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第6章
6-8 暁の疾風1
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夕方から夜にかけて冒険者ギルドの酒場は多くの冒険者で賑わっていた。女性冒険者のグループも男冒険者に混じって酒を飲んでいた。酒場が初めてのサトルとクルミは空いている席に座ってとりあえずスパークリングワインを注文した。
「クルミさん、俺、酒場なんて初めてですよ」
「サトル、私もよ」
二人はファーストフード店の知識はあっても、この世界の酒場の知識はなかったのでAIクリスタル脳が気を利かせて二人に補正をかけていた。
「貴方たち、初心者のようね」
「今日のおすすめはミノタウルスのソテーとサラダよ」
女冒険者はクルミとサトルに声をかけてきた。
「あっ、ハイ、ありがとうございます」
「すみませ~ん、ミノタウルスのソテー2つとサラダ2つ、それとスパークリングワイン4つ」
「は~い、ミノタウルスのソテー2つとサラダ1つ、スパークリングワイン4つ」
サトルは先輩冒険者から情報を得るためにここは酒を奢ることにしたのだった。しばらくして、ウエイトレスが注文した料理を運んできた。
「とりあえず、乾杯~」
「「乾杯~」」
木製のワインジョッキをカチンと当てるのは冒険者の習慣だと女冒険者から教えてもらった。
「遠慮しないで、新人はワインを一気に飲むのものよ」
「えっ、そうなんですか?」
「ゴクゴク、あれ~、口当たりが良くて飲みやすいですね」
「そうよ」
何も知らないサトルとクルミは口当たりがいいスパークリングワインをごくごくと一気に飲んだ。空きっ腹にワインをごくごく飲めば酔いが回るのも早いので二人は直ぐに真っ赤な顔になっていた。
「貴方たち、今日は4階でいい活躍していたわね」
「えっ、見ていたのですか?」
「そうよ、貴方たち二人の魔法はすごかったわ」
「サトルとクルミです」
「私たちは暁の疾風のミーナとライカよ」
「ミーナさんとライカさんですね、よろしくです」
「ところで暁の疾風とはパーティ名ですか?」
「そうよ」
「暁の疾風って、かっこいいパーティ名ですね」
サトルはスパークリングワインで酔いが回って饒舌になっていた。
「クルミさん、俺たちも早くパーティ名を付けたいですね」
「ええ、そうね」
スパークリングワインのの口当たりがいいのでクルミは既にワイン1杯でかなり酔ってしまっていた。
「貴方たち、明日もダンジョンに潜るでしょ?」
「はい、そのつもりです」
「じゃぁ、ダンジョン4階と5階を私たちが案内してあげるわ」
「すみません、スパークリングワイン4つとおつまみセット4つ」
「は~い、スパークリングワイン4つ、おつまみセット4つ」
「ミーナさん、ライカさん、俺たち受付で今日採った魔石の換金をしてきます」
「ええ、行ってらしゃい」
「ライカ、私、いい事思いついたわ」
サトルとクルミが冒険者ギルド受付で買い取りしてもらっている間にミーナはウエイトレスを呼んでちゃっかりと自分たち2人分の飲み代をサトルたちの支払いに付け足すように頼んでいた。ウエイトレスは新人歓迎会だと気を効かせて冒険者全ての飲み代をサトルとクルミの伝票に書き込んだのだった。
「貴女、エグいことするわね」
「あの子たち二人とも、ワイン1杯でかなり酔っていたし、私たちも含めて全員の酒代も払ってくれるそうよ」
「それに魔石を売れば懐が温かいから全く気付かないと思うわ」
「あっ、そういうことね」
ミーナとライカも駆け出し冒険者の頃、男性冒険者たちに散々おだてられて、新人歓迎会と称して酒場で他人の酒代まで払う羽目になった苦い思い出があるのでサトルとクルミを少しからかってみたのだった。
「クルミさん、お水をどうぞ」
「サトル、ありがとう」
(キュアポイズン発動、バイタル正常回復)
「クルミさん、やっと酔いが冷めていきましたね」
「ええ、もう大丈夫よ。サトルありがとう」
「クルミさん、今度からは意識的にゆっくりとお酒を飲みましょう」
「そうね、ジョッキ1杯で酔っ払っては駄目よね」
「違います、飲み方もそうですが、こっそりワインに氷を入れてワインの水割りで飲めば酔わないそうです」
「そうだったの?」
サトルはクルミにワインの水割り方法を教えたのだった。
「すみません、魔石の買い取りはこちらですか?」
「はい、承ります」
「オークの魔石は1個が金貨1枚での買い取りです」
「全部買い取りでお願いします」
サトルはオークの魔石20個を出して受付嬢から金貨20枚を受け取った。
「ミーナさん、ライカさん、俺たちは先に宿に戻ります。ごゆっくりどうぞ」
「サトル、クルミ、明日の朝、午前の鐘が鳴る頃に4階のボス部屋の前で落ち合いましょう」
「は~い、わかりました」
「サトル、クルミ、ごちそうさん、貴方たち気を付けて帰るのよ」
「は~い、おやすみなさい」
サトルは会計で飲み代として金貨2枚を払ってお釣りで銀貨5枚を受け取った。元の世界の金銭感覚だとワイン8杯とおつまみ4皿で15万円はかなり高いと感じたが……酒場の悪しき習慣で新人歓迎会と称して、暁の疾風2人分の飲み代も含め他の冒険者の飲み代までしっかりと取られていたことにサトルとクルミは全く気付いていなかった。実際は4人で飲んでもその十分の一の金額だったのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
次の朝……ラギュエルは更新中なのでアラームは鳴らなかったが、二人は朝の鐘が鳴った少し後で自然に目覚めた
「クルミさん、おはよう、イテテテ……」
「サトル、おはよう、イテテテ……」
「クルミさん、ヒール」
「サトル、ヒール」
「ふう~、クルミさん、やっと体からアルコールが抜けていきましたね」
「ええ、もうお酒は懲り懲りだわ」
「クルミさん、今から卵雑炊を作りますね」
「サトル、ありがとう」
「ふう~、サトルが作ってくれたあったかい雑炊って落ち着くね」
「そうですね」
二人は二日酔いだった体に卵雑炊で体が温まってくるのを感じていた。
「クルミさん、今日はズルをして転移門でダンジョン4階に行きましょう」
「そうね、サトル、4階の目立たいない場所にこっそり移動しましょうよ」
「クルミさん、準備はいいですか?」
「ええ、大丈夫よ」
サトルとクルミは忍者刀を帯剣し、防具無しの初心者冒険者の格好だった。サトルは転移門付近に何もいないことを確認してからドアを開けた。
一方、暁の疾風のミーナとライカの二人は昨夜の酒が残ったのか、午前の鐘の時刻ギリギリに4階にやってきた。
「サトル、クルミ、おはよう、待たせたか?」
「「ミーナさん、ライカさん、おはようございます」」
「「俺たちもさっき来たとこです。今日はよろしくお願いします」」
「じゃあ、二人は準備運動として、今からボス部屋のオークを全て倒してみて」
「「ハイわかりました」」
バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、 バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、 バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、 バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、
「「ミーナさん、ライカさん、終わりました」」
「はぁ、貴方たち初心者殺しのオークを瞬殺なの?」
「ハイ、冒険者講習で習った剣に魔力込める方法で倒しました」
「ソウネ、戦法トシテハマチガッテイナイワ」
ライカは初心者にしてはありえない実力だと思ったのだった。
「ライカ、馬鹿言ってないで早く魔石を集めて」
「サトルとクルミも魔石が消える前に集めるのよ」
ミーナは魔石5個づつを均等に分ける案を提案した。新人冒険者の場合は、普通は魔物を倒しても
魔石の手取りは1個か2個であとは指導者が受け取るのが相場だと教えられた。
「ミーナさん、新人冒険者はタダ働きなのですか?」
「そうではないわ、新人はベテラン冒険者に守ってもらって経験値を稼ぐのよ」
「ここのボス部屋も普通なら4人から5人の冒険者で戦うのがセオリーなのよ」
サトルは新人教育と称した体のいいバイトだと思ったがミーナとライカに文句は言わなかった。冒険者のレベルは冒険者ギルドの魔道具で読み取るのでこの世界ではレベルだけが強さを表す指標となっていた。
「サトル、クルミ、貴方たち魔力は大丈夫なの?」
「ライカさん、私たちは魔力切れは起こしてないです。それに私が回復魔法を使えますから」
「はぁ~、貴方たち魔力も規格外なのね」
ライカの説明では新人はボス部屋のオークを2体倒せば直ぐに魔力切れになるので、回復ポーションを飲んで魔力を回復させながら交代でじわじわとオークに攻撃するのだそうだ。
「サトル、クルミ、休憩が終わったら5階に降りるわよ」
「「は~い」」
「ミーナさん、コボルトが20体押し寄せてきます」
「クルミさん、援護お願いします」
5階に続く階段を降りて直ぐに岩場のフロアーではコボルトの集団が冒険者を待ち構えていた。
コボルトは鼻が効くのでサトルとクルミを囲うように二人の前に立ちはだかった。
「サトル、左は任せたわ」
バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、
「いくわよ~」
バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、
「ライカ、あの子たちありえないわ」
「そうね、私たちの出る幕がないわ」
ミーナとライカは剣を構えて援護をするつもりが、サトルとクルミの実力に押されていた。
「ミーナさん、ライカさん、魔石と毛皮の回収が終わりました」
「サトル、クルミ、ありがとう」
(話終わり)
「クルミさん、俺、酒場なんて初めてですよ」
「サトル、私もよ」
二人はファーストフード店の知識はあっても、この世界の酒場の知識はなかったのでAIクリスタル脳が気を利かせて二人に補正をかけていた。
「貴方たち、初心者のようね」
「今日のおすすめはミノタウルスのソテーとサラダよ」
女冒険者はクルミとサトルに声をかけてきた。
「あっ、ハイ、ありがとうございます」
「すみませ~ん、ミノタウルスのソテー2つとサラダ2つ、それとスパークリングワイン4つ」
「は~い、ミノタウルスのソテー2つとサラダ1つ、スパークリングワイン4つ」
サトルは先輩冒険者から情報を得るためにここは酒を奢ることにしたのだった。しばらくして、ウエイトレスが注文した料理を運んできた。
「とりあえず、乾杯~」
「「乾杯~」」
木製のワインジョッキをカチンと当てるのは冒険者の習慣だと女冒険者から教えてもらった。
「遠慮しないで、新人はワインを一気に飲むのものよ」
「えっ、そうなんですか?」
「ゴクゴク、あれ~、口当たりが良くて飲みやすいですね」
「そうよ」
何も知らないサトルとクルミは口当たりがいいスパークリングワインをごくごくと一気に飲んだ。空きっ腹にワインをごくごく飲めば酔いが回るのも早いので二人は直ぐに真っ赤な顔になっていた。
「貴方たち、今日は4階でいい活躍していたわね」
「えっ、見ていたのですか?」
「そうよ、貴方たち二人の魔法はすごかったわ」
「サトルとクルミです」
「私たちは暁の疾風のミーナとライカよ」
「ミーナさんとライカさんですね、よろしくです」
「ところで暁の疾風とはパーティ名ですか?」
「そうよ」
「暁の疾風って、かっこいいパーティ名ですね」
サトルはスパークリングワインで酔いが回って饒舌になっていた。
「クルミさん、俺たちも早くパーティ名を付けたいですね」
「ええ、そうね」
スパークリングワインのの口当たりがいいのでクルミは既にワイン1杯でかなり酔ってしまっていた。
「貴方たち、明日もダンジョンに潜るでしょ?」
「はい、そのつもりです」
「じゃぁ、ダンジョン4階と5階を私たちが案内してあげるわ」
「すみません、スパークリングワイン4つとおつまみセット4つ」
「は~い、スパークリングワイン4つ、おつまみセット4つ」
「ミーナさん、ライカさん、俺たち受付で今日採った魔石の換金をしてきます」
「ええ、行ってらしゃい」
「ライカ、私、いい事思いついたわ」
サトルとクルミが冒険者ギルド受付で買い取りしてもらっている間にミーナはウエイトレスを呼んでちゃっかりと自分たち2人分の飲み代をサトルたちの支払いに付け足すように頼んでいた。ウエイトレスは新人歓迎会だと気を効かせて冒険者全ての飲み代をサトルとクルミの伝票に書き込んだのだった。
「貴女、エグいことするわね」
「あの子たち二人とも、ワイン1杯でかなり酔っていたし、私たちも含めて全員の酒代も払ってくれるそうよ」
「それに魔石を売れば懐が温かいから全く気付かないと思うわ」
「あっ、そういうことね」
ミーナとライカも駆け出し冒険者の頃、男性冒険者たちに散々おだてられて、新人歓迎会と称して酒場で他人の酒代まで払う羽目になった苦い思い出があるのでサトルとクルミを少しからかってみたのだった。
「クルミさん、お水をどうぞ」
「サトル、ありがとう」
(キュアポイズン発動、バイタル正常回復)
「クルミさん、やっと酔いが冷めていきましたね」
「ええ、もう大丈夫よ。サトルありがとう」
「クルミさん、今度からは意識的にゆっくりとお酒を飲みましょう」
「そうね、ジョッキ1杯で酔っ払っては駄目よね」
「違います、飲み方もそうですが、こっそりワインに氷を入れてワインの水割りで飲めば酔わないそうです」
「そうだったの?」
サトルはクルミにワインの水割り方法を教えたのだった。
「すみません、魔石の買い取りはこちらですか?」
「はい、承ります」
「オークの魔石は1個が金貨1枚での買い取りです」
「全部買い取りでお願いします」
サトルはオークの魔石20個を出して受付嬢から金貨20枚を受け取った。
「ミーナさん、ライカさん、俺たちは先に宿に戻ります。ごゆっくりどうぞ」
「サトル、クルミ、明日の朝、午前の鐘が鳴る頃に4階のボス部屋の前で落ち合いましょう」
「は~い、わかりました」
「サトル、クルミ、ごちそうさん、貴方たち気を付けて帰るのよ」
「は~い、おやすみなさい」
サトルは会計で飲み代として金貨2枚を払ってお釣りで銀貨5枚を受け取った。元の世界の金銭感覚だとワイン8杯とおつまみ4皿で15万円はかなり高いと感じたが……酒場の悪しき習慣で新人歓迎会と称して、暁の疾風2人分の飲み代も含め他の冒険者の飲み代までしっかりと取られていたことにサトルとクルミは全く気付いていなかった。実際は4人で飲んでもその十分の一の金額だったのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
次の朝……ラギュエルは更新中なのでアラームは鳴らなかったが、二人は朝の鐘が鳴った少し後で自然に目覚めた
「クルミさん、おはよう、イテテテ……」
「サトル、おはよう、イテテテ……」
「クルミさん、ヒール」
「サトル、ヒール」
「ふう~、クルミさん、やっと体からアルコールが抜けていきましたね」
「ええ、もうお酒は懲り懲りだわ」
「クルミさん、今から卵雑炊を作りますね」
「サトル、ありがとう」
「ふう~、サトルが作ってくれたあったかい雑炊って落ち着くね」
「そうですね」
二人は二日酔いだった体に卵雑炊で体が温まってくるのを感じていた。
「クルミさん、今日はズルをして転移門でダンジョン4階に行きましょう」
「そうね、サトル、4階の目立たいない場所にこっそり移動しましょうよ」
「クルミさん、準備はいいですか?」
「ええ、大丈夫よ」
サトルとクルミは忍者刀を帯剣し、防具無しの初心者冒険者の格好だった。サトルは転移門付近に何もいないことを確認してからドアを開けた。
一方、暁の疾風のミーナとライカの二人は昨夜の酒が残ったのか、午前の鐘の時刻ギリギリに4階にやってきた。
「サトル、クルミ、おはよう、待たせたか?」
「「ミーナさん、ライカさん、おはようございます」」
「「俺たちもさっき来たとこです。今日はよろしくお願いします」」
「じゃあ、二人は準備運動として、今からボス部屋のオークを全て倒してみて」
「「ハイわかりました」」
バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、 バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、 バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、 バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、ブモー、
「「ミーナさん、ライカさん、終わりました」」
「はぁ、貴方たち初心者殺しのオークを瞬殺なの?」
「ハイ、冒険者講習で習った剣に魔力込める方法で倒しました」
「ソウネ、戦法トシテハマチガッテイナイワ」
ライカは初心者にしてはありえない実力だと思ったのだった。
「ライカ、馬鹿言ってないで早く魔石を集めて」
「サトルとクルミも魔石が消える前に集めるのよ」
ミーナは魔石5個づつを均等に分ける案を提案した。新人冒険者の場合は、普通は魔物を倒しても
魔石の手取りは1個か2個であとは指導者が受け取るのが相場だと教えられた。
「ミーナさん、新人冒険者はタダ働きなのですか?」
「そうではないわ、新人はベテラン冒険者に守ってもらって経験値を稼ぐのよ」
「ここのボス部屋も普通なら4人から5人の冒険者で戦うのがセオリーなのよ」
サトルは新人教育と称した体のいいバイトだと思ったがミーナとライカに文句は言わなかった。冒険者のレベルは冒険者ギルドの魔道具で読み取るのでこの世界ではレベルだけが強さを表す指標となっていた。
「サトル、クルミ、貴方たち魔力は大丈夫なの?」
「ライカさん、私たちは魔力切れは起こしてないです。それに私が回復魔法を使えますから」
「はぁ~、貴方たち魔力も規格外なのね」
ライカの説明では新人はボス部屋のオークを2体倒せば直ぐに魔力切れになるので、回復ポーションを飲んで魔力を回復させながら交代でじわじわとオークに攻撃するのだそうだ。
「サトル、クルミ、休憩が終わったら5階に降りるわよ」
「「は~い」」
「ミーナさん、コボルトが20体押し寄せてきます」
「クルミさん、援護お願いします」
5階に続く階段を降りて直ぐに岩場のフロアーではコボルトの集団が冒険者を待ち構えていた。
コボルトは鼻が効くのでサトルとクルミを囲うように二人の前に立ちはだかった。
「サトル、左は任せたわ」
バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、
「いくわよ~」
バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、バシュ、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、ギャン、
「ライカ、あの子たちありえないわ」
「そうね、私たちの出る幕がないわ」
ミーナとライカは剣を構えて援護をするつもりが、サトルとクルミの実力に押されていた。
「ミーナさん、ライカさん、魔石と毛皮の回収が終わりました」
「サトル、クルミ、ありがとう」
(話終わり)
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