええ、奥でかなり光っているわよ」

「サンダーボルト」ガラガラピシャーン、青白い稲妻が洞窟の奥で弾けた。、洞窟の奥のコボルト30体は全滅していた。
「クルミさん、コボルトは全て片付いたね」
「サトル、頑張ったね」

「クルミさん魔鉱石を回収しますね」


「ラギュエル、三番目の洞窟はガーゴイルだったよね?」
「はい、洞窟内のガーゴイルは3体と思われます」

「クルミさん、赤い点を確認して下さい」
「サトル、まだ撃っちゃ駄目よ、もう少し奥に行きましょう」

「あっ、赤い点が3つ光っているわ」
 「サンダーボルト」ガラガラピシャーン、ガーゴイルは一瞬で全滅したので収納したのだった。
 サトルとクルミは魔鉱石を全て回収した

「クルミさん、入り口に戻りましょうか」
「そうね」

「サトル、お茶にしましょうよ」
 クルミさんはお昼の卵サンドを出してくれたので二人で美味しく頂いた。


 四番目の洞窟はサーペントがいるはずだったが、入り口からして少し様子が違っていた。
「サトル、何かが光っているわ」
 サトルは暗視スコープを覗いた。洞窟の岩肌には大蛭がベッタリと張り付いて、サトルたちに気づいて飛びかかろうとしていたのだった。

「クルミさん、大蛭にサンダーボルトをぶちかますね」
 ゴロゴロ、ピシャン、特大稲妻が洞窟内を走り、岩肌が青白く光って消えた。どうやら、大蛭は全て焼け焦げたが、グロいのでサトルはリバースで大蛭の死骸を何処かに消滅させた。

「クルミさん、赤い点はまだ光っているの?」
「反応は無いわ」

「あっ、赤い点が動いた。サトルさん、左奥の横穴よ」
 「サンダーボルト」ガラガラピシャーン、稲光が弾けてサーペントは死んでいた。

 魔鉱石と10m超えのサーペントは収納したのだった。


「クルミさん、洞窟は残り1つですね」
「サトル、気を引き締めていきましょう」

「サトルさん、ドローンを作ることを提案します」
「ラギュエル、なぜなんだ」

「洞窟内は前衛にロックリザードが複数いますので先に偵察することを提案します」

 ドローンはサトルが具現化で直ぐに作った。試験飛行のつもりで飛ばしてみたが、タブレットで目的地をタップすれば、自動操縦なので誰でも直ぐに飛ばせる事が出来たのだった。

「じゃあ、ドローンで洞窟内を偵察させよう」
 ドローンは洞窟内を順調に飛行して奥へと飛んでいった。洞窟内の映像を送ってきたが、前衛にロックリザードが3体いた。前衛をかわして、更にドローンは飛行を続けていたが、タブレットの画面には驚くべき光景が映っていたのだった。20m超えの銀色に光ったビッグロックリザードがこちらを睨んでいたのだ。

「やはり、ラスボスが控えていましたね」

 まずは、前衛の3体ロックリザードは特大サンダーボルトで簡単に倒れた。ラスボスのビッグロックリザードはクルミと同時に特大サンダーボルトを2発打ってようやく仕留めたのだった。


「サトル、洞窟が銀色に光っているわ」
「クルミさん、ミスリル鉱石ですね。ミスリルの欠片は全て拾って帰りましょう。それと、ロックリザードも全て収納だ」

「サトルさん、クルミさん、お疲れ様でした。倒した魔物はバスコンを改造してから試験飛行を兼ねて王都ケトマスの冒険者ギルドで売りましょう」

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