改訂版 勇者と聖女の育成請け負います_みんなで育てれば怖くないね

にしのみつてる

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第5章

5-6 ドローンを作ってみないか?

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「サキヒコ、せっかくだから今からドローンを作ってみないか?」

「えっ、ドローンを作るんスか?」

「そうだよ」
「ドローンで上空からオーガの城を偵察をさせて、そこに魔法を付与した弾を打ち込む作戦さ」

「すごいですね」
 サキヒコは最初は突拍子も無いシローの案に戸惑いを見せたが、シローから話を聞いて納得したのだった。


「サキヒコ、先ずは賢者に聞いて、カナエさんと一緒にドローンのイメージを膨らませて具現化するんだ」
「ドローンの画像はタブレットとリンクする事を忘れないでね、それとドローンの自動操縦もだ」



「了解っす、カナエさん、手伝ってね」
「ええ、サキヒコさん、握るわよ」

「賢者、最新型の自動操縦のドローンを表示して」
「それから、ランチャーも表示して」

 カナエは、サキヒコのペニスを優しく握ってしごきながら魔素の注入をしてくれた。やがて、ミカエルの手助けもあって自動操縦のドローンドローンは直ぐに具現化出来たのと、4連ランチャーも直ぐに出来上がってきた。

「サキヒコ、上出来だ」

「シローさん、この石は何ですか?
「魔石だよ」
 シローは収納からこぶし大の魔石を4つ取り出してサキヒコに渡した。

「魔石は作った武器に魔法を付与するときに必要になるのさ」
「へえ~、そうなんですか」

「サキヒコ、魔石を一旦収納にしまって、サンダーボルトを付与した弾を作るんだ」

「シローさん、了解っす」
 サキヒコはシローからもらった魔石を具現化して、サンダーボルトを付与した弾を全部で4発が出来上がってきた。サキヒコは出来上がったサンダーボルトを付与した弾を再び収納にしまった。

「さぁ、皆んなで夕飯を食べましょうよ」
「そうだね」

「「は~い」」

「今夜は、この飲み物よ」
「ピーチワインですか?」
「ピーチスパークリングワインよ」
「へえ~」

「スミレさん、美味しかったです」
「私もお腹いっぱいです」
 スミレさんのお好み焼きはシンプルだけど、美味しかったので二人には好評だった。

「明日は少し遅めの出発だから、ゆっくりやすみましょう」
「おやすみなさい」

 ◇ ◇ ◇ ◇

 翌朝、シローはキャンピングテーブルを出して、スミレさんの朝食の準備を手伝っていた。
「スミレさん、そろそろサキヒコたちを起こしたほうがいいんじゃないか?」
「そうね」

「サキヒコ、カナエさん おはよう、朝ごはんだよ」
 スミレさんの朝食メニューは、ご飯と味噌汁に目玉焼きのシンプルなメニューだった。

「いただきます」

「シローさん、卵かけご飯にしていいっすか?」
「卵に洗浄魔法をかけてあるから大丈夫だよ」

「何か、こっちの世界で久しぶりに白ごはんを食べたので何だか食べたくなったのです」

「スミレさん、ご飯って、どうやって炊いたのですか?」
「うちは、この炊飯器よ」
 スミレさんはシローが具現化で作った炊飯器を見せた。

「えっ、炊飯器って?」
「シローさんが具現化で作ったのよ、カナエさんも後で作ってあげるわね」
「スミレさん、お願いします」

「ごちそうさま、サキヒコ、ドローンの練習をしようよ」
「はい、シローさん」

 サキヒコが作ったドローンは全く練習をしなくてもタブレットで位置を指定すれば、自動操縦で勝手に飛んでいった。映像の転送も問題なく出来たのでオーガの城には直ぐにでも攻撃は可能だった。

「サキヒコさん、スミレさんが炊飯器を作ってくれたわよ」
「カナエさん、良かったね」
「うん」

「じゃあ、皆んなでオーガ退治に行こうか」
 オーガの城はキャンピングカーで10分も走れば到着した。シローとサキヒコは、ドローンを飛ばして城全体の様子とオーガのおおよそ個体数を把握したのだった。

「ミカエル、オーガの数はおよそ何体だ」
「オーガは全部で200体はいると思われます。サンダーボルトを付与した弾を4発全てを順番に打ち込んで下さい」

「サキヒコ、念のため、短剣型魔導銃を用意しておいた方がいいと思うよ」

「シローさん、何でですか?」
「こういう時は雷に打たれ強いオーガキングが絶対に生き残ると思うんだ」
「そうなんですね」

 サキヒコは4連ランチャーを構えて、サンダーボルトを付与した弾を全て装填した。
 バシューン、バリーン、ピシャーン、ウガー、ウゴー
 一発目でオーガの城は大混乱に陥っていた、続いて2発目、すかさず3発目を打ち込んだ。そして最後の4発目を打ち込んだ。

 バシューン、バシューン、バリーン、バリーン、ピシャーン、ピシャーン、ウガー、ウゴー、ウガー、ウゴー
 煙が静まり返って、画面を見ているが、赤い点は何も表示されていなかった。

「賢者、オーガは全て倒したのか?」
「そのようです、魔物反応はゼロです」

「じゃぁ、城の内部に入ってみようよ」
「スミレさんと、カナエさんはここで画面を見ていて下さい」
「ええ、気を付けてね」

「サキヒコ、結構グロいな」
「ええ、どうしますか?」

「収納でオーガは全て持って帰るから、『オーガ収納』と唱えてみて」

「オーガ収納」
 オーガは全てサキヒコの収納にしまわれた。

「サキヒコ、あそこを見てみろよ」
「あっ、金の山ですね」

「オーガは市内に降りていっては金を盗んでいたと思うよ。触らずに、先にギルドに報告しようよ」
「はい、そうしましょう」

 ◇ ◇ ◇ ◇
 サキヒコは転移門を出して冒険者ギルドに戻ってきた。


「サキヒコさん、お早うございます」
「今からオーガー退治に行かれるのですか?」

「いえ、城のオーガは全て片付けてきました」

「えっ、もう討伐が終わったのですか?」
「はい、そうです」

「ギルマス、大変です、サキヒコさんが……」
 バタバタバタ,受付のお姉さんは慌てて2階に上がっていきギルドマスターを呼びに行った。他の冒険者たちは何事かわからないらしくざわついていた。

 代わりの受け付けのお姉さんが2階の応接室に4人を案内してくれた。

「サキヒコ、オーガ城はどうしたんだ?」
「はい、極大雷魔法で全て倒しました」
 サキヒコとシローは討伐方法を予め打ち合わせしておいたので、二人が極大雷魔法を打ってオーガーを倒したことにしたのだ。

「はぁ!!」
「ひょっとして、お前たち、城のオーガを全て持ってきているのか?」
「ハイ、およそ、200体有りますがどうしますか?」

「あちゃー」
 サキヒコとシローが収納から200体のオーガーを全て出したので倉庫は黒焦げになったオーガの山で埋まっていた。解体職員は大慌てでオーガーを数えだした。

「それから、盗まれた金が有っただろう」
「はい、金はそのままにしていますので、今から確認されますか?」
「ああ、すぐに行くよ」

「お前たち、このドアはどうしたんだ?」
 サキヒコが冒険者ギルドの倉庫に設置した転移門を指さしてギルドマスターと解体職員は驚いていた。


「転移門です」
「神様から下賜された魔道具になります。ドアを開けるとオーガの城と結ばれています」

「お前たち、ロストギアを使っているのか」

 ギルマスは、ドアを開けてオーガの城に盗まれた金が有ることを確認した。副ギルドマスターが直ぐに領主に連絡に行き、搬出部隊をが結成された。

「それにしても、サキヒコは規格外だな、もっとも先生役のシローさんはもっと規格外だな」
「領主から、今回のオーガ討伐の報奨金が出るので、1週間後に来てくれ」


「お前たち、これからどうするんだ?」

「はい、しばらくはダンジョンに潜るか、他の魔物退治に行くかも知れません
「その時は買い取りをお願いします」

「ああ、楽しみに待っているよ」
「では、1週間後に伺います」

 サキヒコはオーガー200体の預り証をギルド受付職員からもらったのだった。

(話終わり)

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 4連ランチャー:M202 FLASHロケットランチャー。地球の大手通販サイトで売られているおもちゃを参考にミカエルが最適化した武器

 ※全ての作品に登場する武器データは勇者・聖女が使う武器として神界のサーバー(テオスシステム)で管理されている

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