改訂版 勇者と聖女の育成請け負います_みんなで育てれば怖くないね

にしのみつてる

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第6章

6-11 それより王都で買い物よ

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「サトルさん、クルミさん、お疲れ様でした。倒した魔物はバスコンを改造してから試験飛行を兼ねて王都ケトマスの冒険者ギルドで売りましょう」


「クルミさん、麓に戻ってお茶にしませんか?」
「そうね、喉も乾いていたからいただくわ」

 サトルは転移門で麓まで瞬間移動した。

「あっ、バスが出来てる」
「サトル、えへへ♡よかったね!」

 ラギュエルはサトルが収納した魔鉱石から異空間内でキャンピングカーを魔改造してバスコンに作り変えていた。バスコンと呼んいるが、元の世界のマイクロバスの大きさで乗り降りはスライドドアだった。


「サトルさん、クルミさん、それでは試験飛行を兼ねて王都ケトマスの港まで飛びます。飛行距離は330キロ、飛行時間はおよそ40分です」

「絶対防御3重展開」
「魔導ジェットエンジン異常なし」
「与圧システム異常なし」
「計器類オールグリーン」
「フライトチェック、完了」

「テイクオフ」

「ポーン、高度15000ftまで上昇します」

「クルミさん、バスに改造して良かったですね」
「本当ね、室内は広いし、揺れないし、本当に快適だわ」
「それにお風呂が付いているなんて、もう最高♡♡」

 バスコンは今までのキャブコンよりも一回り以上ボディが大型になったので車内に小型のユニットバスが装備された。バスコンの空の旅は二人にとって快適な空間を提供した。

「ポーン、ポーン、まもなくケトマスの港です。倉庫の裏に着陸します」
「ケトマスの港から冒険者ギルドまでは乗り合い馬車での移動です」
 モリタイラ市を出発して1時間後、二人は王都ケトマスの冒険者ギルドに到着した。

「王都ケトマスの冒険者ギルドにようこそ、今日はどのようなご用件でしょうか?」
「魔物の買い取りをお願いします」
「種類は分かりますか?」

「オークとコボルトとガーゴイルにサーペントです」
「えっ、そんなに沢山、マスター、大変です、冒険者さんが大物を狩りしてきました」

 サトルとクルミは一瞬、周りの冒険者の注目を浴びそうになったが、ベテラン女子職員が直ぐにギルド裏の解体倉庫に二人を案内したので騒ぎにはならなかった。サトルは収納から魔物を全て出したのだが、今度は解体職員が腰を抜かしそうになっていた。

「お前たち、こんなに沢山、高ランクの魔物を持ち込んで何処で狩りをしてきた」
「モリタイラ市のアピアーダ山の洞窟です」

 職員が慌ててイポニアの地図を持ってきたので、ギルドマスターはアピアーダ山の場所を確認した。

「アピアーダ山の洞窟だったな、お前たち、Sランクの冒険者でも絶対に近づかないような山岳地帯に行ったのか?」

「はい、魔石がどうしても欲しかったので、洞窟で採取してきました」

「それと洞窟の中でこれも採取してきました」
サトルは銀色の鉱石を出した。
「お前たち、ミスリル鉱石まで見つけてきたのか?」

「一度、お前たちのレベルを確認させてくれ」
「では、お二人の現在のレベルを測らさせていただきます」
 二人は魔石板の上で手をかざした。

 ◇ ◇ ◇ ◇

【名前】サトル・ソラノ
【種族】人族
【年齢】17
【称号】錬金術師
【スキル】
 ****
 
【LV】99
【MP】****

【名前】クルミ・アガタ
【種族】人族
【年齢】18
【称号】魔女
【スキル】
 ****
 
【LV】99
【MP】****

 ◇ ◇ ◇ ◇

「お前たちもやっぱりSランク相当の実力の持ち主のようだな」
「お前たちの身分はイポニアの勇者、聖女と同じ扱いなので、国王も領主も冒険者ギルドも絶対に拘束をしないから安心してくれ」

 ギルドマスターは女子職員に二人の冒険者カードの書き換えを命令した。王都ケトマスの冒険者ギルドには、これまでに2組の冒険者夫婦がここを訪れ,Aランクの実力の冒険者の場合は国王に報告し、全国の冒険者ギルドにも通達を出すと教えられた。

「つまり、お前たちは何処に行っても自由な訳だ」

「そう言えば、銀色に光っているロックリザードはミスリル鉱石を喰ってたんだな」
「う~ん、お前たちとんでもないものを持ち込んだな」
 ギルドマスターは職員に指示を出し、オークションかけられることになった。

「オーク20体と、コボルトが50体、ガーゴイル3体、10m超えのサーペントが1体とロックリザードが3体と20m超えのビッグロックリザードが1体だな」
「それからミスリル鉱石が8樽だな」

「はい、間違い有りません」

「とりあえず、オーク20体金貨200枚と、コボルト50体金貨50枚で合計で金貨250枚と預り証を渡しておく」
「ミスリル鉱石の8樽は1樽金貨1000枚で国王が買い取るので代金の支払いは1週間後になるが、大型の魔物の代金もその時に精算するよ」
 机の上に金貨の大袋2つと50枚が積まれたので、サトルは収納にしまったのだ。

「ありがとうございます」
 
 ◇ ◇ ◇ ◇

 王都ケトマスの大聖堂の昼の鐘が鳴った。
「クルミさん、お昼はケトマスで食べていきましょう」
「サトル、せっかく王都に来たのだから買い物が先よ、お昼は抜きでも構わないわ」
「えっ、ソウナンデスカ」

 クルミはサトルを置いて大通りをズンズン歩いて店の並ぶ方向に歩いていった。

「クルミさん、待ってください。帯剣していきましょう」
「わかったわ」

(自動障壁3重展開)
(ラギュエル、ありがとう)
(どういたしまして)

 大通りは、人と馬車で溢れかえっていた。良からぬ考えの輩がいそうだが、幸いに誰もサトルとクルミには絡んでこなかった。二人は冒険者ギルド職員に聞いた大通りの有名な洋品店に入ったのだった。


「魔女様、導師様、いらっしゃいませ」
「魔女様、こちらの聖女の服はロキシア国の正教会で聖女が着ていた聖女服のデザインで当店のオリジナル商品です」
「まぁまぁまぁ、魔女様、とっても似合いですこと」
 店員はロキシア正教会の青の聖女服を着たクルミを大げさなリアクションで褒めまくったが、クルミの反応はイマイチだった。

「魔女様、こちらの白の聖女服は王都の大教会で聖女が着ていた聖女服のデザインで当店の人気商品です」
「まぁまぁまぁ、魔女様、こちらのこちらの白の聖女服とってもお似合いですわ」

「クルミさん、聖女服は買わないの?」
「ええ、私は動きやすそうな、こちらの白の錬金術師の服にするわ」
 クルミさんは女性錬金術師の服を選んだ。クルミは聖女服を着て街を歩くと貴族から目をつけられそうなのでわざと錬金術師の服装にしたのだった。

「サトルは錬金術師の服を買わないの?」
「クルミさん、俺も買います」

 サトルはクルミの分と合わせて2着分の代金金貨30枚を店員に支払った。洋品店の隣は王都で最も有名なドナート魔道具店があるので見ていくと良いと店員に教えられた。

 二人は店の奥で錬金術師の服装に着替えて隣のドナート魔道具店に入っていった。

「いらっしゃいませ、導師様、魔女様」

(ラギュエル、購入するものがあれば教えてくれ)
(ゴーレムの核を5個買い求めましょう)

「ゴーレムの核を5個いただけますか?」
「ゴーレムの核は一つが金貨10枚で合計で金貨50枚です」

(サトルさん、以上でオッケーです)

「ありがとう、また必要になったら来ます」
「導師様、魔女様、ありがとうございました。今後もご贔屓に」


(話終わり)
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