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第5章
5-8 武器の拘り
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「ゴーホーム」
ナトホカ市内での楽しい買い物を終えて、4人はログハウスに一瞬で戻ってきた。夕方近くになって再びログハウスは大空へとゆっくり上昇を開始した。
ポーン、目的地までは1492キロ、約3時間のフライトです。
スミレさんとカナエさんはキッチンで買ってきたタラバガニを茹で蟹とカニコロッケを作っていた。
シローとサキヒコはリビングでくつろぎながら、シローが収納から重力サーベル風魔導銃を出してサキヒコに武器を作るようにレクチャをしていたのだった。
「サキヒコ、そろそろ新しい武器を作ってみないか?」
「そう言えば、俺の武器はシローさんに最初にもらった短剣型魔導銃だけでしたね」
「そうだったよね」
シローは、しばらく考える素振りをして、念話でミカエルにサキヒコの深層心理を分析させ武器を最適化させるように指示をだした。
(シローさん、サキヒコさんの深層心理の分析が終わりました。武器はL96A1狙撃銃です)
(了解、データの準備を頼む)
「サキヒコ、剣よりもライフルを作ってみようか?」
「えっ、狙撃銃ですか?」
「そうだよ、サキヒコはたぶん銃のほうがイメージに合っているのかなって思ったんだ。たった今ミカエルからアドバイスがあったんだよ」
「シローさん、そうなんです。俺は引き籠もっていたけどモデルガンだけは拘りがあって狙撃銃が一番好きだったのです」
「サキヒコ、漫画に出てくる葉巻のおっさんが使うアサルトライフルか?」
「違います、俺が信頼しているのはボルトアクションの狙撃銃なんです」
「ふ~ん、旧日本軍の歩兵銃のようなものなのか?」
「近いですね、97式狙撃銃も好きでした」
「サキヒコ、ミカエルに指示を出して直ぐに作ってもらえ」
「今のサキヒコのレベルなら、カナエさんの補給が無くても一人で出来るよ」
「はい!!」
「サキヒコさん、L96A1狙撃銃のボルトアクションは形だけを残しています。実際に弾込めはしないので雰囲気だけになりますがよろしいでしょうか?」
「ミカエル、それで進めてくれ」
「了解しました。データ共有開始」
「うぉ~、出来た」
「カナエ、俺が欲しかった銃だ」
サキヒコは銃を高々と上げて喜びを表現していた。
「サキヒコさん、良かったね」
「うん、カナエありがとう」
「シローさん、もらった短剣型魔導銃も改造していいですか?」
「ああ、好きなように改造すればいいよ」
「ミカエル、ルガーp08の12インチモデルを転送してくれ」
「了解しました。ルガーp08の12インチモデルのデータ共有開始」
「うぉ~、やった~」
「サキヒコ、ホルスターはいいのか?」
「シローさん、ホルスターの具現化はもう終わっています」
「この木のホルスターが、こうやって肩当てにもなるし、ホルスターにも使えるのです」
サキヒコはシローに嬉しそうにルガーp08の説明をした。
「サキヒコは本当に銃にこだわりがあるんだね」
「ハイ、そうです」
「シローさん、サキヒコさん、ご飯よ~」
「「は~い」」
「スミレさん、このタラバガニはあたりだね」
「そうよ、お肉プリプリよ」
「サキヒコさん、カニコロッケ美味しいでしょ」
「カナエ、美味しいね」
「明日は飛空石の採取とアダマンタイトの採取だね」
「そうですね、早く狙撃銃を打ちたいです」
「そう言えば、カナエさんの武器はどうするかな?」
「スミレさんって、魔女の杖でしたよね」
「そうだけど、シローさんにおだてられて最初の頃はスタータクトを使っていたわね」
スミレさんは収納からスタータクトを出してちょっと恥ずかしそうだった。
「スミレさん、かっこいいですよ」
「私は……」
「シローさん、カナエが使っていたのはこれです」
「ミカエル、UZI SMGに木製ストックを付けてくれ」
「了解しました。UZI SMGに木製ストックモデルのデータ共有開始」
「サキヒコさん、ありがとう」
「スミレさん、カナエも俺の影響でアニメを見ていましたから」
「あ~、そういうことね」
スミレさんは直ぐに理解をした。
「そうだ、スミレさんのスタータクトも改造をしようよ」
「そうね、シローさんがビデオで見ていた金髪女性が使っていた。戦士の銃に作り変えてもらいましょうか」
「スミレさん、いいの?」
「俺的にはその姉が使っていた重力サーベル風魔導銃も捨てがたいけど」
「シローさん、重力サーベル風魔導銃を私の体に合わせて作り変えて」
「ミカエル、スミレさんのスタータクトを重力サーベル風魔導銃に変更、寸法はスミレさんの身長に合わせて少しだけ短く」
「了解しました。重力サーベル風魔導銃の再構築」
シローとスミレの重力サーベル風魔導銃はサキヒコが狙撃銃を作ったのでミカエルが再構築を行い、出力はレベルに応じて大幅にアップし、竜種の魔物にも対応できるようになった。
「シローさんとスミレさんの重力サーベル風魔導銃ってかっこいいですね」
こうして和やかに夕食が終わりログハウスはキーナ国とモンゴリア国の国境の上空に差し掛かっていた。
プープープー、プープープー、プープープー、まもなくワイバーンの群れと邂逅します。ログハウスはワイバーンの飛行速度に合わせて減速と下降をした。
「サキヒコ、デッキに出てワイバーンを迎撃」
「シローさん、了解っす」
「スミレさんとカナエさんは後方支援お願いします」
「わかったわ、気をつけて」
「サキヒコ、小さいけど頭を狙えるか?」
「スコープがあるので大丈夫です」
カチャ、バシュッ、カチャ、バシュッ、ギョエー、ギョエー、ギョエー、ギョエー
「ヒロシさん、ワイバーンの収納お願いします」
「了解」
カチャ、バシュッ、カチャ、バシュッ、カチャ、バシュッ、ギョエー、ギョエー、ギョエー、ギョエー、ギョエー、ギョエー、残り三羽のワイバーンはサキヒコに頭を撃ち抜かれて墜落していった。
「ふう~、ワイバーンは全部収納したよ」
「サキヒコ、お疲れ」
「シローさんもお疲れ様です」
ポーン、ポーン、ポーン、周辺空域の安全確認完了、これより通常速度に戻ります。その後、ログハウスは順調に飛行を続け、モンゴリア国の鉱山がある場所で上空待機していた。
「シローさん、この銃は凄いです。何もしなくてもワイバーンの頭に100%命中でした」
「サキヒコ、ミカエルが最適化のやり過ぎたかも知れないね」
「そうですね」
「それと、弾の貫通力です」
「それはサキヒコの魔力が上がったから最適化の恩恵だと思うよ」
「そんなもんですかね」
「たぶん、ログハウスが完成したら、カナエさんとダンジョン最下層で魔物と戦えば自分がいかに無双かわかると思うけどね」
「俺もそう思います。もう一般の冒険者とは比べ物にならないと思っています」
(話終わり)
-------------------------------------
飛行速度の考察:
ワイバーンの飛行速度ですが……作中のワイバーンは時速200km/hから時速300km/hで飛ぶと仮にしておきます。ワイバーンの飛行高度は高度2000mから高度3000mで飛ぶと仮にしておきます。
ちなみに主人公たちが移動に使っているキャンピングカーとログハウスは時速500km/hで飛行します。
飛行高度は高度3000mで飛ぶと仮にしておきます。旅客機の圧力隔壁は持っていないので代わりに魔法障壁(作中では絶対防御5重)が張られているので外部からの不意の攻撃にも耐えます。
ナトホカ市内での楽しい買い物を終えて、4人はログハウスに一瞬で戻ってきた。夕方近くになって再びログハウスは大空へとゆっくり上昇を開始した。
ポーン、目的地までは1492キロ、約3時間のフライトです。
スミレさんとカナエさんはキッチンで買ってきたタラバガニを茹で蟹とカニコロッケを作っていた。
シローとサキヒコはリビングでくつろぎながら、シローが収納から重力サーベル風魔導銃を出してサキヒコに武器を作るようにレクチャをしていたのだった。
「サキヒコ、そろそろ新しい武器を作ってみないか?」
「そう言えば、俺の武器はシローさんに最初にもらった短剣型魔導銃だけでしたね」
「そうだったよね」
シローは、しばらく考える素振りをして、念話でミカエルにサキヒコの深層心理を分析させ武器を最適化させるように指示をだした。
(シローさん、サキヒコさんの深層心理の分析が終わりました。武器はL96A1狙撃銃です)
(了解、データの準備を頼む)
「サキヒコ、剣よりもライフルを作ってみようか?」
「えっ、狙撃銃ですか?」
「そうだよ、サキヒコはたぶん銃のほうがイメージに合っているのかなって思ったんだ。たった今ミカエルからアドバイスがあったんだよ」
「シローさん、そうなんです。俺は引き籠もっていたけどモデルガンだけは拘りがあって狙撃銃が一番好きだったのです」
「サキヒコ、漫画に出てくる葉巻のおっさんが使うアサルトライフルか?」
「違います、俺が信頼しているのはボルトアクションの狙撃銃なんです」
「ふ~ん、旧日本軍の歩兵銃のようなものなのか?」
「近いですね、97式狙撃銃も好きでした」
「サキヒコ、ミカエルに指示を出して直ぐに作ってもらえ」
「今のサキヒコのレベルなら、カナエさんの補給が無くても一人で出来るよ」
「はい!!」
「サキヒコさん、L96A1狙撃銃のボルトアクションは形だけを残しています。実際に弾込めはしないので雰囲気だけになりますがよろしいでしょうか?」
「ミカエル、それで進めてくれ」
「了解しました。データ共有開始」
「うぉ~、出来た」
「カナエ、俺が欲しかった銃だ」
サキヒコは銃を高々と上げて喜びを表現していた。
「サキヒコさん、良かったね」
「うん、カナエありがとう」
「シローさん、もらった短剣型魔導銃も改造していいですか?」
「ああ、好きなように改造すればいいよ」
「ミカエル、ルガーp08の12インチモデルを転送してくれ」
「了解しました。ルガーp08の12インチモデルのデータ共有開始」
「うぉ~、やった~」
「サキヒコ、ホルスターはいいのか?」
「シローさん、ホルスターの具現化はもう終わっています」
「この木のホルスターが、こうやって肩当てにもなるし、ホルスターにも使えるのです」
サキヒコはシローに嬉しそうにルガーp08の説明をした。
「サキヒコは本当に銃にこだわりがあるんだね」
「ハイ、そうです」
「シローさん、サキヒコさん、ご飯よ~」
「「は~い」」
「スミレさん、このタラバガニはあたりだね」
「そうよ、お肉プリプリよ」
「サキヒコさん、カニコロッケ美味しいでしょ」
「カナエ、美味しいね」
「明日は飛空石の採取とアダマンタイトの採取だね」
「そうですね、早く狙撃銃を打ちたいです」
「そう言えば、カナエさんの武器はどうするかな?」
「スミレさんって、魔女の杖でしたよね」
「そうだけど、シローさんにおだてられて最初の頃はスタータクトを使っていたわね」
スミレさんは収納からスタータクトを出してちょっと恥ずかしそうだった。
「スミレさん、かっこいいですよ」
「私は……」
「シローさん、カナエが使っていたのはこれです」
「ミカエル、UZI SMGに木製ストックを付けてくれ」
「了解しました。UZI SMGに木製ストックモデルのデータ共有開始」
「サキヒコさん、ありがとう」
「スミレさん、カナエも俺の影響でアニメを見ていましたから」
「あ~、そういうことね」
スミレさんは直ぐに理解をした。
「そうだ、スミレさんのスタータクトも改造をしようよ」
「そうね、シローさんがビデオで見ていた金髪女性が使っていた。戦士の銃に作り変えてもらいましょうか」
「スミレさん、いいの?」
「俺的にはその姉が使っていた重力サーベル風魔導銃も捨てがたいけど」
「シローさん、重力サーベル風魔導銃を私の体に合わせて作り変えて」
「ミカエル、スミレさんのスタータクトを重力サーベル風魔導銃に変更、寸法はスミレさんの身長に合わせて少しだけ短く」
「了解しました。重力サーベル風魔導銃の再構築」
シローとスミレの重力サーベル風魔導銃はサキヒコが狙撃銃を作ったのでミカエルが再構築を行い、出力はレベルに応じて大幅にアップし、竜種の魔物にも対応できるようになった。
「シローさんとスミレさんの重力サーベル風魔導銃ってかっこいいですね」
こうして和やかに夕食が終わりログハウスはキーナ国とモンゴリア国の国境の上空に差し掛かっていた。
プープープー、プープープー、プープープー、まもなくワイバーンの群れと邂逅します。ログハウスはワイバーンの飛行速度に合わせて減速と下降をした。
「サキヒコ、デッキに出てワイバーンを迎撃」
「シローさん、了解っす」
「スミレさんとカナエさんは後方支援お願いします」
「わかったわ、気をつけて」
「サキヒコ、小さいけど頭を狙えるか?」
「スコープがあるので大丈夫です」
カチャ、バシュッ、カチャ、バシュッ、ギョエー、ギョエー、ギョエー、ギョエー
「ヒロシさん、ワイバーンの収納お願いします」
「了解」
カチャ、バシュッ、カチャ、バシュッ、カチャ、バシュッ、ギョエー、ギョエー、ギョエー、ギョエー、ギョエー、ギョエー、残り三羽のワイバーンはサキヒコに頭を撃ち抜かれて墜落していった。
「ふう~、ワイバーンは全部収納したよ」
「サキヒコ、お疲れ」
「シローさんもお疲れ様です」
ポーン、ポーン、ポーン、周辺空域の安全確認完了、これより通常速度に戻ります。その後、ログハウスは順調に飛行を続け、モンゴリア国の鉱山がある場所で上空待機していた。
「シローさん、この銃は凄いです。何もしなくてもワイバーンの頭に100%命中でした」
「サキヒコ、ミカエルが最適化のやり過ぎたかも知れないね」
「そうですね」
「それと、弾の貫通力です」
「それはサキヒコの魔力が上がったから最適化の恩恵だと思うよ」
「そんなもんですかね」
「たぶん、ログハウスが完成したら、カナエさんとダンジョン最下層で魔物と戦えば自分がいかに無双かわかると思うけどね」
「俺もそう思います。もう一般の冒険者とは比べ物にならないと思っています」
(話終わり)
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飛行速度の考察:
ワイバーンの飛行速度ですが……作中のワイバーンは時速200km/hから時速300km/hで飛ぶと仮にしておきます。ワイバーンの飛行高度は高度2000mから高度3000mで飛ぶと仮にしておきます。
ちなみに主人公たちが移動に使っているキャンピングカーとログハウスは時速500km/hで飛行します。
飛行高度は高度3000mで飛ぶと仮にしておきます。旅客機の圧力隔壁は持っていないので代わりに魔法障壁(作中では絶対防御5重)が張られているので外部からの不意の攻撃にも耐えます。
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