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第6章
6-8 新人冒険者のトビーとセルマ2
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ダンジョンで新人指導することになったサトルとクルミは新人のトビーとセルマが確実にレベルアップしていくのを感じていた。二人が倒したホーンラビットの数は既に15匹を越していた。
「サトル、そろそろ下の階に行かない?」
「クルミさん、そうしましょう」
4人は地下2階に続く階段を降りていった。
「トビーさん、他の冒険者がオークと戦っていますね」
「そうですね」
「サトルさん、オークって本当に豚の格好をしているのですね」
「俺、初めて見ました」
「トビーさん、セルマさん、浮かれていないで周囲の警戒をしてください」
「「はい」」
「サーチ」
セルマはクルミから教わった魔物探知の魔法を使った。
「クルミさん、入口近くにオークはいませんので」
「セルマさん、ありがとう」
「トビーさん、冒険者が使うロングソードだとやっぱり大振りになりますね」
「そうですね、但し一撃が決まると凄いですよね」
「本当だ、オークが頭から真っ二つに割れて消えました」
「トビーさん、オークが来るよ、ボーっと見とれていないで前を見て」
シュバッ、オークは倒れて肉の包みになった。
「ふう、危なかった」
「セルマさん、気をつけるようにするよ」
「クルミさん、ダンジョンだから直ぐに肉の包になりますね」
「サトル、ダンジョンなんだから当たり前でしょう」
「トビーさん、マジックバックにしまいましょう」
「そうだね」
「クルミさん、冒険者ギルドで受けた魔法の練習も無駄では無かったですね」
「サトル、オークが来るわよ」
バシュッ、今度はサトルが短剣で切ると、肉の包がまた出てきた。
「サトル、早く収納にしまわないと肉が消えちゃうよ」
「オーク肉ゲットだぜ~」
「サトル、気取ってポーズを決めても二人には全く受けていないよ」
「そうでしたね」
「クルミさん、この奥にセーフエリアがありますよ」
「サトル、休憩しましょう」
「はい」
4人はセーフエリアで一息ついた。サトルはセーフエリアで、創造で折りたたみ椅子を4つ作って座った。クルミは収納から水筒を取り出して、サトルに渡した。
「サトル、お昼はどうするの?」
「ここのセーフエリアで食事ですかね」
「サトルさん、クルミさん、よかったら携帯食料を食べませんか?」
「トビーさん、それはマジックバックですか?」
「そうですよ」
「使っている人を初めて見ました」
「トビーさん、携帯食料をもらっておいて悪いけど、味はそんなに美味しくないですね」
「そうですね、俺たちも食べるのが今日初めてです」
「えっ?」
「ひょっとしてマジックバックは誰かからもらったのですか?」
「はい、昨夜、頭の中に声がして宿屋の客室に置いてありました」
「クルミさん、どう思いますか?」
「サトル、トビーさんとセルマさんは私たちと同じ転生者かも知れないよ」
「そうかな~、それにしては二人の知識がこっちの世界の人に偏ったままだし……」
「じゃあ、今からキャンピングカーに戻りましょうよ」
「そうですね」
4人は転移門でキャンピングカーを停めていた場所に戻ってきた。
(精神体チェンジ完了、リブート完了)
(現在のステータスはラギュエルで参照可能)
「サトルさん、この馬車は何ですか?」
「神様からもらった馬無し馬車でキャンピングカーって言います」
「そうなんですか?」
「ラギュエル、二人のステータスを表示してくれ」
「了解しました、お二人の現在のステータスはこちらになります」
◇ ◇ ◇ ◇
【名前】トビー・シラサキ
【種族】人族
【年齢】17
【称号】
【スキル】
具現化、収納、
【LV】19
【MP】19000
【名前】セルマ・ユミオカ
【種族】人族
【年齢】17
【称号】
【スキル】
創薬、鑑定、AIクリスタル脳、AIクリスタル脳、
【LV】19
【MP】19000
◇ ◇ ◇ ◇
「よっ、サトル、元気でやっていたか?」
「シローさん、ティーチ市から帰ってきたのですか?」
「そうだよ」
「えっ、じゃぁ、一昨日からいなかったのは本当に行っていたのですか?」
「そうだよ」
「トビーさん、セルマさん、はじめまして、サトルとクルミの師匠のシローとスミレです」
「シローさん、スミレさん、はじめまして、トビーとセルマです」
「トビーさんとセルマさんは、急で申し訳ないが日本からの転生者だよね」
「はい、まだ記憶が曖昧な部分がありますが、二人とも高校生でした」
「俺の元の名前は白崎飛雄です」
「私の元の名前は弓岡瀬理菜です」
「皆さん、聞いて下さい」
「今回のトビーさんとセルマさんはサトルさんとクルミさんが先生役になって二人を指導するようにゼウス様とヘーラ様が仕組まれた予備実験だったのです」
「最初はシローさんとスミレさんが認識阻害のペンダントをかけて、生徒役としてトビーさんとセルマさんになっていましたが、先ほど、ようやく新しい霊魂が見つかったのでトビーさんとセルマさんの魂を新しい体に定着させたのです」
「ふ~ん、クルミさん、知っていましたか?」
「そうね、最初に出会った時に少しセルマさんの態度とか仕草がスミレさんの仕草に少し似ていたわ」
「俺はトビーさんを見ていてもシローさんとは全然気付かなかったです」
「そうだろうね、俺たちも能力を封じられていたし、完全にこっちの世界の知識だけで喋っていたよ」
「あっ、それで何か違和感があったんだ~」
サトルは一人で納得をしていた。
「お昼はオーク肉の豚汁と生姜焼きよ」
「「「「「いただきま~す」」」」」
「シローさん、スミレさん、昼食の後でトビーさんとセルマさんの特訓をリコマ山でしませんか?」
「サトル、何でリコマ山なんだ?」
「俺たちがシローさんたちに助けてもらったときもそうでしたが、あそこの山は魔物の数が多いから新人の訓練には最適かなと思ったのです」
「それと、俺たちのリベンジも兼ねてです」
「そうか、それならリコマ山の訓練もありだね」
昼食後、サトルの提案でシローは収納から転移門を出して再びリコマ山に転移してきたのだった。
「スミレさんはどう思う?」
「私は先にトビーさんとセルマさんの武器を作るべきだと思うわ」
「そうだね」
「サトルとクルミさんも今度は自分たちだけで専用の武器を作ろうか」
「シローさんの武器を見せてください」
「ああ、いいよ」
シローは重力サーベル風魔導銃をサトルに渡した。
「スミレさんも見せてください」
スミレさんはスタータクトを収納から出してクルミに見せた。
「スミレさんは普段使っている武器は両手杖でしたよね」
「そうよ、流石にスタータクトはこの世界では浮いてしまうので普段は両手杖を使っているのよ」
(話終わり)
------------------------------------
トビーさんとセルマの年齢を17歳に変更しました。
「サトル、そろそろ下の階に行かない?」
「クルミさん、そうしましょう」
4人は地下2階に続く階段を降りていった。
「トビーさん、他の冒険者がオークと戦っていますね」
「そうですね」
「サトルさん、オークって本当に豚の格好をしているのですね」
「俺、初めて見ました」
「トビーさん、セルマさん、浮かれていないで周囲の警戒をしてください」
「「はい」」
「サーチ」
セルマはクルミから教わった魔物探知の魔法を使った。
「クルミさん、入口近くにオークはいませんので」
「セルマさん、ありがとう」
「トビーさん、冒険者が使うロングソードだとやっぱり大振りになりますね」
「そうですね、但し一撃が決まると凄いですよね」
「本当だ、オークが頭から真っ二つに割れて消えました」
「トビーさん、オークが来るよ、ボーっと見とれていないで前を見て」
シュバッ、オークは倒れて肉の包みになった。
「ふう、危なかった」
「セルマさん、気をつけるようにするよ」
「クルミさん、ダンジョンだから直ぐに肉の包になりますね」
「サトル、ダンジョンなんだから当たり前でしょう」
「トビーさん、マジックバックにしまいましょう」
「そうだね」
「クルミさん、冒険者ギルドで受けた魔法の練習も無駄では無かったですね」
「サトル、オークが来るわよ」
バシュッ、今度はサトルが短剣で切ると、肉の包がまた出てきた。
「サトル、早く収納にしまわないと肉が消えちゃうよ」
「オーク肉ゲットだぜ~」
「サトル、気取ってポーズを決めても二人には全く受けていないよ」
「そうでしたね」
「クルミさん、この奥にセーフエリアがありますよ」
「サトル、休憩しましょう」
「はい」
4人はセーフエリアで一息ついた。サトルはセーフエリアで、創造で折りたたみ椅子を4つ作って座った。クルミは収納から水筒を取り出して、サトルに渡した。
「サトル、お昼はどうするの?」
「ここのセーフエリアで食事ですかね」
「サトルさん、クルミさん、よかったら携帯食料を食べませんか?」
「トビーさん、それはマジックバックですか?」
「そうですよ」
「使っている人を初めて見ました」
「トビーさん、携帯食料をもらっておいて悪いけど、味はそんなに美味しくないですね」
「そうですね、俺たちも食べるのが今日初めてです」
「えっ?」
「ひょっとしてマジックバックは誰かからもらったのですか?」
「はい、昨夜、頭の中に声がして宿屋の客室に置いてありました」
「クルミさん、どう思いますか?」
「サトル、トビーさんとセルマさんは私たちと同じ転生者かも知れないよ」
「そうかな~、それにしては二人の知識がこっちの世界の人に偏ったままだし……」
「じゃあ、今からキャンピングカーに戻りましょうよ」
「そうですね」
4人は転移門でキャンピングカーを停めていた場所に戻ってきた。
(精神体チェンジ完了、リブート完了)
(現在のステータスはラギュエルで参照可能)
「サトルさん、この馬車は何ですか?」
「神様からもらった馬無し馬車でキャンピングカーって言います」
「そうなんですか?」
「ラギュエル、二人のステータスを表示してくれ」
「了解しました、お二人の現在のステータスはこちらになります」
◇ ◇ ◇ ◇
【名前】トビー・シラサキ
【種族】人族
【年齢】17
【称号】
【スキル】
具現化、収納、
【LV】19
【MP】19000
【名前】セルマ・ユミオカ
【種族】人族
【年齢】17
【称号】
【スキル】
創薬、鑑定、AIクリスタル脳、AIクリスタル脳、
【LV】19
【MP】19000
◇ ◇ ◇ ◇
「よっ、サトル、元気でやっていたか?」
「シローさん、ティーチ市から帰ってきたのですか?」
「そうだよ」
「えっ、じゃぁ、一昨日からいなかったのは本当に行っていたのですか?」
「そうだよ」
「トビーさん、セルマさん、はじめまして、サトルとクルミの師匠のシローとスミレです」
「シローさん、スミレさん、はじめまして、トビーとセルマです」
「トビーさんとセルマさんは、急で申し訳ないが日本からの転生者だよね」
「はい、まだ記憶が曖昧な部分がありますが、二人とも高校生でした」
「俺の元の名前は白崎飛雄です」
「私の元の名前は弓岡瀬理菜です」
「皆さん、聞いて下さい」
「今回のトビーさんとセルマさんはサトルさんとクルミさんが先生役になって二人を指導するようにゼウス様とヘーラ様が仕組まれた予備実験だったのです」
「最初はシローさんとスミレさんが認識阻害のペンダントをかけて、生徒役としてトビーさんとセルマさんになっていましたが、先ほど、ようやく新しい霊魂が見つかったのでトビーさんとセルマさんの魂を新しい体に定着させたのです」
「ふ~ん、クルミさん、知っていましたか?」
「そうね、最初に出会った時に少しセルマさんの態度とか仕草がスミレさんの仕草に少し似ていたわ」
「俺はトビーさんを見ていてもシローさんとは全然気付かなかったです」
「そうだろうね、俺たちも能力を封じられていたし、完全にこっちの世界の知識だけで喋っていたよ」
「あっ、それで何か違和感があったんだ~」
サトルは一人で納得をしていた。
「お昼はオーク肉の豚汁と生姜焼きよ」
「「「「「いただきま~す」」」」」
「シローさん、スミレさん、昼食の後でトビーさんとセルマさんの特訓をリコマ山でしませんか?」
「サトル、何でリコマ山なんだ?」
「俺たちがシローさんたちに助けてもらったときもそうでしたが、あそこの山は魔物の数が多いから新人の訓練には最適かなと思ったのです」
「それと、俺たちのリベンジも兼ねてです」
「そうか、それならリコマ山の訓練もありだね」
昼食後、サトルの提案でシローは収納から転移門を出して再びリコマ山に転移してきたのだった。
「スミレさんはどう思う?」
「私は先にトビーさんとセルマさんの武器を作るべきだと思うわ」
「そうだね」
「サトルとクルミさんも今度は自分たちだけで専用の武器を作ろうか」
「シローさんの武器を見せてください」
「ああ、いいよ」
シローは重力サーベル風魔導銃をサトルに渡した。
「スミレさんも見せてください」
スミレさんはスタータクトを収納から出してクルミに見せた。
「スミレさんは普段使っている武器は両手杖でしたよね」
「そうよ、流石にスタータクトはこの世界では浮いてしまうので普段は両手杖を使っているのよ」
(話終わり)
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トビーさんとセルマの年齢を17歳に変更しました。
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